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2009年2月 4日 (水)

「第百三十八話」

「さあ、この銃を使いたまえ。」
「・・・・・・・・・。」
「キミに教えて上げようではないか。剣が銃よりも強いと言う事実を!」
「・・・・・・・・・。」
「どうした!この期に及んで、怖じ気でも付いたと言うのか!」
「そうじゃなくって・・・・・・・・・。」
「でなければ・・・・・・・・・さあ来いっ!!」
「来いって言われても・・・・・・・・・。」
「なに?どうしたの?来ないと、来ないと決闘にならないじゃない。」
「決闘って言われても・・・・・・・・・。」
「いや、キミが言ったんだよ?キミがね。あのお店で剣は、銃よりも弱いって、言ったんだよ?」
「確かに言ったけど・・・・・・・・・。」
「よし来いっ!!」
「いや、ちょっと待って下さいよ。」
「なに!いったいなんなの!なにごとなの!」
「確かに僕は、銃よりも剣が弱いと、馬具の店で言いました。そして、アナタとの決闘を受け入れました。でも、何なんですか!このちっちゃな銃は!」
「さあ来いっ!!」
「さあ来いじゃなくって!」
「よし来いっ!!」
「よし来いじゃなくって!」
「なに!なに来いならいい訳?」
「来いの掛け声に違和感を抱いてるんじゃなくって、この銃ですよ!」
「なに?いいじゃない。こっちもちっちゃな剣なんだから、やろうよ決闘。」
「やりたいですけど、やりたいですけどこれってどうやって使うんですか?」
「どうやってって、なに?銃は素人なの?」
「いや、そこそこ名の知れた賞金稼ぎですけど、ガンマンですけど・・・・・・・・・。」
「けどけどけどって、けどばっかだな!キミは!」
「自分の銃でやっていいですか?」
「ダメだよ!なんでそうなるの?わがまま?」
「いや、わがままとかじゃなくって、こんなちっちゃな銃で、どうすりゃいいんです。」
「銃なんだから、撃てばいいじゃない。こっちは剣なんだから、斬るじゃない。それが決闘じゃない!」
「いや、でも小指に乗る程のちっちゃな銃ですよ?」
「可愛いじゃない。こっちも小指に乗る程のちっちゃな剣じゃない。可愛いじゃない。男と男の可愛い決闘じゃない。来いっ!!」
「可愛いいります?決闘に、そんなに可愛い要素を盛り込む必要性があります?」
「ごちゃごちゃごちゃごちゃと、ごちゃごちゃだな!キミは!」
「ごちゃごちゃにもなりますって!」
「早撃ちガンマンなんでしょ?」
「まあ、一応。」
「なら、いいじゃない。それで、いいじゃない。それだけで、いいじゃない。よし来いっ!」
「構えないで下さい。早撃てませんよ。こんなちっちゃな銃じゃ!」
「じゃあ、キミの負けだよ。大敗だよ。」
「大敗ではないし、負けてはないし、僕が言いたいのは、こんなちっちゃな銃と剣じゃ、決闘自体が出来ないって事ですよ!って、ちっちゃな剣を爪楊枝代わりに使わないで下さい。もう、その状況がおかしいもの!」
「話が長いんだもの。そりゃ、シーハーの一つや二つしちゃいますよ。だいたいあれだよ?決闘するのに、その話の長さの方が、よっぽどだよ?よっぽどおかしいよ?」
「いやいやいや、話も長くなるって!これ何ですか?わざわざアナタが作ったんですか?」
「もちろんだとも!よし来いっ!!」
「いや、流れがおかしいでしょ。話の流れ的に、そこで剣を構えるのおかしいでしょ。って、剣ちゃんと持ってます?」
「えっ?ああ、落ちてた。」
「ほらー!そう言う事になるー!」
「たまたまだよ。天気だって、雨の日もあれば、晴れの日も曇りの日も雪の日だってあるじゃない!」
「天気はね!天気はいろいろありますよ!けど、決闘でこんな決闘は、ないでしょ!」
「もぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
「それは僕の台詞ですよ。」
「なら言えばいいじゃない!」
「ガキですか?だいたいこんな精密にちっちゃな銃と剣が作れる腕を持っているなら、賞金稼ぎなんて辞めて、そっちの道で生きていけばいいじゃないですか。」
「・・・・・・・・・。」
「何で無言ですか?」
「いや、ちょっとあの雨雲が気になって。」
「天気、もうどうだっていいでしょ!」
「洗濯物の心配だって、時にはするじゃない!」
「なら、決闘なんてやめちまえ!」
「よし来いっ!」
「おかしいでしょ?そこで、よし来いは今日一おかしいでしょ?」
「来ちゃえばいいじゃない。来ちゃえばそれで全てが丸く治まるじゃない。」
「無理でしょ。要素がないですもん。事態が治まる要素、ゼロですもん。」
「なに?じゃあ、やめる?決闘。」
「いやだから、自分の銃でやらして下さいよ。」
「性能的には、一緒だよ?いや、むしろキミに渡した銃の方が高性能。」
「高性能とかじゃなくって、ちっちゃいんだって!扱えないんだって!」
「なんで!」
「だから、ちっちゃいからですよ!」
「怒るなっ!!!」
「!?」
「なにをそんなに怒る必要があるのか!大の男が!大の男に対して、なにをそんなに怒る必要があるのか!怒ってなにかが解決出来るのか!出来た試しがあるのか!」
「す、すいません。」
「怒って平和的な解決を見た試しがない!!」
「決闘するんですよね?」
「決闘するんですよ?なんですか?なんなんですか?なんか文句があるんですか?文句があるなら言ってみればいいじゃないかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
「・・・・・・・・・いえ。」
「ちくちょぉぉぉぉぉぉぉ!!」
「あのう?何も泣かなくっても?」
「泣いてないじゃい!生まれてから一度も泣いた事なんてありゃしないじゃない!」
「いや、その辺の事実関係は知りませんけど、分かりました。決闘しましょう。」
「よし来いっ!!」
「立ち直り早っ!満面の笑みじゃないですか。情緒不安定過ぎでしょ。」
「情緒なんてものはな!不安定ぐらいが調度いいじゃない!」
「良くないですよ。安定してるにこしたことないですよ。決闘は、やりますけど、ちっちゃな銃の使い方をちゃんと説明して下さいよ。」
「だからー!」
「完全に怒ってますよね?」
「イライラしてるだけじゃない!」
「同じ事じゃないですか。」
「普通の銃と同じなんだから、ここをな。こうやって、こう。」
「ここを?」
「ああーっ!そんな雑に扱ったら壊れるじゃない!もっと優しく!こうやって、こう。」
「こうやって?」
「だから壊れるって!もっと愛しく!こう!」
「こう。」
「バキューン!」
「あっ!」
「痛いじゃないっ!!もぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」

第百三十八話
「なにやってんのっ!」

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