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2008年9月17日 (水)

「第百十八話」

「なあ、小人。」
「何だ?巨人。」
「暇だ。」
「そりゃ、おめでとう。」
「えっ!?ありがとう!」
「・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・。」
「なあ、小人?」
「何だよ。巨人。」
「何が、そんなにおめでたいんだ?」
「両腕を突き上げるほど、おめでたくはねーよ。」
「そうか。なあ、小人。ピスタチオ、俺にもくれよ。」
「やだね。お前にやると一粒じゃすまなくなって、結局全部あげる羽目になって、でもってもっとくれってなって、俺の分が無くなるからやだね。」
「エコロジーか?小人。」
「ああ、エコロジーだよ。巨人。」
「小人。お前は、本当に偉い奴なんだな。お偉いさんだな。」
「俺とお前の間柄で、さんはいらねーよ。さんは。」
「しかも、謙虚で無礼者だな。」
「巨人。」
「ぼへ?」
「お前なりに難しい言葉を難しいと言う概念だけで、立て続けに二個使った割には、半分正解だ。」
「やたー!!!」
「喜び過ぎ、喜び過ぎ!山が崩れるからジャンプはやめろ!」
「だって、お偉いの無礼者に誉められたから!」
「お前なぁ・・・・・・・・・まあいいや。とにかく暴れるな。山が崩れるから。」
「なあ、小人。」
「何だ。巨人。」
「俺、さっきからお腹の調子が悪い。痛い。」
「どうせ何か変なもんでも食ったんだろ?医者にでも行って診てもらえよ。」
「バブゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!!」
「・・・・・・・・・・・・・・・。」
「医者やだ!俺、注射大嫌いだ!!ピスタチオは、大好きだ!!」
「お、おい、巨人・・・ちょっと・・・待て・・・・・・お前。」
「どうした?小人。」
「今のは、まさか、屁か?」
「聞こえてた?」
「当たり前だろ!!三つ山越えた先にいたって聞こえるわっ!!」
「ぼへ?」
「てか、お前は俺を殺す気か!!何つぅ臭い屁をこきやがるんだ!!」
「臭い?臭いなんてしないぞ?」
「高低差!高低差を考えろ!お前の鼻の高さまで臭いが届いてないだけだ!屈んでみろ!!」
「全く、小人は何を訳の分からない事を言ってんだ?よっこいぶわっはっ!!!」
「ほらみろ。」
「くっさ!!鼻がもげる!耳が削げ落ちる!口が腐り果てる!目が増える!」
「なぜ、目が増える?」
「小人、お前の屁は村一番だ!」
「お前の生産物だ!てか、もんどり打ち過ぎだ!山が崩れるからやめろ!」
「小人。」
「ん?」
「すまん。」
「まあ、わざとこいた訳じゃないから気にするな。」
「ここまで臭いとは!?」
「わざとなのか?」
「ぼへ?」
「ぼへ?じゃねーよ!ったく!」
「なあ、小人。」
「何だ。巨屁。」
「えっ?違う違う!俺は巨人だ!巨屁なんかじゃない!あいつらと一緒にしないでくれ!」
「いるのか?巨屁族が?」
「ここにいる。」
「お前の腹の中じゃねーか!とどのつまり、お前じゃねーか!」
「でも、お陰さまでお腹が痛いの治った。」
「お前のみの手柄だよ。まあ、どうやらガスが溜まってただけみたいだな。」
「勝った!!」
「何だ?巨人対巨屁の世の中一、どうでもいい戦いが、お前の腹の中で繰り広げられていたのか?」
「やたー!!」
「だから、山が崩れるからやめろって言ってんだろ!」
「なあ、小人。」
「何だよ。巨人。」
「魚、釣れたか?」
「巨屁族のせいで、全部逃げちまったよ。」
「そうか。それは、残念だ。」
「スゲー残念だよ!糸引いてたってのに。」
「あいつらめー!」
「お前だ!」
「今度会った時には、コテンパンにしてやる!」
「もう二度と会うな!!戦うなら小屁族とだけ戦え!!」
「小屁族?」
「ああ、深く考えなくていいや。」
「小屁族って?」
「巨屁族のちっちゃい族だよ。」
「巨屁族?」
「おいおい。元も子もねーな。」
「巨屁族って?」
「ピスタチオやるから少し思考停止させといてくれ。」
「ピスタチオッ!ピースタチオッ!ピッスタッチオーッ!!」
「はいはい。」
「うんまいっ!」
「良かったな。」
「なあ、小人。」
「ああ?」
「・・・・・・・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・ったく!ほらよ。全部やるよ。」
「ややや、やた!!やたー!!」
「やめろって!!お前はこの村を破壊する気か!」
「なあ、小人。」
「何だ、巨人。」
「ピスタチオって、摩訶不思議だよな。」
「摩訶不思議?そうか?」
「そうだよ!」
「どこが摩訶不思議なんだ?」
「だって、ピスタチオって、前から見ても後ろから見ても横からみても上から見ても下から見ても、どっから見てもピスタチオなんだぞ?」
「だいたいのもんは、そうだろ。」
「食べてもピスタチオなんだぞ?」
「食べてピスタチオじゃなかった時に、改めて摩訶不思議って言葉を使ってくれ。」
「ピスタチオッ!ピースタチオッ!ピッスタッチオーッ!!ピースタチオッ!ピッスタッチオーッ!!」
「言っとくけど」
「もっとく」
「もう無いからな!」
「ピスタチオッ!ピースタチオッ!ピッスタッチオーッ!!ピースタチオッ!ピッスタッチオーッ!!」
「ピスタチオの歌を歌いながら踊ったって、ピスタチオがもう無いって現実からは、逃れられないからな。」
「なあ、小人。」
「何だ、巨人。」
「逃げたい。」
「無理だ。」
「魔法とか使えないのか?」
「悪いな。使えない。」
「空とか飛べないのか?」
「ああ、飛べない。」
「天候とか操れないのか?」
「おい。途中から話が魔法主体になってるぞ?ピスタチオはどこ行った?」
「ここ!」
「知ってる。」
「なあ、小人。」
「何だ、巨人。」
「何か、またお腹の調子が悪くなってきた。」
「何!?」
「何か、お腹が痛い。」
「お前まさか!?俺に会う前にも家でピスタチオを食ったのか?」
「食った。」
「やっぱり。巨屁族の正体が分かったよ。どうやら今のお前の腹とピスタチオとの相性は、最悪みたいだな。」
「そんなーっ!」
「さっさと医者に行ってこい。」
「ああーっ!お腹が痛いーっ!」
「こくなら、遠くでこいてくれよ。まったく、家でたらふくピスタチオ食ったくせに、ここでも俺のピスタチオをたらふく食うから罰が当たったんだよ。ざまあみろだな。」
「ああーっ!何か出そうーっ!」
「巨屁族だろ?ほら、また魚が逃げちまうから、あっちに行けって!最低でも三つ山を越えた所でこいてこいよ!シッシッ!」
「食ってなーい!」
「はあ?」
「俺、家ではたらふくピスタチオを食ってない!だから、罰なんて当たらない!」
「何!?お、お前、いったい家でピスタチオをどれぐらい食ったんだ?」
「ひ、一粒!ああーっ!」
「一粒だと!?」
「ああーっ!!」
「お、おい!ふざけんなよ!一粒であの威力かよ!」
{ああーっ!!」
「い、いったいどうなっちまうってんだ!?」
「ああーっ!!!」
「我慢しろー!!」
「無理ーっ!!!」
「何粒食ったと思ってんだよ!!そうだ!おい、今すぐ海の中へ飛び込んで潜れるだけ潜るんだ!」
「でででででで出るーっ!」
「出すなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!あそこの木で栓をしろ!!」
「そんな事、出来ない!あれ、村にとって大事な大事な神木!村の守り神!ああーっ!!!!」
「村あっての守り神だ!!そして今がその守り時なんだよ!!出番なんだよ!!!」
「わ、分かった。や、やってみる。」
「慎重に頼むぞ。屈む時には細心の注」
「あっ!」

第百十八話
「村に山が一つ増えた日」

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