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2007年4月

2007年4月 4日 (水)

「第四十二話」

「すいません。お聞きしたいのですが?宜しいですか?」
「聞くがいい。」
「この扉を開けたいのです。」
「なら開けるがいい。」
「ですが開かないのです。」
「なら諦めるがいい。」
「どうしても開けたいのです。」
「なら開けるがいい。」
「何度も開けようとしているのですが、開かないのです。」
「なら諦めるがいい。」
「諦める訳にはいかないのです。」
「なら開けるがいい。」
「でも扉の開け方が分からないのです。」
「なら諦めるがいい。」
「向こう側に、どうしても行きたいのです。行かなければならないのです。」
「なら行くがいい。」
「この扉を開けなければ行けないのです。」
「なら開けるがいい。」
「どうやれば開けられるのか?この扉の真横に立ってらっしゃる貴方なら、もしやご存知かと?」
「なら聞いてみるがいい。」
「知っているのですか?」
「喜ぶがいい。」
「良かった。知っているのですね。でしたら僕に扉の開け方を教えて下さい。お願いします。」
「こうやって!こうやって!この辺をこうやっといてから!ここをこう!そしてこう!さらにはこう!こんな感じで開けるがいい。」
「出来ればジェスチャーも取り入れて説明して欲しいのですが?」
「なら出題するがいい。」
「別にクイズをやりたい訳ではないのです。そう言う意味のジェスチャーではないのです。」
「ハイレベルなものから出題するがいい。」
「ですからそう言う意味ではないのです。それに、僕が出題して僕が解答するのは、あまりにも不自然な事なのでは?」
「なら司会にまわるがいい。」
「特にクイズ番組をやりたい訳ではないのです。それに、出題している時点で僕は司会者なのでは?」
「ならトーク中心にゲストの感動エピソードを引き出すがいい。番組の最後には、豪華プレゼントをハガキ抽選で発表は発送をもって行うがいい。」
「番組どうこうではなく、全体的に司会者になるつもりはないのです。僕はただ、この扉を開けたいだけなのです。」
「なら開けるがいい。」
「開かなくて困っているのです。ですから、扉の開け方を知っているのなら教えて下さい。」
「なら呪文を唱えるがいい。」
「呪文ですか?」
「なら呪文を唱えるがいい。」
「でしたら、その呪文を教えて下さい。お願いします。」
「適当に唱えるがいい。」
「えっ!?適当にですか?」
「とにかく思い当たる呪文を適当に唱えるがいい。何となく唱えてみるがいい。」
「何となくでいいのですか?」
「早く唱えるがいい。」
「は、はい。分かりました。では・・・ひらけ!扉!・・・・・・・・・開きませんが?」
「三回連続で唱えるがいい。」
「ひらけ!扉!ひらけ!扉!ひらけ!扉!・・・・・・・・・開きませんが?」
「もっと“ひ”の部分を強調して唱えるがいい。」
「ひ!らけ扉!ひ!らけ扉!ひ!らけ扉!・・・・・・・・・やはり開きませんが?」
「なら帰るがいい。」
「どうしてそうなるのですか?僕の事をからかっているのですか?でしたらやめていただきたい。」
「なら頬を殴るがいい。」
「そこまで怒ってはいません。それに、僕は暴力は嫌いです。それはなぜか?暴力では何も解決されないからです。」
「右頬を殴るがいい。」
「だから、暴力は嫌いだと言っているではないですか。」
「あの時のあの酒場の時のように、あの看板娘のあの取り合いの時のあのケンカの時のように殴るがいい。」
「あの多過ぎです。勝手にストーリーを組み立てないで下さい。」
「全治三週間ぐらい殴るがいい。」
「結構な怪我ではないですか。それに、貴方とは初対面ではないですか。誰かが聞いたら誤解するような人聞きの悪い事を言わないで下さい。」
「なら疑われないようにするがいい。」
「貴方が原因です。」
「なら謝るがいい。」
「貴方がです。・・・本当に扉の開け方を知っているのですか?」
「疑いたいなら疑うがいい。」
「疑いたくもなります。」
「なら帰るがいい。そして、帰る途中に犬に首根っこを噛まれるがいい。」
「嫌です。」
「帰る途中に意味もなく会う人、会う人に苦笑いされるがいい。」
「嫌です。」
「後ろ向きに歩きながら帰るがいい。」
「嫌です。」
「なら帰るのやめるがいい。」
「僕は、一度として帰るなどと口にはしていません。」
「帰るのやめるのやめるがいい!」
「だから、僕は帰りません。それになぜ、少し怒り口調なのですか?僕は、早くこの扉の向こうに行きたいのです。」
「なら行くがいい。」
「何度も言っていると思いますが、扉が開かないのです。」
「なら寝るがいい。」
「寝る?」
「そう。いくらやっても無理ならば、腹をくくって寝るがいい。一夜漬けなどと甘い考えをしていた自分を後悔しながら眠りにつくがいい。」
「今は、テスト勉強をしている訳ではないのですよ?」
「受験戦争に巻き込まれるがいい。」
「ましてや受験をする気などないのです。」
「なら働くがいい。」
「就職か進学かで悩んでいるのではないのです。」
「ならこれからは、一家の大黒柱として存分に大黒するがいい。」
「何がどうなったら話がそんな方向に進むのですか?どうでもいい事ですが、僕はまだ独身です。だいたい大黒するとは何なのですか?僕は、この扉を開けたい。ただそれだけなのです。」
「なら開けるがいい。」
「だから開け方を教えて下さい。タダとは言いません。ちゃんとそれなりに御礼はします。」
「金では人の心を動かす事など出来ないのだと思い知るがいい。」
「す、すいません。安易な発言をしてしまいました。貴方の誇りを傷付けてしまった事を深くお詫びします。」
「なら振り込むがいい。」
「なんだかんだで、結局はお金で解決しようとしているではないですか。」
「手数料は差し引いて振り込むがいい。」
「変なとこに小さなサービス精神を見せないで下さい。」
「小さなサービスの積み重ねで我が社が大きくなった事を新入社員の君も肝に銘ずるがいい。」
「勝手に就職させないで下さい。僕を助けると思って、どうか扉の開け方を教えて下さい。」
「なら聞くがいい。」
「お願いです。扉の向こう側で大切な人が待っているのです。」
「なら急ぐがいい。」
「貴方に言われずとも十分急いでいます。ですから、扉の開け方を本当の本当に知っているのなら教えて下さい。」
「鍵穴を見るがいい。」
「鍵穴ですか?鍵穴・・・・・・鍵穴・・・・・・鍵穴・・・・・・すいません。鍵穴が見当たらないのですが?」
「子供騙しに引っ掛かるがいい。」
「見事に引っ掛かりましたよ。結構、入念にチェックしてしまいましたよ。」
「なら笑うがいい。」
「ふざけないで下さい!貴方って人は!人が困っているのがそんなに面白いですか!人を茶化してそんなに楽しいですか!それが真面目に貴方の言っている事に耳を傾けている者に対してする行為ですか!少しは人の気持ちを考えたらどうですか!!」
「なら怒るがいい。」
「もう怒りましたよ!」
「気がすんだのなら帰るがいい。」
「だから!僕は扉の向こう側で助けを待っている大切な人のとこへ行かなければならないのです!」
「なら開けるがいい。」
「馬鹿ですか貴方は!開けたくても開けられないのです!さっきっから何度言えば分かるのですか!」
「なら諦めるがいい。」
「そんな事は絶対に出来ない!僕がここで諦めたら!大切な人は、死んでしまうのです!ですからお願いです!扉の開け方を!どうか僕に教えて下さい!!」
「ミイラ取りがミイラになるがいい。」
「何て事を言うのですか!例え僕が死のうが!彼女の命は助けます!」
「ならこんなとこで油を売ってないで、さっさと行くがいい。」
「キーッ!!分からない人だな!扉が開かないんだ!僕は!絶対に諦める訳にも帰る訳にもいかないんだ!」
「なら呪文を唱えるがいい。」
「やりました!開きませんでした!」
「なら“ら”の部分を強調して唱えるがいい。」
「もう騙されませんよ!次は鍵穴ですか?そうやって子供がする悪戯のような事を言って僕をからかうのは!いい加減やめていただきたい!!何なら貴方がこの扉を開けて下さっても良いのですよ!」
「なら・・・・・・・・・。」
「なら?」

第四十二話
「なら他を当たるがいい」

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2007年4月11日 (水)

「第四十三話」

 誰でも一度ぐらいは、自分の頭の中で想像して人を殺した事があるだろ?それはストレス解消の為だったり、自我を保つ為だったり、自己の欲求を満たす為だったり、ただの暇つぶしだったり・・・・・・・・・。実際に殺す訳じゃないんだから別に悪い事じゃない。そうは思わないか?

「次は、今日のお天気です。」
「プチン。」
信じられないが、これがおそらく現実なんだろう。一昨日の公園で発見された男性の変死体。昨日の山林で発見された女性のバラバラ死体。今のニュースでやっていた一家三人惨殺事件。どれも俺が頭の中で想像して殺した人達だ。しかも全く同じ殺され方・・・・・・三日も連続するなんて・・・・・・。単なる偶然だよな?でもなぜなんだ?なぜ、俺が想像で殺した人達が、現実でも同じように死んでしまうんだ?
「ピーンポーン!」
ん?
「ピンポン!ピンポン!ピンポン!ピーン・・・・・・・・・ポーン!」
「ガチャッ。」
「どーも。」
「どーも。」
蛙の国の王様が大きな猿のお供を従えてやって来た。この二人は、いったい何者なんだ?
「どちら様ですか?」
「わたくし達は、こーゆー者です。」
「者です。」
警察手帳!?刑事!?いったい刑事が何の用があって俺の家に?まさか!?・・・いやいやいや、そんなはずはない。だってあれは・・・・・・想像。
「えーわたくしがチョコレートケーキ刑事で、こっちがモンブラン刑事です。どうぞ宜しく。」
「宜しく。」
チョコレートケーキにモンブランだって!?
「我々は、そんなに甘くないぞ!なぜならケーキじゃなくて刑事ですから!ゲコゲコゲコゲコ!」
「キッキッキッキッ!」
冗談のつもりなのか?全く面白くない。気味の悪い笑い方をしやがって・・・・・・何がそんなに可笑しい?
「いったい何の用で来たんですか?」
相手にするのも馬鹿らしい。さっさと用件を聞いて帰ってもらおう。
「ああ、こりゃ失敬。」
「失敬。」
だいぶ失敬だよ。
「我々が何の用で来たかですって?ゲコゲコゲコ!お分かりのくせに。」
「くせに。」
「分かりませんよ!」
分かる訳がないだろ!
「あなたを逮捕しに来たんですよ。」
「すよ。」
逮捕だって!?
「モンブラン刑事。逮捕状を見せて上げて。」
「アイアイサー!」
「逆さま逆さま。」
「あら?キッキッキッキッ!」
「ゲコゲコゲコゲコ!」
なぜだ?なぜ俺が?
「逮捕って!俺がいったい何をしたって言うんです!」
「何をした?ゲコゲコゲコゲコ!」
「キッキッキッキッ!」
「何が可笑しい!」
「ゲコゲコゲコゲコ!だって、あなたが最高に笑えるジョークを言うもんですから。なぁ、モンブラン刑事?」
「キッキッキッキッ!」
「冗談なんかじゃない!なぜ逮捕されなきゃいけないんだ!」
「それは、あなたが人を殺したからですよ。」
「ですよ。」
何だって?俺が人を殺しただって?馬鹿な!確かに殺した・・・・・・でもあれは頭の中で想像して殺しただけで・・・・・・実際に殺した訳じゃない!
「想像して殺しただけで実際に殺した訳じゃない。ですか?ゲコゲコゲコ!想像で人を殺しても殺人は殺人!」
「殺人は殺人!」
「えっ!?」
何言ってんだこの刑事は?なぜ俺が想像で人を殺した事を知っているんだ?
「なぜ想像で人を殺した事を知っているんだ?ですか?」
「すか?」
なぜさっきから俺の考えが分かる!どうなってる!?
「・・・・・・・・・確かに俺は・・・想像で人を殺した。」
「ほら、やっぱり殺してるじゃないですか。ゲコゲコゲコ!」
「ないですか。キッキッキッ!」
「だが!実際に殺した訳じゃないんだから別にいいだろ!」
「寝ぼけた事を言わないで下さい。」
「さい。」
「想像で殺したんなら、それは立派な殺人です。現に、五人もの尊い命が犠牲になっているじゃありませんか。それが、何よりもの証拠です。」
「拠です。」
そんなはずはない!想像で実際に人が死ぬ訳がない!死んでたまるか!
「ゲコゲコゲコゲコ!では、行きましょうか?」
「きましょうか?」
「行くってどこへ?」
「決まってるでしょ?」
「決まってるでしょ?」
「警察へ連れてかれるのか?」
「違います。死刑台にです。」
「にです。」
死刑台!?死刑って事か?ちょっと待ってくれよ!
「どうして俺が死刑にならないといけないんだ!あんたら無茶苦茶過ぎるよ!」
「無茶苦茶なのは、どっちですか?」
「っちですか?」
「人を五人も殺しておいて何を言ってるんですか?いや、本当はもっと大勢の人達を殺しているのかな?そんな奴は、すぐさま死刑になって当たり前!」
「たり前!」
「俺は誰も殺してない!!」
「なぜ我々がここにいるのかお分かりですか?」
「ですか?」
はっ?勝手にあんたらが来たんだろ?何言ってるんだ?
「知る訳ないだろ!」
「あなたが罪の意識に苛まれたから、我々がここにいるのでは?」
「では?」
「これ以上想像で殺人を繰り返していけば、本当に殺人をしてしまう。」
「しまう。」
「あなたの無意識の理性が我々を作り出した。」
「出した。」
作り出しただと!?
「違いますか?」
「?」
「まさか!?あんたらも俺が頭の中で想像したって言うのか?」
「ゲコゲコゲコゲコ!だから、そう言っているじゃありませんか。」
「キッキッキッキッ!決まってるだろ?こんなふざけた刑事を想像するのなんて、あんたしかいないよ。茶番だよ!茶番!」
「モンブラン刑事。少し言い過ぎだよ。ゲコゲコゲコ!しかし、まったくその通りですね。チョコレートケーキにモンブランだなんて、茶番もいいとこですよ。」
「ですよ。って何で俺は、チョコレートケーキ刑事の台詞を繰り返すんだ?まるで馬鹿じゃないか!」
俺の想像?殺人も刑事も?俺が頭の中で想像した事?それが現実になってしまうって事なのか?それともこれも想像なのか?俺は、いつの間にか想像に取り込まれてしまっていたのか?何なんだ?いったい何だって言うんだ?どうしちまったんだよ俺は!
「ここは現実なのか?」
「さあ?」
「さあ?」
「どっちでもいいじゃありませんか。ゲコゲコゲコゲコゲコゲコ!」
「キッキッキッキッ!」
「ゲコゲコゲコゲコゲコゲコゲコ!」
「キッキッキッキッキッキッキッ!」
「ゲロゲロゲロゲロゲロゲロゲロ!」
「ウッキッキッキッキッキッキッ!」
「笑うな!!」
「だったら、我々も想像で殺してみたらどうですか?」
「ですか?」
何を言ってるんだ?
「早く殺しなさい。」
「殺せ!」
殺せだと?
「殺しなさい!」
「殺せ!」
誰が?誰を?
「殺すのです!」
「殺せ!殺せ!」
うるさい。うるさいうるさいうるさい!俺は、誰も殺してなんかいない!ただ、想像しただけだ・・・・・・・・・。
「殺せー!」
「殺せ!殺せ!殺せ!」
黙れ・・・・・・・・・。
「さあ!殺しなさい!」
「殺せ!殺せ!殺せ!殺せ!殺せ!」
黙れ・・・・・・・・・黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ!
「黙れぇぇぇぇぇ!!」
「・・・・・・・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・・・・・・・。」
し・・・死んでる!?やっぱり俺は殺人をしたのか?いったいここは・・・どこなんだ?現実なのか?それとも・・・・・・・・・

第四十三話
「まだ終わらない!」
 
 
 
 
 
 
「おい!起きろ!」
「ん?」
ここは?今のは?
「何だ青白い顔して!仕事は、はかどったのか?」
「仕事?」
今のは夢?
「おいおい。顔でも洗ってきた方がいいんじゃないか?仕事ってゲームに決まってるじゃないか。」
いったい俺は?
「ゲーム?」
「うちの会社から出す新作のゲームソフトだよ。シナリオは、お前の担当だろ?」
そうか・・・・・・ここは仕事場か・・・・・・・・・。
「どうだ?いいシナリオでも浮かんだか?」
「・・・・・・・・・主人公は、想像力でモンスターと戦っていくんだよ。」
「いいじゃないかそれ!斬新だよ!」
「想像力のレベルがアップすれば、いろいろな想像でモンスターと戦っていけるようになるんだ。」
「なるほど!で?どんな風に戦うんだ?」
「公園のベンチで酔っ払って寝てるモンスターを大きな石で何度も殴って殺したり。」
えっ!?
「殺したモンスターをバラバラにして山中に埋めたり。」
何を言ってるんだ?
「一家三人で楽しく夕食を食べているモンスター家族を皆殺しにしたり。」
おい・・・・・・これじゃあまるで・・・・・・さっきの・・・・・・・・・。
「おいおいおい。子供もプレイするんだぞ?表現がグロテスク過ぎるんじゃないか?まあ、まだまだ期限は先だからな。そんなに根詰めて考える事はないさ。」
「あ・・・ああ。そうだな。でも、今の内に骨組みだけでも考えとかないと。」
「それで体を壊しちゃ冗談じゃ済まされないだろ?まあ、これでも食って一休みでもしろよ。」
「ん?ケーキか?」
ケーキだと!?
「疲れた脳には、甘い物が一番だ。」
「悪いな。」
「パカッ。」
「チョコレートケーキとモンブランだ。二つとも食うなよ?一つは俺のだからな。」
チョコレートケーキにモンブランだと!?
「ああ。」
「俺は、どっちでもいいから、好きな方を選んじゃっていいぞ。今、コーヒー入れてきてやるよ。」
単なる偶然だよな?いや、偶然に決まってる!
「悪いな。ギンギンに熱いブラックを頼むよ。」
「分かった。なあ?」
「ん?」
「どうしてお前が、さっき俺が頭の中で想像していた出来事を知ってるんだよ!?」
「さあ?きっとジョークなんじゃないか?これも何となくジョークなんだよ。だからそんなマジな顔してないで、早くコーヒーを入れてきてくれよ。ゲコゲコゲコゲコゲコゲコゲコ!」
ここは現実なのか?それとも・・・・・・・・・

第四十三話
「まだ終わらない!」

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2007年4月18日 (水)

「第四十四話」

何にも知らないし
知りたくもないし

それ気にならないし
気にしたくもないし

限りなく不透明だし
何よりも不鮮明だし

知りたい事は
続きぐらいだし
気になる事は
天気ぐらいだし

ならば

すんなり すんなり
聞こうか?
すら~り すら~り
流し気味
どんより どんより
雨模様?
くも~り くも~り
空模様

何にも分かんないし
分かりたくもないし

特に注意する事も
それとなくないし

いまいち不安感だらけだし
でもって緊張感もなしだし

分かりたい事は
少し分かったし
注意していても
過ちは起こるし

ならば

きっぱり きっぱり
させようか?
とろ~り とろ~り
曖昧に
はっきり はっきり
させようか?
のら~り くら~り
適当に

まったくやってらんないし
されど生きなきゃならんし
事あるごとに困難続きだし
だいたいメリットがないし

疲れて寝ちゃうし
腹が減っちゃうし
嫌気さしちゃうし
身動きがとれなくなっちゃうし

もう朝が来るし
また夜になるし
けど月はないし
でも地球はぐるっと回っちゃうし

だったら

のんびり のんびり
行こうか?
ゆる~り ゆる~り
考えて
ゆっくり ゆっくり
歩こうか?
する~り する~り
くぐり抜け

イエ~イ まだまだ

まったり まったり
進もうか?
ゆら~り ゆら~り
風が吹く
やんわり やんわり
触れようか?
ふわ~り ふわ~り
空まで

衝動的だし 感傷的だし
合理的だし 意欲的だし
何なら知的だし
更には美的だし
情緒不安定だったりだし

こうなったら

ゆったり ゆったり
生きようか?
知らないフリして生きようか?

ゆったり ゆったり
生きようか?
知らない事にして生きようか?

無知な感じで生きて行こうか?

第四十四話
「能ある鷹は
     ゆえに爪を隠す」

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2007年4月25日 (水)

「第四十五話」

 ペンギンです。
「おいペン!」
こいつもペンギンです。
「何だギン!」
僕等は、ペンギンです。
「スヤスヤ。」
とどのつまり三匹のペンギンなんです。
「おいってばペン!」
「さっきっから何なんだギン!」
「お前ペンギンだろペン!」
「当たり前だギン!ペンギン以外の何者でもないギン!」
「何て種類のペンギンだペン!」
「お前と同じ種類のペンギンだギン!」
「なるほど・・・・・・なかなか難しい事を言うペン!」
「どの辺が難しいんだギン!」
「スヤスヤ。」
「なあペン!難しい話は置いといてペン!」
「お前が振ってきたんだろギン!」
「聞いてくれペン!こいつのお腹を叩くとポムポムって音がするペン!」
「ペシペシ!」
「ポムポム。」
「どうだペン!面白いペン!」
「確かに面白いとは思うギン!でも気持ち良さそうに寝てるんだから、ほっといてやれギン!」
「スヤスヤ。」
とまあ。僕等は、だいぶ暇ペンギンだった。ポムポムをするぐらい暇ペンギンだった。
女の子が現れるまでは・・・・・・・・・。

「ペシペシ!」
「ポムポム。」
「スヤスヤ。」
「ペシペシ!」
「ポムポム。」
「スヤスヤ。」
「ペシペシ!」
「ポムポム。」
「スヤスヤ。」
「いい加減にポムポムするのやめてやれギン!」
「俺達は、暇を持て余してるんだから良いじゃないかペン!そんな事よりも大発見だペン!」
「どうしたギン?」
「いいかペン?よく聞いてるんだぞペン?」
「ペシペシペシ!」
「ポムポム。」
「大発見ペン!!」
「何がだギン!」
「もう一回やるからちゃんと聞いてろペン!」
「ペシペシペシ!」
「ポムポム。」
「三回ペシってやっても二回しかポムってしないんだペン!」
「下らないギン!下らなすぎるギン!そんな下ら」

「ドサッ!!」

「スヤスヤ。」
「ん?どうしたペン?」
「見たかギン?」
「見てないペン!」
「降って来たギン!」
「晴れてるペン!」
「雪じゃないギン!」
「じゃあ何が降って来たペン!」
「女の子だギン!」
「ペシペシ!」
「ポムポム。」
「ペッペッペッ!おいおいペン!寝ぼけるのは、こいつだけにしてくれペン!うけたうけたペン!ペッペッペッ!」
「ペシペシ!」
「ポムポム。」
「ペシペシ!」
「ポムポム。」
「ペシペシペシ!」
「ポムポム。」
「叩くなギン!別に笑わせようとして言ったんじゃないギン!本当に見たんだギン!あっちの方に落ちたギン!」
「そこまで言うなら確かめに行くペン!」
「ペシペシ!」
「ポムポム。」
「だから叩くなギン!行くギン!」
「ヨチヨチ。」
「ヨチヨチ。」

「スヤスヤ。」

「ヨチヨチ。」
「ヨチヨチ。」
「ペシペシ!」
「ポムポム。」
「いちいち叩くなギン!」
「まさか本当に女の子が落ちてるとは、思わなかったペン!」
「ここまで運んで来たけど、どうするギン?」
「どうするペンって言われてもペン!食べる訳にもいかないだろペン?」
「当たり前だギン!」
「生きてるのかペン?」
「生きてるだろギン?」
「ペシペシ!」
「おいギン!何やってるんだギン!」
「ポムポムって音がすると思ってペン!」
「思うなギン!音がするのは、こいつだけだギン!」
「スヤスヤ。」
「んっん~ん。」
「おいペン!女の子が目を覚ますペン!」
「ん?ここは・・・どこ?」
「おいペン!」
「何だギン!」
「何か言ってるみたいだけど何を言っているのか分からないペン!」
「当たり前だギン!相手は人間だギン!言葉を理解出来る訳ないだろギン!」
「知らなかったペン!今日、二度目の大発見だペン!」
「お前が物事を知らなすぎなだけだギン!」
「あ~っ!!」
「おいペンギン!俺達を指差して何か言ったペン!」
「うわ~!本物のペンギンだ~!!しかも三匹もいる~!かっわいい~!おいしょっと!」
「お、おいペン!抱きかかえられたペン!」
「そうだなギン!」
「呑気に見てないで助けろペン!こいつきっと食べる気ペン!!」
「あ~ん!そんなに暴れないで!何でだろ?食べられると思ってるのかなぁ?怖がらなくても大丈夫だよ?」
「スリスリ。」
「お、おいペン!顔と顔をスリスリしてきたペン!!やっぱり食べる気だペン!!早く助けろペン!!」
「落ち着けギン!食べようとなんかしてないギン!むしろ俺等に会えて嬉しがってる感じだギン!」
「本当かペン?」
「本当だギン!」
「あっ!おとなしくなった。ごめんね。驚かしちゃったよね?はい。下ろしてあげるね。」
「本当だペン!」
「だから言ったギン!」
「そうだ!忘れてた!初めまして!」
「ペコ。」
「今度は、頭を下げたペン!」
「とりあえず真似しとくギン!」
「ペコ。」
「ペコペコペコペコ。」
「やり過ぎだギン!」
「多くやった方の勝ちなんだろペン?」
「いつ決まったんだギン!」
「あっはは~!かっわいい~!!」
「パチパチパチ!」
「今度は、手を叩いたペン!」
「とりあえず真似しとくギン!」
「パタパタパタ!」
「パタパタパタ!」
「無理だペン!」
「俺等の腕の長さじゃ不可能だギン!」
「かっわいい~!ん?こっちのペンギンさんは、寝てるのかな?」
「おいペン!今度は、こいつを見てるペン!これは、チャンスだペン!」
「いったい何のチャンスなんだギン?」
「ペシペシ!」
「ポムポム。」
「なっペン?」
「なっギン?じゃないギン!どんなチャンスなんだギン!」
「うわ~!ポムポムって音がした~!やらしてもらお~っと!」
「ペシペシ!」
「ポムポム。」
「ペシペシ!」
「ポムポム。」
「おもしろ~い!ペンギンってお腹叩くとポムポムって音がするんだ~!」
「ペシペシ!」
「ポムポム。」
「おいギン!何か間違った知識を植え付けてないかギン?」
「考え過ぎペン!あんなに楽しそうにポムポムしてるペン!そしてすかさずこうだペン!」
「ペシペシペシ!」
「ポムポム。」
「何で~!三回叩いたのにポムポムって二回しか音がしな~い!ふしぎ~!」
「ペシペシペシ!」
「ポムポム。」
「ペシペシペシ!」
「ポムポム。」
「ペシペシペシ!」
「ポムポム。」
「あっはは~!たのし~!」
「えっへんペン!」
「何で得意気になってるギン!」
「ペシペシペシ!」
「ポムポム。」
「ペシペシ!」
「ポムポム。」
「ペシペシペシ!」
「ポムポム。」
「ペシペシ!」
「ポムポム。」
「うん!満足!満足!」
「ん?止めたペン?」
「きっと無意味な満足感を得たんだろギン?」
「さ~てと!もう帰らないとパパとママに怒られちゃうや。内緒で来ちゃったしね。遊んでくれてどうもありがとう。」
「おいペン!ガキの分際で俺達の頭を撫でてるペン!」
「きっと悪気があってやってる訳じゃないギン!」
「おいペン!ガキがどっか行くみたいだペン!」
「きっと家に帰るんだろギン?」
「バイバ~イ!」
「手を振ってるペン!」
「とりあえず真似しとくギン!」
「ペチペチペチ!」
「ペチペチペチ!」
「おいペン!ところで帰るっていったいどこへペン?」
「知る訳ないだろギン!」
「おいペン!さっき落ちて来た場所で立ち止まったペン!」
「ブワ~ッ!!」
「お、おいペン!」
「信じられないギン!」
「背中から羽が生えたペン!!」
「ブワ~サッ!ブワ~サッ!ブワ~サッ!ブワ~サッ!」
「・・・・・・・・・・・・・・・!?」
「・・・・・・・・・・・・・・・!?」
「行ったペン!」
「行ったギン!」
「飛んでったペン!」
「飛んでったギン!」
「あれは天使ポム!」
「起きたのかペン!」
「本当かギン?」
「本当だポム!」
「そうだったのかギン!」
「それにしてもよく寝てたなペン!」
「寝てないポム!僕は、最初から起きてたポム!寝たふりしてただけポム!」
「何だとペン!おいペン!だったらもしかしてペン!」
「そうだポム!あれは僕が全部ポムポムって言ってただけポム!ペンギンのお腹を叩いてポムポムなんて音がするはずないポム!」
「ギッギッギッ!そんな事だろうと思ったギン!」
「よくも騙してくれたなペン!!」
「ポッポッポッ!楽しかったんだから別にいいポム!」
「ペッペッペッ!それもそうだなペン!」
「そうなのかギン?」
「そんな事よりポム!寝たふりしたらお腹が減ったポム!」
「何だそれギン!」
「じゃあ行くかペン!」
「行くポム!」
「やれやれだなギン!」
「ザバーン!」
「ザバーン!」
「ザバーン!」

とどのつまり僕等は、三匹のペンギンなんです。でも、天使と一緒に遊んだペンギンなんて、きっと僕等三匹だけだと思います。

第四十五話
「三匹のペンギンと天使」

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