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2008年5月21日 (水)

「第百一話」

「博士!お待ちしてました!」
「お待ちされてたけどさぁ。何?どうしたの?へぇ~。そうなんだ!なるほどなるほど!なるほどねぇ~。」
「いや、まだ何も言ってませんけど?」
「博士!お待ちしてました!って、ニヒルに言ってたけど?」
「いや、言いましたけど、いや、ニヒルではなかったですけど、にしてもそれに対する返答じゃないでしょ。」
「あっそうだ!」
「何ですか?」
「君は、なぜ蚊に刺されても痛くないのか知ってるか?」
「えっ?確か・・・・・・・・・血を吸うと同時に、血を固まらないようにする液体を出しているからですよね。」
「そう!そうなんだ!もしも、もしもだ!蚊がその液体を出さなかったらと考えてみなさい!」
「痛みを感じる・・・・・・ですか?」
「そうですよ!そうなんですよ!物凄い痛みを感じるのだよ!嫌だよね~痛み!感じたくないよね~痛み!心も体も!でも感じない!我々は、痛みを感じない!それはなぜ?それはどうして?蚊が液体を出しているからだよ!」
「博士?」
「何て、何て優しい奴なんだ!蚊って奴は!ああ、私も蚊のような男になりたい!」
「でも、その液体によって、痒みが生じるんですよ?」
「君は、分かってないなぁ。蚊=痒い。だが、真実はどうだ?そこには痛みを感じさせないと言う優しさが含まれているではないか!いいか?男は、優しいだけじゃダメなんだよ!優しさを全面的に振り撒いている男の優しさなど!本当の優しさなどではない!厳しさの中に含まれている優しさこそ!本当の優しさなのだよ!痒みの中に優しさを隠す蚊の優しさこそ!本当の優しさだとは思わないか!!」
「何の話ですか?」
「モテたいんだ!」
「モテたいって、それで蚊を理想とするのは、如何なもんでしょ?ってか、博士には奥さんがいるじゃないですか。モテてどうするんですか!浮気ですか!熟年離婚ですか!」
「妻にモテたいんだ。」
「もしかして、博士。奥さんと上手くいってないんですか?」
「・・・・・・・・・・・・・・・。」
「博士?」
「ええーい!触るなー!貴様のスズメのナミダ程度の慰めなどいらんわい!」
「触ってませんけど?」
「で?話ってなんだ?せっかく私が妻とのチョメチョメを切り上げてやって来たと言うのに!君って奴はまったく!」
「仲いいじゃないですか!」
「私が言ったチョメチョメを、世間一般で言うチョメチョメだと思うなよ!」
「なら、博士の言うチョメチョメを世間一般で言う言い方で言って下さいよ!」
「間違い探しだ!」
「ペケペケだ!どっちかと言ったならば、それはチョメチョメじゃなく!ペケペケだ!」
「早間違い探し対決だ!」
「対決?」
「私のリングネームか?」
「リングネームって何なんですか?」
「ストロング・ザ・パンプキンだ!」
「何か、覆面レスラーみたいな名前ですね。」
「これを見よ!」
「まさかのカボチャをくり貫いただけのマスク登場!ストロング・ザ・パンプキンと言うよりも、ミスター・ハロウィンですね。」
「ミスター・ハロウィン?いいねそれ!いいよ!次からそれにしよう!ミスター」
「メモらないで下さい。」
「必殺技は、魔法です。」
「どっかのテーマパークのキャラクターですか。」
「出身地は、畑です。」
「なぜにそこだけリアル?」
「なぜにそこだけリアル?いいねそれ!いいよ!次からそれにしよう!なぜに」
「どう聞こえちゃったら、リングネームだと思っちゃうのでしょうか?」
「次に開催される親権をかけたタイトルマッチには、負けられないのだよ!」
「子供の将来を何だと思ってるんだ!」
「ぶはぁー!確かに、確かに君の言う通りだ!チョメチョメで親権を決めるだなんて、私も妻もどうかしていたよ。私が悪かった。すまない。そして、目を覚まさせてくれて、ありがとう。」
「博士・・・・・・・・・。」
「いや~、それにしてもなかなかどうして、君の右ストレートは、効いたよ。ほら、奥歯が二本へし折れた。」
「いや、僕は殴ったりしていませんけど?博士が直立不動で一人芝居しているだけですけど?」
「さあ、本題にでも入ろうか?軍曹!」
「物凄い寄り道の距離で、思わずもう本題の事なんてどうでもいいか。とすら、思ってましたよ。それに、ここに来て僕が軍曹って、おかしいでしょ!どんな設定ですか!」
「むむむ!むが四つ。」
「ちゃんとしません?博士。ちゃんとやりましょう?もう、ここからは真面目に博士と助手で行きましょうよ。」
「イッサー!」
「何かまだ軍曹感が抜けてない気がしますけど、まあいいですよ。」
「で?なぜ私を呼び出したりしたんだ?」
「発明をしたんです!」
「発明?」
「世紀の大発明です!」
「しかも、世紀の大発明?いったい何を大発明したんだ?」
「これです!」
「これって、ホクロ?」
「そうです!ホクロです!」
「何だかさっぱりだな。あれ?でも君って、顔のそんな所にホクロなんかあったっけか?」
「ないです。ほら!」
「取れた!付けボクロ!?」
「そうです。」
「だが、付けボクロなんて、特に大発明でも何でもないだろ。どっかその辺で売ってるだろ。」
「博士?」
「何だね?酋長!」
「今年もいよいよ雨乞いの時期が近付いて来たようです。」
「もうそんな時期に・・・・・・はっ!?ま、まさか!?その生け贄として、今年は酋長自らが!?」
「博士!後の事は、任せましたよ!」
「酋長・・・・・・分かりました!慎んで、お断りします!」
「ああ、やっぱり断られちゃ・・・断っちゃったよ!じゃないですよ博士!ふざけないで下さい!これは!超万能ボクロなんです!」
「超万能ボクロ?」
「そうです。この超万能ボクロを付けると、ありとあらゆる事が、出来ちゃうんです!」
「ありとあらゆる事って、何?だったら何か?その超万能ボクロを付けたら、空を飛べるってのか?」
「はい。」
「透明人間になれちゃうのか?」
「はい。」
「変身出来るのか?壁をすり抜けられるのか?天候を操れるのか?切った腕が再生されるのか?」
「全て可能です!」
「嘘だろ!?」
「嘘ではありません。いいですか?博士。よーく見ていて下さいね。」
「ジーッ!」
「体のどこでもいいので、この超万能ボクロを付けます。」
「ジーッ!」
「いきますよ?ほら!」
「えっ!?」
「ほら!ほら!」
「えっ!?ええーっ!」
「ほら!ほら!ほらほら!ほらっ!」
「スゲェっ!単純にスゲェっ!」
「でしょ!これが超万能ボクロなんです!」
「ただただ、スゲェって言葉しか出ねぇ!」
「まだまだこれだけではありません。タイムマシーンにもなりますし、宇宙旅行にも行けます!」
「凄いじゃないか!これは、本当に世紀の大発明だ!!君は、天才だ!大天才だ!」
「違います。」
「へっ?」
「僕が天才なのではなく。博士、あなたが天才なのです!」
「私が?」
「そうです。確かに超万能ボクロは、僕が発明しました。でも、これは博士の今までの発明があったからこそなんです!その全ての技術を取り入れ、応用して作ったのが、この超万能ボクロなんです!これは!この超万能ボクロは!言わば博士の大発明の大集大成なんです!」
「何て事だ・・・・・・私の今までの大発明の大失敗作が・・・・・・しかし!大君がいてくれてこその大超万能大ボクロ!それは大我々二人の大発明だ!」
「博士!大があらゆる所に・・・・・・。」
「君は、素晴らしい助手だよ!私の誇りだ!」
「ありがとうございます!」
「早速、学界の奴等に一泡吹かせてやろうじゃないか!」
「そうですね。でも、待って下さい博士!」
「どうした?」
「まだ、この超万能ボクロで一つだけ行っていない実験があるんです。」
「行っていない実験?何だね?」
「どんな事が起きても死なない。不滅の肉体の実験です!」
「死なない体か。」
「そうです。それが成功して、初めて超万能ボクロは完成するんです!さあ、博士。ホクロを付けて下さい!」
「えっ?私?」
「この銃をどうぞ。」
「はい?銃?・・・・・・・・・まさか!?」
「さあ、頭を撃ち抜いて下さい!やはり、実験の最後は博士でないと!」
「いや、これをやらなくても十分すぎる程、凄い発明だと思うよ?」
「それは違います!」
「だ、だが。」
「博士が自分で頭を撃ち抜けないのなら、僕が博士の頭を撃ち抜きます!」
「えっ?」
「安心して下さい。絶対に死にませんから!」
「な、何か目が怖いんですけど?」
「銃を貸して下さい。」
「ちょっと待とうよ。少し落ち着こう。ねっ?ねっ?ねっ?博士が最後に人体実験ってそのセオリー、よそうよ。」
「僕は冷静ですよ。さあ、銃を貸して下さい!!」
「・・・・・・・・・・・・・・・。」
「博士!!」
「・・・・・・・・・分かった。自分でやろう。君を信じる。今から、不滅の肉体の実験を開始する!」
「お願いします。」
「・・・・・・・・・行くぞ!さん!に!いち!」

「どがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁんっ!!」

「ぶはっ!ごほっ!ごほっ!い、いったい何が!?ごほっ!ごほっ!お、おい?大丈夫か?ごほっ!ごほっ!ごほっ!軍曹ー!ごほっ!酋長ー!おーい!大丈・・・・・・・・・・・・な・・・何なんだこれはぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

第百一話
「地球大爆発」

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