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2007年5月23日 (水)

「第四十九話」

「シャーッ!」
勢いよくカーテンを開けると今日は凄く快晴だ。
「!?」
「シャーッ!」
そして、勢いよくカーテンを閉めた。まずい!僕は、殺し屋に命を狙われているんだった!うかつにカーテンなんか開けてマンションの部屋の向かいにあるビルの屋上なんかからライフルで撃たれたりなんかしたら洒落にならないじゃないか。
「今日一日どうやって過ごそうか・・・・・・・・・。」
う~ん。悩むな~。悩みまくりだな~。こんないい天気なんだからどこかに出かけたりしたいけど・・・・・・命を狙われてる身なんだからお出かけはまずいよな?
「とりあえず朝飯でも食おう。」
ちょっと待てよ?果たして家にある食料を食っちゃったりして大丈夫なのか?信じちゃっていいのか?もしかしたら殺し屋が食料に毒を入れてる可能性だってあるんだよな。超一流の殺し屋だったらそれぐらい朝飯前だよな。
「食べるのやめよう。」
どうせ今、家には食料がない事なんだしね。実に簡単な話だ。今日一日は、何にも食べずに過ごせば済む事なんだよ。簡単過ぎる話だ。あまりにも簡単過ぎて
「グゥ~。」
思わずお腹が鳴っちゃうね。あ~難しくなってきた。朝の段階でこのお腹の減り具合だと夜までに確実に僕は、空腹で死んでしまうな。
「はっ!?」
もしかしたらこれは殺し屋の綿密に練られた『僕暗殺計画』の一つなのかもしれないぞ?こうやって僕の事を餓死させようとしているに違いないぞ!
「そうはさせない!」
させてたまるか!お出かけしてやる!食料を買いに行ってやる!買い物袋いっぱい!両手いっぱい!夢いっぱい!ガッツリ買ってやるからな!殺し屋の思い通りにさせてたまるか!
「さて!」
僕は細心の注意をはらって歯磨きと洗顔と寝グセ直しと着替えをいつも通りの時間をかけてササッと終わらした。
「ヘヤ~!」
トイレではいつもより長い時間をかけて格闘した。
「ジャァァァァァ!」
今日の相手は、なかなかの強敵だったと『うんち戦記』に書き記しておこう。
「バタンッ!」
さあ準備はととのったぞ!いざ買い出しに行こう!
「!?」
僕は、ドアを開けようとドアノブに手を掛けた瞬間にある考えが頭を過ぎった。
「ガチャッ。」
こうやってドアを開けたと同時に
「バタン。」
爆発でもしたら今頃僕は、ドアの外側に立っていないだろうってね。木っ端みじんだろうってね。危ない危ない。
「気を付けよう。」
これからは、何をするにも慎重にやらねば!
「カチャカチャ。」
そう心に誓いながら鍵を掛けて
「ポチッ。」
僕はエレベーターのボタンを押した。
「待てよ?」
エレベーターの扉が開いた瞬間に殺し屋がマシンガンを持って立っていたら?エレベーターの中に手榴弾が置いてあったら?
「タッタッタッタッ!」
「やっぱり階段だな!」
殺し屋の裏をかくナイスアイディアだ!しかも日頃の運動不足も解消出来るし、まさに一石二鳥のワンダフルでスーパーでアメージングでビューティフルなアイディアだ!僕は、六階から一階までとことん猛烈ダッシュで駆け下りた。
「これは!?」
マンションの入り口までやっとの思いで辿り着いた僕を待ち受けていたのは
「ザァァァァァァァァァ!!」
大粒の雨だった。何でだよ!どうしてだよ!あんなにもいい天気だったじゃないか!僕が雨男だからか?いやいや、そんなはずはない!だって僕は、雨男じゃなくって犬好き男なんだから!マンションの入り口に犬が群がって僕の行く手を遮っていたのなら諦めがつくけど・・・・・・これは諦めがつかないぞ!
「雨か・・・・・・もしや!?」
これも殺し屋の仕業なのか!?僕をこのマンションから出さない為の『僕暗殺計画』のこれも一貫だってのか!?とんでもない殺し屋だ!なんて一流なんだ!
「負けるもんか!」
僕は、こんな嵐のような天候に負けるような犬好き男じゃない!
「タッタッタッタッ!」
出前だ!
「カチャカチャ。」
出前をとってやる!
「ガチャッ。」
朝昼晩と三食おそばを食べてやるからな!
「バタン。」
確か出前用のおしながきがどこかにあったはずだ!こんな時の為に取っておいたはずだ!
「ガサゴソガサゴソ!」
「あったぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
僕は、歓喜の雄叫びを上げた。遠くまだ見ぬ未開の地に住んでいるであろう海王星人に聞こえるような感じで・・・・・・・・・。ざまあみろ一流の殺し屋!今からざるそばを出前してやるからな!
「ガビーン!」
まるでブラックホールに吸い込まれて行く気分だった。我が両眼を疑いたくなかったけど、とことん疑ったよ。ホント、後で眼医者さんに行かなきゃって思うぐらい擦りまくったよ。まさか今日がおそば屋さんの定休日だなんて・・・・・・あんまりだ。
「はっ!?」
これすらも殺し屋の仕業なのか!?違う違う!これはおそば屋さんの仕業だ!つまり殺し屋=おそば屋さんの店主って事か?あの岡持ちの中には、あらゆる殺しの道具が入ってるって事なのか?そんなおそば屋さんのおそばなんか・・・・・・そんなおそば屋さんのおそばなんか・・・・・・そんなおそば屋さんのおそばなんか・・・・・・
「食えるかぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
「ビリビリビリ!」
僕は、出前用のおしながきをビリビリに破り捨てた。殺し屋おそば屋さんのおそばをこれから先もニコニコ食べ続けていく自信がなかったからだ。
「ん?」
何やらお腹に痛みが走ったような?走らなかったような?
「!?」
走ったね。
「!!」
完璧に走っちゃってるね。
「!!!」
激痛だね。
「!!!!」
やばいね。
「トイレ!!」
僕は、お尻の穴に相当気を使いながら、ゆっくりゆっくりトイレに向かい、ドアを開けズボンとズボンの下に履いてる何かを脱いで、何の事故もなく無事に便器とのドッキングに成功した。
「ヒョエ~!」
それはそれは、物凄い下痢だった。まさか!?これも殺し屋の仕業!?いつの間に僕に毒を!?なんて考える余裕なんかある訳がなかった。
「キョエ~!」
お腹を出して寝ていた僕が悪いんだ。最近ちょっと暖かくなってきたと思って油断していた僕が悪いんだ。
「ムギョ~!」
油断が僕に下痢を招き入れたに違いない。
「ムヒョ~!」
そして僕は今、その招き入れた油断をお尻の穴から放出しているんだ。

 結局、僕の下痢は夜まで続いた。薬を飲みベットとトイレとの往復を繰り返すだけの一日だった。『うんち戦記』をパート5からパート7まで書き終えてしまうぐらい凄まじい戦いだった。この日を外伝として書いてもよかったかもしれないけど、それは僕のプライドが許さなかった。『うんち戦記』はあくまで『うんち戦記』なのだから!そして、戦いに疲れ果てた孤独の戦士は、いつしか眠りについていた。殺し屋と下痢に振り回された暇な一日だったと思いながら・・・・・・・・・。

 きっと暇な日って誰にでもありますよね?もしあなただったらどんな風に暇な日を過ごしますか?そんな完璧なまでに暇な日をどう過ごすかによって人間の真価が問われる。と僕は思うんです。

「シャーッ!」
カーテンを開けると今日も外は今のところ快晴だ。お腹の調子も今のところは快調だ。
「さて!昨日は、殺し屋に狙われてるって設定で暇な一日を乗り切ったけど、今日はどんな設定で今日一日をの」
「ピシッ!」
「!?」
う・・・撃た・・・・・・れた!?
「ドサッ!」

第四十九話
「暇な日」

「ふぅ~。」
私は、殺し屋。こうやって依頼の無い暇な日には、自分の腕が鈍らないようにトレーニングをしているの。

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コメント

無念! 「うんち戦記」 未完ですね(T T)

投稿: chyboo | 2007年5月24日 (木) 09時32分

きっとそれだけが心残りだったでしょうね。
コメントありがとうございました。

投稿: PYN | 2007年5月24日 (木) 12時00分

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