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2007年1月

2007年1月 3日 (水)

「第二十九話」

 僕が学校帰りにたて笛を吹きながら歩いていると、大きな緑色のドラゴンが道を塞いでいた。
「どいて!」
僕は、寝ているドラゴンに向かって言った。
「・・・・・・・・・・・・・・・。」
ドラゴンは、何も言わなかった。目を片方開けて僕を見たけど、何も言わなかった。そしてまた、目を閉じて寝てしまった。
「こんなとこに寝てたら邪魔じゃないか!!」
僕は、さっきよりも大きな声で寝ているドラゴンに向かって言った。
「・・・・・・・・・・・・・・・。」
やっぱりドラゴンは、何も言わなかった。大きなあくびをしたけど、何も言わなかった。その時一瞬、火が出た事には驚いたけど、そんな僕の姿なんか見ようともせず、ドラゴンは寝ていた。
「どいてよ!!」
「ベシッ!」
僕は、のの字に曲がったドラゴンの尻尾をランドセルから抜き出した30センチ物差しでおもいっきり叩いた。
「ギロッ!」
ドラゴンは、閉じていた両目を大きく開けて僕を睨み付けた。
「ギロッ!」
僕もドラゴンの事を睨み付けた。
「エーン、エーン、エーン、エーン。」
そしたらドラゴンが急に泣き出した。僕は、一瞬何が起こったのか分からなかったけど、それでもドラゴンを睨み付けていた。
「グスン・・・・・・なん・・・・・・なんでみんな・・・・・・ぼっぼっ・・・・・・僕の事を邪魔者扱いするんだ!」
そして、ドラゴンは震えた大きな声で僕に向かって言った。
「えっ!?」
僕は、ドラゴンの迫力と涙に驚いた。
「ズズズー!ぼく・・・・・・僕は、ただ寝ているだけじゃ・・・・・・ないか!」
鼻を啜りドラゴンが言った。
「・・・・・・・・・・・・・・・。」
僕は、黙ってドラゴンの言ってる事を聞いていた。
「おじいざんぼおばあざんぼ・・・・・・おじざんぼおばざんぼ・・・・・・おにいざんぼおねえざんぼ・・・・・・びんなびんなぼぐを・・・・・・ぼぐを・・・・・・ヒック、ヒック。」
ドラゴンの顔は、グシャグシャになってた。そして、ドラゴンは大きく一回深呼吸をした。
「ねぇ?僕はいったいどこで寝たらいいの?」
ドラゴンは、真っ赤な目で僕を見た。
「分からないよ。分からないけど・・・・・・きっとここで寝ちゃいけないんだよ。ここは、みんなの道なんだからさ。みんなが通る道なんだからさ。君だけの道じゃないんだからさ。だから・・・・・・ここで寝てちゃいけないんだよ!」
ってドラゴンに言おうと思ったけどやめた。ちょっと遠回りだけど、僕は空き地の方から帰る事にした。
「じゃあね。」
僕は、ドラゴンにさよならして歩き出した。また、たて笛を吹きながら歩き出した。すると僕の後ろからドラゴンの声が聞こえた。
「ありがとう!」
って声が聞こえた。

第二十九話
「少年とたて笛
      ドラゴンと道」

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2007年1月10日 (水)

「第三十話」

 私は思った。こんな天気のいい日は、自慢の愛車に乗り込み優雅に当てのないドライブを楽しもうと。それは、日頃のストレスや日常生活から開放されるためでもあった。そして、気分転換は私が仕事を円滑に進めていくには、何よりも必要不可欠なものであったからだ。私がまず、やらなければならない事と言ったら、自慢の愛車にガソリンと言う名の食事をとらせてやらなければならない事だった。昔からよく言うじゃないか。「腹が減っては戦はできぬ。」とな。そう言う訳で私は、さっきっからガソリンスタンドを探している。
「ん?あそこに入るとするか。」
タイミングよく目の前にガソリンスタンドがあったので、そこで自慢の愛車に少し遅めの朝食をとらせる事にした。ガソリンスタンドの入口に差し掛かると、自慢の愛車を誘導する男の誘導通りに、私は正確かつ的確に自慢の愛車を動かし停止させると
「ウィーン。」
自慢の窓を開けた。
「いらっしゃいませ!」
元気よく誘導していた男が声を掛けてきた。よく見ると胸のところには、責任者と書かれたバッチを付けていた。どうやらこの背の高い痩せ男がこのガソリンスタンドの責任者らしい。
「ビチャビチャですか?カチカチですか?」
ん?私は、一瞬自分の耳を疑った。この男は、いったい何を言っているのだ?そして、いったい何を伝えたいのだ?
「今なんて?」
「ビチャビチャですか?カチカチですか?」
やはり同じ事を言っている。ビチャビチャ?カチカチ?なんだそれは?なんなんだそれは?何語なんだ?普通ガソリンと言ったらレギュラーかハイオクではないのか?新たな表現なのか?表現方法なのか?
「ハイオクを頼む。」
「カチカチですね。」
ビチャビチャはレギュラー。カチカチはハイオク。と言う訳か・・・・・・。おかしなガソリンスタンドに来てしまったものだ。
「お支払いは、現金ですか?カードですか?」
「現金で頼む。」
どうでもいい事なのだが、私はカードを持たない主義なのだよ。
「窓は、お拭きしてもよろしいですか?」
「ああ、頼むよ。」
昨夜の大雨ですっかり自慢の愛車が汚れてしまってい
「カチカチうんこ入りまーす!」
うんこ!?うんこと言ったのか?今、この男は大声でうんこと言ったのか?
「ちょっと君!」
「はい?」
「君は、今なんと言ったのだね?」
「カチカチうんこ入りますと。」
やはり残念ながら私の聞き間違いではなかったようだ。だが、うんこと言った事を確かめた上で、私は尚もこの男の言っている事が理解出来ない。
「うんこと言うのは、この場合ガソリンの事を言っているのかね?」
「いえ、うんこはうんこです。」
「うんこをこの車の中に入れると言うのかね?」
「そうです。」
「そうですって、君ねぇ。」
「何か問題でも?」
問題?大有りだよ!抜本的にお聞かせ願おうじゃないか!
「車の中にうんこを入れて、それでいったいどうするつもりなんだね?」
「どうすると言われましても・・・・・・ここには、入れるものと言ったらビチャビチャうんこかカチカチうんこしかありませんが。」
ありえない!ありえないぞ君!そんなガソリンスタンドありえてはならないぞ!ん?だいたいさっきこの男は、支払い方法を聞いていたな。まさか!?
「いくらなんだね?」
「カチカチうんこは、1リットル174円になります。」
「そんなにするのか!」
「まあ、人糞ですから。」
理論が分からんよ!理論が!そもそもの理論が分からんのだよ!!「人糞でその値段は安いね。」とでも言うと思ったのか!だいたいうんこをリットルの単位で表すところから間違っているのだよ。
「因みに、ビチャビチャうんこでしたら1リットル81円になりますが、どういたしますか?」
なぜビチャビチャの方の値段まで告げるのだ。私が金にケチケチしている人間だとでも思っているのか?カチカチとビチャビチャの値段を比較してから、安い方をこの自慢の愛車に入れようとしているとでも思っているのか?金の問題じゃないぞ!うんこの問題だ!そうだ!一つ根本的な事を聞き忘れていた。
「そもそもうんこで車が走るのかね?」
「知りません。」
悪ふざけもいいところじゃないか!根拠も無しにこんな事をやっているのか!
「カチカチうんこはもういい!そんなもん入れんでいいから!窓だけ拭いてくれ!」
「分かりました。」
一日平均の客の数は?店舗数は?君の年収は?苦情の数は?仕入先は?なぜ君はそんなにも痩せているのだ?と、たくさん聞きたい事はあったが、今はとてもそんな気分ではなかった。一刻も早く私はここを立ち去りたいのだよ。まったく、とんでもなくふざけたガソリンスタンドだ!危うく自慢の愛車にうんこを入れられるところだった。確かに、どうりで窓を開けた時に異臭がすると思ったよ。それに、どうやらあの男以外にここで働いている人間はいないようだしな。それもそうか。こんなとこで誰がはた
「なにを!?」
私は、自分の目を疑った。男がフロントガラスを拭いた後に付く、茶色い物体はいったい何なのだ!?いや、私にはこの目の前の茶色い物体が何なのかが、はっきりとくっきりと完全に分かっていた。しかし、分かりたくなかったのも事実だ。
「君!」
「はい?」
「この茶色い物体は、いったい何だね?」
私は、茶色に染まったフロントガラスを指差しながら言った。
「うんこです。」
分かっていたさ。ただ、何か可能性みたいなものを信じて聞いてみただけの事なのだよ。
「うんこですじゃない!これはいったいどう言う事なんだ!」
「窓を拭いていいとお客様がおっしゃったので。」
ああ、言ったよ。確かに言った。私は、君に窓を拭いてくれと言った。だがねぇ君?
「どこの世界にうんこで窓を拭く人間がいるんだ!!」
「ここでは、うんこでお拭きする事になっているもので。」
この出来事はある意味、超常現象に近いものがあり、私のキャパシティを遥かに凌駕する出来事であった。そして、自分をしっかり持たなければ私は失神しているだろう。なんと言っても自慢の愛車がうんこまみれになっているのだからな。
「窓を拭くのはもういいから!すぐに洗車を頼む!」
「水洗ですね?」
「洗車だ!」
「水洗でよろしいですね?」
「洗車だ!」
「水洗しまーす!」
「水洗、水洗って!うんこ主体で物事全てを運ぶな!!」
「申し訳ございません。でも、ここではそう呼ぶ決まりになっておりますので、どうかご了承下さい。」
何をだ?いったい私は、何をご了承すればいいのだ?落ち着け、落ち着くのだ。ここは、大人の紳士の対応で乗り切るのだ。
「いや、私も大声を出してすまなかった。水洗を頼む。」
「はい。」
そう、これでいい。これこそが大人の紳士の対応だ。だが、許せなかったのだよ。自慢の愛車がうんこ扱いされた事が・・・・・・・・・。深い憤りを感じてしまったのだよ。私からしてみれば、その辺をご了承願いたいものだ。
「それでは、あちらの方にお車を移動させて下さい。」
一刻も早くうんこまみれにされた自慢の愛車を綺麗にしてやりたかった私は、言われるがままに男の誘導に素直に従った。それにしても、相変わらずの正確かつ的確なハンドル捌きだ。我ながら惚れ惚れしてしまうよ。自分のテクニックに酔いしれていた私は、気が付くと大きな和式便器の形をした洗車機の中にいた。
「それでは水洗しまーす!」
「水洗て、おい!ちょっとま」
そんな慌てふためく私の事などお構いなしに、男は上から垂れ下がっている紐をおもいっきり引っ張った。
「ジャァァァァァァァァァァァァァァァ!!」
轟音と共に勢いよく大量の水が目の前から流れて来た。私は、ただ黙っていた。恐怖で黙ると言う行動しかとれなかったからだ。正直、死ぬと思った。このまま死んでしまうと思った。自慢の愛車でいろんな場所をドライブした楽しい思い出が、走馬灯のように頭の中を駆け巡った。自慢の愛車と共に死ねるのであれば、本望とすら思った。がしかしそれは、一瞬の出来事で終わった。私の体に重く圧し掛かるこの疲労感は、いったい何なのだろうか?男の誘導でフラフラしながらもきちんと元の位置にピカピカになった自慢の愛車を戻すと
「ウィーン。」
自慢の窓を開けた私に向かって男が
「お疲れ様でした。」
と、今の気持ちにぴったりな言葉を言ってきた。大人の紳士な私は、とりあえず自慢の愛車が綺麗になったと言う事で、水洗代を支払った。もはやこの男との間には、必要最低限の会話しか必要なかった。それで十分だった。そして、男の誘導でガソリンスタンドを正確かつ的確なハンドル捌きで出た私は、いつまでも帽子を片手に持ち深々と頭を下げている男の姿をバックミラーで見つつ、ガソリンスタンドの全体像が一瞬視界に入った時に、一番目立つ大きな文字を見て思ったのだよ。「一連の出来事は、全て私の不注意だった。」とな。それから「リンていったい何なのだ?」とも思った。

第三十話
「クソリンスタンド」

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2007年1月17日 (水)

「第三十一話」

 携帯電話と言う代物を誰もが使っていた時代がある。そんな時代の出来事であった。
シャワーを浴び終えた若い女性が白いバスローブ姿に白いバスタオルで頭を拭きながら白いベットのある白い寝室を歩いていると突然。
「Ring!Ring!Ring!Ring!」
白い携帯電話が鳴った。
「Pi!」
若い女性は、何の躊躇いもなく慣れた手付きで白い携帯電話に出た。
「助けてくれ!」
白い携帯電話の向こうからは、危機迫る中年の男性の声が聞こえてきた。
「誰?」
「助けてくれ!」
「誰なの?」
「頼む!助けてくれ!」
「どうして番号を知ってるの?」
「この番号にしか掛けられなかったんだ!」
「どう言う事?」
「分からない!とにかく助けてくれ!」
「助けるって何?だいたい今何時だと思ってるの?夜中の2時よ?イタズラするにしても時間帯を考えなさいよね。」
「こんな夜中にいきなり電話をしてしまってすまないと思っている!だが」
「なら切るわよ。」
「待ってくれ!どこか真っ暗な場所に閉じ込められているんだ!助けてくれ!」
「知らないわよ!自分でどうにかしなさいよ!」
「どうにか出来ないから君に助けを求めているんじゃないか!」
「いい?私とあなたは、まったくの他人なの!分かる?何の接点もないの!あなたがどこに閉じ込められようが私には関係ない事なの!私にあなたを助ける義務なんて一つもないの!あなたのイタズラに付き合ってるほど私も暇じゃないの!!」
「イタズラなんかじゃない!お願いだ!助けてくれ!」
「本当に切るから。」
「待ってくれ!」
「いやよ!」
「頼む!聞いてくれ!!」
「さようなら!」
「妻が死にそうなんだ!」
「そんな嘘に引っ掛かると思ってるの?お大事に!」
「嘘じゃない!」
「あんまりひつこくするなら警察呼ぶわよ!」
「思い出した!」
「えっ?」
「思い出したんだ!」
「何を思い出したの?」
「事故に遭ったんだ!」
「事故?」
「ひき逃げだよ!」
「えっ?!」
「私と妻が横断歩道を渡っていた時に車が突っ込んで来たんだ!」
「じゃあ、その時に奥さんが事故に遭ったってわけ?」
「そうだ!その時妻が撥ね飛ばされ、そして地面に叩き付けられた後に妻の体の上をその車が・・・・・・・・・次に見た時には、変わり果てた妻の姿が・・・・・・・・・。」
「なんて事!?でもそれじゃあ、奥さんは死んでしまったんじゃ・・・・・・。」
「いや、微かにだが息はしていた!微かにだが・・・・・・・・・。」
「じゃあ、どこかに閉じ込められてるって、もしかして事故の目撃者のあなたを犯人は、連れ去ったって事?」
「いや・・・そうじゃない・・・。」
「違うの?奥さんをひき逃げした犯人は!目撃者であるあなたの口を封じるためにどこかに監禁してるって事でしょ!!」
「違うんだ・・・・・・・・・。」
「何が違うのよ!あなた気が動転していて状況が掴めてないのよ!早く逃げないとあなたも殺されちゃうわよ!分かったわ!すぐに警察に通報してあげる!」
「待ってくれ!また・・・・・・思い出したんだ・・・・・・。」
「何を思い出したの?」
「妻だけじゃない。」
「えっ!?」
「ひき逃げされたのは、妻だけじゃないんだ。」
「まさか!?他の通行人も巻き添えになったの!?」
「違う・・・あの時あの横断歩道を渡っていたのは・・・・・・・・・他の通行人じゃない。」
「ならあなたの勘違いよ!やっぱり気が動転してるのね!しっかりしなさい!落ち着いて!落ち着きなさい!」
「いや・・・気など動転していない。結婚記念日だったんだ。レストランで夕食をすませ、年甲斐もなく妻と私は手を繋ぎ・・・楽しい会話をしながら横断歩道に差し掛かった・・・他に通行人などいなかった・・・そう・・・ひき逃げされたのは・・・私達二人なんだ。」
「な、何を言ってるの!?あなたは、こうして私と話してるじゃない!」
「私は・・・妻と一緒に撥ね飛ばされた・・・そして・・・妻を真横でずっと見ていた・・・・・・地面に叩き付けられた時も・・・運悪く妻だけタイヤに踏み潰された時も・・・・・まるでスローモーションの映像を見ているかのようだった。」
「あなた大丈夫?」
「私達は・・・その間もずっとお互いの手を握り締めていた。」
「さっきから何を言ってるのよ!」
「大事な事を思い出したんだよ。」
「大事な事?」
「見たんだ。」
「何を見たの?」
「ひき逃げをした犯人の顔だよ。ひかれる直前に運転席の犯人と目が合ったんだよ。」
「見たの?」
「ああ、はっきりと思い出したよ。電話をしていた。携帯電話で誰かと会話をしながら運転していた。だから赤信号にも気が付かなかったんだろう。楽しそうに笑いながら・・・私達の事など気にもとめず・・・白い携帯電話で・・・きっと彼氏と話していたんだろうな?本当にとても楽しそうな笑顔だったね。」
「あなた・・・・・誰?」
「だから言ってるじゃないか。」
「誰よ!」
「君にひき逃げされた夫婦の夫だよ!!」
「ふざけないでよ!!やっぱりイタズラね!いったいどこから掛けてきてるのよ!!」
「君のすぐ近くからだよ。閉じ込められたのではなく、私はここに入り込んだんだ!君に懺悔させるためにな!!」
「どこよ!どこにいるのよ!」
「くっくっくっくっくっ。」
「どこ!どこ!どこよ!隠れてないで出てきなさいよ!!」
「くっくっくっくっくっ。」
「どこよ!どこ!どこにいるのよ!どこよ!どこ!」
「くっくっくっくっくっ。」
「どこ!どこ!どこにいるの!どこ!どこなのよ!どこにいるのよ!」
若い女性は、白い携帯電話を片手に家中の扉と言う扉を開けて回った。
「くっくっくっくっくっ。」
「とっとと出てきやがれぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」

第三十一話
「待受画面」

「くっくっくっくっくっ・・・・・・ここだよ・・・・・・ここ・・・・・・くっくっくっ。」

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2007年1月24日 (水)

「第三十二話」

「我々は、この地球を守る!なるほど警備隊であーる!今日も一日!日がな一日!地球をなるほどと警備するのであーる!それでは諸君!いつものように順番に番号を言うのであーる!番号!!・・・・・・・・・であーる?隊員のみんなどうしたのであーるか?カタツムリ君!」
「ニョキ。」
「イモムシ君!」
「モソ。」
「くさや君!」
「ぷ~ん。」
「落ち葉君!」
「カサカサ。」
「目覚まし時計君!」
「チッチッチッ。」
「アイスコーヒー君!」
「カラン。」
「ブロック君!」
「・・・・・・・・・・・・・・・。」
「いるならいるでちゃんと番号を言うのであーる!毎回、毎回、同じ事で注意させないで欲しいのであーる!まったくもう!であーる。さてさてであーる。えーみんなも知ってると思うのであーるが。我々なるほど警備隊は、なるほど!彼等がこの地球を守ってくれているのか!と地域の皆様方に思っていただける活動を日々心掛けているのであーる!地球に危機が迫って来たら、即座になるほどと動き、瞬時になるほどと問題を解決し、地域の皆様方になるほどと思われ、何事もなかったかのように、なるほどとその場を立ち去るのであーる!」
「ニョキ。」
「モソ。」
「ぷ~ん。」
「カサカサ。」
「チッチッチッ。」
「カラン。」
「・・・・・・・・・・・・・・・。」
「しかーし!つい先日の宇宙人騒動があったであーるな!我々が極秘裏に調査し、秘密裏に任務を遂行していたあれであーるよ!」
「ニョキ。」
「そうであーる!お爺さんのような宇宙人を捕獲し、この地球から追放する大作戦であーる!」
「カサカサ。」
「ぷ~ん。」
「ここまで話せばだいたいみんななら分かるであーるな!なぜ日曜日でもないのに、この表向きは好奇心をそそられる遊具いっぱいの公園!しかーし!真の姿は!なるほど警備隊の本部!に集まってもらったのかであーるよ!それは他でもないであーる!この中にお爺さんのような宇宙人に情報をリークした者がいるであーる!インサイダー取引した者がいるのであーるよ!!」
「ニョキ。」
「モソ。」
「ぷ~ん。」
「カサカサ。」
「チッチッチッ。」
「カラン。」
「・・・・・・・・・・・・・・・。」
「つまり!スパイであーる!!なるほど警備隊のフリをして!なるほどと地球を守っていたかと思ったらであーる!実はお爺さんのような宇宙人の仲間であったであーるよ!!」
「ニョキ。」
「モソ。」
「ぷ~ん。」
「カサカサ。」
「チッチッチッ。」
「カラン。」
「・・・・・・・・・・・・・・・。」
「誰であーるか!正直に名乗り出るであーる!今ならまだ許すであーるよ!」
「ニョキ。」
「モソ。」
「ぷ~ん。」
「カサカサ。」
「チッチッチッ。」
「カラン。」
「・・・・・・・・・・・・・・・。」
「なかなか正体を明かさないであーるな。まあ、この展開はお見通しであったであーるがな。振り返ってみようじゃないかであーる。作戦当日、我々なるほど警備隊がお爺さんのような宇宙人がよく行く喫茶店で待ち伏せしていたであーる。でも来なかったであーる!来なかったであーるよ!その日に限ってお爺さんのような宇宙人は来なかったであーるよ!!コーヒー何杯おかわりしたか分からないであーるよ!トイレも何回行ったか分からないであーるよ!」
「モソ。」
「いちいちそんなの数えてないでいいであーるよ!おかしいであーるよ!来なかったのは絶対におかしいであーるよ!だって次の日は、来てたであーるもん!作戦当日だけ来ないなんてどう考えも情報が洩れていたとしか考えられないであーるよ!!」
「ぷ~ん。」
「そうであーる。隊長自ら作戦の翌日に喫茶店に行ったであーるよ!」
「チッチッチッ。」
「その日は、作戦の日じゃなかったから捕獲しなかったであーるよ。作戦じゃない日に捕獲したら、全然なるほどではないであーるからな。そんな事をしたらなるほど警備隊のなるほどの信義が問われるであーる!話が多少、横道にそれたであーるな。」
「・・・・・・・・・・・・・・・。」
「いい横道を発見した話なんか今は、関係ないであーるよ!それは今度また、日を改めてみんなで行く日取りを決めるであーるよ!それよりも今はスパイの件であーる!カタツムリ君!君であーるか?」
「ニョキ。」
「ならイモムシ君であーるか?」
「モソ。」
「だったらくさや君であーるか?」
「ぷ~ん。」
「それじゃあ落ち葉君であーるか?」
「カサカサ。」
「まさか目覚まし時計君!君であーるか?」
「チッチッチッ。」
「それならアイスコーヒー君!君なのか?であーる!」
「カラン。」
「やっとスパイの正体が分かったであーるよ!ブロック君!スパイは君であーる!!」
「・・・・・・・・・・・・・・・。」
「じゃあ、いったい誰がスパイであーるか!みんなで否定したらスパイがいないじゃないかであーる!困るであーる!困るであーるよ!それじゃあ物凄く困るであーるよ!!」
「ニョキ。」
「モソ。」
「ぷ~ん。」
「カサカサ。」
「チッチッチッ。」
「カラン。」
「・・・・・・・・・・・・・・・。」
「何であーるか?隊長であーるか?馬鹿を言わないでくれであーる!休み休みでも言わないでくれであーる!隊長がスパイな訳ないであーるよ!そんなの全然なるほどと思えないであーるよ!」
「ニョキ。」
「モソ。」
「ぷ~ん。」
「カサカサ。」
「チッチッチッ。」
「カラン。」
「・・・・・・・・・・・・・・・。」
「何であーるか?その疑いの眼差しは何であーるか?やめるであーる!怒るであーるよ!いい加減にしないと隊長の堪忍袋の緒が切れるであーるよ!」
「ぷ~ん。」
「何が臭うであーるか!よっぽど君の方が臭うであーるよ!」
「ニョキ。」
「喧嘩を売ってるであーるか!売るなら買うであーるよ!」
「カサカサ。」
「短気は損気と言われようがであーる!スパイ容疑をかけられたからには、力付くで無実を証明するしかないであーるだろ!!」
「モソ。」
「確かに青い考えかもしれないであーる!だが君にだけは言われたくないであーるよ!」
「チッチッチッ。」
「その挑発的な態度は何であーるか!」
「・・・・・・・・・・・・・・・。」
「いーやもう遅いであーる!みんなで疑ったであーる!もう許さないであーるからな!行くであーるよ!!」

 

「カラン。」

 

「はあ、はあ、はあ、君達なかなかやるであーるな!驚いたであーるよ!だが!勝負は、まだまだこれからであーる!!」

 

「カラン。」

 

「正直ここまで君達がやるとは思わなかったであーるよ!しかーし!隊長の威厳となるほど警備隊のなるほど旗に誓って負ける訳にはいかないであーるよ!」

 

「カラン。」

 

「待ったであーる!待ったであーるよ!何はともあれ待つであーる!!分かったであーる!分かったであーるよ!隊長の負けであーる!完敗であーる!」
「ニョキ。」
「モソ。」
「ぷ~ん。」
「カサカサ。」
「チッチッチッ。」
「カラン。」
「・・・・・・・・・・・・・・・。」
「スパイは、いなかったであーるよ。みんなを疑ったりして悪かったであーる。ごめんなさいであーる。」
「ニョキ。」
「モソ。」
「それと途中で何回かカタツムリ君とイモムシ君の事をであーる。微妙にキャラがカブっていると言った事も謝るであーるよ。ごめんなさいであーる。もう二度と言わないであーる。」
「ニョキ。」
「モソ。」
「ありがとうであーる。許してくれるであーるか?」
「ニョキ。」
「モソ。」
「ぷ~ん。」
「カサカサ。」
「チッチッチッ。」
「カラン。」
「・・・・・・・・・・・・・・・。」
「みんな・・・・・・・・・であーる。こんな隊長をこれからもなるほど警備隊の隊長として慕ってくれるであーるか?嬉しいであーる。とても嬉しいであーるよ。みんなありがとうであーる!!」
「ニョキ。」
「モソ。」
「ぷ~ん。」
「カサカサ。」
「チッチッチッ。」
「カラン。」
「・・・・・・・・・・・・・・・。」
「な、泣いてなんかいないであーる!泣く訳ないであーる!これは、涙腺から汗がじわっと溢れ出てきただけであーるよ!」
「ニョキ。」
「モソ。」
「ぷ~ん。」
「カサカサ。」
「チッチッチッ。」
「カラン。」
「・・・・・・・・・・・・・・・。」
「これからもみんなで!なるほどと地球を警備していくであーる!エイ!エイ!オー!!であーる!」
「ニョキ。」
「モソ。」
「ぷ~ん。」
「カサカサ。」
「チッチッチッ。」
「カラン。」
「・・・・・・・・・・・・・・・。」
「なんかより一層なるほど警備隊の団結力が増したって感じであーるな。うんうんであーる。」
「ジリリリリ!!」
「目覚まし時計君どうしたであーるか?」
「ジリリリリ!!」
「カチッ。」
「もうこんな時間であーるか。どうりで辺りが暗くなってきたと思ったであーるよ。今日はもう帰るであーる。あんまり遅いと妻と子供達が心配するであーるからな。妻と子供達に心配掛けるような隊長は、なるほど警備隊の隊長ではないであーる!とてもなるほどとは思えないであーる!話がちょっと長くなってしまったであーるな。では!」
「ニョキ。」
「モソ。」
「ぷ~ん。」
「カサカサ。」
「チッチッチッ。」
「カラン。」
「・・・・・・・・・・・・・・・。」
「なるほど警備隊!解散!!」

第三十二話
「だから今日も地球は
         円滑に回っている」

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2007年1月31日 (水)

「第三十三話」

遠い昔の
これはお噺です
まだ
地球も
無い頃の
お噺なんです

遠い昔の
これはお噺です
まだ
宇宙も
無い頃の
お噺なんです

そこはなん色で
そしてなに色で
まだ
誰も
見た事ない
虹色なんです

そこには

一人ぼっちの
独りぼっちの
神様がいました

とっても

寂しがり屋の
淋しがり屋の
神様がいました

だから

いつも泣いてばかりで
涙が
泪が
星になりました

そして

悲しかったので
哀しかったので
時間も空間も
黒く塗り潰しました

遠い昔の
これはお噺です
まだ
地球も
無い頃の
お噺なんです

遠い昔の
これはお噺です
まだ
人間も
いない頃の
お噺なんです

そこはどんな花が咲き
そしてどんな華が咲く
まだ
誰も
食べた事ない
果実をつけるんです

その前に

自己の意志で
事故の異志で
地球ができました

それから

偶然が混じり
必然が交じり
人が生まれました

いつの間にか

いつも泣いてばかりで
涙が
泪が
止まらなかったのに

気が付くと

楽しくって
愉しくって
朝も昼も夜も
神様は踊りました

でも遠い昔の
これはお噺です
まだ
地球も
無い頃の
お噺なんです

遠い昔の
これはお噺です
まだ
宇宙も
無い頃の
お噺なんです

まだ
続きも
有る未来の
お噺なんです

第三十三話
「∞」

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