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2007年2月

2007年2月 7日 (水)

「第三十四話」

 昨日、友達と夜遅くまで飲んでいたせいか、俺は昼過ぎに目が覚めた。まあ、どうせバイトは夜からだし、別に彼女がいる訳でもないし、やる事ないからゆっくりグダグダ時間まで過ごそうと思っていた。
「グゥー。」
何だか腹がメチャクチャ減っていた。そのせいで目が覚めたってのもあるんだよな。下から美味そうなカレーのいい匂いがしている。そう言えば昨日、家に帰って来た時もカレーのいい匂いがしてたっけなぁ。おそらく昨日の夕飯がカレーだったんだな。空腹の絶頂期に達していた俺は、いてもたってもいられなくなり自分の部屋を飛び出して台所に向かった。
「ガチャ。」
「バタン。」
「タッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッ!」
「ガチャ。」
「バタン。」
やっぱりな。しかも、テーブルの上にはカレーライスが用意されている。不思議と母親がいる気配は、感じなかった。
「買い物かな?」
そう言って、少し母親の姿を捜しながら椅子に座った。さすが俺の母親だ。ちゃんと俺の起きる時間を分かっていて、あったかカレーライスを用意しとくなんて、粋だね。わくじゃなくって、いきだね。俺は、にんまりしながら目の前のカレーライスを見た。
「ん?」
すると、その横に一枚のメモ用紙が置いてあった。俺は、それを手に取った。
「なになに?」
(おはよう。)
母親からだ。
(おはよう。母ちゃんは、ちょっくら買い物に行ってきやす。)
やっぱり買い物か。まあ、何でおはようを二回続けて書いてあるのか?どうして粋な表現なのか?気にはなったが、そんな事をいちいち気にしていたらこの母親とは付き合っていられない。まあ、でもよく三十年以上も付き合ってこれたものだと、自分で自分を誉めてやってもいいと思った。
(かれーらいすを用意しときました。)
なぜに平仮名?
(サービスでライス大盛りです。)
店か?どんだけ自由奔放な店なんだよ!店主買い物行っちゃったよ!
(しかもおかわり自由です。)
だったら大盛りにする意味無いだろ!おかわりさせる気無いだろ!
(ルーはダメ!)
どんな権限だ!もはやこの時点でライス大盛りは、サービスじゃなくて嫌がらせとその姿を変貌させたぞ!
(逆さから読むと!メダはール。)
棒ちょんはいいだろ!そこまで読まなくてもいんじゃないか?って、こんなメモ用紙一枚で言う事を聞くとでも思ったか!しちゃうよ!絶対にルーもおかわりしちゃうよ!
(お冷もおかわり自由です。)
書くほどの事か?こんなの書く暇があったら、さっさと買い物に行けよ!
(蛇口を捻れば出るようにしときました。)
元々だよ!自分の手柄みたいにすんなよな!
(捻ると言ってもそれは、あくまで表現方法の一つであって、実際には軽く下に押し倒すだけで出ます。)
知ってるよ!俺どんだけ馬鹿なんだよ!何回その作業を繰り返しやってきたと思ってんだよ!
(図5のように→)
無いぞ図5!矢印の先、空欄だぞ!そもそも1~4どこだい!
(二杯目からはアップルジュースが出ます。)
どんなシステムだ!じゃあ三杯目はなにか?オレンジジュースか?
(・・・・・・・・・・・・・・・。)
・・・・・・・・・・・・・・・。ってなんだよ!・・・・・・・・・・・・・・・。って!書かなくていいよ!オレンジジュースじゃないんだろ!ってそもそもアップルジュースが出ないよ!
(もしスプーンを落とした時は・・・・・・・・・。)
なんだよ。
(その時は・・・・・・・・・。)
だからなんだよ。
(そんな時は・・・・・・・・・。)
いったいなんだってんだよ!
(面白く拾え!)
どんなお題だ!誰が得すんだよ!
(それから福神漬けは、まだ漬け途中なのでありません。)
出来とけ!てか自家製なの?初めてその事実を知ったよ!なんかむしろカレーライスより福神漬けの方が食べたくなってきちゃったじゃないか!
(買って帰ります。)
自家製うそかい!そのための買い物だったのか。
(それでは、カレーライスを心置きなくお食べなさい。)
どっかの偉い人なの?俺招かれちゃってんの?まったく・・・・・・・・・やっと食べれるよ。食べてる間にちゃんと福神漬け買ってきてくれんのかねぇ?まあ、スーパーはそんなに遠くでもないからな。ん?ちっちゃな字でまだ何か書いてあるぞ?
(因みに、食べたら死にます。)
なんで?なぜそんなリスクをおかそうとしているんだ?だったらなんのための買い物だ!ん?更にちっちゃな字でなんか書いてあるぞ?
(食べないで下さい。)
だったら作るなよ!俺どんだけ悪い事しちゃったんだよ!悪戯にも限度があるだろ!こんなスタンバイまでされて食わない奴なんかいないっての!
「いただきます。」
そんな事を思いながらスプーンでカレーライスをすくって食べようとした俺は、驚愕の事実を知る事となった。
「な、なんなんだこれは!?」
ス、スプーンの先っちょの部分が!?そこで何かをすくうためにあるスプーンの先っちょの部分が!?スプーンとしては一番重要な役割を担っている先っちょの部分が!?まさにスプーンの部分が!?
「ない!!」
カレーライスを食べようとルーにつけてそれをライスに絡ませようと持ち上げたら先っちょの部分が無くなっていた!いや、よく見ると溶けた感じだ。だったらなぜ皿は溶けないんだ?金属だけに反応する薬品か何かなのか?冷静に分析している場合じゃないぞ!なんなんだこのカレーライスは!まさか本当に食べると死ぬのか!?こ、これは殺人じゃないか!立派な殺人事件じゃないか!なぜだ?なぜ俺の母親は、俺の事を殺そうとしているんだ?俺がいったい何をしたってんだ?俺は・・・・・・・・・。
「何もしていない!?」
確かに俺は何もしないで家でゴロゴロしてる生活を送っているよ!だからって何も殺す事ないじゃないか!待てよ?むしろここで俺が死なないで買い物から帰って来た母親と顔を合わせちゃった時の方が気まずいじゃないか!いったいなんて言えばいいんだ俺は?
「生きちゃった。」
馬鹿か俺は?何をニヤニヤしながら言っちゃってんだよ!
「今日のカレーは、一味違ったね。」
アメリカンコメディーか俺は!笑えるか!なんかいろいろと面倒臭いから、ここはおもいきってガッツリ食べて死んどこうかな?って、いかんいかん!動揺し過ぎて思考回路が麻痺しているぞ。
「ん?これは!?」
俺は、スプーンを握っていた手がベタベタしている事に気付いた。そして、その手を開いて見てみると手の平が銀色になっていた。
「まさか!?」
俺は、重要な部分が無くなったスプーンの溶けた部分を舐めてみた。
「甘っ!」
思った通りだ!このスプーンは飴だ!スプーンの形をした飴だ!おそらく銀色の着色料を使い、スプーンの形にわざわざ作ったんだろう。だから、あったかカレーライスに入れた時に熱で溶けてしまったんだ!・・・・・・・・・なんて手間の掛かる悪戯を!
「暇かっ!」
俺は、思わず声に出してツッコミを入れてしまった。
「はあ~。」
なんかもう疲労と空腹でついつい溜め息が出てしまった俺であったが、何気なくもう一度メモ用紙を手に取った瞬間!衝撃の事実を知る事となった。
「あれ?裏にも何か書いてあるぞ?」
(読んだら死にます。)
「えっ!?」
(読まないで下さい。裏へ続く。)
読んだら死ぬって・・・・・・読まなきゃ読めないだろ!別のメモ用紙に書くとかなんかもっと工夫しろよな!裏へ続く?って、だいたいこっちが表だったのかよ!裏表間違えて置くなよな!いっつも肝心なとこで詰めが甘いんだよ俺の母親は!
「えっ!?」
読んだら死ぬ?読んだら死ぬだって!?読んだら死ぬっていったいどっからどこまでを読んだら死ぬんだ?一文字でもアウトって事か?いやいや、そんな問題でもないぞ!ガッツリ読んじゃったぞ!ツッコミ入れながらガッツリ読んじゃったぞ俺は!死ぬのか俺は?死んでしまうのか俺は?まさか・・・・・・まさかありえない!ありえる訳がない!出来やしない!メモを読ませただけで相手を殺す事なんて出来やしナ
「ガタンッ!」

第三十四話
「おふくろの文字」

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2007年2月14日 (水)

「第三十五話」

 私は、毎朝の日課となっている犬の散歩をしていた。仕事に行く前のこの時間が私にとっては、何よりもの至福の時間であった。誰かに邪魔される事も何かに縛られる事もない時間。真横を流れる川を見ていると、自然と心も一緒に洗われる気がした。頭の中を無に出来る一時であった。この愛犬チョコ。黒い柴犬。オス五才が喋り出すまでは・・・・・・。
「ご主人。今日は、清々しい朝ですね。こんな日にする散歩は、一段と気持ちがいいものですね。」
自然と驚く事はなかった。朝の太陽の光がそうさせているのか?私の薄い髪の毛の間を心地よく吹き抜けて行くそよ風がそうさせているのか?
「ご主人?口が開きっぱなしですよ。それに、眼鏡もズレていますよ。」
まあ、心とは裏腹に見た目は、かなり驚愕している模様であった。
「お前!?喋れたのか?なぜこの五年間、主人である私に隠していたんだ?」
「隠していた訳ではありません。」
「ありませんてお前・・・・・・現に喋っているじゃないか!昨日までは、わん!としか言ってなかったじゃないか!」
私は、口と鼻の間までズレ下がっていた眼鏡を直しながらチョコに問い掛けた。
「確かに昨日までは、わん!としか言ってませんでした。でも、喋れるようになったんです。」
そんな世にも不思議な事がありえるのか?いやいや分からんぞ!こんなご時世だ!犬が喋ったとしてもおかしくはない!それに、そんな事ぐらいでいちいち誰も驚かないだろう。
「だがいったいどうやって?」
「昨日、夢に神様が出て来たんです。それで、お前を喋れるようにしてやる!と言われたんです。」
「お伽話じゃあるまいし・・・・・・本当に神様だったんだろうな?」
「さあ?」
さあ?って、しっかりしろよチョコ!お前は、もっと賢い犬だと思っていたんだぞ。
「でもやはりこうして僕が喋れるようになっているのだから、あれは本当に神様だったのだと思います。」
まあ、言われてみればそうだな。逆に神様じゃなかった場合、いったい誰なんだって事になりかねないからな。
「何か意味があるんだろ?わざわざ神様は、お前を喋れるようにしたんだからな。」
「はい!」
「で何なんだ?」
「忘れました!」
そりゃ、お座りって言ってもお手って言っても伏せって言ってもチンチンしちゃうよこの犬は。
「さっきから思い出そうと必死に考えてはいるんですが・・・・・・なかなか思い出せなくって困っていたんです。で、ここはご主人のお力をお借りしようと思い、おもいきって話し掛けたのです。」
まさか、朝っぱらから飼い犬に頼み事をされるとはな。思ってもみなかったよ。もし、思っていたとしても、どこの誰が現実になると思うよ。それに最近じゃ、娘達も大きくなってしまって、まるで私を頼りにしなくなってしまったしな。ろくでもない彼氏なんかよりも、私の方がよっぽど頼りになる事を娘達は知らんのだよ!まあ、それ以前に私とは、ろくに口も聞いてくれない始末だがな。そうだな。ここは、私を頼りにしてくれた可愛い愛犬のために一肌脱ぐとするか!
「よしチョコ!力を貸してやろうじゃないか!」
「ありがとうございます!」
ありがとうか・・・・・・・・・。久しく耳にしなかった言葉だな。妻の奴なんて、私がゴミ出しをしてやっても仕事帰りに明日の朝食のパンと牛乳を買って帰っても、今じゃありがとうの一言も言わなくなってしまったからな。それが当たり前になってしまっているのだろう。だが、この場を借りて私は一言だけ言いたい!
「私はお米派だ!」
「はい?」
「いや、何でもないんだ。こっちの話だ。」
何にせよ。おかえり「ありがとう」。よし!俄然やる気が出て来たぞ!
「よし!頑張るぞチョコ!」
「わん!」
いやどうして急に犬語に戻るんだよ。ガクってなったじゃないか。また眼鏡がズレちゃったじゃないか。
「急に言葉を変えるんじゃないよ!」
「すいません。つい嬉しさのあまり。」
なるほどな。訛りみたいなものか。感情が高ぶるとついつい生まれ故郷の言葉になってしまうみたいなものか。懐かしいなぁ。野山を駆け回っていた少年時代・・・・・・あの頃は、何の心配も不安も無く、何かに夢中になっていたもんだ。部長もいなかったしな。
「ご主人?ご主人?ご主人ってば!!」
「はっ!?」
いかんいかん。干渉に浸り過ぎていた。危うく取引先との接待ゴルフの話まで出てきそうになってしまったではないか。
「さてと、まったく思い出せないのか?」
「思い出せません!」
「そんな自信満々に言うんじゃないよ!」
「あっ!?でも何かこの世界についての重大な事だったような・・・・・・・・・?」
だろうな。だと思ったよ。私も薄々感づいてはいたよ。神様がわざわざチョコを喋らせたぐらいだ。事が世界規模に繋がるのは当然と言えば当然だ。驚きもしない。
「ご主人?ご主人?ご主人ってば!!」
「ん?どうした?」
「僕の手綱を放しちゃってますよ?」
「ああ。」
まあそりゃ私も人間だから、ちょっとぐらいの動揺みたいなものはあるさ。私は、チョコの手綱を手に取ると同時に、震える膝をその手で押さえた。
「この世界についての重大な事か・・・・・・・・・まさか!?」
「どうしたんですか?何か分かったんですね!さすがご主人!」
別に飼い犬に誉められたとこで嬉しくも何ともないよ。ボーナスが増える訳でもないしな。逆に馬鹿にされている気分だよ。しかし、いよいよ話は大事になってきたぞ。考えたくはないが、それしかないだろう。神様がわざわざ犬であるチョコに伝えさせようとした事・・・・・・世界規模な出来事・・・・・・映画や小説によくあるパターンだがきっとそうに違いない!この世界がこの世から消滅する!!
「チョコ!」
「はい!」
「これから私が話す事を心してよーく聞くんだぞ!いいな?チョコ!」
「分かりました!」
「私なりの仮説を考えてみたんだ。神様が犬であるチョコ!お前をわざわざ喋らせて伝えさせようとした事を!いいかチョコ!驚くんじゃないぞ!チョコの言っていたこの世界についての重大な事と言うのはおそらくこうだ!この世界がこの世か」
「あっ!!」
「突然なんだ!びっくりするじゃないか!尻餅ついちゃったじゃないか!いったいどうしたんだ!」
「思い出したんですよ!神様が伝えさせたかった事を!」
私は、息を殺した。チョコの口から、今まさに世界の終わりが告げられようとしている状況に、私の緊張はピークに達していた。世界が消える・・・・・・いったいいつ?そしてどんな風に?それを聞いた私は、これからいったい何をすればいいのだ?世界を救うために何が出来ると言うのだ?私にどうし
「バレンタインデー!」
「なに!?」
「そうですよ!今日は、バレンタインデーなんですよ!ご主人が僕の名前を何度も呼ぶんで思い出したんですよ!」
「2月14日・・・確かに今日は、バレンタインデーだが・・・・・・・・・。」
「あー良かった思い出せて!ご主人に相談して正解でした!スッキリしました!本当にありがとうございました!」
「どういたしまして。って、待てチョコ!お前が伝えたかったって事は、今日がバレンタインデーと言う事だったのか!」
「わん!」
「わん!てなんだおい!世界の終焉はいったいどうなったんだ!!」
どう言う事だ?どうなっているんだ?私の考えていた事は、いったい何だったんだ?この世界のこの世からの消滅はどこへ行ったのだ?チョコは、今日がバレンタインデーと言う事を伝えるためだけに、そんなどうでもいい事のためだけに、喋れるようにされたと言うのか?神様は、いったい何を考えているのだ?ん?待てよ・・・・・・チョコ・・・・・・バレンタインデー・・・・・・はっ!?・・・・・・まさか!?犬の名前がチョコだからか?ただ単に名前がチョコってだけで家の犬が選ばれたと言うのか?なんて・・・なんて・・・なんてくだらない事を!いや、もしかしたらバレンタインデーの裏に何か重要な謎が隠されているのかもしれないぞ!
「チョコ!」
「わん!」
「わん!は、もういいから!神様は他に何か言っていなかったか?」
「わん!わん!」
「スッキリした嬉しさのあまり犬語になるのは分かったが!今はそれどころじゃないんだ!人間語で喋ってくれないか?」
「わん!」
「だからお前は・・・・・・ってチョコ?」
「わん!」
「おい!お前まさか人間語が喋れなくなってしまったんじゃないだろうな!ほら!さっきみたく喋ってみろ!」
「わん!わん!わん!」
冗談じゃないぞ!世界の危機だと言うのに!私は、チョコの体を揺すりながら問い掛けていた。
「わん!」
「いったいこの世界は、どうなってしまうんだ!チョコ!!」
何としても真実を聞き出そうと、私はチョコの体をさっきよりも少し強く揺すった。
「わん!わん!」
「チョコ!どうして喋らないんだ!!」
だんだんと私のチョコの体を揺する両手には、自然と力が入っていた。当たり前だ!世界の危機なのだか
「ガブッ!」
「いっっっっったぁぁぁぁぁぁぁ!!」
何も噛み付く事はないじゃないかチョコ!!私は、お前の主人なんだぞ!立場と言うものを考え・・・・・・はっ!?もしかして、今のチョコの行動には、何か意味があるのかもしれないぞ!この世界を救うための何かヒントとなる鍵が隠されているのかもしれないぞ!そうだ!そうに違いない!
「教えてくれチョコ!私は、これからいったいどうすればいい?」
「わん!」
「何をすればいい?」
「わん!」
「チョコ!」
「わん!」
「チョコ!!」
「わん!」
「なぜさっきっからわん!としか言わないんだチョコ!なぜだ!なぜなんだ!チョコ!!」

第三十五話
「だって犬だもん」

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2007年2月21日 (水)

「第三十六話」

何があったって
何が起きたって
俺は書き続ける
何かを書き続ける

雨が降ったって
雷が落ちたって
俺は書き続ける
常に書き続ける

それしか出来ないんだ
それしかやりたくないんだ

俺はライター
気ままなライター
俺はライター
さすらいのライター

何を言われたって
何を攻められたって
俺は書き続ける
気にせず書き続ける

ここがダメだって?
ここがイマイチだって?
俺は書き続ける
気にせず書き続ける

気にする理由がないんだ
気になる要素がないんだ

俺はライター
無敵なライター
まさにライター
仮面は付けてないんだ

恋をしたって
恋に破れたって
俺は書き続ける
ひたすら書き続ける

愛を知ったって
愛に裏切られたって
俺は書き続ける
前向きに書き続ける

感傷に浸れないんだ
そんな暇がないんだ

俺はライター
バカなライター
悲しきライター
本当は傷付いてんだ

君を忘れないために
傷はあえて治さないんだ

理由も告げずに君は
どこかに消えたんだ

俺はライター
不器用なライター
サムライライター
恋も出来ないんだ

タバコを吸いながら
ベランダで呟いたんだ

「雪でも降らねぇかな?」

君が消えた理由を
本当は知ってんだ

俺はライター
孤独なライター
だから書いた
だけど泣いた

何があったって
何が起きたって
俺は書き続ける
いろいろ書き続ける

夢に向ってるんだ
夢を追い掛けてるんだ

俺はライター
気まぐれなライター
端くれライター
ときどきウィンター

俺はライター
自由なライター
今日まではライター
明日からもライター

第三十六話
「ネンジュー☆ライター」

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2007年2月28日 (水)

「第三十七話」

くるぶし くるぶし
くるぶし仮面

くるぶし くるぶし
くるぶし仮面

全身タイツで戦う
真っ向勝負で戦う

価値ある未来のために
未知なる平和のために

悪者絶対 許さない
悪者断然 許さない

ピンチになったら使うんだ
ピンチになったら使うんだ
チャンスの時でも使うんだ

くるぶしビームを
使うんだ 使うんだ

くるぶしビームで
許さない 許さない

くるぶし くるぶし
くるぶし仮面

くるぶし くるぶし
仮面は付けてない

付けてる感じで戦う
付けてる風味で戦う

意味ある勝利のために
大いなる一歩のために

不正取引 許さない
交通違反 許さない

8割以上はくるぶしパンチ
2割未満もくるぶしパンチ
ピンチになったら使うんだ

ここぞ!と言う時に
使うんだ 使うんだ

くるぶしビームを
使うんだ 使うんだ

くるぶし仮面が
許さない 許さない

「よーし!今日も頑張るぞ!くるぶし号も絶好調だし!くるぶし履歴書だってバッチリなんだ!これで採用されなきゃ嘘だ!嘘に近い!っと!?おっとっと!」
「キーッ!」
「ここだな?ここのコンビニに今日バイトの面接をしてくれる店長さんがいるんだな?くるぶしヘルメット解除!」
「スポンッ!」
「さーて!行くぞー!!」
「テクテクテクテク。」
「オープン・ザ・ドアー!」
「ウィーン。」
「すいません!3時から面接予定のくるぶし仮面と言う者ですが!店長さんはご在宅でしょうか!はい!はい!そうです!はい!あっ!事務所の方にご在宅なんですね!どうもありがとうございました!レッツ・ゴー・オフィス!」
「テクテクテクテク。」
「ふ~ん。なかなかの品揃えじゃないか。これなら、いつ悪者が襲って来たとしても安心だな!安心に近い!おっと!?さてはこの重厚なドアの向こうに店長さんがいるんだな!」
「コンコン!」
「3時に面接のお約束をさせていただきました!くるぶし仮面です!悪者絶対許さない!くるぶし仮面です!青空大好き!くるぶし仮面です!見返り求めない!くるぶ・・・あっ!はい!では失礼します!」
「ガチャッ。」
「バーンッ!!」
「ああっ!すいません!思っていたよりもドアが軽かったもので!」
「パタン。」
「くるぶし仮面です!宜しくお願いします!悪者絶対ゆる・・・えっ!?はい!是非座らさせていただきます!オン・ザ・チェア!」
「ストン。」
「うむ!なかなかの坐り心地ですね!気に入りました!気に入ったに近い!あっ!履歴書ですか!」
「バッ!バッ!バッ!」
「どうぞ!くるぶし履歴書です!熱き魂を込めて!あえて利き手ではない方の手で書きました!はいそうです!くるぶし仮面と言います!はい?本名かと聞かれたらこう答えます!仮面を付けている場合ではない!!と、えっ?齢20歳です!夢はこの世界を悪者のいない世界にする事です!そこに愛はありません!あるのは勇気のみです!ほのかに香る勇気のみです!勇気が・・・はい?特技は皆のアイドル!くるぶしビームです!右足の内側のこの小さく開いた丸の部分から出ているくるぶしから発射されます!くるぶしビームは悪者を懲らしめます!懲らしめるに近い!左足ですか?左足からは出ません!だから穴も開いてません!ほらね?博士が言ってました!もっと強大な悪者が現れた時!その時!お前の左足からビームが出るようになるだろう!と、だから今は出ません!出そうと努力をしても出ません!それはなぜか?博士が言ってました!もっと強だ・・・はい?趣味ですか?こう見えても結構、多趣味なんですが・・・中でも昔から変わらないもっとも有名な趣味と言えばただ1つです!愛しのマスコット的キャラ!くるぶしフィッシュの飼育です!そうです!俗に言う金魚です!金魚に近い!いえ、金魚です!くるぶしフィッシュは、残念ながら喋りません!だから、言葉のキャッチボールは出来ません!が!!心のキャッチボールは出来ます!この前なんてくるぶしフィッ・・・はい?そうですねぇ?長所は悪者を絶対に許さない所です!今まで生きてきた中で悪者を許した事がありません!短所は飽きっぽい所です!あっ!特技で思い出したんですが!歌が得意です!では歌います!くるぶし仮面のテーマ!

くるぶし くるぶし
くるぶし仮面

くる・・・はい?動機ですか?あのう。ここだけの話なんですけど・・・・・・・・・。どうやら博士が悪者を懲らしめるための新たな武器を作るらしいんですよ!で、そのための資金を稼ぐために僕がバイトをしなければいけなくなってしまったんです!感動でしょ?感動に近いでしょ?泣いてもいいですよ?男が人前で泣くのは、何も恥ずかしい事なんかじゃありません!むしろ!正義です!それは正義なんです!博士が言ってました!もっと強だ・・・はい?時間帯は、いつでもオーケーです!曜日もいつでもオーケーです!ただし!悪者がこの世に蔓延りそうになった時には!その時には!!レジを打ってる場合ではありません!袋にお客様がお買い上げになった商品を入れてる場合ではありません!先入れ先出しなんかしてる場合ではありません!バイトの先輩と猥談してる場合ではありません!バイトの女子に恋をしてる場合ではありません!事務所で寝てる場合ではありません!悪者を退治しに行きます!!」
「くるぶし! くるぶし! くるぶし! くるぶし!」
「すいません!ちょっと電話が・・・あっ!出てもいいんですか?ありがとうございます!」
「くるぶし! くるぶ」
「ピッ!」
「はいくるぶし仮面!あ~博士!悪いんですけど今バイトの面接ちゅ・・・なんだって!?なんなんだって!!分かりました!直ぐ行きます!」
「ピッ!」
「店長さん!!今まさに悪者が蔓延りそうになっています!なので!行かなければなりません!ですから店長さん!面接の続きは、悪者を退治してからと言う事で!では後ほど!シー・ユー・アゲイン!」

もしも あなたの家に
写真立てがあったなら

それを くるぶし仮面に
送ってみて下さい

きっと 彼の写真が入って

送り返されてくるでしょう
着払いで届くでしょう

嗚呼 くるぶし仮面
笑顔素敵な くるぶし仮面

嗚呼 くるぶし仮面
心霊写真な くるぶし仮面

嗚呼 くるぶし仮面
今日も悪者 許さぬ仮面

もしも あなたの家に
冷やご飯があったなら

それを くるぶし仮面に
送ってみて下さい

きっと 彼は喜んで

冷やご飯を食べるでしょう
チンせずに食べるでしょう

嗚呼 くるぶし仮面
米大好き くるぶし仮面

嗚呼 くるぶし仮面
味付けは 嬉し涙の塩味

嗚呼 くるぶし仮面
毎日少し 痩せてく仮面

泣きそうになる日だって
折れそうになる日だって

涙は仮面の中で流してる

負けそうになる時だって
諦めそうになる時だって

正義が心の中で流れてる

嗚呼 くるぶし仮面
今日も 悪者と戦う仮面
明日も 空腹と戦う仮面

食費を 水道光熱費が奪う

第三十七話
「くるぶし仮面」

「くるぶし! くるぶし! くるぶし! くる」
「ピッ!」
「はいくるぶし仮面!あっ!店長さんですか!ちょっと待っていて下さいね!今この悪者をやっつけてからそちらに駆け付けますから!後はとどめのくるぶしビー・・・えっ?その面接結果は、決定事項なんですか!?決定事項に近いんですか!?」

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