« 「第二十五話」 | トップページ | 「第二十七話」 »

2006年12月13日 (水)

「第二十六話」

「ゲンさん!」
「おぉ!シゲさん!腰の具合はどうでぇ?」
「だいぶ良くなってきとるよ。ゲンさんの方こそ、肩の具合は良くなったのかい?」
「良くなったんだか良くなってないんだか。よく分かんねぇな。まあ、毎年の事だからな。ところでシゲさん。あっちの方はどうなんでぇ?」
「それなんじゃがな・・・・・・・・・。」
「なんでぇ?あんまし良くねぇのか?」
「その逆なんじゃ。今年はえらい豊作なんじゃよ!」
「なに!シゲさんとこもか!」
「ゲンさんとこもなのかい?こりゃあ今年は、やり甲斐があるのぅ。」
「まったくでぇ!ところでシゲさん!いい具合に太ったんじゃねぇか?」
「ゲンさん。あんたが言うと嫌みに聞こえるよ?ゲンさんには負けるよ。お腹も髭も。」
「いやいやいや。わしだって村長に比べたら赤子も同然よ。」
「あの人は、わしらの鏡じゃからな。」
「違いねぇ。あの人がいなかったら、この村は成り立たなかったからな。」
「それよりゲンさん。たっつぁんの事、聞いとるかい?」
「なんでぇ?たっつぁんがどうかしたのか?」
「どうやら一頭逃げたらしいんじゃよ。」
「あんだってぇ!?たっつぁんもツイてねぇなぁ。去年は、風邪で参加出来なかったってのに今年もかぁ。」
「どうやらそうでもないらしいんじゃよ。」
「たっつぁんの奴!無理矢理にでも参加する気なのか!?やめとけやめとけ。一頭いねぇだけでもだいぶ違うんだぞ?下手したら振り落とされて怪我しちまう!」
「そうじゃないんじゃよゲンさん。今年から役場が貸し出しを行うそうなんじゃ。」
「なに?やっとやるってぇのか!わしら何年も前から言ってたんだぞ!」
「まあまあ、ゲンさんそう熱くならんで、ええじゃないか。これでたっつぁんも今年は参加出来るんじゃから。」
「シゲさんは、甘過ぎるんだよ!もっと早くに役場は、貸し出しを行うべきだったんだ!今年の行事が終わったら文句の一つでも言ってやんねぇとな!そうでもしねぇとわしの腹の虫がおさまんねぇよ!」
「相変わらずじゃなゲンさん。そうじゃ!風邪で思い出したんじゃがな。」
「ん?」
「今年は、クマハチの奴がひきおったみたいじゃ。」
「クマハチが!?あの馬鹿!あれほどわしが体調管理には気を付けろと、口を酸っぺくして言っておいたってのに!何をやってやがるんだ!」
「だから、午後一番で編成についての集会があるんじゃよ。」
「なんでぇシゲさん。それを伝えに来たのか!」
「うっかり話が脱線してしまったようじゃな。ほぉっほぉっほぉっほぉっほぉっ。」
「相変わらずはどっちでぇシゲさん。ほぉっほぉっほぉっほぉっほぉっ。」
「じゃあ、ゲンさん。わしは、あとジロウさんとがんちゃんとサクゾウとコウノスケにこの事を伝えに行かなきゃならんからこの辺で。」
「あっ!シゲさん!」
「なんじゃ?」
「コウノスケのとこには、わしが行くよ。」
「ええのか?」
「あのやろうときたら、三日前に収穫用の袋を借りに来たまんま、返すのをすっかり忘れてやがるからよ。取りに行くついでに伝えとくよ。」
「コウノスケも相変わらず忘れっぽいのぅ。あれは、忘れっぽいんじゃなくて単に自分勝手で図々しいだけか。ほぉっほぉっほぉっほぉっほぉっ。」
「笑い事じゃねぇよシゲさん!」
「すまんすまん。」
「あれがねぇとせっかく豊作に実った玩具も収穫出来ねぇんだからよ。」
「収穫が終わったらそろそろじゃな。今日あたり、わしもソリの最終調整に取り掛かるとするかのぅ。」
「何を言ってやがるんでぇシゲさん!あんた、毎日ソリと睨めっこじゃねぇか!ほぉっほぉっほぉっほぉっほぉっ。」
「ゲンさんも人が悪いのぅ。見とったんなら声を掛けてくれればええじゃないか。」
「楽しそうに手入れをしてたもんだからついつい。ほぉっほぉっほぉっほぉっほぉっ。」
「のぅゲンさん?」
「ん?」
「今年もええクリスマスにせんとな。」
「あったりめぇよ!今から子供達の喜ぶ顔が目に浮かぶってもんよ!」
「そうじゃなぁ。わしらは、あの笑顔を見るために頑張っとるようなもんじゃからな。じゃあ、ゲンさん。またあとで。」
「おう。トナカイに襲われんなよ!」
「ゲンさん?いくらなんでも、まだまだわしだってトナカイなんぞに負けはせんよ!ほぉっほぉっほぉっほぉっほぉっ。」
「ほぉっほぉっほぉっほぉっほぉっ。じゃあ、シゲさん。午後の集会で・・・・・・・・・。さてと、これから忙しくなってきやがるぞ!ほぉっほぉっほぉっほぉっほぉっ。」

第二十六話
「さんたくろーす村」

|

« 「第二十五話」 | トップページ | 「第二十七話」 »

コメント

高齢化社会のハシリみたいな村なんでしょうね!
玩具の成る木欲しいにゃん
クリスマスプレゼントに下さい

投稿: にゃん吉 | 2006年12月15日 (金) 11時34分

僕も欲しいです。
玩具のなる木が・・・・・・
しかし栽培方法は
秘密に包まれているようです。
よいクリスマスをすごして下さい。
コメントありがとうございました。

投稿: PYN | 2006年12月16日 (土) 01時16分

三太のサンタもいるんでしょうか。
うちはコウノスケサンタに来てもらいたいです!
手とか震えてそうですね(^^)

投稿: chyboo | 2006年12月16日 (土) 09時33分

三太サンタもいるかもしれませんね。
なんせこの村は所在地が不明なもので・・・
編成前はコウノスケはヨーロッパに配りに行く予定みたいでしたが・・・
どうなったのでしょう?
コメントありがとうございました。

投稿: PYN | 2006年12月16日 (土) 15時14分

私は村長さんがいいなぁ~♪

投稿: yotan | 2006年12月22日 (金) 02時59分

村長さんは
みんながいなくなった村を
守らなければいけないらしいので
残念ですが来られません。
でも今年はクマハチのかわりに
プレゼントを配るかもしれませんね。
コメントありがとうございました。

投稿: PYN | 2006年12月22日 (金) 19時40分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/121942/4489909

この記事へのトラックバック一覧です: 「第二十六話」:

« 「第二十五話」 | トップページ | 「第二十七話」 »