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2008年4月

2008年4月 2日 (水)

「第九十四話」

何かが終わり
何かが始まる

特に難しい話ではない。こんな事は、日常のどこにでもありふれている。

泡のように
波のように

全く悩ましい話でもない。こんな事は、日常のどこででも繰り返されている。

今日が終わり
明日が始まる

昨日が終わり
今日が始まる

恋愛が終わり
恋愛が始まる

終わりから始まるのか?
始まりから終わるのか?

終わりの始まりが終わりなのか?
始まりの終わりが始まりなのか?

近道が遠回りで
遠回りが近道で

やめる事が進む事で
進む事がやめる事で

迷いながら迷いながら
実は迷ってなどいない

何がいいたい?
何がやりたい?

どうしたい?

答えなんかない
答えなんかない

答えは自分で決めるもの

間違えて正解して
反省して進歩する

って

肉体と精神で分かっていても
言葉と意味で分かっていても

簡単じゃない

それは

簡単じゃない

ならどうする?

死ぬか?

死か・・・・・・・・・。

それは答えの一例で
全ての答えではない

死んでも終わらない

死の答えは出ている

なら泣くか?

泣いてみるか・・・・・・・・・。

感情に流されるのもいい

ただ

感情に取り込まれては

いけない

こうやって文字を羅列していても何も解決しない。多くの人は『解決=全て』だと思い込んでいる。世の中は、それほど数学に出来ていない。100のうち、文字を羅列して0.001でも解決出来ればそれでいい。

それだけでいい


文字を羅列したって答えが見つからないと言うのが答えだ。

何が言いたいのか分からない内容。角度と刺激と光の加減によって、ポジティブにもネガティブにも映る内容。

さあ?

だって、書いてる僕も何がなんだか分からないのだから、読んでる僕には、もっと何がなんだか分からないだろう。

何が言いたいかも分からないし言いたい事があるのかさえも分からない。

そう
思いつき

これは
思いつき

ただただ
文字の羅列

そこそこ
僕の哲学

深くも浅くもない
普通以上に普通以下な
平凡以上に平凡以下な
数十分で書いた文章だ

ふ~ん
ってくらいな内容で
ふ~ん
ってくらいな文章で
ふ~ん
ってくらいな一日の終わり

そして
明日の始まり

第九十四話
「        」

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2008年4月 9日 (水)

「第九十五話」

「息子ー!息子ー!」
下の部屋から僕を呼ぶ声が聞こえて来た。息子って、名前で呼んで下さいよ、母上。
「息子に荷物が届いてるわよー!」
荷物?ああ、注文したあれですか。
「開けるわよー!」
えっ!?なぜ開ける選択肢を選んだのですか母上!まだ開けてはダメですよ!
「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
僕は、全速力で母上のいる下の部屋へと向かった。
「何かしらね。楽しみね。」
「待って下さい!!」
「パカッ!」
「何で勝手に開けるのです!母上!」
「だって、目の前に開ける物があったら、開けちゃわないと気持ち悪いじゃない?」
いや、理論がおかしいですよ!その理論で、よく今まで何のトラブルにも巻き込まれる事なく、無事に生きてこれましたね母上!
「ところで、何これ?」
「えっ?」
「いろんな物の詰め合わせ?こんなの必要なの?いったい何に使うの?わざわざ注文しなくても、スーパーマーケットとかでも売ってるんじゃない?」
いきなり質問責めですか?母上。確かに母上のおっしゃる事は正しいです。何も知らない人が中身を見たら、そう思うに違いないでしょう。でも、それらは紛れもなく殺人キットと言う代物なのですよ、母上。
「木綿豆腐?」
「最近、木綿豆腐にハマっているのです。各地の木綿豆腐をお取り寄せして、食べ比べをしているのですよ。そして、キング・オブ・木綿豆腐を決定するのです!」
「キング・オブ・木綿豆腐ねぇ?」
「はい。」
違いますよ、母上。その木綿豆腐は、あくまで殺人キットのパーツの一つなのですよ。殺人キットには、およそ殺人とは関係のないような物が入っているのです。キング・オブ・木綿豆腐などと言う代物を、本気で僕が決定しようなどと思っているのですか?
「辞書?」
「ええ、持っている辞書が古くなってきたもので、新しいのが欲しくなり、ついつい買ってしまったのです。」
「そう。でも、言ってくれれば、辞書ぐらい買って上げたのに。」
「いえ、母上。自分で買う事に意味があるのですよ。」
そして、一見殺人には全く関係のないような数々のパーツ一つ一つが、完全殺人を作り上げるパズルのピースの役割を担うのです。分かりますか?母上。
「色鉛筆?しかも、朱色だけ?」
「ちょうど朱色だけなかったもので。」
それらのパーツを説明書通りに使用する事により、完全殺人が完成するのですよ、母上。
「あら!」
「どうかしました?」
「電球!」
「別に、母上がそんなに喜ばなくても。」
「ちょうど、お風呂場の電球が切れてたところなのよ。これ使ってもいいかしら?」
「はあ、別にいいですよ。」
「ラッキー!」
パーツを一つ一つ、パズルを完成させる要領で使用する。すると、その先には、100%事故死にしか見えない殺人が待っているのです。
「葉っぱ?」
「ああ、きっと箱に詰める時にでも混じってしまったのでしょう。」
「なら、捨てちゃいましょう。」
「母上!」
「どうしたの?」
「それは、僕があとでちゃんと捨てときます。」
「あらそう?悪いわね。」
「いえ、僕に届いた荷物ですので、僕が捨てるのは当たり前です。」
危ない危ない。その葉っぱは、今回のこの殺人キットの中で最も重要な役割を担うパーツなのですよ、母上。捨てられてしまったら、完全殺人が成り立ちませんよ。
「あら?水色のTシャツ?」
「はい。一目で気に入ってしまったので、衝動買いってやつです。」
「三枚も?」
「ええ、母上も知っての通り、僕は非常に汗をかく体質ですから。」
「でも、この前水色のTシャツ買って上げなかった?」
「はい。しかし、あれは前後にアニメのキャラクターがプリントされている物で、そちらの水色のTシャツは、無地なのです。」
「無地が欲しかったの?だったらあの時に言ってくれればよかったのに。」
「誤解しないで下さい母上。僕は、あのアニメキャラクターが前後にプリントされている水色のTシャツを非常に気に入っています。ただ単に、無地の水色のTシャツも欲しくなってしまっただけの事です。」
「そう。」
なぜ、殺人キットで完全殺人が可能なのか?それは、確率から導き出される事故死。事故死の確率を人為的に上げれば、それすなわち、完全殺人。では、どうやって事故死率を100%に近づけるのか分かりますか?母上。
「砂消しゴム?」
「最近、少し絵を画く事に興味を持ちまして。」
「あら、だったら今度、お母さんモデルになっちゃおうかしら?」
「是非。」
殺人キットを申し込む段階で、事前に殺したい相手について、約1000ページにも及ぶ膨大な数の質問事項を的確に具体的に回答する必要がある。そして、申し込み用紙と回答用紙を同封し、殺人キットを注文する。あとは、向こうが勝手に殺人対象の個人データ、行動パターン、回答用紙などから得られる情報を基に、どうすれば100%に近い事故死率になるのかを割り出してくれるのです。
「ランドセル?」
「はい。その色のランドセルを背負っている友人がいて、僕も欲しくなってしまったのです。」
「でも、あと二年しか小学校には、通わないのよ?」
「どうしても欲しかったのです。」
「まあいいわ。あと二年と言っても、まだ二年ですものね。楽しく過ごすのが一番よ。」
「はい。」
「でも、このランドセルのお金は、お母さんが出しますからね。」
「ありがとうございます。」
そして、まずは説明書が郵送されてくる。その数日後に殺人キットが送られてくる。説明書に従い殺人キットを正確に使用する。そうする事で、100%に近い確率で対象を事故死に導く事が出来る。誰が見ても日常起こりうる事故死。まさに完全殺人。
「ゲームソフト?」
「新作です。」
「またゲーム?ゲームばっかりしちゃダメよ?」
「分かっています。」
そして、僕の殺人対象は、母上。あなたです。日頃から疎ましい。あなたなのですよ。申し訳ないですが、夕方頃には事故死していただきます。
「またゲームソフト?」
「そちらも新作なのです。」
事故死までのルート。ルート14.母親と一緒に殺人キットの中身を確認する。そう、何気ないこの日常のやり取りから既に、完全殺人は始まっているのですよ、母上。
「あらヤダ!何、このイヤラシイ雑誌!」
「そっ、それは!?」
「これは、お母さんがあとで処分しときます!」
「・・・・・・・・・はい。」
「近頃の小学生は、おませさんね!」
ルート23.母親がエッチな雑誌を処分する。まさに説明書通りの展開で、思わず笑い出しそうになってしまいますよ、母上。ルート35.母親がお風呂場の電球交換。ルート38.自室で新作ゲームをプレイ。さあ、これでパーツは全て揃いました。あとは、そのままルート通りに進めて行くだけですよ、母上。
「これで最後ね。」
「えっ!?」
最後?そんなはずない。殺人キットのパーツは、今ので最後のはず。
「油揚げ。」
「油揚げ!?」
「そうだわ!これとさっきの木綿豆腐を使って、夕ご飯にお味噌汁を作りましょ!」
ルート66.木綿豆腐の味噌汁を作る。確かに母上が味噌汁を作るルートが先に待っている。だけど、油揚げは、何だ!?事故死率をより100%に近づける為に、向こうがキットに入れてくれたのか?サービス?しかし、ルート変更時には、再度説明書が送られてくるはず。
「どうしたの?顔色が悪いわよ?お部屋で寝てた方がいいんじゃない?」
「いえ、大丈夫です。新作のゲームをプレイすれば、気分も良くなると思います。」
そうだ。とにかく今は、殺人キットの説明書に従い完全殺人のルートを歩むしかない。油揚げは、単に事故死率を上げる為だけのパーツにすぎない。そうに違いない。考えてみれば、味噌汁を作るルートに何の変更もない。大丈夫だ。完全殺人は、完成する。
「そう?じゃあ、お母さんは、お風呂場の電球でも交換してこようかしらね。」
「はい。」
ほら、何の問題もない。ルート通りだ。
「では、僕は部屋でゲームをしています。木綿豆腐と油揚げ以外は、部屋に持って行きますね。」
ルート79.母親が吹き零れる味噌汁の鍋の火を慌てて消しに来る。ルート80.自室の窓から葉っぱを捨てる。ルート81.窓から入ってきた葉っぱが、母親の口の中へ。ルート82.葉っぱが喉につまり、母親は窒息死。
「あっ、待って!」
「はい?」
「それは、お母さんの殺人キット。あなたのは、あっちの開けてない方よ。」
「えっ!?」
「さようなら。」

第九十五話
「もう一つの殺人キット」

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2008年4月16日 (水)

「第九十六話」

「いったい、ここで何が起こったって言うんだ!」
「・・・・・・・・・。」
「これは、あまりにも残忍で、あまりにも冷酷な犯行だ!」
「・・・・・・・・・。」
「許せない!俺は刑事としてではなく!一人の人間として!こんな事を平気な顔で実行してしまう奴を絶対に許さない!」
「先輩・・・・・・・・・。」
「なぜ、こんな道端でバラバラに・・・・・・・・・しかも頭部だけを犯行現場に残しておいたのか・・・・・・・・・分かるか?」
「いえ。」
「事件ってのはなぁ。鮮度が命なんだよ。事件は生き物だ。犯行現場の鮮度が失われれば失われるほど、我々は手掛かりを見失っていく。」
「はあ。」
「まだ鮮度抜群のこの犯行現場を見てみろ!一見、この犯行は精神に異常をきたした奴のものだと思われるが、俺の目は誤魔化せない!これは、我々警察への挑戦だ!」
「挑戦?」
「捕まえられるもんなら捕まえてみろ!ってな。馬鹿にしやがって!」
「先輩、落ち着いて下さい。」
「俺の刑事の勘によるとな。近いうちに第二、第三の犯行が行われるはずだ!だが、そうはさせないぞ!絶対にさせない!その前に必ず俺達の手で取っ捕まえてやてやるんだ!待っていろ!!」
「熱血すぎません?だいたい、頭部、頭部って言ってますけど、人間の頭部じゃなくって、これって魚の頭部ですよね。」
「バラバラ殺魚だ!」
「いや、バラバラ殺人みたいに言われても・・・・・・犯人は、きっと近所の野良猫ですよ。」
「おっ!新米の得意のプロファイリングだな!」
「違いますよ!プロファイリングでも何でもないですよ。」
「だが、プロファイリングは、あくまでプロファイリング!プロファイリングに囚われていたら、プロファイリングに溺れてしまう!犯人は、近所の野良猫ではなく、この辺りを縄張りにしているカラスかもしれない!」
「どっちだっていいですよ!野良猫でもカラスでも!」
「いや、もしかしたら!?」
「いい加減にして下さいよ先輩!」
「うおっ!?」
「その驚き方もやめて下さい!」
「何だ。どうしたんだ新米。」
「どうしたもこうしたもないですよ!僕は、凶悪な犯罪者から街を守る為に刑事になったんです!犯罪をこの世から無くす為に刑事になったんです!殺人課や麻薬課や交通課とかは聞いた事ありますよ!でも、でも何なんですか!魚課って!」
「魚課は・・・・・・・・・・・・・・・魚課だろ?」
「当たり前に存在するような感じで言わないで下さいよ!」
「いやでも、当たり前に存在してるし。」
「僕、魚課に配属が決まった時に思いましたよ。ああ、僕はきっと警察にとって、既にお払い箱なんだな。ってね。」
「同感だ!」
「認めちゃった!そこは先輩が励ますとこなん」
「ちょっと待て!」
「何ですか?」
「ボスから連絡だ!」
「いや、ボスいないですから!魚課は、僕と先輩の二人だけですから!」
「ボ、ボス!?」
「何で僕なんですか!どっちかって言うとボスは、先輩の方でしょ!」
「えっ!?ボスが僕でいいの!?」
「逆、逆!だいたい先輩、自分の事をいつも俺って言ってるじゃないですか!」
「じゃあ、俺が僕!?」
「何一つ地位が変わっちゃいない!ボスどこいっちゃったんですか!」
「ボスはなぁ。二年前の大漁殺魚事件の時・・・・・・・・・くっ。」
「まさか、この魚課で殉職なんて有り得るんですか?」
「その事件の時に出会った犯猫と一緒に、今はセカンドライフを縁側で楽しんでいるさ。」
「それ、ただ単に野良猫を引き取って退職しただけじゃないですか!」
「ボス・・・・・・・・・くっ!」
「泣く要素どこにあるんですか!だいたい、魚課なんて課が本当に必要なんですか?」
「新米!」
「はい。」
「焼き魚好きか?」
「好きですけど。」
「煮魚は?」
「好きですよ。」
「刺身はどうだ?」
「好きです。」
「必要なんだよ。世の中にとって魚課ってのはな。」
「何一つ納得出来ませんけど?」
「俺は、寿司が大好きだ!」
「好きな魚料理の話になっちゃったよ!って、先輩!」
「何だ?」
「先輩は、悔しくないんですか!こんな何の役にも立たない魚課なんかに配属、いや追いやられて!」
「確かに何の焼くにも立たない。」
「ニュアンスが違うニュアンスが!ニュアンスが魚寄りになっちゃってる。」
「悔しいさ!悔しいに決まってるだろ!」
「先輩・・・・・・・・・。」
「俺は、まだ猫を一匹も捕まえた事がないんだ!」
「下手くそかっ!いや、猫を捕まえる捕まえないじゃなくて、上を見返してやろうとは、思わないんですか?」
「猫アレルギーなんだ。」
「辞めてしまえ!なら、今すぐにでも辞めてしまえ!むしろ、猫アレルギーの人を魚課に配属するって、いじめじゃないですか!」
「ああ、だからな。俺だってちゃんとその辺は、考えていたさ。上を見返してやる作戦をな!」
「本当ですか!」
「もちろんだ!次に誰か魚課に配属されて来たら一緒やろうと、天日干しな毎日を過ごしながら考えていたんだよ。」
「いったい、どんな方法で上を見返してやるんですか!」
「いいか?俺達二人で、いまだ解決されていない。そう!未解決事件って奴を解決するんだ!」
「なるほど!確かにそれなら上を見返してやれますね!」
「だろ?名案だろ?珍味だろ?」
「はい!でも、未解決事件って、いったいどんな未解決事件を解決するんですか?」
「いいか?幸い魚課には、たくさんの活き未解決事件ファイルがある!」
「それ魚課の未解決事件じゃないですか!てか、むしろ先輩が猫アレルギーだから未解決事件になっちゃってるだけの事件じゃないですか!」
「犯猫の目星はついてるんだよ。あとは新米!お前が逮捕するだけだ!」
「何でそれで上を見返せると思っちゃったんですか?」
「ぎょっ!?」
「その驚き方もやめて下さい。もう、いいです。もう、分かりました。先輩は、何だかんだで刑事の心を失ってしまったんですね!」
「俺は深海魚かい!」
「どんなツッコミですか!」
「間違いた!」
「たぶん絶対間違っちゃいけないとこだったと思いますよ?」
「いいか新米!魚の骨を喉に引っ掛からせながら、よーく聞け!」
「さっきからそうですけど、無理から魚を絡めてこないでもいいと思いますよ?」
「けして俺は、刑事の心を失った訳じゃない!例え今は、こんなんだが!絶対にいつか上を見返してやろう!そして、この街から、いや、この世界から犯罪を無くしてやろう!その気持ちは、今でも変わる事なく!干物になる事なく!くさやになる事なく!缶詰めになる事なく!新鮮にそれは俺の胸のど真ん中に鱗の如く輝きを失う事なく存在している!!」
「ちょっと後半、だいぶ表現が魚寄りになってましたが、やっぱり先輩は、立派な刑事の心を持った人だったんですね!」
「当たりま・・・・・・ハックション!ハックション!」
「大丈夫ですか?」
「ハックション!ハックション!これは!?ハックション!間違いない!ハックション!」
「どうしたんですか?」
「この目の痒みハックション!の感じハックション!このくしゃみのハックション!感覚!」
「もしかして?猫アレルギーですか?かなり酷いですね。」
「ハックション!奴が近くにハックション!いハックション!るックション!」
「くしゃみ出すぎでしょ!最後、るックションって!早く猫がいないとこへ移動しましょう!」
「行くぞ!ブワックション!!あの角の先だックション!」
「えっ?先輩?」
「さっきのックション!未解ックション!決ックション!事件ックション!の犯ックション!ハックション!ハックション!ハックション!ハックション!ハックション!ハックション!」
「待って下さい先輩!絶対逃げられちゃいますって!いや、それ以前にくしゃみで殉職しちゃいますって!先輩!先輩っ!」
「ニャンックションッ!!」
「いたんですね!!」

第九十六話
「魚デカ」

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2008年4月23日 (水)

「第九十七話」

(さて、始めるとするか。)
(了解です。肝さん。)
(いいか?カルボナーラ。何をするにも下調べってのは重要だ。下調べを制する者が犯罪を制する。って、言うぐらいだからな。)
(はい。)
(我々の銀行強盗が成功するか否かは、この下調べにかかっているんだ!」
(ちょっ!?こ、声が大きいですよ。肝さん。)
(すまんすまん。つい興奮しちまった。それと、一つだけ絶対に守らなければならない事がある。)
(何ですか?)
(いいか?何があっても、俺の合図があるまでは、絶対に振り向くな。我々は、あくまで他人でなければならない。)
(了解です。)
(だが、万が一ハプニングによって、振り向かざるをえない状況に陥ったなら。)
(陥ったなら?)
(他人のフリをしろ。)
(他人のフリですね。)
(そうだ。ひたすらに果てしなく、どこまでも他人のフリをするんだ。)
(ひたすら・・・・・・果てしなく・・・・・・どこまでも・・・・・・他人のフリをする・・・・・・・・・と。)
(おい。カルボナーラ?)
(はい。)
(お前さん。もしかして、メモとってないか?)
(はい。忘れないように、と。)
(馬鹿者!)
(えっ?でも。)
(下調べの現場でメモをとる奴があるか!誰かに見られでもしたらどうするんだ!いいか?カルボナーラ!頭だ!全ては頭に叩き込め!)
(頭に・・・・・・・・・と。)
(コラッ!)
(はい?)
(言ってるそばから、またメモとっただろ!)
(いいえ。)
(あっそ。)
男が二人、背中合わせにして座っていた。一人は新聞を読む60代半ばの男。もう一人は雑誌を読む20代後半の男。そして、二人は何やらこそこそと小さな声で犯罪計画を打ち合わせしているようであった。
(まず、入口の自動ドアを入ると向かって左側に、ひい、ふう、みい・・・・・・・・・ATMが五台置いてあるスペース。・・・・・・カメラはどうだ?)
(各ATM用に小型が五台。それと、入口付近に一台と、こことの境に一台です。)
(そこを抜けると、今我々がいる窓口になるわけだ。)
(はい。)
(ここのカメラの数は?)
(はい。僕から分かる範囲では、三台確認出来ます。肝さんの方は?)
(んん?ありゃ偽物だな。お前さんの方にある奴がどうかは分からないが、俺の方にある奴は、全て偽物だ。)
(見ただけで分かるんですか?)
(当たり前だ。光り方が微妙に違うんだよ。輝きがまるで偽物だ。)
(言われてみれば、何となく僕の方も輝きがないような気もします。でも・・・・・・肝さん?はたして銀行で偽物を使うでしょうか?)
(じゃあ、全部造花だな。)
(えっ!?)
(振り向くな!)
(すいません。)
(カメラは、お前さんの方に三台。俺の方にも三台。だが、まだ確認出来ていないカメラがあるかもしれないから、絶対に注意は怠るな。)
(了解です。)
(おい!)
(どうしたんですか?)
(俺の方から行員が歩いて近付いて来る。いいか?ここは、我々が知り合いだと気付かれたらまずい。他人のフリを強調する。)
(強調ですか?)
(今から俺がペンを落とすから、お前さんがそれを拾うんだ。いいな?)
(了解です。)
(来たぞ!準備はいいか?)
(いつでも。)
「ポトッ!」
「あっ!ペンが落ちましたよ。どーぞ。」
「こりゃ、どーも。」
「いいえ。」
(よし、行ったぞ。)
(バレてませんかね?)
(バッチリだ。それにしても、今の奴はモテなそうな面構えだったな。)
(そうでしたね。でも、胸のバッチのとこに、支店長って書いてましたよ?)
(あの面構えで支店長とは、世も末だな。それにしても、モテなさそうだったなぁ。ありゃ、絶対に彼女なんていないな。)
(分かりませんよ?案外って可能性が。)
(ないない。だって、メガネだもん。)
(肝さん?)
(どうした?)
(僕もなんですけど。)
(・・・・・・・・・・・・・・・。)
(・・・・・・・・・・・・・・・。)
「ポトッ!」
「あっ!ペンが落ちましたよ。どーぞ。」
「こりゃ、どーも。」
「いいえ。」
(よし!)
(よし!じゃないですよ!気まずいからって、いちいちペンを使わないで下さいよ!)
(今、見たか?)
(えっ!?)
(窓口に座ってる男。)
(もしかして、僕らの関係に気付いたんですか?)
(違う。ヅラだ。)
(はい?)
(完璧にヅラだ。しかも180度ヅレてる。)
(180度は、有り得ないですよ。)
(だったらこっそり見てみろ。180度ヅレてるから。)
(まさか、180・・・・・・・・・!?プッ!)
(笑うな!堪えろ!)
(プップッ!プハッ!)
(おい!二つの意味で気付かれるだろ!)
(ででででも、ヅレヅレヅレヅレヅレてヅレてヅレてヅレてるから!プッ!)
(おい!)
(ダメだ!もうもうもう限界ですハハハハハハハハッ!!」
「ぬうぉいっ!!静かにしろ!気付かれるだろ!」
(・・・・・・・・・・・・・・・。)
(・・・・・・・・・・・・・・・。)
(す、すいません。でも、肝さんがヅラだなんて言うからですよ。)
(そんなにヅラがツボだなんて、思わなかったんだよ。)
(肝さん?)
(ヅラが落ちたのか?)
(じゃなくって、何か物凄く僕ら、注目されてるみたいなんですが?)
(何!?そりゃ、まずいぞ。まずいまずい。)
(まずいです。)
「ポトッ!」
「あっ!ペンが落ちましたよ。どーぞ。」
「こりゃ、どーも。」
「いいえ。」
(よし!何とか誤魔化せたな。)
(肝さん・・・・・・我を忘れて笑ってしまってすいませんでした。)
(カルボナーラだけを責める訳にはいかない。俺にも非があったんだ。悪かったな。)
(いえ、そんな。)
(さて、気を取り直して下調べに戻るとするか。)
(了解です。)
(問題は、警備員の数だ。いいか?警備員を制する者が犯罪を制する。って言うぐらいだからな。)
(あれ?下調べじゃないんですか?)
(下調べですよ?)
(下調べですよね?)
(そうですよ?)
(いいんですよね?)
(当たり前ですよ?)
(・・・・・・・・・了解です。)
(確か、入口のATMの所に一人いたな。)
(窓口の僕の方に一人います。)
(俺の方にも一人だ。計三人か。)
(あれ?入口の所の警備員。あれは警備員と言うより、行員がATMの使い方を説明する為に立っているだけみたいですよ。見て下さい。)
(ん?・・・・・・のようだな。すると、警備員は二人か。)
(でも、警備員は警備員って言うだけあって、デカイですね。肝さん。そっちはどうです?)
(確かに、デカイ。)
(やっぱり。しかも、凄く強そうですよ。肝さん。)
(あんなのは、ただの木偶の坊だ。)
(肝さんって、柔道か何かやってたんですか?)
(昔ちょっとな。まあでも、そんなもんやってなくても、あんなの五秒だ五秒!お前さんの方の奴だって、五秒だ五・・・ゴリラ!?)
(はい?何か言いました?)
(な、何も・・・・・・・・・。)
(やっぱり凄いな。肝さんって。)
(いや、そんなに凄かないですよ。)
(あんなのを五秒で投げ飛ばしちゃうんだもんな。さすがです。)
(そこまでしたら可哀想ですよ。)
(ああ、なるほど。お金だけ貰って誰も傷付けないって訳ですね。)
(まあ、そんな感じ・・・・・・ハックション!!」
(汚なっ!何かたくさんのお汁が降ってきましたよ?って、何で肝さんこっち向いて!?あっ!?」
「ん?あっ!?ああっ!?」
「肝さん・・・・・・・・・。」
「ポトッ!」
「あっ!ペンが落ちましたよ。どーぞ。」
「こりゃ、どーも。」
「いいえ。」
(・・・・・・・・・・・・・・・。)
(・・・・・・・・・・・・・・・。)
(・・・・・・・・・・・・・・・。)
(まあ、確かに肝さんの方の警備員なら、五秒ですよ。)
(何で、お前さんの方はゴリラなんだよ。)
(似てますけど。)
(何でゴリラが制服着て、警備してんだよ。)
(ぽいですけど。)
(何でウホッ!何だよ。)
(それはちょっと分かりませんけど。)
(俺は、ゴリラなんかと闘った事ない。)
(ゴリラもういいでしょ!別にゴリラと闘いに来る訳じゃないですし!いざとなったら銃で何とかなりますって、肝さん。)
(それもそうだな。全くカルボナーラの言う通りだな。良いこと言うよ。お前さんは。)
(そんな事ないですよ。)
(よし!これで下調べも完璧だ!)
(そうですね。)
「さて、次は本物の銀行に行って下調べだ!行くぞ!カルボナーラ!」
「了解です。肝さん。」
二人がそれぞれ、60代半ばの男は右から、20代後半の男は左から、スーッと遊具から滑り降りると、何やら話しながら公園の出口の方へと去って行った。

第九十七話
「下調べの下準備」

「肝さん?」
「何だ?」
「二人の呼び方なんですけど?」
「砂肝とカルボナーラか?」
「やめません?」
「食べ合わせの問題か?」
「いや、そうじゃなくって、普通の方がよくないですか?」
「何で?好物の方がいいだろ?」
「いや、砂肝もカルボナーラも肝さんの好物ですけど?」
「だったらお前さんは、何が好物なんだ?」
「好物ですか?アスパラです。」
「じゃあ、お前さんはカルボナーラ改め、アスパラだ!」
「えっ!?」
「アスパラガスだ!」
「ちょっと肝さん。」
「ホワイトアスパラガスだ!!」
「・・・・・・・・・了解です。」

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2008年4月30日 (水)

「第九十八話」

 僕は、気分とタイミングでお店を開けたり閉めたりしてる。空気とニュアンスでいろいろな場所を転々としてる。僕のお店で売ってる品物は、時間。だからきっと、お店の名前も時間屋。時間にもいろいろあるけど、僕のお店で売ってるのは、過去。本当は、いろいろ仕入れたいんだけど、そこは厳しい現実社会。お金がなければ仕方がない。まあでも、僕が好んで過去を仕入れてるって話もあるんだけどね。だって、いろいろな時間の中で、過去が一番面白いんだもん。そこは、変えられない現実なんだなぁ。

第九十八話
「時間屋」

 今日は、何となく気分とタイミングと天気でお店を開ける日。それと昨日の夜、猫を三匹見たから。あと、大きなあめ玉を噛まずに最後まで舐めれたから。それに昨日は、散歩しても一回も人にぶつからなかったから。ん?それは一昨日だったかな?昨日は、ずっと家の中で大きなあめ玉を舐めてたから・・・ん?だったら僕は、どこで猫を三匹見たんだ?一昨日?あれ?一昨日は、確か卵の黄身が二つだったようなぁ?ありゃ?それは、もっと前だったっけ?
「ガチャン。」
そうこうしてるうちに、何だかんだでお客さんがやって来てしまった。
「いらっしゃいませ。」
まあいいや。昨日とか一昨日とかって、別に何だっていいや。とにかく今日は、お店を開ける日なんだから。それでいい。
「ここは、本当に時間を売っているのか?」
「はい。」
何か何か。切羽詰まった感じのおじさんがやって来た。この前来たのも確かおじさんで、その前がお姉さんで、その前がおじいちゃんだったかな?あれ?満月の次の日の雨の日に来たのは、子供だったっけ?スープをこぼさずに飲めた次の日がおじいちゃんだったかなぁ?
「おい。聞いてるのか?」
「えっ!?あっ、すいません。聞いていませんでした。」
「お店のドアのとこの貼り紙に書かれている事は、本当なのか?」
「はて?何て書きましたっけ?」
「過去あります。だ。」
「ああ!ありますあります!過去あります!」
そうだそうだ。一回も間違わずに、綺麗に書けたから、思わずドアのとこに貼っといたんだった。剥がすの忘れてた。
「いくらだ?」
「いくら?」
「過去を売っているのだろ?」
「売ってます売ってます。」
「過去に戻れるって事なのだろ?」
「戻れます戻れます。」
「私は、どうしても過去に戻らなければならない。だから、過去を売ってくれ。」
「エコロジー!!」
「・・・・・・・・・・・・・・・。」
ありゃ?何か不思議そうな顔で見られてるぞ?間違った?間違ったのかな?この前、テレビ観てていつか使おう使おうと思ってたセリフだったんだけど・・・・・・もしかしてもしかしたら、使い方間違っちゃった?
「本当に過去へ行く時間を売っているのか?」
「がはっ!がははっ!やだなぁ。ここは時間屋ですよ?おじさんじゃなかったお客さん!過去へ行く時間を売ってる?に決まっ・・・・・・・・・売ってない!」
「何だと!?」
「売ってる!いやいや売ってない!違う違う売ってるんじゃなくって売ってない!あれ?」
「どっちなんだ!」
「どっちなんだ?」
「おい!」
「売ってない!」
「だったら、こんな所に用などない。帰らしてもらう。」
「待った!」
「何だ?」
「過去はあります。ただ、売ってる訳じゃないんです。いや、もちろんお客さんに過去を差し上げるんですが、売ってる訳じゃないんです。」
「どう言う事なんだ?」
「どう言う事なんでしょう?」
「馬鹿にしているのか?」
「してませんしてません!えっと・・・・・・あっそうそう!おじさ・・・お客さんがいくらとか聞くからややこしくなっちゃったんですよ。」
「なぜだ?ここは時間屋で、ここには過去がある。」
「そうそう。」
「それをお金を払って買う。何がおかしい?」
「そこだ!そこがおかしい!ああ、良かった。何かモヤモヤがヤモヤモになって、今日もポッキリ眠れそうだ。」
「やはり、帰らしてもらう。」
「ああ、待って下さい!行かないで!」
「何だ!」
「ぶたないで!」
「ぶつ訳がないだろ。」
「良かった。良かった良かった。あっ!そうそう。お金じゃないんですよ。僕がお客さんに…あっすんなり言えた!じゃなくって・・・・・・・・・えっと、話です!」
「話?」
「そうですそうです。何でお客さんが過去に戻りたいのかを話してもらって、それで過去を差し上げるんです。そんな寸法です。」
「なるほど。過去を上げるに相応しい人間かどうかを君が審査するって訳だな?」
「難しく言うと・・・・・・そんな感じです!」
「分かった。なら、なぜ私が過去に戻りたいのかを話そう。」
「どーぞ。」
「妻にちゃんと別れの言葉を言いたいのだ。」
「別れの言葉を?」
「私には、病気の妻がいた。だが、五年前の今日、死んだ。あの日、私はどうしてもやらなければならない仕事があった。」
「奥さんが死にそうなのに?」
「君には、分からないかもしれないが、大人にはいろいろな事情があるのだ。ましてや当時の私のしていた仕事は、世界を動かすような重要な仕事だった。私情を挟む事など、もってのほか。」
「奥さん・・・・・・可哀想。」
「ああ、まったくだ。まったく君の言う通りだ。妻が死んで、何が自分にとって一番大切なのかを理解した。だが・・・・・・・・・遅すぎた。気付いた時には、妻はもう・・・・・・遠くに行ってしまった。」
「グスン・・・・・・ズズズズズ!チーン!」
「君が泣いてどうする。そして、今日、妻の墓参りに来たら、この店が目に入った。何か運命的なものを感じてしまったよ。これは、妻に別れの言葉を言えと、誰かが与えてくれたチャンスなのではないかとな。そして、このチャンスを逃したら、私は一生後悔する!」
「うんうん。ズズズズズー!でもでも、奥さんの死は、変えられませんよ?チーン!チーン!」
「ああ、分かっている。妻は、病気で死ぬ運命だった。その運命を・・・・・・妻の死を変える事など出来ないのは、百も承知だ。私は、ただ妻に一言、一言ありがとうと伝える事が出来ればいい・・・それだけでいいのだ。」
「ええはなしや~!分かりました分かりました!」
「くれるのか?私に過去を!」
「差し上げます差し上げます!」
「ありがとう。感謝するよ。」
「こちらこそ感謝ですよ。こんなええはなし、うんうん。チーン!っと、さておじさんが行きたい過去は、五年前の病院でいいんですね?」
「ああ。」
「それと、過去に行く前に時間屋の約束事があります。」
「約束事?」
「はい。それを聞いてから、もう一度よ~く考えて決めて下さい。」
「分かった。」
「まず、過去に行くと言うのは、本当に過去へ行く事になります。つまり、もう一度おじさんの時間が五年前からスタートすると言う事です。だから、過去に戻っても、もう一人のおじさんにポッキリ会ってしまうなんてトラブルはありません。」
「五年前の私に戻ると言う事だな。ん?しかし、それでは、私は同じ過ちを繰り返すだけではないのか?」
「そこは、ご心配なく。時間屋ですから。ところで、おじさんはタバコを吸った事は?」
「今は、やめているが、昔は吸っていた。」
「じゃあ、簡単簡単!時間を遡るには、これを使います。」
「タバコを?」
「タバコに似てますが、タバコじゃないんです。時間の塊です。煙も出ますが、タバコじゃないんです。時間の塊です。ただ単に要領がタバコに似ているだけで、タバコじゃないんです。」
「時間の塊なのだな?」
「そうそう!なかなか要領がいい!」
「それで?その時間の塊を吸えばいいのか?」
「そうです。どうぞ。」
「これで、妻に別れの言葉を言える。」
「あっ!待った待った!大事な事を言い忘れるとこだった!時間の塊を吸ってる間、単純に過去に戻りたい人じゃなく、何かをやりたいと思っている人は、その思いを強く念じながら吸うんです!ああ、早口で喋って疲れたぁ。」
「つまり、私の場合は、妻に会い別れの言葉を言いたい。そう、強く念じながら吸えばいいのだな?」
「そうですそうです。そうすれば、過去に戻っても、その思いが頭の中に残ります。」
「分かった。」
「シュポッ!ジジジジジ・・・・・・・・・。」
「それと、さっきも言いましたが」
「分かっている。妻の死は、変えられない。だろ?」
「そうです。奥さんの死は、変わりません。」
「ス~、プハ~。ありがとう。時間屋。」
「いえいえ。こちらこそ、過去をお話し上げ、ありがとうございました。」
「ス~、プハ~、では、行って来るよ。」
「行ってらっしゃい!」
「ス~、プハ~。」
「・・・・・・・・・行っちゃった。」

 僕は、気分とタイミングでお店を開けたり閉めたりしてる。空気とニュアンスでいろいろな場所を転々としてる。僕のお店で売ってる品物は、時間。だからきっと、お店の名前も時間屋。
「でも、おじさん本当に過去を理解したのかなぁ?特に奥さんの死の部分。奥さんの死は変わらないんだから、今さら過去に戻っても、奥さん存在しないのになぁ?あれじゃあ、奥さんを捜してさ迷っちゃうよ。まあ、いい過去が聞けたし、特に問題ないかっ!」
僕のお店で売ってるのは、過去。本当は、未来とかも仕入れたいんだけど、過去の話が一番面白いから、この店では今んとこ過去しか置いてないんだなぁ。
「そうだ!時間屋じゃなくって、タイムショップに名前変えようかなぁ・・・・・・・・・やっぱ時間屋だな!」
そして、今日はもう店じまい。

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