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2008年7月30日 (水)

「第百十一話」

「真っ黒だ。真っ黒だ。この世もあの世も真っ黒だ。」
「今の何ですか?」
「僕が作ったポエムです。」
「質問と何か、関係があるんでしょうか?」
「ありません。」
「そうですか。」
「まったくありません。」
「そうですか。」
「・・・・・・・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・・・・・・・。」
「ああ、質問の答えでしたね。この辺にメダカの学校なんて、ないです。まあ、ないと断言するのもどうかと思いますが、私の知る範囲で言えば、ありません。」
「知らない範囲で言うと、どうなんでしょう?」
「知りません。」
「真っ黒だ。真っ黒だ。この世もあの世も真っ黒だ。」
「あのう?」
「はい。」
「その暗いポエム、何かとネガティブなポエム、やめてもらえませんか?」
「メダカの学校って、やっぱり川の中にあるんですかね?」
「さあ?あるとすれば、そうなんでしょうね。メダカですから。」
「やっぱり!」
「ちょ、ちょっと?今の貴方の『やっぱり』には、かなりの希望が込められていたような気がしたんですが?物凄い幸福感が溢れていたような気がしたんですが?」
「いけませんか?」
「いけない訳ではないです。でも、もしメダカの学校がなかった時の反動は、物凄いと思いますよ?」
「ベコッ!って、なっちゃいますか?」
「貴方がペットボトルだったら或いは、そうなるかもしれませんね。」
「僕は、人です。」
「知っています。」
「あなたも人です。」
「分かっています。」
「真っ黒だ。真っ黒だ。この世もあの世も真っ黒だ。」
「大好きなんですか?そのポエム。お気に入りなんですか?そのポエム。」
「メダカの学校なんですけどね。見付けたら、そーっと覗いてやろうかと思ってるんですよ。そりゃもう、そーっとです。だって体育の授業を邪魔しちゃいけませんからね。」
「体育?」
「えっ!?体育じゃないんですか!?算数ですか?国語ですか?もしかして、外国語ですか?僕は、体育がいいんですよ!」
「そこまで体育に固執する理由すら興味もないですが、なら体育の時間を狙って行けばいいじゃないですか。」
「その手がありましたね!木曜日の3時間目ですかね?」
「知りませんよ。」
「5時間目だとお腹が痛くなるから、木曜日の3時間目か木曜日の2時間目がいいな。」
「それで、いいんじゃないですか?貴方がそれでいいなら、特に誰も邪魔なんてしないんですから、いいんじゃないですか?」
「真っ黒だ。真っ黒だ。この世もあの世も真っ黒だ。」
「それ、どんな時に使うポエムなんでしょうか?オールマイティーポエムなんですか?」
「この小川に沿った小道を道なりに、そう道なりに真っ直ぐ行けばいいんでしたっけ?」
「何の話でしたっけ?」
「メダカの学校の話ですよ。忘れたんですか?」
「いや、忘れるほど記憶に留めていませんでした。言ってませんし、きっと行っても何もありませんよ?」
「校長先生もやっぱりメダカなんですかね。」
「でしょうね。」
「学校を建てたのもメダカなんですかね。」
「でしょうね。」
「1学年3クラスはあると思うんですよ。」
「そうですか。」
「結構、大きな学校ですよね。」
「ですね。」
「真っ黒だ。真っ黒だ。この世もあの世も真っ黒だ。」
「時計仕掛けか何かなんですか?タイマー式のポエムなんですか?だったら電源切りますけど?」
「そろそろ、僕は帰ります。」
「助かります。まだ、メダカの学校を探すつもりなんですか?」
「メダカの学校?」
「ええ。メダカの学校です。」
「いえ、僕は家に帰るんですよ。」
「そうですか。」
「メダカの学校なんて、ある訳ないじゃないですか。何を言ってるんです。」
「はあ?」
「真っ黒だ。真っ黒だ。この世もあの世も真っ黒だ。」
「・・・・・・・・・・・・・・・。」
「真っ黒だ。真っ黒だ。この世もあの世も真っ黒だ。真っ黒だ。真っ黒だ。この世もあの世も真っ黒だ。真っ黒だ。真っ黒だ。この世もあの世も真っ黒だ。真っ黒だ。真っ黒だ。この世もあの世も・・・・・・・・・・・・・・・」
「行ってしまった・・・・・・・・・さて、雨が降らないうちに私も帰るとしますかね。」

第百十一話
「入道雲の空の下」

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