「第百三十四話」
「にんじんきらーい!ピーマンきらーい!」
「にんじんが嫌いだとかー!」
「ピーマンが嫌いだとかー!」
「言っているのはー!」
「誰ですかー!」
「野菜を好き嫌いするのはー!」
「誰ですかぁぁぁぁぁぁぁ!」
「何で二回目、高音でビブラート?てか、アンタ達こそ、誰だし!」
「我々はー!せーの!」
「ほう「れん草兄弟だ!!」」
「いや、せーの!の意味全くないし!むしろ、せーの!って言った方が出遅れちゃってるし!」
「俺が兄ほうれん草でー!」
「私が弟ほうれん草なんですー!」
「・・・・・・はあ・・・ども。」
「これはこれは、御丁寧に。」
「いやいや、もう頭を上げて下さい。」
「下げてないし!てか、何なの?人の家に勝手に上がり込んで来て、何の用だし!」
「お嬢ちゃん!」
「はい。」
「お嬢さん!」
「だから、はい!」
「話は横道に逸れますがー!」
「いきなり?」
「夕飯時だと言うのに、お母様はいないのですかー!」
「ああ、お母さんだったらいないよ。」
「隕石が頭に落ちて来てー!」
「死んだのですかー!」
「はあ?」
「もしくは、隕石が頭に落ちて来ないでー!」
「死んだのですかー!」
「何で隕石主体?死因のほぼは、後者だし!てか、生きてるし!勝手に殺さないでくれる?ママは今、パパの実家から送られて来た野菜を近所にお裾分けに行ってるとこだし。まあ、話し込んじゃってしばらくは帰って来ないと思うけど、何?誘拐?」
「はっぱっぱっぱっぱっ!!そうそう我々は、お嬢ちゃんの事をー!」
「誘拐しに来たのですー!」
「って、おいおい!何で誘拐なんだよ!お前はジャガイモかっ!」
「いやいや、むしろ大根です!」
「それを言うなら、ナスだろ!」
「かぼちゃ~!!」
「湯がいちゃうぞ!」
「どうも!「ありがとうございましたー!!」」
「もしもし、警察ですか?」
「警察にだけはー!」
「電話しないで下さいー!」
「弾劾裁判だけはー!」
「起こさないで下さいー!」
「起こせないし!」
「鳥葬だけはー!」
「勘弁して下さいー!」
「そんな権限ないし!国的に無理だし!」
「それは安心!安心したらー!」
「何だか小腹が空いて来ましたー!」
「冷蔵庫の残り物で構わないでのでー!」
「お寿司でも注文して下さいー!」
「ガッツリ出前だし!それさぁ、兄の文に対して弟合ってるの?てか、何なのって!アタシに何か用があったんじゃないの?」
「そうそう、お嬢ちゃん!お嬢ちゃんは、さっきにんじんとピーマンが嫌いだとかー!」
「言っていましたねー!」
「言ったし。」
「そんな事より我々はー!」
「ほうれん草兄弟ですー!」
「また自己紹介から始めるつもりなの?また無駄な時間が始まるの?」
「無駄な時間とかー!」
「言わないで下さいー!」
「人生、時には無駄な時間もー!」
「必要なんですー!」
「人生、時には嘘を付く事もー!」
「必要なんですー!」
「人生、時には」
「ちょっと!いつまで続けるつもりなの?その人生論だし!」
「必要なんですー!」
「何が?」
「我々が何の為にお嬢ちゃんの前に現れー!」
「そして、どこへ帰って行くのかを教えるんですー!」
「いや、後半の部分は省いてくれて結構です!」
「なぜ、にんじんとピーマンがー!」
「嫌いなんですかー!」
「普段、バラバラに行動してる時は、会話が成り立たないんじゃないかって思わざる得ないし。えっ?何?にんじんとピーマンが嫌いな理由?だって美味しくないし!それに、にんじんとピーマンを食べなくても特に死ぬ事もないし!」
「我々、兄弟もー!」
「その辺は、同意見ですー!」
「それっていいの?」
「でも、隕石が頭に落ちて来たらー!」
「死んでしまうんですー!」
「だから何で隕石主体だし!ほうれん草と隕石って何か関係がある訳?」
「るるるるーららー!」
「らららーるるるー!」
「はぐらかされてるし!?無意味な程、完全にはぐらかされてるし!」
「でも、お嬢ちゃん!例えばこの地球上にー!食べ物が、にんじんとピーマンだけになってしまったらー!」
「一体全体、どうするんですかー!」
「そしたら食べるし。」
「ナイスファイッ!」
「ナイスファイィィィィィィィッ!」
「たから、何で高音でビブラート?てか、ここまで来てもアナタ達の目的が分かんないし!」
「簡単に言えばー!」
「アレですー!」
「分かりやすく言えばー!」
「アレですー!」
「我々、兄弟が伝えたい事はー!」
「アレだけなんですー!」
「肝心な部分がアレ!?何?アタシに、にんじんとピーマンを好き嫌いせず食べろって事?片寄った食生活じゃダメだって事?美味しい不味いの問題以前に、野菜からもちゃんと栄養を摂取しろって事?でないと健康を維持出来ないって事?」
「ちょっと違うけどー!」
「大体ソレなんですー!」
「じゃあ、100点満点の回答を言えだし!」
「睡眠もー!」
「大事なんですー!」
「それ言っちゃったらアナタ達の存在は、何?って事になっちゃうし!」
「我々はー!せーの!」
「ほう「れん草兄弟だ!!」」
「俺が兄ほうれん草でー!」
「私が弟ほうれん草なんですー!」
「・・・・・・・・・・・・・・・。」
「怒った顔もー!」
「素敵なんですー!」
「野菜を食べてる顔はー!」
「もっと素敵なんですー!」
「でも一番素敵な顔はー!」
「お金を貰った時なんですー!」
「もう、誉めてるとか何でもないし!むしろ悪口だし!」
「申し訳ないと思いつつー!」
「謝らないんですー!」
「何でだっ!」
「移り行く季節の中でー!」
「君の笑顔だけは何一つ変わらないんですー!」
「何でここで哀愁持って来た?」
「・・・・・・・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・・・・・・・。」
「まさかの沈黙だし!?」
「言葉だけがー!」
「全てじゃないんですーぅぅぅぅぅぅぅ!」
「裏声使って、小学生に何言ってんの?」
「とにかく野菜を好き嫌いせずにー!」
「食べて欲しいんですー!」
「とにかく野菜を好き嫌いせずにー!」
「食べて欲しいんですー!」
「とにかく野菜を好き嫌いせずにー!」
「食べて欲しいんですー!」
「ああーっ!もう分かったし!これからは、好き嫌いせずに食べるようにするし!目障りな変な踊りするの止めてだし!」
「そして、時々、我々の事を思い出してはー!」
「枕を濡らして欲しいんですー!」
「何一つ!何一つ濡らす理由が見当たらねぇや!」
「それじゃあ、そろそろ我々はー!」
「帰国しますー!」
「外国産!?外国産だったの!?」
「グッバイ!」
「グッバイィィィィィィィ!」
「・・・・・・・・・行っちゃったし。ああ、何か無駄に疲れちゃったし、面倒臭い感たっぷりだったし・・・・・・・・・でも、でもでも、でもでもでも!あの都市伝説はやっぱり本当だったし!野菜を嫌うと現れるって言う、ほうれん草兄弟の話!・・・・・・・・・よーし!さっそく明日、学校でみんなに話さなきゃだし!」
第百三十四話
「妹もいるんです」
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