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2008年12月10日 (水)

「第百三十話」

 ギターを持った少女には、3人のお供がいた。3人のお供はそれぞれ、漫画家、音楽家、小説家、の違う職業の男達であった。
「ジャカジャーン!」

第百三十話
「少女的冒険活劇」

「口で言うのかよ!何の為にギター貸したんだよ!ったく!返せ!」
と、音楽家がつっこみを入れると、少女からギターを取り上げた。
「にしてもあれよね。今回は、ヤバかったわよね。ホント、ヤバかった。Fコードぐらいヤバかったわね。」
そう嘆きながら、モンスターに突き刺さった6本の刀を抜き取り、少女は一気に鞘へと収めた。
「ねぇ?知ってた?このモンスターって、超レアなのよ?別名、ダイヤモンドモンスターって言うの。」
と、少女が着物に付いた砂ぼこりを叩きながら言った。
「別名も何も、私達3人はこのモンスターの本当の名前すら知りません。」
と、漫画を描きながら漫画家が。
「いやいや、私に6本も刀を使わせたんだもん。その辺、評価してあげてよ。」
と、少女が。
「で?何が超レアなんだ?ダイヤモンドって言うぐらいならダイヤモンドと同じぐらいの価値があんのか?それとも、ダイヤモンドぐらい硬度がある皮膚してんのか?」
と、音楽家が。
「しかし、皮膚がダイヤモンドの硬さであるなら、彼女の刀があんなにも簡単に通るはずもないでしょう。」
と、漫画家が。
「なら!やっぱりダイヤモンドぐらいの価値があるモンスターって事か!おいおいおい、だったら早いとこギルドに戻って売っぱらっちまおうぜ!それとも、何か闇ルートでもあんのか?」
と、音楽家が。
「はい、どっちもハズレー!ブッブッー!だいたい、ダイヤモンドぐらい価値があったり、ダイヤモンドぐらい硬度があったら、わざわざ別名にダイヤモンドなんて付ける必要なんてないでしょ?」
少女は、モンスターの巨体の上で、ニヤニヤしながら2人に向かって言った。
「はあ?」
と、音楽家が。
「なるほど。なら、いったい何がそんなに超レアなんです?」
と、漫画家が。
「このモンスターはねぇ!私の父の知り合いのハンターのダ・イヤモンドさんが発見したモンスターなの!どうどう?凄い?凄くない?ダ・イヤモンドさん凄くない?」
「超レアって・・・・・・・・・。」
と、漫画家が。
「個人的にかよ!」
と、音楽家が。
「個人的によ?」
モンスターの巨体から、ポーンっと、降りて来て少女が。
「まあ、よく考えてみれば、手配書の金額とレア度が釣り合いませんからね。」
と、漫画家が。
「だったら、最初っからそう言えよな!」
と、音楽家が。
「言ったじゃん。」
と、少女が。
「いや、お前、最初ダ・イヤモンドじゃなくてダイヤモンドって言ってたじゃねぇか!てか、イヤモンドでいいじゃねぇか!」
と、音楽家が。
「にしてもあれよね。つくづく巨体よね。」
少女は、モンスターの巨体を眺めながら、頷きながら、ニヤニヤしていた。
「聞け!」
と、音楽家が。
「あれ?そう言えば、物書きさんは?」
少女は、キョロキョロ辺りを見渡しながら、音楽家と漫画家に尋ねた。
「ん?そう言えば姿見ねぇな?」
と、音楽家が。
「戦闘が始まる前までは、確かいたはずですよ。そこら辺で物語の続きを書いてましたからね。」
と、漫画家が漫画を描いていない方の手で、モンスターの巨体を指差した。
「お、おい!?まさか・・・・・・・・・。」
と、音楽家が。
「うそっ!?ヤバくない?それってヤバくない?」
と、少女が。
「ヤバすぎんだろ!」
と、音楽家が。
「まあ、高い確率でモンスターの下にいるでしょうね。」
と、漫画家が。
「いや、冷静に言ってる場合かよ!」
と、音楽家が。
「そうよ!暢気に漫画なんて書かないでよ!後でちゃんと見せてよね!」
と、少女が。
「お前もだ!」
と、音楽家が少女につっこみを入れていると。
「ぶはぁっ!死ぬかと思った!いや、もしかしたら死んでるかもしんない!」
と、モンスターの巨体の下から、小説家が現れた。
「でででで、出たー!幽霊ー!」
と、少女が驚くと。
「どどどど、どこー!幽霊ー!」
と、小説家も驚いた。
「そそそそ、そこー!幽霊ー!」
と、少女が小説家を指差しながら驚き答えると。
「ぼぼぼぼ、僕がー!幽霊ー!」
と、小説家が自分を指差しながら、驚き答えた。
「その面倒臭い掛け合いもういいよ!」
と、音楽家がつっこみを入れると。
「ふっ。」
と、漫画家が漫画を描きながら笑った。
「しっかし、よく無事だったわね。」
と、少女が。
「怪我もないみたいだし、まあ一安心だな。」
と、音楽家が。
「自分でもビックリなぐらいだよ。何だったら下敷きになる前より元気なぐらいだよ。」
と、小説家が準備体操的に体を動かしてアピールした。
「どんな構造だ!」
と、音楽家が小説家につっこみを入れていると。
「もう!戦闘中は、気を付けてって言ってるでしょ!」
と、少女がその横から小説家に向かって言った。
「ごめんごめん。って、ゴラー!!」
と、小説家は激怒した。
「どうした?」
と、音楽家が。
「な、なに!?」
と、少女が。
「ん?」
と、漫画家が漫画を描く手を止め、3人の方へ目をやった。
「僕が適当に短編小説を書いてたら君が、最後の一撃ー!!うぉりゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!とか言って、適当に短編小説を書いてる適当な僕の方へモンスターを蹴り飛ばしたんだろうが!」
と、小説家が激怒を越えた激怒で激怒した。
「適当に書くなって!って原因、お前じゃねぇかよ!」
と、音楽家が少女に向かって言った。
「ふぅ。」
と、漫画家が目をつぶり首を横に振っていると。
「・・・・・・・・・嘘っぱちのとばっちりよ!」
と、少女が。
「嘘っぱちもとばっちりもちりっちりっもないだろうが!こんにゃろ!」
と、小説家が。
「こんにゃろ!ですって~!そんな侮辱的な事言われたの、約248回目だわ!この嘘っぱち物書き!」
と、少女が。
「約の意味は?」
と、音楽家が。
「何だとー!だいたい小説家ってのは、フィクションばっか書いてっから、嘘っぱちなんだよ!適当なんだよ!」
と、小説家が。
「おいおいおい、訳分かんないベクトルへ話が向かってっぞ?てか、適当はお前だけだ!」
と、音楽家が。
「なに?私とやろうっての?」
と、少女が刀を手にした。
「上等だよ!」
と、小説家が拳を構えた。
「いや、何でだよ!せめてペンを握れよ!てか、待て待て待て!そこの面倒臭い2人組!」
と、音楽家が2人をなだめた。
「止めても無駄よ!そんな事より、ギター貸してくれる?」
と、少女が。
「何でだよ!何の為の刀だ!」
と、音楽家が。
「そうだ!止めないでくれ!僕にもギターを!」
と、小説家が。
「だから、何でだよ!これ、何の戦いなんだよ!そもそも、俺をこの茶番劇に巻き込むなよ!」
と、音楽家が痛快につっこみを入れると。
「やれやれ。」
と、漫画家が再び漫画を描きながら、笑みを浮かべて呟いた。
「明日のお天道様は、拝めないと思ってよね!」
と、少女が右手に3本、左手に2本の刀を持ち、構えた。
「そもそも、明日の天気予報は、雨だ!!」
と、小説家が拳を構えた。
「待てゴラー!!!」
と、音楽家が大声を上げた。
「!?」
と、少女が。
「!?」
と、小説家が。
「そろそろ終わりですか?」
と、漫画家が漫画を描きながら呟いた。
「いいかお前ら?下らねぇ面倒臭い事、いつまでちんたらやってんだ?おい!!だいたい、お前がゴメンって一言謝れば済む話だろうが!!こんなとこで無駄な時間使ってねぇで、さっさとギルドに戻って次の仕事に行くぞ!!それがイヤならずーっとやってろ!!」
と、音楽家が2人に喝を入れて歩き出した。
「・・・・・・・・・。」
と、少女が。
「・・・・・・・・・。」
と、小説家が。
「一件落着。」
と、漫画家が漫画を描きながら呟いた。
「・・・・・・・・・ゴメン。」
と、少女が手を差し出した。
「・・・・・・・・・今度から気を付けてくれよな。」
と、小説家が少女の差し出した手を握ろうとした瞬間、少女はその手を上へ。
「へっへ~ん!ダーマされたー!」
と、少女が笑って走り出すと。
「こんにゃろ!」
と、小説家が笑って走り出したのを見て。
「さてと。」
と、漫画家が漫画を描く手を止め、立ち上がり笑って歩き出した。
「ベロベロバー!だっ!」
と、家系の都合上、やむ無くハンター稼業を継ぐ事となった少女。少女が本当はなりたかった職業のお供を連れたこの冒険活劇は、まだまだ始まったばかり。
「ねぇ?ギター貸してよ!そんでそんで、後で短編小説と漫画読ませてねー!」

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