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2009年7月22日 (水)

「第百六十二話」

 ワシは、目が覚めると不思議な程、不思議すぎる不思議な国におった。始めは、ワシも考えたさ。どうして、ワシがこの不思議な程、不思議すぎる不思議な国におるのかと、だが、不思議な程、不思議すぎる不思議なこの国は、不思議とそんなワシの思考すらも忘れさせてしまうぐらいに、不思議だった。
「さてと。」
ワシは、とにかく何かをせんと始まらんと思い、遠くに見えるあの不思議な城を目指そうと、この上下逆さまのエリアから出る事にした。
「お爺さん?お爺さん?お爺さんって?ちょいと、お爺さん?いや、ちょっと!お爺さんって!お爺さん!!待ってって!!」
「ワシは、お婆さんだっ!!」
失礼にも程がある不思議な樹に巻き付いとる不思議な蛇に、ワシは激怒した。
「ほうら、やっぱり、おばあさん、だった、じゃ、ないか。」
不思議な樹が、不思議な蛇に、不思議な語り口調で、話し掛けとった。
「ちぇっ!!ワチキの負けじゃい!!」
「じゅっじゅっじゅっ!!」
不思議な蛇が物凄く身体をくねらせ悔しがり、それを見て不思議な樹が不思議な枝を揺らしながら笑うと、不思議な葉が不思議な音を立てておった。しばらく不思議な蛇と不思議な樹の会話を聞いとると、どうやらワシが、お婆さんなのか、お爺さんなのかで、賭け事をしとったらしい。そして、不思議な蛇がポケットから、不思議な形のコインを不思議な樹に、渋々渡す光景を見ながらワシは、何とも言えん不思議な怒りが込み上げてきて、近くに浮いとった不思議な斧で、もろとも木こりの刑にしてやった。
「ちょいと、いきなり伐採かい?」
「いたたたた、せぼね、が、おれた、かも?」
「あんたらが失礼極まりないからだ!当然だ!」
「やれやれ、短気は特をしないってね。」
「いたたたた、はっぱ、が、ぬけた、かも?」
不思議な蛇は、ポケットから不思議な道具箱を取り出し、その中からホッチキスを取り出しおった。
「ギャア!!ギャア!!ギャア!!ギャアァァァァ!!」
何をするのかと見とったら、不思議な音を轟かせながら、不思議な切り株と不思議な樹をホッチキスしおった。
「とこでお爺さんみたいなお婆さんは、何処から来たんだい?」
「皮、剥いでやろうか?」
「それは困りものだよ。これ、この夏の新作なんだからね。剥ぐなら来年にしとくれよ。」
「なんか、ぐら、ぐら、する。」
「それがな。目が覚めたら、この不思議な国におったのさ。」
「国?ここは、森だよ?まあ、と言っても樹はコイツだけだけどね。」
「ほれ、あそこにある不思議な城。て事は、全体的には不思議な国だろ?」
「城?アレは、城と言うのかい?」
「違うのか?」
「違うのかい?」
「ワシが、聞いとるんだ!」
「なんか、なんか、みし、みし、いって、る。」
「ワチキ、この森から出た事ないからさ。アレが城だかキリンだか、キリンだか、城だか、さっぱり分かったもんじゃないんだよ。」
不思議な蛇が不思議な二択を展開しとる最中。
「にょろぽーん!!」
不思議な樹が不思議な悲鳴を上げて倒れおった。
「お大事に。ワシは、もう行く。」
「ちょいと、お婆さん。」
「ん?」
「あのキリンに行くんなら、コレを持って行くといいよ。きっと、役に立つからさ。」
そう言うと不思議な蛇は、不思議な道具箱からロケットランチャーを取り出し、ワシにくれおった。戦争でもおっ始める気か?と、思うたが、まあ、不思議な国でまともを思考したとこで、通用するはずもなかろうと思い、ワシは、ロケットランチャーを背中に担いで不思議な蛇と不思議な樹に別れを告げ、不思議な森を出た。森を抜け、上下が元に戻ると、今度は妙にフカフカしとる不思議な町に辿り着いた。
「婆さん!!」
妙にフカフカな不思議な町の妙にフカフカな不思議な道を歩いとったワシの前に、妙にトゥルトゥルな男が、妙にトゥルトゥルな犬を連れて現れおった。
「何か用か?」
「婆さん!!アンタまさか、爺さんじゃないよな!!」
「ブッ飛ばされたいのかい?」
「いやいや、無礼な質問をして悪かった。婆さんが婆さんならいいんだ。俺の勝ちなんだからな。」
「ガッデーム!!」
トゥルトゥルな男が連れたトゥルトゥルな犬は、不思議な形のサングラスを妙にフカフカな不思議な道に投げ捨て、悔しさをあらわにしとった。やっぱりブッ飛ばそうかとも思うたが、トゥルトゥルしとるトゥルトゥルな男とトゥルトゥルしとるトゥルトゥルな犬に打撃的な効果があるとは思えんかったから、ワシは無視して不思議な城へ向かう事にした。
「ヘイ!グランマッ!ウェイッ!」
すると、トゥルトゥルな犬がワシを呼び止めおった。
「城に行くプログラムか?」
「ああ、そうだ。」
「なら、やめとくがグッチョイスだぜ?」
「どうしてだ?」
「どうしてだ?」
トゥルトゥルな犬との会話に、トゥルトゥルな男も、ワシ目線で参加してきおった。
「婆さんは、きっとあの城に行けば、この国から出られる方法が見付かるかもしれないって考えだぞ?それを、どうしてお前が止める!それ以前に、どうしてお前が、さも内情を知ってるかの口振りで話を進める!お前、何者だ!」
まあ、だいたいの言いたい事は、トゥルトゥルな男が代弁してくれおった。
「猫だ!」
「猫だと!?」
「ああ、猫だ。プログラムOKか?」
「プログラムNOだ!NOに決まってる!俺はな!ペットショップの店員さんに、キリンだと言われたから、だからお前を購入に踏みきったんだ!」
「今まで黙っていて、ソーリーだマスター。」
「今更、謝られてもだぞ!けど、けど何と無く、何と無く違和感はあった!キリンじゃないかもって違和感は、そこかしこにあった!でもまさか、その嫌な予感がそこかしこ的中してるとは・・・・・・・・・。」
「本当にソーリーだ。でも、本当の本当は、猫でもない、ドラゴンだ!プログラムOK?」
「なら、OK!ドラゴンなら、OK!」
「そいつは、ハッピーだ!ん?グランマ、まだ居たのか?グズグズしてないで、早く城に行くプログラムを実行したらどうだ?」
とんだトゥルトゥルな茶番に付き合わされたワシの右手は怒りに震えたが、トゥルトゥルしとるトゥルトゥルな男とトゥルトゥルしとるトゥルトゥルな犬に打撃的な効果がない事をプログラムしとる以上、この不思議な国の妙にフカフカな不思議な町では、妙に何事も無かったと自分に言い聞かせ、改めて不思議な城に向かう事にした。
「婆さん!!待つんだ!!コレを持っていけ、必ず役に立つはずだ!!」
そう言うとトゥルトゥルな男は、トゥルトゥルな犬のランドセルの中からロケットランチャーを取り出すと、それをワシに手渡しおった。いや本気で戦争でもおっ始める気か?と、本気で考えたが、まあここは、やっぱり不思議な国でまともを思考したとこで、通用するはずもなかろうと思い、ワシは、二つ目のロケットランチャーも背中に担ぎ、トゥルトゥルな男とトゥルトゥルな犬に別れを告げ、妙にフカフカな不思議な町の妙にフカフカな不思議な道を真っ直ぐ突き進み、やたら不思議な城のやたら不思議な入り口に辿り着き、エレベーターに乗り込み、ワシは王の間へのボタンを押した。
「カチーン!」
特にエレベーターの中で何かやらかした訳でもないが、何と無く怒らせた感が否めない感じで、エレベーターのドアが開くと、目の前に不思議な国の不思議な王様がおって、ワシに一言こう激怒しおった。

第百六十二話
「戦争でも始める気か!」

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