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2008年7月

2008年7月 2日 (水)

「第百七話」

 何がどうなって、こうなったかなんて、どうだっていい。現実がこれなら、私にはそれを受け入れる術しかないのが現実。やらなきゃならないなら、やるしかない。受け入れる覚悟は、元から出来ていた。だが、それら全てを含めて、あらゆる事象をあらゆる角度から受け止めて、それでもなお、言わせてもらえるのなら、言わせてもらおうじゃないか!
「さあ、そろそろ時間です。台詞は頭の中に入りましたね?」
なぜだ!なぜ、私はこんな事になってしまっているのだ!
「では、始めます。・・・・・・・・・ショートコント!」

第百七話
「ショートショートなショートコントな(前編)」

『トイレ』

「あー、ずっと我慢してたからなぁ。」
「ジョロジョロジョロジョロ!」
「あー、すっきりだぁ。」
「タッタッタッタッタッ!」
「ん?誰か走って来るぞ?ああ、さては漏れそうなんだな?」
「ああー!間に合っちゃった!」
「ドントマイン!」

『トイレ』 パート2

「ガチャッ!」
「ああ、出すもん出したらスッキリしたー!」
「おい!」
「はい?」
「貴様!いったい一人で一つしかない個室を何分使用してんだ!貴様だけの便器じゃないんだぞ!」
「すいません。」
「ったく!ふざけるんじゃないよ!」
「本当にすいませんでした。」
「じゃあ!」
「じゃあ!」

『スパイ』

「いいか?よく聞け!我々の中にスパイがいる!」
「はい!」
「そんな簡単に名乗り出ちゃダメ!」
「嘘です。」
「何だ嘘だったのか。」
「やっぱ本当!」
「やっぱって?何がやっぱなの?」
「本当にこの中にスパイがいるんですか!」
「それは確かだ!敵に我々の情報が筒抜けなんだ!」
「誰なんですか!その僕以外のスパイってのは!」
「サラッと言っちゃったよ?」

『バースデーケーキ』

「ハーピバースデー♪トゥーユー♪♪おめでとう~!」
「ありがとう!」
「さあ、早くロウソクの火を消して!」
「うん!ふぅー!」
「ガクッ!」
「古典的っ!!」

『NEWS』

「こんばんは、昨日のニュースです。」
「平和そのものか!にしても、何かあっただろ!何か!!」

『時刻』

「あのう?すいません。今、何時だか分かりますか?」
「えーと、おやじ!なんちゃって!」
「5時10分28秒か。」
「俺の大事ななんちゃってを返してくれ!」

『○×クイズ』

「最後のクイズは、○×です。これに正解すれば、賞金はあなたの物です。自信はありますか?」
「何か緊張してよく分かりません。」
「そうですかそうですか。頑張って下さいね。」
「頑張ります!」
「では、○×クイズのルールを説明します。私の出題する問題に、手にしている○×の札を使って答えて下さい。なお、クイズの解答のさいに、○×の札を使用すると失格になります。」
「What?」

『先生』

「先生!この6の(1)の問題の解き方が分からないんですけど、教えて下さい。」
「安心しろ!先生も、さっぱり分からん!」
「そのメガネは、お飾りか!」

『夢』

「俺、大人になったら子供になる!」
「じゃあ俺は、鳥になる!」

『貸し借り』

「なあなあ、今度お前が買った短編小説、あれ貸してくれよ。」
「いいよ。じゃあ、俺もお前から何か借りようかな?」
「いいよ。何がいい?」
「十二指腸!」
「摘出的な!?」

『どっちだよ』

「先ほど切っておいた野菜を全部この鍋の蓋の方に入れます。」
「先生?そっちが鍋そのものです。」
「そして、調味料を入れます。」
「何から入れるんですか?」
「砂糖か塩を右手か左手で持った大さじ一杯で少々入れます。」
「どっちだよ!」
「じゃあ、右手で!」
「それでもまだ、どっちだよ!だよ!」

『なんでだよ』

「刑事っていいよなぁ。かっこいいもんなぁ。ホント、憧れるよなぁ。俺、大人になったら、絶対にタンス職人なる!」
「なんでだよ!」
「後継ぎだから・・・・・・・・・。」
「厳しい現実!」

『優勝』

「おめでとうございます!今大会で優勝した事を、一番に誰に伝えたいですか?」
「僕を今まで支えてくれた。妻と18人の子供達にです!」
「では、優勝賞金と記念品は、私が貰います!」
「なんでだよ!」
「いいかな~。と思って、つい。」
「思うのは勝手だけど、口に出しちゃダメ!」
「にしても、子沢山!」

『歯医者』

「今日は、どうしました?」
「奥歯が凄く痛いんですよ。」
「ああ、虫歯ですね。じゃあ、虫歯の奥歯以外の歯を全て抜いちゃいますね。」
「何の罰?」

『美容院』

「今日は、どうしますか?」
「ちょっと、後ろを揃えてくれる?」
「刀で?」
「何の罪?」

『間違ってるよ』 (刑事編)

「待てー!止まれー!止まると撃つぞー!」
「どっちだよ!あっ、間違ってるよ!」

『間違ってるよ』 (急病人編)

「大丈夫ですか!?お客様!」
「ウー・・・。」
「大変だ!凄い熱だ!果たして、果たしてお客様の中にお医者様がいらっしゃるだろうか?」
「ウー・・・ウー・・・。」
「お客様、今聞いてみますからね。少々お待ち下さいね。」
「ウー・・・ウー・・・ウー・・・。」
「お医者様の中に、お客様はいらっしゃいますかー!」
「なんでだよ!あっ、間違ってるよ!」
「間違ってねーよ!あっ、間違ってたよ!」

『オリンピック』

「俺、今度オリンピックに出るんだ!」
「すんげーっ!」
「オリンピックから!」
「逆に代表落ち!?」

『オリンピック』 パート2

「俺、今度オリンピックに、この国から代表として出るんだ!」
「すんげーっ!で、何の競技で出場すんだ?」
「メロン!」
「ライバルだったのかよっ!」

『医者』

「あちゃー!熱が40度もありますね!」
「えっ!?ちょっと熱っぽいと思ったんですが、先生!私、そんなに熱があるんですか?」
「私がね。」
「まあ、とにかくお互い服を着ましょうか。」

『最終回』

「あのドラマの最終回、泣けたよなー!」
「ホント、泣けたよ!来週も見なくちゃ!」
「おいおい。来週は、海外出張だから無理だろ!」

『好きな食べ物』

「お前、好きな食べ物、何?」
「カレーライスかな。お前は?」
「カレーライスで言うと・・・・・・・・・。」
「ライスの方かな?」

『お前が悪い』

「あんたのせいで事故になったんだぞ!」
「それは、こっちの台詞だ!お前は、ちゃんと信号を守っていたけど、俺は進行方向の信号が赤なのに、飛び出したんだぞ!どう考えてもお前が悪い!」
「ハッハッハッ!よくぞ私の変装を見破ったな!探偵くん!」
「いいえ、私は指名手配犯です。」

『天気予報』

「本当に天気予報ってのは、当たりませんなぁ。」
「本当ですなぁ。午後から雨が降るだなんて言うもんですから、こうやって傘を持って来たと言うのに、やれやれですなぁ。」
「ちっさっ!!」

『ゴキブリ』

「昨日、部屋にこんな大きなゴキブリが出たんだよ。」
「大きっ!!高層マンションかよっ!!」
「旨かったなぁ。」
「生は危険だぞ!生は!!」

『うんこ』

「昨日、凄いデカイうんこが出たんだよ!」
「いきなり何だよ!汚いな!」
「それが、これなんだけどさぁ。」
「生は危険だぞ!生は!!」

『幽体離脱』

「昨日、寝てたら幽体離脱しちゃったんだよ。」
「すんげーっ!」
「ところで、俺の幽体知らない?」
「ゆ、誘拐!?」
「幽体。」
「ああ。」
「知らない?」
「ゆ、誘拐!?」
「幽体。」
「ああ。」
「知らない?」
「ゆ、誘拐!?」
「もういいよ!」
「ああ。」
「・・・・・・・・・幽体、知らない?」
「ゆ、誘拐!?」

『子供』

「お前んとこの子供、本当に可愛いよな。目に入れても痛くないだろ。」
「痛かったよ。」
「そっちの意味の子供じゃなくって。」

何だ!?何なんだ!?このショートコントとしてのクオリティーの低さは!?いや、このスタイルが今の流行りなのか?だとしたら、逆にクオリティーが高いと言う事なのか?分からない。分からな過ぎる。メディアと長い間、接点がなかったとは言え、ここまで変化しているとは!?それに、そもそも私は、いったいどっちの役割を担っているのだ?ボケなのか?ツッコミなのか?しかも、まだ台本の3分の1が終わっただけだ。果たして私は、残り3分の2の理解不能な奇々怪々なショートコントな世界を受け入れられるのだろうか?

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2008年7月 9日 (水)

「第百八話」

「我々は宇宙人だ!」
「河原の小石でしょ?」
「いや、我々は宇宙人だ!」
「だって、どっからどう見たって河原の小石じゃん。」
「のように?のように見えるかもしれないが?ないが?我々は、我々はどっからどう見ても宇宙人だ!」
「はあ・・・・・・。僕ね。ちょっと気分がブルーなんだ。だから、ほっといてくれない?」
「それは、我々が宇宙人だと認識した上での発言と捉えていいのかな?」
「ダメ。」
「ドテッ!思わず我々はズッコケてしまったではないか。宇宙人として。」
「あっ、そっ。」
「少年!あっ、名前が分からないからとりあえず少年と呼ばしてもらうよ?」
「いいけど、なに?」
「少年、我々はね。我々は、宇宙人なんだよ。宇宙人。分かる?我々は、宇宙から来たの。だから、我々は宇宙人だ!なの。」
「宇宙人なんていないよ。」
「あちゃー!少年はなに?そっち派なの?いないかもしれない派閥なの?」
「柔らかく捉えないでよ。かもしれないじゃなくて、完璧にいない派だよ。」
「そっかそっか。そうなんだ。そうだよね。そっかそっか。と見せかけて、我々は宇宙人だ!」
「なにを見せかけたの?河原の小石でしょ?」
「少年、なかなか俊敏な脳の回転をしているな。今の引っ掛けに引っ掛からないとは、いやはや我々は宇宙人だ。」
「どこがどう引っ掛けになってたのか河原の小石の言ってる意味が分からないよ。」
「よし!ここはいっちょ我々宇宙人が少年の為に一肌脱ごう!さあ、我々宇宙人に言ってみなさい!」
「なにを?」
「だから、溜め息の理由だよ。どうして少年の気分がブルーなのか?をだよ。」
「小石に言ったってしょうがないよ。」
「しょうがないか、しょうがなくないかは、時折流れる涙が決めるものだぞ!少年!そして、我々は宇宙人だ!」
「どう言う意味?」
「いや、正直に言うとな少年!我々宇宙人は今、格好付けたかっただけの発言をしてしまったんだ。挫折させてしまって申し訳ない。」
「してないよ。」
「心に大きな心的外傷後ストレス障害の爪跡を残してしまって申し訳ない。」
「別にPTSDになってないよ。」
「そうか!それは何よりだ!それを聞いて我々宇宙人は安心した!」
「いちいち河原の小石の言ってる事なんて気にしてないからさ。」
「宇宙人ってとこのフレーズだけは気にして!で、出来ればもっと我々宇宙人に対して興味を持って!食い気味で会話とかしちゃって!ん?そうか。少年は、姿にこだわっているんだな?イメージしてる宇宙人と我々の容姿があまりにもかけ離れているから、困惑しているんだな?いいかい?少年!何も宇宙人全てが人間のような容姿をしている訳ではないんだぞ!確かに一番多いのは人間のような姿をしている宇宙人だが、中には河原の小石のような姿形をしている宇宙人もいるんだよ。そう!それがすなわち、すなわちそれが我々だ!」
「いないんだから、困惑なんてしてないよ。」
「長台詞っ!我々の宇宙人による我々の宇宙人としての我々の宇宙人のための、今の長台詞を返してくれ!」
「あそこ。」
「ん?なんだ少年!下ネタもいける口か!そうかそうか。なら、話が早い!我々宇宙人には取って置きの下ネタがあるんだぞ?ん?んん?聞きたそうな顔をしているな?」
「川の向こう側。」
「ああ、本当の意味でのあそこね。これはかなり、我々は宇宙人として、こっぱずかしいぞ。で?川の向こう側がどうかしたのかな?」
「人がいるでしょ?」
「ああ、いるな。だが、少年?もしかしたら、あいつも老人な宇宙人かもしれませんよ?どうするどうする?そしたらどうする?どうするんですか?このっ、このっ!」
「向こうに行けば?」
「ええーっ!?」
「あの人に話し掛けなよ。たぶん聞いてくれるからさ。」
「このタイミングでーっ!!」
「タイミングもなにも、僕のモチベーションは、ずっと一定だったよ。」
「こんなに話が盛り上がってんのにーっ!!」
「河原の小石だけが勝手に盛り上がってるだけじゃん。」
「我々が宇宙人なのにーっ!!」
「投げるよ?」
「いやダメだよ!!ダメでしょ!!よーく考えてよ!!明らかにこの川幅で、少年の力じゃ、向こう側に届かないでしょ!!目測変でしょ!!あぶいあぶい!!あぶすぎだって!!」
「なら、宇宙船かなんかで行きなよ。」
「宇宙船?少年!今、宇宙船と言ったね?」
「言ってないよ。」
「言ったじゃーん!確かに宇宙船って、言ったじゃーん!ちょっと我々が宇宙人って事、認めたじゃーん!認めた上での発言だったじゃーん!我々宇宙人、ちょっと嬉しかったのにー!」
「認めた訳じゃないよ。ただ、河原の小石が宇宙人かなんてどうでもいいから、あっちに行って欲しいなと思っただけの適当な発言だよ。」
「面倒臭いか?面倒臭いのか?少年は、我々宇宙人の相手が面倒臭いのか?」
「面倒臭いって言うか邪魔。」
「あわあわあわあわあわあわあわーっ!!ん?少年、今なにか我々宇宙人に対して言ったかな?」
「はあ・・・・・・・・・。」
「しょぉぉぉぉぉねーんっ!もう、若いんだからさぁ。溜め息ダメよ。溜め息ノンノンよ。幸せが逃げるよ?」
「逃げるの?幸せって逃げるの?」
「えっ!?少年!?」
「て事は、元々からだの中に何個か幸せがあるって事?ねぇ?逃げた幸せって、捕まえられるの?ねぇ!ねぇ!河原の小石!」
「わ、我々は宇宙人だ!って、少年!?何だか分からないけど、今のは比喩的な表現であって、実際に幸せが逃げてしまう事も、ましてや幸せが体内に存在しているなんて事もないんだよ。何か今、我々宇宙人が少年の心のもっとも純粋な少年の部分をもてあそんでしまったようで、何と言ったらいいのか・・・・・・取り返しのつかない事をしてしまって、本当に申し訳ない!!」
「じゃあ、あっち行ってよ。」
「分かった!って、おい少年!少年おい!我々宇宙人をハメたな?一芝居打って我々宇宙人を向こう側に行かそうとしたんだな?おいおい、我々宇宙人も随分と甘く見られちまったもんだな。」
「河原の小石にしか見られてないけどね。」
「なら、我々宇宙人が野原にいたら!」
「野原の小石。」
「なら、我々宇宙人が月にいたら!」
「月の小石。」
「なら、我々宇宙人が宇宙船の中にいたら!」
「宇宙船の中の小石。」
「だったら、我々宇宙人が世界遺産にいたら!」
「単なる小石。」
「世界遺産にしてよー!そこは世界遺産にいれてよー!って、少年探偵団!果てしなく我々宇宙人は、小石かっ!」
「探偵団ではないけど、どこまで行っても小石は小石。」
「冷静だな。哲学だな。少年!まあ、そのクールなところに、我々宇宙人は惚れ込んだんだけどな!」
「あっ、そっ。」
「うん、そっ。」
「はあ・・・・・・・・・。」
「ほーらまたーっ!!溜め息ーっ!!ダメダッテ、言ッタデショーッ!!少年!ねぇ少年!本当に、本当に我々宇宙人は、少年のターコイズブルーな気分をオフホワイトにする手助けが出来ないのかい?」
「無理。」
「即答っ!よもやの即答っ!もちょっと試行錯誤してよー!少年なりの気配り大事だよー!じゃあ、じゃあさっ!何でブルーな気分なのかを我々宇宙人に教えられないとして、それは今はこっちにひとまず置いとくてして、一つだけ我々宇宙人に聞かせてくれるかな?」
「なに?河原の小石。」
「さっきからそうなんだけど、少年!仮に、仮にたぞ?我々宇宙人が少年の言うように河原の小石だったとしよう。だったとして、だったとしてだ!それでもなお、少年はこうして河原の小石が喋っている事に何の疑問も持たずに会話をしているのは、なぜだ?」
「・・・・・・・・・・・・・・・。」
「えっ!?少年?我々宇宙人を手に取ってどうするつもりだ?いや、少年!知ってるぞ!投げるんだな!我々宇宙人をあっち側に投げるつもりなんだな!ちょっ、ちょっと待とうか!ちょっと待ってみようか!少年!少年?少年!!」
「大丈夫だって!これでも補欠なんだからさ。」
「目測を見誤るのだけはやめてくれよ!って、やっぱり無理だ!無理だよ!少年!そもそも、何の補欠なんだ!?野球だろ?野球なんだよな?でも補欠なんだな?頼む!野球であってくれーっ!!しょぉぉぉぉぉねぇぇぇぇぇんっ!!!って、ジョークなんだろ?」
「えいっ!」
「マジだっ!?」

第百八話
「ひゅー、すとんっ!」

「あいたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!何じゃ!何なんじゃ!ん?何じゃ?小石?どうして小石が急に降って来おったんじゃ!?はて?不思議な事もあるもんじゃのぅ?」
「あっ、ども。我々は宇」
「河原の小石が喋っとるぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
「ああっ!ご年配!ちょっ、ちょっと!ちょっと待って下さーい!!」

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2008年7月16日 (水)

「第百九話」

僕は今日もちゃぶ台をひっくり返している

そう言えば

昨日も僕はちゃぶ台をひっくり返していた

だから

たぶん

1週間前の6日後も、ちゃぶ台をひっくり返していたに違いない

がらがらがっしゃ~ん
がらがらがっしゃ~ん

ちゃぶ台をひっくり返す

がらがらがっしゃ~ん
がらがらがっしゃ~ん

オリオン座を眺めながら

がらがらがっしゃ~ん
がらがらがっしゃ~ん

流星群のまっただ中でも

がらがらがっしゃ~ん
がらがらがっしゃ~ん

ノーザンクロスの白鳥を

がらがらがっしゃ~ん
がらがらがっしゃ~ん

探しながら僕は今日も

がらがらがっしゃ~ん
がらがらがっしゃ~ん

ちゃぶ台をひっくり返す

がらがらがっしゃ~ん
がらがらがっしゃ~ん

大きな声で

がらがらがっしゃ~ん
がらがらがっしゃ~ん

声を嗄らすまでひっくり返す

ひっくり返しては元に戻し
元に戻してはひっくり返し

切ない今現在を置いて
悲しみの過去を置いて
辛すぎる未来を置いて

僕はちゃぶ台をひっくり返す

こんなにも真っ暗な中で、息がつまりそうになりながら、どこかへ吸い込まれそうな気分で、どこかへ飛び出しそうな気分で、散りばめられた星々を必死になって集めようとするけど、手から零れ落ちるのに

なぜだろう?

どうしてだろう?

それでも僕がちゃぶ台をひっくり返しているのは?

がらがらがっしゃ~ん
がらがらがっしゃ~ん

あんまり上手にひっくり返す事が出来ない日も

がらがらがっしゃ~ん
がらがらがっしゃ~ん

あんまりニッコリと笑顔が上手く作れない日も

がらがらがっしゃ~ん
がらがらがっしゃ~ん

ちゃぶ台をひっくり返す

僕は誰?

誰が僕?

ちゃぶ台はちゃぶ台?

ちゃぶ台は台ちゃぶ?

1年前の364日後もきっと、ちゃぶ台はちゃぶ台

月は山吹
太陽は茜
宇宙は涅

僕は?

ちゃぶ台は?

僕は、色んな色

ちゃぶ台はまだ、蒼翠

がらがらがっしゃ~ん
がらがらがっしゃ~ん

何だかんだで今日が終わる

がらがらがっしゃ~ん
がらがらがっしゃ~ん

代わり映えしない今日が終わる

がらがらがっしゃ~ん
がらがらがっしゃ~ん

そんなもんかと明日が来る

がらがらがっしゃ~ん
がらがらがっしゃ~ん

代わり映えしない明日が始まる

がらがらがっしゃ~ん
がらがらがっしゃ~ん

そうだ!

僕の頭の部分が閃いた

時々、何かを思い付く

そうしよう!

ちゃぶ台に名前を付けよう

がらがらがっしゃ~ん
がらがらがっしゃ~ん

明日から、ちゃぶ台の事を

がらがらがっしゃ~ん
がらがらがっしゃ~ん

地球と呼ぼう

第百九話
「それでも地球が回る訳」

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2008年7月23日 (水)

「第百十話」

「がおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
私の父は、恐竜だ。

第百十話
「ディノサウルスじいさん」

と、本人は思っているみたいですが、いやいや、ところがどっこい。どっからどう見ても普通のおじいさんですし、何なら恐竜と言うよりもむしろ、草食動物の部類なんですよ。さらに悪く言うんであれえば、小虫ですよ。小虫。
「がおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
ご察しの通り、歯なんて総入れ歯ですし、実際見てもらえば分かると思うんですが、強風ですっ飛ばされるような体型なんですよ。背も低いし、一見すると、じいさんなんだか、ばあさんなんだか分からないし、ヨボヨボしてますし、プルプルしてるんです。
「がおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
しかもそれは、尋常じゃないくらいに・・・・・・・・・言い過ぎかもしれませんが、常に地震かな?って思うくらいなんです。どんな微震をも逃さない、超高性能じいさん型地震測定器なんだ!って、父がこの国の、いや、この地球上で発生する全ての地震を測定しているのかな?って、地震測定危機管理局地球防衛軍最前線部隊総司令官かな?って、だったら偉大だなって、だったらある意味で正義のヒーロー!

第百十.二五話
「地震測定危機管理局
 地球防衛軍最前線部隊
   総司令官じいさん」

だなって、自分の子供達に胸を張って誇れるなって、思った事もあるぐらいです。
「がおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
でも、父は

第百十.五話
「やっぱりディノサウルスじいさん」

何よりも、ガリガリ王者な父は、自分の声で倒れるんじゃないかってくらいなんです。そんな人が地震測定危機管理局地球防衛軍最前線部隊総司令官な訳がない。もし、仮に父が地震測定危機管理局地球防衛軍最前線部隊総司令官だったとしても、私は父を地震測定危機管理局地球防衛軍最前線部隊総司令官として認める訳にはいかない!ましてや、正義のヒーローだなんて!正義のヒーローが己の雄叫びで、ヨロヨロして倒れそうになるでしょうか?そして、その勢いで入れ歯をすっ飛ばすでしょうか?父のその姿は、何回も見た事があります。例えばそれが、正義のヒーローである父の最終兵器だとしたら?地球を地震から防衛する為の地震測定危機管理局地球防衛軍最前線部隊総司令官としての最重要命令の発動合図だとしたら?まだ、恐竜であった方がましです。
「がおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
なぜか父は、雨が降っていない日には、必ずと言っていいほど意気揚々と町を徘徊します。いや、別に頭の中がジュラシックな訳ではありません。頭髪は、見事にジュラシックですがね。そんな父に、私は尋ねた事があるんですよ。
「父さん、いったい町に何をしに行っているんですか?」
「散歩。」
ええ、父は普通に会話が出来ます。当たり前です。恐竜ではなく人間ですからね。散歩と言いますが、尋常じゃないくらいヨボヨボでプルプルの父は、10分で行ける距離を2~3時間掛けて行くんですよ。朝、タバコを買いに意気揚々と家を出たとしたら、帰って来るのは、時計の針が午前0時を回っているのが当たり前です。そんな父の事です。きっと、散歩と言っても、玄関を出て「がおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」と叫んで、新聞を取ってから玄関に入って来るぐらいの事なんでしょう。毎度お馴染みの恐竜の形態模写で歩いたとしても、五軒先の家の前まで行って帰って来るぐらいが関の山。余談ですが、雪の日に父がタバコを買いに行った時、家の玄関の前で雪だるまになった父を救出した事があります。
「父さん?父さんは、どうしてそんなに恐竜が好きなんですか?いったい恐竜のどこがそんなに好きなんですか?」
確か、私が物心をついた時でしたかね。この質問を父に投げ掛けたのは?
「むしろ嫌い!!」
むしろが指すものとは?嫌いなのに、なぜ恐竜だと言い張るのか?嫌いだとして、果たして見た事もない恐竜を、なぜそこまで頑なに嫌う事が出来るのか?そんなに首を振ったらもげますよ?そう、全てが謎のままで過ぎ去って来た60年間。思い出しただけでも、私の人生は数々の困難続きでした。そんな父も、もう90を越えてしまった。
「がおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
昔ほど迫力がないにせよ。病気もせず、今も元気に生きている。そう考えると、歯も頭髪もジュラシックですが、もしかしたら自分を恐竜だと思う事は、長生きの秘訣なんじゃないかとすら思ってしまいます。
「がおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
そして、昔から父の鳴き声を聞く度に思うんです。そもそも恐竜の鳴き声が「がおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」で正解なのだろうか?、と。
「ぎゃおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
むしろ、母の鳴き声の方が、恐竜に近いのではないだろうか?、と。しかし、母は恐竜ではなく、怪獣だ。

第百十.七五話
「モンスターばあさん」

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2008年7月30日 (水)

「第百十一話」

「真っ黒だ。真っ黒だ。この世もあの世も真っ黒だ。」
「今の何ですか?」
「僕が作ったポエムです。」
「質問と何か、関係があるんでしょうか?」
「ありません。」
「そうですか。」
「まったくありません。」
「そうですか。」
「・・・・・・・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・・・・・・・。」
「ああ、質問の答えでしたね。この辺にメダカの学校なんて、ないです。まあ、ないと断言するのもどうかと思いますが、私の知る範囲で言えば、ありません。」
「知らない範囲で言うと、どうなんでしょう?」
「知りません。」
「真っ黒だ。真っ黒だ。この世もあの世も真っ黒だ。」
「あのう?」
「はい。」
「その暗いポエム、何かとネガティブなポエム、やめてもらえませんか?」
「メダカの学校って、やっぱり川の中にあるんですかね?」
「さあ?あるとすれば、そうなんでしょうね。メダカですから。」
「やっぱり!」
「ちょ、ちょっと?今の貴方の『やっぱり』には、かなりの希望が込められていたような気がしたんですが?物凄い幸福感が溢れていたような気がしたんですが?」
「いけませんか?」
「いけない訳ではないです。でも、もしメダカの学校がなかった時の反動は、物凄いと思いますよ?」
「ベコッ!って、なっちゃいますか?」
「貴方がペットボトルだったら或いは、そうなるかもしれませんね。」
「僕は、人です。」
「知っています。」
「あなたも人です。」
「分かっています。」
「真っ黒だ。真っ黒だ。この世もあの世も真っ黒だ。」
「大好きなんですか?そのポエム。お気に入りなんですか?そのポエム。」
「メダカの学校なんですけどね。見付けたら、そーっと覗いてやろうかと思ってるんですよ。そりゃもう、そーっとです。だって体育の授業を邪魔しちゃいけませんからね。」
「体育?」
「えっ!?体育じゃないんですか!?算数ですか?国語ですか?もしかして、外国語ですか?僕は、体育がいいんですよ!」
「そこまで体育に固執する理由すら興味もないですが、なら体育の時間を狙って行けばいいじゃないですか。」
「その手がありましたね!木曜日の3時間目ですかね?」
「知りませんよ。」
「5時間目だとお腹が痛くなるから、木曜日の3時間目か木曜日の2時間目がいいな。」
「それで、いいんじゃないですか?貴方がそれでいいなら、特に誰も邪魔なんてしないんですから、いいんじゃないですか?」
「真っ黒だ。真っ黒だ。この世もあの世も真っ黒だ。」
「それ、どんな時に使うポエムなんでしょうか?オールマイティーポエムなんですか?」
「この小川に沿った小道を道なりに、そう道なりに真っ直ぐ行けばいいんでしたっけ?」
「何の話でしたっけ?」
「メダカの学校の話ですよ。忘れたんですか?」
「いや、忘れるほど記憶に留めていませんでした。言ってませんし、きっと行っても何もありませんよ?」
「校長先生もやっぱりメダカなんですかね。」
「でしょうね。」
「学校を建てたのもメダカなんですかね。」
「でしょうね。」
「1学年3クラスはあると思うんですよ。」
「そうですか。」
「結構、大きな学校ですよね。」
「ですね。」
「真っ黒だ。真っ黒だ。この世もあの世も真っ黒だ。」
「時計仕掛けか何かなんですか?タイマー式のポエムなんですか?だったら電源切りますけど?」
「そろそろ、僕は帰ります。」
「助かります。まだ、メダカの学校を探すつもりなんですか?」
「メダカの学校?」
「ええ。メダカの学校です。」
「いえ、僕は家に帰るんですよ。」
「そうですか。」
「メダカの学校なんて、ある訳ないじゃないですか。何を言ってるんです。」
「はあ?」
「真っ黒だ。真っ黒だ。この世もあの世も真っ黒だ。」
「・・・・・・・・・・・・・・・。」
「真っ黒だ。真っ黒だ。この世もあの世も真っ黒だ。真っ黒だ。真っ黒だ。この世もあの世も真っ黒だ。真っ黒だ。真っ黒だ。この世もあの世も真っ黒だ。真っ黒だ。真っ黒だ。この世もあの世も・・・・・・・・・・・・・・・」
「行ってしまった・・・・・・・・・さて、雨が降らないうちに私も帰るとしますかね。」

第百十一話
「入道雲の空の下」

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