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2008年8月

2008年8月 6日 (水)

「第百十二話」

「これで楽に・・・・・・・・・。」
「待てーいっ!!」
「誰!?」
「トーウッ!!」
「何か、たくさん現れた!?」
「若い命が尽きる時、孤独な命が尽きる時、不当な命が尽きる時、そこには不条理な理由があり、そこには理不尽な原因がある!切腹レーッド!!」
「深い暗闇の中をさ迷い続け、行き着く先は深海か?だか、そこにも一生懸命に生きている生物がいる!生命がある!入水ブルー!!」
「苦しみの果てに辿り着く場所は、天国なのか?地獄なのか?ならば、この現実社会でも同じじゃないか!首吊りパープル!!」
「偽りと嘘を吸い続け、麻痺した感覚の中を迷走し、いつか見たあの景色を忘れてしまったのかい?毒ガスイエロー!!」
「小さな小さな人の波、そこに飛び込む勇気があるのなら、一歩一歩地面を踏み締め、ゆっくりゆっくり溶け込んで行けばいいわ!飛び降りピーンク!!」
「確かに季節は移り変われど、目にする光景は何一つ変わらない。求める場所は誰も居ない世界。誰も存在しない世界。しかし、それは本心なのか?樹海グリーン!!」
「焼ける視線と焼ける言葉と焼ける文字、払えども払えども、己に降り掛かる火の粉を払いきれず、ただ無情にも焼かれるのを待つのみ。しかし、冷静に回りを見渡せば、ほらオアシスが至るところにあるではないか!焼身グレー!!」
「深い眠りに落ちて行く、別世界へ堕ちて行く、逃げる必要も隠れる必要もない世界へと。その代償は漆黒で暗黒な程に光殺な世界。ならば、逃げも隠れもせずに色鮮やかに戦おう!薬ホワイト!!」
「いつか喰らった鉛玉、今も身体の何処かで疼いてる。取り出そうにも取り出せない。吐き出そうにも吐き出せない。夜な夜な疼く痛みと言う名の十字架から、逃れるのではなく堂々と背負ってしまえばいい!ピストルブラーック!!」
「9人揃って!!自殺戦隊!!」
「「「「「「「「「シヌンジャー!!」」」」」」」」」
「は、はあ・・・・・・・・・そうですか。」
「さあ!君!その手に持っている刃物を私に渡すんだ!」
「あのう?」
「どうした!」
「大丈夫ですかぁぁぁぁぁぁぁ!!」
「何がだ!」
「いや、皆さんですよ!あなた!切腹レッドさんでしたっけ?十二指腸が飛び出しちゃってるじゃないですかっ!」
「幻だ!」
「現実ですよ!それに入水ブルーさんでしたっけ?」
「ブルーがどうかしたのか!」
「自己紹介が終わってから、ずーっと水槽に顔を浸けっぱなしじゃないですか!」
「気にするな!」
「気にしますって!首吊りパープルさんだって、さっきからプラ~ンってしてるし!」
「体重が軽いから壊れる事はない!」
「いや、建物的な心配じゃなくって!ほら、毒ガスイエローさんもなんか自己紹介が終わった途端に何か液体と液体をビニール袋の中ので混ぜて、白目むいて吸ってるし!」
「朝飯前だ!」
「何が?飛び降りピンクさんなんて、自己紹介終わりで猛ダッシュでベランダから飛び降りちゃったじゃないですか!」
「大丈夫だ!」
「んな訳ないでしょ!ここマンションの15階ですよ!それと、樹海グリーンさんですか?何か食べ物でもお出ししましょうか?」
「彼はダイエット中なんだ!」
「いや、尋常じゃないガリガリ感でしょ!ヤバイですって!それと焼身グレーさんから物凄く燃焼性の臭いがしますけど、燃えませんよね?」
「彼もまた、ダイエット中なんだ!」
「燃焼の意味が違う!薬ホワイトさんなんて自己紹介が終わってから、異常な量と種類の薬を飲んでますよ!」
「彼女に至っては、ダイエット中なんだ!」
「何人ダイエット中なんですか!あれ絶対にサプリメントじゃないし!最後にピストルブラックさんですよ!口にピストルくわえて1人ロシアンルーレットしてますよ!」
「運試しだ!」
「何運を試してるんですか?って、自殺戦隊っていったい何なんですか!人の家で勝手に自殺しないで下さいよ!」
「それは、我々も同じ気持ちだ!」
「どう言う意味ですか!」
「君も我々に黙って勝手に死ぬんじゃーないっ!!」
「えっ!?」
「さあ、刃物を渡しなさい。君の代わりに私が自殺をしてあげよう。」
「代わりに?身代わりって事ですか!?」
「君の代わりに自殺して、君の人生をリセットし、リスタートさせる事が出来るのならば!」
「・・・・・・・・・・・・あっ!僕のナイフ!?」
「こんな痛みなど!」
「何をする気ですか!やめて下さい!切腹レッドさん!そんな事したら、死んじゃいますよ!」
「死なんさ!君が再び自殺なんて考えない限り、我々自殺戦隊は、死なんさ!さあ、よーく目に焼き付けておくんだ!!君のやろうとしていた行為を!!」
「・・・・・・・・・・・・・・・。」
「ぐはっ!!」
「切腹レッドさん!」
「大丈夫だ!心配する事はない・・・・・・・・・我々はこんな感じだからな・・・・・・・・・。」
「えっ?どんな感じ?」
「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!ぶはーっ!!」
「切腹レッドさーんっ!!」
「・・・・・・・・・・・・・・・。」
「切腹レッドさん?」
「・・・・・・・・・まだ、自殺する気か?」
「しません!自殺なんて、もう考えません!」
「そうか、その言葉を聞いて安心した。」
「ありがとうございました!」
「我々は、何もしていないさ。ただ、君が気付いただけだ。」
「切腹レッドさん・・・・・・・・・それに他の皆さんも、本当にありがとうございました!!」
「だいぶ部屋を汚してしまって、済まなかった!」
「大丈夫です!」
「さあ、自殺の気配のしない場所に長居は無用だ!さらばだ!もう、会う事もないだろ、君!!トーウッ!!」
「さよーならーっ!!」

「こちら、切腹レッド!司令官、応答願います!こちら、切腹レッド!司令官、応答願います!」
「どうした。」
「今回も無事、任務完了です!」
「ご苦労だったな。自殺戦隊の諸君!」
「これより本部へ帰還します!自爆司令官!!」
「了解した。」

第百十二話
「自殺戦隊シヌンジャー9」

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2008年8月13日 (水)

「第百十三話」

昨日があーだとか
今日がどーだとか
明日がこーだとか

なに言ってるんだ?

なにを言ってるんだ?

生まれた時から社会のルールが決定していて、使える通貨が確定している。

枠組みの中で動き回って、いくら動いても動いても、まだ枠組みの中にいて、外に出れないんじゃないかって不安になる。

いや、枠組みの中にいる方が、安全なのかもしれない。むしろ、安心なのかもしれない。あえて、枠組みの外に出る必要性なんか、これっぽっちもないのかもしれない。

これっぽっちも

ただ

ただ、自分が枠組みの中にちっぽけに存在しているって事だけは、自覚していた方がいいのかもしれない。

人間社会

人間が作り出した社会。

人間による人間の為の人間だけの規則の人間だけにしか通用しない社会。

人間である以上、それに従って生きるのが必然。

それを破って生きるのはあまりにも不自然。

下らない。

全く下らないよ人間社会。その仕組みと概念が実に下らなすぎるよ。

ルールにのっとった社会の中で生み出された人間が、全く哀れでしょうがない。

だって

ほら

生まれた時から既に

がんじがらめじゃねぇか!

赤は、赤。
雲は、雲。
キリンは、キリン。
砂糖は、砂糖。
太陽は、太陽。
そして

今日は、今日。

なぜ現代に、どうして哲学者が存在しないのか?束縛されてこの世に生まれてきた人間に、いったい何を哲学出来るって言うんだ?

昨日を昨日。
今日を今日。
明日を明日。

と、捉えながら一生懸命に生きてるフリをしている人間に楽しい未来なんか想像出来るのか?

人間なんてのは

今日、生まれたら!
明日、死ぬんだよ!

何を都合よく朝と夜の回数を数えて生きているんだ!

生まれて死ぬまでが今日で!
明日に待つのは、死のみだ!

そうじゃないから

だから

だから、みんな一生懸命じゃないんだよ。

ろくな哲学もないくせに

人の哲学ん中に土足で入り込んでくるのはやめにしないか?

大人になるってなんだ?

一生懸命じゃなくなるって事か?

黄金を目指してないんだったら!ダラダラ愚痴ってないで!ただただ黙って人間社会を真っ当に生きていればいい!

そうすればいい

でも

俺は行くよ!

黄金を目指して!

同じ黄金を目指す仲間を捜し!

同じ黄金を目指す仲間と共に!

黄金を目指しに!

俺は行くさ!

ただ、こんなちっぽけな人間の、こんなちっぽけな言葉は、あまりにもちっぽけで、ちっぽけすぎて、誰にも届かない。

簡単に太陽と月の光によってかき消されてしまう。

いや

もしかしたら

わずかに輝いているのかもしれない。

第百十三話
「鶴は千年
   亀は万年
     人は何年?」

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2008年8月20日 (水)

「第百十四話」

 ボクは、この話のオチを探していた。
「すいません。この話のオチは、何処にあるのでしょうか?」
「だいたい話のオチは、下の方にあるのでは?」
「どうやって下まで行けばいいのでしょう?」
「さあ?それをネコの私に聞かれても分かりませんよ。」
ネコは、ニャーと鳴く動物だと思っていたけど、そのネコは、一度もニャーと鳴かずに時折ボクの方を振り返りながら、何処かへ行ってしまった。例えば今、ボクに雷が落ちたとしたら、ビリビリするだろうな?なんて考えながらボクを見ていたのかどうかなんて分からないけど、少なくともボクはネコの思惑通りになるまいと、必死だった。
「いったいこの話のオチは、本当に何処にあるのだろう?」
ボクは、途方に暮れた。途方の方角がどっちなのかなんて分からないけど、とにかくボクは、途方に明け暮れた。
「そうだ!」
ボクが途方に呆れ返りながら、天晴れな青空を見ていた時、脳ミソがオートマチックに閃いた。
「神様なら、或いはこの話のオチを知ってるに違いない!」
ボクは、確信に近い迷信のような志で、神様に問い掛けてみる事にした。
「つづく。」
ああ、なんて興味をそそらせる続かせ方なんだ。自分がもし、何を血迷ったか物書きにでもなったなら、その時にはこんな感じで物語を続かせよう!と、ボクは決意した。
「すいません。」
「貴方は、私が見えるのですか?」
「はい。」
「そうですか。」
全身黒なコーディネートの男は、ボクの答えを聞くと何やら悲しげに呟き、うつむいてしまった。
「あのう?」
「・・・・・・・・・・・・・・・。」
「ボクが貴方を見てしまった事が何か問題でも?」
「私は、私の事が見えない人間を捜して旅をしているんです。貴方ならもしかしたらと近寄って行ったのですが、いつも通りの結果でした。」
精神的に幼いボクには、男の旅の深層心理が理解出来る訳もなく。
「無意味じゃん。」
と、余計な一言を発する事しか出来なかった。
「何だと!貴様にいったい私の何が分かると言うのだ!ビーム!」
不意に男は、ビームを発射して来た。ボクは、体を右に傾けてビームをかわした。
「馬鹿な!?私のビームをかわすとは!?貴様、ただ者ではないな!?」
今度は体を左に傾けて、男の言葉をかわした。
「まさか!?貴様は、あの伝説の勇者なのか!?」
「すいません。この話のオチが、何処にあるのか御存知ですか?」
「私が長年捜し続けていた伝説の勇者殿が目の前に!?信じられん。」
「そうなんです。オチを探しているのです。」
「伝説の勇者殿!」
「知っていますか?」
「貴方のお力で、私のしゃっくりを止めて下さい!イッ!イッ!」
「そうですか。御存知ないですか。」
「イッ!イッ!イッイッ!イッイッイッ!」
「ありがとうございました。」
ボクは、一生懸命に親身になって手を尽くしてくれた全身黒なコーディネートの男に深々とお辞儀をして別れると、隣で伝説の勇者と語らっていた長老風の老人に回し蹴りを浴びせ、再び途方に暮れ泥んだ。
「先生!娘の目は!娘の目は本当に見えるようになるんですか!」
「明日の手術が成功したとしても、事故で失った娘さんの視力が100%回復するとは言えません。私には、100%目が見えるようになるとは断言出来ません。」
ここでオチを探すボクの話は、一旦、目の手術を明日に控えた娘を持つ父親と、その主治医の話になる。なぜ、一旦そんな場面に話が展開するのかと言うと、それはボクに聞かれても分からない事だ。とにかく話は、ここで一旦、目の手術を明日に控えた娘を持つ父親と、その主治医の話になる。
「娘は、果汁ですか?」
「はい?」
「先生!娘は、娘は将来、なぜだか画家を目指していたのです。先生!なぜでしょうか?なぜ娘は、画家を夢見ていたんでしょうか?」
「さあ?」
「おそらくたぶんきっと、何気に目は、画家にとって命のようなもんだと思うんです。ええ、浅はかです。確かにこの考えは、浅はかな私の知識の中での価値観と偏見だと思っています。」
「少し落ち着いて下さい。いいですか?さっき私が手術が成功しても100%娘さんの目が見えるとは断言出来ないと言ったのはですね。」
「娘は、果汁ですか?」
「はい?」
「えっ?先生!いつの間にそんな事を言っていたのですか!?」
「例え手術が成功しても、娘さん自信が事故による精神的ショックから立ち直らなければ、目が見えるようにはならないと言う意味です。でも、今の話を聞いて確信しました。画家になりたいと言う娘さんの強い想いが心の中にあるのなら、必ず娘さんの目は見えるようになります。ですからお父さん!手術の方は我々に任せて下さい!」
「作り話でもですか?」
「はい?」
「さっきの娘が画家を夢見ているって話が、私の作り話だとしてもですか?」
「・・・・・・・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・・・・・・・。」
「まあ、とにかく明日の手術に向けて、お父さんは娘さんの心の支えになってあげて下さい。」
「先生!もし、娘の手術が失敗したとしたら、その時は私がさっき病院の裏手にある山の中で拾って来たこれを使って下さい!」
「これは……どんぐりですか?」
「ええ。もし手術に失敗したら、代わりにそれを娘の目に埋め込んでやって下さい。何と言っても娘は、どんぐり眼だったもんですから。」
「・・・・・・・・・・・・・・・。」
ボクは、この文字数を稼ぐ為だけの無茶苦茶で滅茶苦茶で無意味な展開は、逆に有りだと思った。映画や小説で言うエッチなシーンみたいなもんだと解釈した。もちろん、この話のオチは相変わらず見当たらないし、見付からない。
「食べてからすぐ寝ると、牛になる。」
気付くとボクは、母に言われた究極のマジックのような黒魔術のような言葉を思い出し、呟いていた。たが、それでも大人達が「寝る子は育つ」などと、コペルニクス的発想で、のほほんと安易に生き延びているのは、何故だろうか?
「・・・・・・・・・・・・・・・。」
考えてもボクに分かる訳もない。分かろうともしていないのだから、分かるはずもない。
「どうも。」
「えっ?」
ボクの目の前に突如現れたのは、瞳の中にボクが映っている男だった。
「貴方が、この話のオチを探している方ですか?」
瞳の中にボクが映っている男は、そう言うと笑顔で欠片で作られた継ぎ接ぎだらけの銃の銃口をボクの眉間に当てた。
「そうです。貴方は?」
「ボクは、この話のオチです。」
「貴方がこの話のオチ?」
「そうです。」
「ボクは、死ぬのですか?」
「ええ。貴方は、今から死にます。」
「ならこれが、この話のオチですか?」
「いいえ。違います。」
「どう言う事です?この結末がこの話のオチではないのですか?」
「これは、罰です。」
「罰?」
「貴方が罪を犯したからです。」
「罪を?」
「ええ。物語の登場人物が話のオチを探すと言う罪です。」
「そうですか。ボクがしていた事は、罪だったのですか。」
「罪だったのです。」
「そうだったのか・・・・・・・・・。」
「さようなら。」
「さようなら。」
「さようなら・・・・・・・ボク。」
そして、瞳の中にボクが映っているボクは、欠片で作られた継ぎ接ぎだらけの銃の引き金を引いた。

第百十四話
「BANG!!」

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2008年8月27日 (水)

「第百十五話」

「王様!」
「どうした王様!」
「大変なんです!王様!」
「何がそんなに大変なんだ王様!」
「朝食の献立が決まらないんです!王様!」
「の前に、の前にだよ。二人とも王様やめないか?ややこしくってしょうがないし、混乱しちゃうよ!えっ?朝食?朝食なんてパンでいいよ!パンで!」
「ジャムか?バターか?で、迷ってます!王様!」
「あっ、そこ!そんなどーでもいいようなとこで躓いちゃった?そんなのジャムとバター両方持って来て、各自好きな方を選んで塗ればいいんじゃないの?塗ったくればいいんじゃないの?」
「二個一ですね!王様!」
「二個一ではないよ王様!てか、だから王様もうよくないか?いい加減、ややこしいんだってば!」
「ややこしくないよ!王様!」
「俺らはな。そりゃ、俺らは面と向かってお互いの存在を確認して喋ってるから混乱を招くような事はないよ?でもさぁ。読みながらの人は、混乱しちゃうと思うよ?二人で王様、王様言ってたら、途中でどっちがどっちだか分からなくなっちゃうと思うよ?」
「くそぉぉぉぉぉっ!!」
「そんなに悔しがっちゃう事?」
「マーマレードが良かったのに!」
「まだそこに居たの?俺はなんだっていいよ。塗るもんにこだわりないからさ。マーマレードでもいいよ。」
「ありがとうございます!王様!」
「うん。呼び方にもこだわり持とうか。どっちかが王様なら、どっちかが大臣とかさ。」
「料理長!」
「いいよ。お前が料理長でもいいなら、俺は構わないよ。」
「分かりました!」
「じゃあ、俺が王様でいいのね?で、お前が料理長な訳ね?」
「はい!料理長!」
「俺!?俺、料理長?まあ、俺が料理長でもいいよ。じゃあ、俺が料理長でお前が王様な。」
「二人とも料理長でいきましょう!料理長!」
「だからー!ややこしいし、何で調理場に長が二人も居んの!」
「ええーっ!もう、分かんないよー!」
「こっちが、ええーっ!だよ!」
「ルールが難しいよー!地元ルール?」
「いや共通ルール。」
「だってさー。二人しか居なくって、順番に話してるんだから、誰も混乱なんてしないよー。」
「まあ、声質も違うし根本的にはそうなんだけどさ。万が一ってのもあるし、そもそも何で王様なの?って、とこじゃない?俺ら、王様じゃないじゃん。」
「ある意味、王様だろ!」
「どの意味?どー考えたって、昼飯終わりの昼休みを公園で寛いでる平凡なサラリーメンだろ。」
「サラリーメンなめんなよ!」
「どっちかって言うと、お前が王様なめてんだろ!いや、課長とか部長なら、まだ分かるよ。まあ、それでも本当はよく分からないんだけどな。混乱を招いちゃうし、嘘になっちゃうからな。でもそこ否定したら話が始まんないし進まないからしないよ。そんな野暮な事はしないよ。でも、王様はもっと分かんないよ。王様である必要性ある?」
「じゃー!王様でない必要性がどこにある!」
「ええーっ!そこそんなにごり押しされても困るよ。ラーメン屋では、普通に呼びあってたじゃん。」
「ラーメン屋ではな。ただ、公園ではラーメン屋ルールは適用されない!」
「たぶん、こう言う時に使うんだろうな。ぎゃふん!って。なにそれー!俺ヤダよ―!そんな要所要所でルール変更があるのー!」
「みんなの憧れ、王様!人類の夢、王様!大盛り無料サービス、王様!」
「適用された!?って、意味分かんないんだよ!第一、俺は王様に憧れ持ってないしな。」
「意味なんてない!」
「ないのかよ!?」
「ないよ!みんなの憧れとか、人類の夢とか、ラーメン屋ルールとか、公園ルールとかってのは、俺の作り話だよ。」
「完全に知ってた。」
「いーじゃん別に!お互いに王様って呼びあったってさー!」
「いいよ!いいんだよ。訳も分からず王様って呼びあってる昼飯終わりの昼下りのサラリーメンでもさ。いいんだけど、ただ読んでる人が困るんじゃないかって俺は思う訳だよ。」
「Aが言ってる事も分からないでもないよ。」
「突然!?突然、AとBの関係性になっちゃったの?王様へのこだわりは?」
「男ってのはさー。あんまり王様にばかりこだわってる場合じゃないんだよ。」
「王子しか使わなそうな言葉なんじゃない?サラリーマンが言ったって、何の説得力もないぞ?」
「説得力とかじゃないんだよ!A氏!」
「そうですかB氏。」
「あっ、俺もA氏でお願いします。」
「ほらまたー!何で二人ともA氏なんだよ!これじゃ混乱具合が王様ん時と同等、或いはそれ以上じゃん!」
「楽しかったなー!王様時代!懐かしいなー!」
「ついさっきだし、パンに塗るもんの話しかしてないぞ?」
「戻れるもんなら、戻りたいもんだー!」
「すぐだよ!すぐ!すぐ戻れちゃうよ!」
「なあ?王様!」
「ほら来た!ほら来ちゃったよ!」
「この国も立派になったもんだ。これも全て、王様の努力の賜物だす!」
「無茶苦茶すぎんだろ!人物設定ちゃんとしてから出直して来い!」
「この国も立派になっただす。これも全て、王様の努力の賜物だす!」
「そっちに設定して出直して来ちゃったよ!まあ、最初はどうなる事かと思ったが、君が側で活躍してくれたお陰だよ大臣。」
「最初って何?」
「話をお前に合わしてやったんだろ!」
「ああ!」
「今日は、一段と面倒臭いな。」
「敵襲ー!!」
「何?今度は、何が始まった!?」
「王様!大変だす!以前からだすしていた!だす率いるだす軍がだすでだすにだすしてだすだすだすだーす!!」
「だすばっか!あー、だすばっかだ!何か大変な事が起きてるんだろーなってのだけは伝わって来たけど、だすばっかで全然分かんないや!」
「どうするだす?どうするだす?王様?だすするだすか?我が軍もだすするだすか?だすしちゃうだすか?」
「ええーっ!もう、頭で理解出来ないとこまで来ちゃったよー!なら、だすすればいい訳?だすしちゃえばいい訳?」
「だすしちゃうんだすか!?」
「しちゃうんだすか!?って、そんなに驚かれても、お前は既にだすしちゃってんじゃん!しすぎちゃってんじゃん!って、非常に読んでて訳の分からない仕上がりになっちゃってるよ?」
「また読者目線出た!」
「出るだろ!出ちゃうだろ!」
「読者いじり出た!」
「いじっちゃいない!俺はただ、二人で訳の分からない会話をしてるのを、まんま二人の会話が書かれてるお手元の資料を読んでる人達が気掛かりなだけだよ。これ全く俺らが開発したもんと関係無いやり取りだからね!」
「何気無い日常を表現したかったんだよ。日常に潜む非日常的な!」
「潜ませすぎだ!」
「おやまあ!そろそろ会議の時間じゃないかい?」
「えっ?本当だ!って、どーすんだよ!」
「どーするもこーするも、このままでいいんじゃないか?だってほら、こうして目の前で俺らがやり取りしてたら一目瞭然だし、何よりもの実証じゃないか!王様!」
「まあ、王様がそう言うならいいけどさー。なら、この資料いらなくないか?」「・・・・・・・・・・・・・・・。」
「おい!もう行っちゃったのか?」
「・・・・・・・・・・・・・・・。」
「おーい!」
「・・・・・・・・・・・・・・・。」
「何だよ。やりたい放題やって、先に行っちゃうかね?その辺の神経を」
「わっ!!」
「わあー!?ビックリした!って、ガキかよ!」

第百十五話
「透明薬」

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