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2007年5月 9日 (水)

「第四十七話」

「じーちゃん!」
「・・・・・・・・・。」
「ねぇ!じーちゃん!」
「・・・・・・・・・。」
「じーちゃん?」
「・・・・・・・・・。」
「じー・・・・・・・・・ちゃん?」
「・・・・・・・・・。」
「ちょっと!?じーちゃん!じーちゃん!」
「・・・・・・・・・。」
「しっかりしてよ!じーちゃん!じーちゃーん!!」
「何じゃ?」
「じーちゃん!何やってんだよ!」
「死んだフリじゃが?」
「じゃーちゃんがやるとシャレにならないからやめてよね!心配した時間の無駄感が否めないよ。」
「・・・・・・・・・。」
「じーちゃん聞いてんの?」
「・・・・・・・・・。」
「じーちゃん?」
「・・・・・・・・・。」
「じーちゃーん!」
「それよりさっきっから、じーちゃん!じーちゃん!って、いったい何がそんなにじーちゃん何じゃ?」
「死んだフリ、ちょっとイラッとくるからやめてよね。」
「すまねぇ。孫よ。」
「いつの時代の人?」
「遠い未来よりの使者じゃ!」
「絶対むかしの人だったよね?」
「名前をジーチャンと言うんじゃ!」
「嘘じゃん!じーちゃんは名前じゃないでしょ!じーちゃんが名前だったら、世の中じーちゃんだらけでうじゃうじゃだよ。」
「それよりいい加減にじーちゃんに何の用があったのかを教えてくれんか?」
「僕が悪いの?・・・・・・あのね・・・・・・実はね・・・・・・学校でいじ」
「カァァァァァァァッペッ!!」
「何で話の途中で痰吐いちゃうの?しかも縁側にいるんだから庭の方に吐きなよ!どーしてわざわざ後ろ向いて部屋に吐いちゃうんだよ!ばーちゃんに怒られても知らないからね!」
「あの痰はのう。奇跡の痰と言ってな。あらゆる病気を治してくれるんじゃ。」
「吐いちゃダメじゃん!」
「学校でどうしたんじゃ?」
「ちゃんと拭いときなね。・・・・・・学校でいじめられてるんだ・・・・・・。」
「なんじゃと!?そりゃえらいこっちゃ!ママも大変じゃな!」
「どーしてママが学校でいじめられてる事になっちゃうの!?」
「いつもわしをいじめとるから罰が当たったんじゃと思ってな。いや、むしろ罰が当たれと思ったんじゃ!」
「じーちゃん!ちょっとじーちゃんってば!熱くなりすぎだよ!いいから座ってよ!ママはじーちゃんをいじめてなんかいないでしょ?あれは、じーちゃんが余計な事ばーっかするから怒られてるだけじゃん。」
「はて?」
「はて?じゃないよ。この前だってママの大事な化粧品を使ってお腹に顔書いてたじゃないか。」
「ちゃんと謝ったじゃろ?」
「お腹に書いた顔で謝ってたじゃん!」
「真の腹話術じゃ!」
「何言ってんだよ。それに口紅でお尻にハートマーク書いてお尻をくっつけたり離したりして遊んでたじゃん!」
「あれは新しい恋占いじゃ!」
「じーちゃんのさじ加減一つじゃないか!」
「お前?学校でいじめられとるのか?」
「たまにじーちゃんのペースに着いてけないんだよね。・・・・・・そうだよ。いじめられてるんだよ。」
「じゃっ!」
「ちょっちょっと!?どこ行くんだよ!じーちゃんってば!」
「小遣いをせびりに来たんじゃろ?じーちゃん今月あと三百円しか持っとらんのじゃよ。勘弁しとくれよお代官さま~って誰がお代官さま何だよバカヤロー!」
「え~!?何かいろいろ言いたい事があるんだけど何を言っていいのか分かんないよ。とにかく小遣いが欲しくて来たんじゃないよ。」
「何じゃ。びっくりして寿命が五百年も縮んじゃったじゃないか。」
「どんだけ長生きする気なの?・・・・・・だからね。どうやったら学校でいじめられないか聞こうと思ったんだよ。」
「いじめられとるって、いったいどんな風にいじめられとるんだ?」
「クラスにね。」
「クラスって何じゃ?そやつが我が孫をいじめとるのか!」
「そこからなの!?クラスってのは教室の事だよ。」
「ならその教室君が我が孫をいじめとるのか!」
「そこ分からないのおかしいでしょ!教室君て何なの?教室が僕をいじめるってどんな風になっちゃうの?」
「それはもう世にも恐ろしい事になっとるじゃろうな。」
「でね。」
「出おったな!必殺無視無視攻撃!」
「だって、何かきっと突き詰めて聞いても具体的に中身がないかなと思ってさ。」
「さすが我が孫じゃ!千里眼じゃな!」
「えっ?何か難しい言葉使わないでよ。」
「具体的に意味聞かれんで助かったわい。」
「何かモヤモヤ感が否めないよ。話を戻していい?」
「どんと来なさい!」
「クラ・・・教室にね。僕より背が高くて体格のいい奴がいるんだ。」
「十八メートルか!」
「スーパーロボットじゃん!何なら僕もそこそこのもんじゃん!ちゃんと最後まで話を聞いてよ!でね。そいつがいつも僕にケンカを吹っ掛けてくるんだよ。」
「何じゃ何じゃ。ケンカで負けとるのか!」
「だって・・・・・・・・・。」
「だったら強くなりんしゃい!」
「どこの人?・・・・・・でもどうやって?」
「わしを誰だと思っとるんじゃ!」
「じーちゃん。」
「そうじゃよ!じーちゃんじゃよ!わしがじーちゃんだと何か問題でもあるんですか!」
「どこに怒り出す要素があったのか分からないよ。」
「わしもじゃ!」
「・・・・・・だったらケンカに強くなる方法を教えてくれるの?」
「もちろんじゃ!」
「本当!?」
「ジーチャン ウソ ツカナイ ジーチャン ソラ トベル!」
「さっそくついちゃったじゃん!」
「お前には、教えとらんかったがな。実は、じーちゃんは何を隠そう!拳法の使い手なんじゃよ!」
「本当に!?」
「ジーチャン ウソ ツカナイ ジーチャン バーチャン!」
「見た目でバレバレの嘘じゃん!ねぇねぇ。だったら拳法を僕に教えてよ!」
「そうじゃな。そろそろ我が家系に代々伝わる秘伝の拳法をお前に教えてもいいかもしれんな。」
「やったー!これでもうケンカに負けないぞ!ところでじーちゃん?」
「何じゃ?」
「秘伝の拳法って名前ってあるの?ほら、だってよく拳法って名前があるでしょ?酔拳とか蛇拳とかさ。」
「じゃーちゃん拳じゃ!」
「じゃーちゃんじゃん!代々伝わってないじゃん!じーちゃんから始まってるじゃん!歴史浅いじゃん!」
「歴史とは多少の誤りがあるもんなんじゃよ。」
「多少じゃなくってほぼだよ!ほぼ!」
「細かい事にこだわる孫じゃな。」
「かなり大事なとこだと思うよ?」
「強くなれればいいんじゃろ?」
「うん。強くなれるならそれでいいよ。」
「じゃったらまずは、庭に出るんじゃ!」
「分かった。」
「トゥ!」
「トー!でしょ?トゥになっちゃってるよ?」
「さあ!わしのやる動きをよく見とくんじゃぞ?」
「分かった!」
「まず入れ歯がなくてあたふたするさまから名付けられた入れ歯の舞じゃ!」
「えっ!?」
「ふぁふふぁほぉほぉふぁふほぉ。」
「喋り方までその時にならないでよ!何言ってるか分からないじゃん!何て言ってるの?」
「ふぁふふぁほぉほぉふぁふほぉ。って言ったんじゃが?」
「まんまだったのね。ややこしい感が否めないよ。ふぁふふぁほぉほぉふぁふほぉ。って言えばいいの?」
「なかなか筋がいいじゃないか!」
「ただ、ふぁふふぁほぉほぉふぁふほぉ。って言ってるだけだよ?全然、舞ってないんだけどいいの?」
「次じゃ!」
「いいんだ!」
「究極奥義じゃ!」
「早くないじーちゃん!いきなり究極奥義教えてくれちゃうの?」
「仕方ないじゃろ?じーちゃんはな。後ちょっとで囲碁をやりに行かないとならんのじゃよ。」
「ええ~っ!何か片手間感が否めないよ!」
「なーに!この究極奥義はすぐに体得出来るから大丈夫じゃ!」
「そこが究極奥義として疑わしいんだよね。」
「その見た目から名付けられた。」
「られたってじーちゃんが名付けたんでしょ?」
「究極奥義!死んだフリじゃ!・・・・・・・・・・・・・・・。」
「ええーっ!!残念感が物凄く否めない究極奥義だったよ。」
「いいか!今日のとこは、入れ歯の舞と究極奥義死んだフリの二つの技を伝授するのが、お前の技量から見てもやっとじゃ。」
「囲碁行くからでしょ?」
「あんまりたくさん技を伝授し過ぎてお前の体が壊れたらあれじゃからな。」
「囲碁行くからなんでしょ?あれって何?あれって?ええーっ!こんなんで本当に強くなれるの?」
「じーちゃんを信じるんじゃ!もし今度ケンカに負けたなら、そん時はそん時じゃ!」
「いやフォローとかしてよ!」
「じゃっ!じーちゃんは、囲碁に行ってくるけどちゃんと稽古をやっとくんじゃぞ!」
「本当に行くの?」
「当たり前じゃ!今日のこの日をどれほど楽しみにしとった事か!!」
「わ・・・分かったよ。行ってらっしゃい。」
「孫よ!もし生きて帰って来れたなら!この手で抱きしめてもいいでありますか!」
「囲碁行くだけでしょ?」
「ほな行ってくるで~!」
「陽気過ぎだよ。どんだけ楽しみにしてたんだよ。はぁ~本当にこんなんで強くなれるのかな~?・・・・・・うん!じーちゃんを信じよう!よし!入れ歯の舞だ!ふぁふふぁほぉほぉふぁふほぉ。」

第四十七話
「OLD IS NEW」

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コメント

ふぉふぁふぁふぁ、ふぁふぃふぃ。ふふぁっふぉん、ふぅふぃふぃふぃ。

投稿: MASSIVE | 2010年8月 7日 (土) 17時58分

えっ!?そうですか?

いやあ、そんな風に言われると何か照れちゃいますね。まあでも、結局そこに落ち着いちゃうってのも事実ですよね。

コメントありがとうございました。

投稿: PYN | 2010年8月 7日 (土) 21時25分

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