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2007年10月 3日 (水)

「第六十八話」

「お姉ちゃん!」
「なーに?」
「起きてよ!僕達の部屋に何か変なのがいるんだってば!」
「虫?」
「虫じゃないよ!宇宙人がいるんだってば!」
「変な夢でも見たんじゃないの?」
「夢じゃないよ!本当にいるんだってば!」
「宇宙人なんかいる訳ないでしょ!もし、いたとしても私達の部屋にいる訳ないでしょ!」
「いるんだってば!」
「あんた、同じ小学校通ってんだから、学校でそんな変な事言わないでよ!」
「いいから起きてよ!お姉ちゃんも宇宙人を見てよ!」
「もう!うるさいな!宇宙人なんかどこにいるのよ!」
「ドモ。」
「どうも。」
「ねっ!僕の言ってる事、本当だったでしょ?」
「これは夢よ!こんなのありえない!」
「二人で同じ夢見る方がありえないんじゃない?」
「何でいるのよ!」
「分からないよ。」
「いつからいるのよ。」
「僕が起きた時には、お姉ちゃんの服を着て立ってた。」
「どーりで見た事ある服だと思ったら、何やってんのよ宇宙人!!」
「ピッタリカナト思イマシテ。」
「ピッチピチじゃない!脱ぎなさいよ!」
「あっ、お姉ちゃん!」
「何よ。」
「脱いだら裸だよ?」
「裸!なに宇宙人、あんた裸で来たの?」
「申シ訳ナイデス。今スグ脱ギマス。」
「いいわよ!裸は困るわよ!てか、そのよりによってチョイスしたお気に入りのコーディネートは、全部あげるわよ!」
「ソレハ悪イデスヨ。」
「考えてみたら、宇宙人が着たもんなんか、もう着れないわよ!」
「アリガトウゴザイマス。御礼ニコレヲドウゾ。」
「うわー!よかったねお姉ちゃん!」
「よかったねって、これってただの石ころじゃない。」
「きっと特別な石なんだよ!すっごくレアな石なんだよ!」
「弟サンノ言ウ通リデス。ソレハタダノ石デハアリマセン。」
「やったねお姉ちゃん!きっと持ってると空を飛べるとか!危険から身を守ってくれるとか!進化するとかなんだよ!」
「進化って何よ!現実的に言ったら物凄く価値のある石ってとこかしら?で、いったいこの石ころは何なの?」
「ココニ来ル途中ノ川原デ拾ッタ石デ」
「コツーン!」
「イテ。」
「単なる石じゃない!普通の石ころじゃない!」
「違イマス。私ニトッテハ、コノ星ニヤッテ来テ初メテ触レタ物ナノデス。」
「あのね宇宙人?私達にしてみれば、いっつも学校の登下校中に見てる単なる石ころなのよ!そんなの簡単に手に入るのよ!珍しくもなんともないわよ!」
「ソウデシタカ。」
「そうよ!ちょっと考えれば分かるでしょ?どうせならあんたの星の物を頂戴よ!」
「そうだよ宇宙人!何か持ってないの?星のお金とか?星のゲームとか?星のお土産とか?」
「家に遊びに来てんじゃないんだから、そんな物持ってないでしょ!あっ、でも宇宙人の星のお金は、持ってるかもね。宇宙人!お金頂戴よ!」
「強盗デスカ?」
「何でよ!全部、巻き上げるつもりなんかないわよ!1番小さなお金でいいし、どちらかと言えば、状況からして強盗はあんたの方でしょ!」
「スミマセン。裸ナモンデ何モ持ッテイナイノデス。デハ、私ノ鼻糞デモ。」
「いらないわよ!それをもらって喜ぶと思ったその考え方に驚きよ!それよりも宇宙人?」
「何デショウ?」
「あんた、もし1番最初にお爺さんとかに触れてたらどうするつもりだったのよ。」
「モチロン、オ持チ帰リシマスヨ。」
「笑顔で言わないでよ!それって誘拐じゃない!」
「人体実験だね。」
「あんたも笑顔で恐い事言わないの!」
「人体実験ナドシマセン。オ持チ帰リシテ、オ爺サンヲハク製ニシテ飾ッテオクダケデス。」
「やってる事、人体実験並みじゃない!それに、お爺さんのはく製なんか部屋に置いたら気持ち悪いわよ!」
「それはやめた方がいいね。でもさぁ。何で宇宙人は、僕達の部屋に来たの?」
「そうよ!何で来たのよ!まさか?誘拐しに来たんじゃないでしょうね?」
「えっ!?僕達もはく製にされちゃうの?」
「ちょっと!もしそれが目的だったら、ぶっ飛ばすわよ!!」
「チチチチチチチチチチチチチチチチチチチチチチチチチチチチチチチチチチチチチチチチチチチチチチチチチチチチチチチチチチチチチチチチチチチチチチチチチチチチチチチチチチチチチチチチチチチチチチチチチチチチチチチチチ違イマスヨ!」
「多いわよ!『ち』が!小学生の女子のぶっ飛ばすに、どんだけ動揺してんのよ!てか、その『ち』の多さは、わざとの域よね。」
「じゃあ、宇宙人は何をしに来たの?」
「特ニ何モ。」
「はあ?特に何もしに来てないんだったら私のお気に入りのコーディネート着てないで、とっとと帰んなさいよ!」
「裸ダッタノデツイ。」
「ついじゃないわよ!」
「本当に僕達の部屋に来た理由はないの?」
「ハイ。アッ、デモ・・・・・・・・・。」
「でも何よ?」
「トイレヲオ借リシテ、オ風呂ヲ頂戴シテ、冷蔵庫ノ残リ物ヲ御馳走ニナッテ、食後ノデザートヲ食ベナガラテレビヲ見テ、ソノ後シバラクコノ部屋デ仮眠ヲトラセテモライマシタ。」
「何を勝手に一通り持て成されちゃってんのよ!」
「やりたい放題だね。」
「やりたい放題もいいとこよ!あんた、入った家が家だったら、今頃あんたの方がはく製にされてるわよ?」
「ヒェ~!ブルブルブルブルブルブルブルブルブルブルブルブルブルブル。恐ロシイ・・・・・・・・・。」
「あんたがやろうとしてた事じゃない!特に目的がないのは分かったわよ。で?いつ帰るの?私達、これから学校なのよ。」
「イヤ、オ二人ガ目ヲ覚マサナイウチニ帰ロウト思ッタノデスガ、ツイ寝過ゴシテシマッテ。」
「そうだったんだ!」
「そうだったんだ!じゃないわよ!よかったわよ気が付いて!でなきゃ今頃、家中大騒ぎよ!」
「スミマセン。」
「じゃあ、帰っちゃうんだね。」
「ハイ。キット宇宙船ノ窓カラ身ヲ乗リ出シテイテ、ウッカリ放リ出サレタ私ノ事ヲ皆デ捜シテイルトカ?イナイトカ?ナノデ、帰リマス。」
「家でくつろいでる場合じゃないじゃない!てか、あんた単なるおっちょこちょいじゃない!」
「きっと皆で心配して捜してるから、早く帰ってあげなきゃだね。」
「ダトイイノデスガ?」
「あんたどんだけネガティブなのよ!さっさと帰りなさいよ!」
「ハイ。デハ、帰リマス。サヨウナラ。」
「はいはい。もう窓から落ちないようにね。」
「バイバイ。あっ!そうだ!」
「どうしたのよ。」
「ねぇ?宇宙人は、いったいどこの星からやって来たの?」
「そうね。それぐらいは教えてもらってもいいかもね。何て星から来たの?」
「ハイ。私ハ地球ト言ウ星カラヤッテ来マシタ。」
「地球?ふ~ん。聞いた事ないわね。じゃあ、気を付けて帰るのよ。」
「バイバイ宇宙人!」
「アリガトウゴザイマス。デハ、サヨウナラ。」

第六十八話
「地球人」

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