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2008年1月 9日 (水)

「第八十二話」

「ニセ時限爆弾を作りましたよ。ボス。」
「これで今夜の仕事は、成功したも同然ですね。って、ニセ時限爆弾って、なに?」
「ニセ時限爆弾って言ったら、ボス。ニセ時限爆弾ですよ。ボス。」
「なるほどね。って、何がそんなになるほどなんですか?全くなるほどなんかじゃありませんよ。いったいどこがどう、ニセ時限爆弾なの?」
「またまた、ボス。見たら分かるじゃないですか。これは、明らかにニセ時限爆弾です。」
「へぇ~。って、全然分かりませんよ。まさか!?時限式じゃないの?」
「もちろん、最新式の時限装置を完備してます。そんじょそこらのニセ時限爆弾とは、一味も二味も違いますよ。ボス。」
「なに?ニセ時限爆弾って、そんなにポピュラーな代物なの?俺ちゃんが知らないだけなの?」
「さあ?」
「まあ、さあ?ですよね。俺ちゃんの事をお前ちゃんが知る訳ないですもんね。知ってた方が逆に怖いですもんね。まあ、ポピュラーでもなんでもいいですけど、いったい普通の時限爆弾とどこが違うの?」
「全体的にです。ボス。」
「全体的って、見た感じは普通の時限爆弾ですけど?お前ちゃん、まさか!?爆発しないって代物じゃなかろうね。」
「まさかですよ。ボス。ちゃんと爆発しますよ。ボス。ちゃんと爆発しなかったら、ニセ時限爆弾じゃないじゃないですか。ボス。」
「じゃないじゃないって言われましても、こっちは根本的にそこら辺が分からないんですよ。でも、時限式で爆発するんだったら、イコールそれは、それはイコール、普通の時限爆弾じゃないの?」
「ところが、これはニセ時限爆弾なんですよ。凄くないですか?ボス。」
「そう言われても、凄さがいまいちと言うか、全然と言うか、全く伝わって来ませんよ。なに?食べれんの?ニセの方は食べれちゃう時限爆弾って事なの?」
「おしい!」
「おしいの?」
「本当は、おしくないです。ボス。」
「ちょっと!こんなとこで、変な気の使い方しないで欲しですね。まあ、食べれる訳ないですよね。」
「食べれます。」
「食べれちゃうんだ!?」
「もちろん!ニセ時限爆弾ですから。」
「そのもちろんが分からないんですよ。でも、それがニセ時限爆弾のニセ時限爆弾たる由縁じゃない訳ですよね?」
「そうですね。ボス。ニセ時限爆弾を作ると、どうしても結果的に食べれるようになってしまうんです。だから、食べれるって言うのは、おまけみたいなもんなんですよ。ボス。」
「ふ~ん。まったく意味が分かんないや。」
「まあ、いいじゃないですか。ボス。機能的には、普通の時限爆弾と何ら変わらない訳ですし。さあ、今夜の仕事の準備に取り掛かりましょうよ。ボス。」
「いくないでしょ。気になってしょうがないでしょ。仕事の準備どころじゃないでしょ。」
「でも、ボス。早くしないと時間に間に合いませんよ。ボス。」
「時間がどうだとか、縄張り争いがどうだとか、そんなの今はどうだっていいんですよ。」
「よくないですよ。ボス。」
「よいですよ。それよりも、なぜニセ時限爆弾と言うのかと言う方が、よっぽど最重要ポインツですよ。」
「わ、分かりましたよ。ボス。これは、本当はニセ時限爆弾なんかじゃなくて、普通の時限爆弾なんですよ。ボス。勘違いしてました。」
「ここに来て、そんな気の使われ方は嫌ですよ。あんだけニセ時限爆弾、ニセ時限爆弾って言っといて、今さら普通の時限爆弾はないでしょ。それは逆に、俺ちゃんに失礼ですよ。」
「そんなにニセ時限爆弾が気になるんですか?」
「そりゃそうでしょ。当たり前でしょ。あのね。お前ちゃんにしてみれば、ニセ時限爆弾って代物は、日常茶飯事ですよ?けどね。俺ちゃんにしてみれば、物凄く興味津々な逸材ですよ。なに、ニセ時限爆弾って?みたいな事ですよ。」
「・・・・・・・・・分かりました。ボス。まさか、ボスがそこまでニセ時限爆弾に食い付いて来るとは、正直考えていませんでした。」
「考えといて欲しかったもんですね。」
「いいですか?ボス。そもそもニセ時限爆弾と普通の時限爆弾の違いと言うのはですね。」
「だぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
「ど、どうしたんですか!?」
「どうしたじゃないですよ。それは、俺ちゃんのセリフですよ。何を言っちゃおうとしちゃおうとしちゃってるんですか?」
「ですから、ボスがニセ時限爆弾と普通の時限爆弾との違いが気になるとおっしゃるから、説明しようかなと思いまして。」
「思っちゃダメですよ。ここに来て簡単に正解を言っちゃうんなら、最初に言っちゃって欲しかったな。」
「すいませんでした。ボス。」
「分かればいいんですよ。分かってもらえれば、それだけでハッピーですよ。」
「ありがとうございます。ボス。で、ですね。ニセ時限爆弾と言うのは、そもそ」
「こらぁぁぁぁぁ!!こらっ!こらっ!こらっ!」
「えっ!?」
「だから!言っちゃおうとしちゃおうとしちゃったらダメですよ。」
「はい?」
「俺ちゃんが当てますよ。ニセ時限爆弾がニセ時限爆弾たる由縁を、俺ちゃんがバシッと、バシバシッと当てちゃいますよ。」
「しかし、ボス。もう、準備に取り掛かからないと。」
「普通の時限爆弾より甘いとか?」
「違います。」
「辛い?」
「違います。」
「苦い?」
「違います。」
「分かっちゃいましたよ。・・・・・・・・・酸っぱい!」
「違います。」
「なら、普通の時限爆弾の約400倍のビタミンCが含まれている!これでしょ!」
「違います。味とか何かが多く含まれてるとかじゃありません。」
「ほら、だって食べれるって言ったから、何かそこにヒントがあるんじゃなかろうか?重要な手掛かりがあるんじゃなかろうか?と、思いましてね。関係ないの?」
「確かに言いましたが、あくまでそれは製造工程においての副産物でして、そこは重要視しないで下さい。因みにミネラル分が普通の時限爆弾の4億倍、含まれています。」
「なにそれ?そのおちゃらけた数字。子供騙しな桁。なんか下手な嘘に聞こえちゃいますよ?」
「聞こえるだけです。これは今年度、ニセ時限爆弾協会が発表した数字です。今までは、2億5千~3億と言われていたんですが、それを大幅に越える結果が、長い年月を費やした分析によって出されたんですよ。ボス。」
「そうでしたか。そう言った協会の日頃の努力により、今日の俺ちゃん達が、ニセ時限爆弾を安心して使用出来るんですね。って、協会ですと!?協会があるんですと!?」
「はい。ボス。」
「ますます、ますます、なに、ニセ時限爆弾って?」
「ニセ時限爆弾とはですね。」
「ごぉぉぉぉぉらぁぁぁぁぁ!!」
「えっ!?」
「お口チャック、チャック!俺ちゃんが当てるって言いましたよ?」
「すいません。ボス。」
「協会まで存在するとなると、いよいよニセ時限爆弾が侮れなくなってきましたね。」
「ボス?」
「ちょっと待って下さい。今、正解を考えていますから。」
「そうじゃなくって、そんなに気になるなら、今日のところは、一旦今夜の仕事の準備に取り掛かかるとしてですね。明日、私が愛読している『週刊ニセ時限爆弾』をお渡ししますよ。そこに詳しくニセ時限爆弾について書いてありますから読んでみて下さい。」
「なにそれ!?雑誌もあんの!?しかも週刊誌って、かなりの需要が見込めるって事じゃありませんか!?俺ちゃんの知らないとこで、いったい何事が巻き起こっている訳なの?」
「では、準備を始めましょう。ボス。」
「う~ん?」
「最初に、今夜の作戦の簡単な説明から始めます。まず、屋敷の正面の門ですが、ここに」
「ニセ時限爆弾は普通の時限爆弾に比べて軽い!」
「違います。4個のニセ時限爆弾を仕掛けます。次に」
「重い?」
「違います。事前に掘っておいた屋敷内に」
「丸い?」
「いえ、逆に四角さが増しています。侵入するルートにもニセ時限爆弾を7個仕掛けておきます。これは、我々が屋敷から脱出した後に」
「若返り効果!」
「違います。爆発させるためです。これでだいたいの追っ手は振り切れるはずです。そして」
「何だろうか?何なんだろうか?難問ですね。超難問ですね。・・・・・・あっ!分かりましたよ!分かっちゃいましたよ!不老不死!」
「違います。」

第八十二話
「ちょっと色が淡い」

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コメント

またヤラレタ~ッッ(*ノ∀`*)σオチも笑えるし(笑)しかも、ニセ時限爆弾は使えるんデスか?あやし~なッ!

投稿: 愛莉No.38 | 2008年1月12日 (土) 02時12分

もちろん!ちゃんと使えますよ。
ハイパーハイブリットニセ時限爆弾ですから。
コメントありがとうございました。

投稿: PYN | 2008年1月12日 (土) 12時05分

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