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2010年4月

2010年4月 7日 (水)

「第百九十九話」

 忍者でござる。やっとの思いで倒したドラゴンが、またもやニセドラゴンだった衝撃の事実!
「これでニセドラゴンだとしたら本物は・・・・・・・・・。」
と呟いた賢者の独り言を聞いて聞かぬフリな、もはや脱力感と疲労感の化身と化した我々勇者御一行!
「街に、戻りましょう。」
古代魔法使いの古代魔法で、とりあえず我々をニセ勇者御一行だと疑い続けている宿屋の店主が居る宿屋へ!
「お・・・・・・か・・・・・・・・・え・・・り・・・・・・。」
迎えてくれたのは、風邪気味と言うか風邪の戦士と予想もしなかったハプニングとトラブルの連続であった!
「わ、わたくしの魔力が!?」
突然、魔力を失った古代魔法使い!
「ハックション!」
戦士に風邪を完全にうつされた賢者!
「あんたらが居たんじゃ宿の評判が落ちちまう!早く出てってくれ!」
相変わらず我々をニセ勇者御一行だと疑い続け、地味な嫌がらせを仕掛けてくる宿屋の店主!
「ぎゃあああああ!!」
トレーニング中に複雑骨折をする格闘家!
「出て来やがれーっ!」
旅の8割以上を借金取りに追われているギャンブラーの下へは、恐いお兄さん方が!
「見てみろ!これが今月の宿の売上げだ!」
接客の悪さがもたらす結果の営業成績を、ニセ勇者御一行のせいだと信じて疑わない地味な嫌がらせを仕掛けてくる宿屋の店主!
「これを使うといい!」
拙者の語尾の『ござる』を言わないようにする機械を発明した発明家!
「ちょっと行って来る!」
いつもいつも肝心な時に別の仕事の依頼でどこかへ行ってしまう交渉人!
「はあ・・・・・・・・・。」
いまだに魔物を1匹も手懐ける事の出来ない魔物使い!
「いいか!だから、妻も娘も出て行っちまったんだ!」
我々勇者御一行が宿に訪れる以前の出来事までも持ち出し始める我々をニセ勇者御一行だと街中に怪文書を撒き散らす宿の店主!
「忍者はん!店長やらんか!」
長期滞在中のこの街で、商売繁盛して来月には2号店を出店計画中の商人!バラバラになりかける我々勇者御一行!そんな中!
「なななななんじゃこりゃああああああ!!」
召喚士が魔界から何かとんでもない召喚獣を召喚したもんだから、街はもう大混乱!しかしでござる!!
「おいおいおい、こりゃもう、ドラゴンなんかよりも強敵なんじゃねぇか?」
誰もが口にするのを躊躇っていた一言を召喚士が魔界から召喚した何かとんでもない召喚獣を見上げながら発した別行動でどこかへと行っていた傷だらけのトレジャーハンターが手にしていた1枚の紙切れには、ドラゴンの新情報が!ドラゴンのトラウマで部屋の隅っこで膝を抱えて座り込み続けている勇者をトラウマの呪縛から早く救い出し!魔王の魔の手から絶対に世界を救わなければならないでござる!
「に、忍術が全く効かないでござる!?」
でも、召喚士が魔界から召喚した何かとんでもない召喚獣は、もはや魔王以上!!いったいどうすればいいでござる!?次回っ!

第百九十九話
「また、ニセドラゴン!」

誰か助けてくれでござる~!!

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2010年4月14日 (水)

「第二百話」

「た、助かったよ。一人で残業してたらいきなり悪が現れて、キミが駆け付けてくれなかったら、今頃いったいどうなっていたことか。とにかく、ありがとう。」
「いえいえ、礼には及びません。これが僕の使命ですから。それより社長さん?気を付けて下さいね。この辺りは、悪がウヨウヨしていて!」
「ウヨウヨ?」
「そこら中から、ウジャウジャ涌き出て来るんですからね!」
「ウジャウジャって、それじゃあ、気を付けようもないじゃないか。」
「まあまあ、社長さん。そんなにカツラをズラしながら興奮しないで、落ち着いて下さい。」
「妻には内緒だぞ?」
「もちろん!」
「って、誰がカツラだ!このツルピカのどこがカツラだ!!」
「大丈夫!安心して下さい!」
「何をだね?」
「だから、僕がいるんじゃないですか!」
「ああ、話、戻ってんのか。そ、そうだったな。キミがいてくれれば、この街は安心だな、メガネマン。」
「違いますよ。社長さん!」
「は?」
「僕は、メガネマンではありませんよ?」
「えっ!?そうだったのか!?私は、ついメガネマンかと、それはすまんかった。で?メガネマンではないキミはいったい!」
「僕の名は、メガネマンではなく!

第二百話
掛けてないけどメガネマン!!」

「・・・・・・・・・いや、やはりいつものメガネマンではないか。」
「社長さ~ん!だから、掛けてないんですって!」
「知らんよそんな所ゴリ押しされても!だいたい、掛けてないなら、メガネマンじゃないだろ!助けてもらっといてこの態度はすまんと思うが!」
「そうですよ!助けてもらっといて何なんですか!その態度は!!」
「だから、謝ったじゃないか。」
「ズボンのチャック全開で恥ずかしい!それでも社長さんですか!」
「いや、これは態度と言うか大便終わりに悪に襲われた不慮の事故だよ。社長室に辿り着くまでに、逆によくぞチャック全開までの状態へ持って来たなと言った具合だよ。」
「社長さん?」
「ん?」
「100点と99点。その差は僅か1点ですが、その1点は!地球から土星程の距離に等しい!」
「無茶苦茶言うなキミは・・・・・・・・・まあでも、100点との差がどれ程あろうが、99点ならいいじゃないか。」
「社長さんは、ズバリ61点!!」
「何が?採点方式も採点基準も何もかもが不明点だらけじゃないか!」
「人、としてです!」
「心外だよ!そりゃキミ!心外ってヤツの何者でもないってもんだよキミ!何で、掛けてもないのにメガネマンと名乗っているキミに点数を付けられなきゃならんのだ!」
「社長さん!」
「何だね!」
「助けてもらっといてその態度ですか!」
「こりゃすまん。って、それとこれとは話が別だっ!!」
「・・・・・・・・・。」
「おい!」
「・・・・・・・・・。」
「おい?」
「・・・・・・・・・。」
「聞いてるのか?」
「・・・・・・・・・。」
「メガネマン!!」
「・・・・・・・・・。」
「掛けてないけどメガネマン!!」
「お呼びですか?」
「なぜ急に黙る!」
「これは、助けてもらっといて、あんな態度の社長さんへの成敗です!」
「何を成敗される事があるか!」
「客観的に見たら気持ちの悪い人!の刑です。」
「ガキかキミは!」
「ガキではないですが、まだ未成年です。」
「そうだったのか!?」
「まあ、人からよく老け顔ですねって言われますけどね。これでも未成年なんですよ!」
「キミを老け顔だと言ってるヤツに会ってみたいもんだ。」
「・・・・・・・・・。」
「ん?」
「・・・・・・・・・。」
「何だ?」
「・・・・・・・・・。」
「また、訳の分からん刑が始まったのか?」
「・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・。」
「掛けてないけどメガネマン!!」
「い、いきなり大声出したりしたら、ビックリするじゃないか!何なんだねいったい!」
「暇だったので、社長さん驚かし!と言うミニゲームをしてみました。」
「迷惑だ!果てしなく迷惑な遊びだよキミ!あそうそう、思い出した。だから、何で掛けてないのにメガネマンなんだ?」
「名残です!」
「ああ、以前は掛けてたって事か。なるほどな。しかし今は掛けてないんだからメガ」
「以前も掛けてません!」
「はあ?なら、名残ってのは何なんだね。」
「おそらく先祖の誰かが掛けていたので!」
「先祖の誰かが掛けててもおかしな話なのに、それが頭におそらくが付いた日にはキミ!お手上げだよキミ!」
「じゃあ、僕も!」
「キミまで、お手上げをやらんでいい!キミが、お手上げでお手を上げたら、私はいったい何にお手上げでお手を上げているのか分からなくなるだろうが!」
「上げませんけど?」
「キミね。そう言うのをややこしいと言うんだよ?」
「よく言われます!ピース!」
「褒め言葉としてみんな言っているんじゃないんだよ!何がピースだ!」
「してませよピース。」
「ああもう!止めどなくややこしいヤツだな!ヒーローなんだろ?」
「掛けてないけどメガネマン!!」
「いいのか?」
「掛けてないけどメガネマン!!」
「こんな所で油売ってて!」
「掛けてないけどメガネマン!!」
「街には、悪がウヨウヨでウジャウジャなんだろ?」
「今の3パターンの決めポーズで、どれが1番カッコ良かったですか?」
「知るか!」
「掛けてないけどメガネマン!!僕は、この2番目のが良いと思うんですよ!」
「んじゃあ、それでいいじゃないか!」
「掛けてないけどメガネマン!!あやっぱり、元々のが1番良いや!」
「何でもいいから早く困っている人の所へ行ったらどうだ!」
「社長さん!」
「何だ!」
「良い事言いますね!さすが社長さんだ!」
「え?そ、そうか?」
「62点!!」
「早く行けーっ!!」
「さらばだーっ!!」
「何が、さらばだ、だよまったく・・・・・・。い、行ったか?・・・・・・・・・・・・行ったようだな。まったく、根は凄くいいヤツなんだろうが、とんだ正義のヒーローもいたもんだ・・・・・・・・・。」
「わっ!!」
「うわぁっ!!って、私を殺す気かーっ!!」

第二百話
「透明人間ヒーロー!
  掛けてないけどメガネマン!!」

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2010年4月21日 (水)

「第二百一話」

 夕日が沈みかけて来た通りに面する住宅街。
「バタン!」
そこに佇む一軒の家の前に黒い車が止まり、中から黒いコートを着た黒いスーツの男が黒い手袋をはめた手に黒い小包を持ち、風に吹き飛ばされないように黒い帽子を反対の黒い手袋をはめた手で押さえ、黒い車から出て来た。
「タッタッタッ!」
男は、通りから玄関へと続く道を小走りに、そして数段ある階段を一気に駆け上がった。
「ビィィィィィィィィィィ!」
チャイムを鳴らしてしばらくすると、中から白髪の男性が現れた。その老人は、男を暖炉のある部屋へと招き入れ、男をソファーに座らせると、グラスに入れたウォッカを男の前のテーブルの上に置き、自分は手にしたグラスと共に、暖炉の前のロッキングチェアに座った。
「ここは天国だな。」
男は、ウォッカを一口飲み、そう言うと、黒い小包をテーブルの上に置き、再びウォッカを一口飲んだ。
「私は、5時半と言ったつもりだが?」
老人はロッキングチェアに揺られながら、ウォッカを一口飲むと、暖炉の上の置き時計を見ながら呟いた。
「ああ、だからほら、時間通りだろ?」
男は、ウォッカの入ったグラスとは反対の黒い手袋をはめた手で髪の毛をクシャクシャしながら、ウォッカの入ったグラスを持った黒い手袋をはめた手で暖炉の上の置き時計の方へ伸ばして言った。
「やれやれ、確かにこの時計は、5時半丁度を指している。」
「時間通りだ。」
「いや、今5時半丁度と言う事は、君が私の家を訪れた時には、5時28分~5時29分ぐらいだと言う事だ。」
そう言うと老人は、ゆっくりとウォッカの入ったグラスを口に運んだ。
「おいおいおい、ちょっと待ってくれよ。遅刻して文句を言われるんならまだしも、少し早く来て文句を言われたんじゃあ、ジョークにもならないぜ?とにかく小包は、届けた。俺は、帰らしてもらうぜ。ごちそうさま。」
そう言って男がグラスをテーブルの上に置き、立ち上がろうとした瞬間、男は老人の異変に気付いた。
「お、おい!?そりゃいったい何のジョークだ?」
「ジョーク?ジョークでこんなもんを人に向けると思うか?」
老人のそれは、ショットガンだった。
「ま、まあまあ、落ち着いてくれよ。少し早く来た事は謝る。なっ?悪かったよ。ほら、こうして小包はちゃんと届けたんだ。頭を吹き飛ばされる程の事じゃないだろ?」
「どうやら君は、何も分かっちゃいないようだな。君が5時半に来なかった時点で、私にしたらもはや小包の事など、どうでもいいのだよ。」
「はあ?」
「君の上司に、何も言われなかったのか?」
「ボスに?」
「そうだ。」
「5時半に、小包をアンタの家へ持って行けと言われただけだが?」
「だけど、君は5時半に来なかった。」
「だからちょっと待ってくれよ!5時29分だろうが、5時31分だろうが、小包を届けた事には、変わりないだろ?お、おい!?何やってんだ!?」
老人は、ショットガンを構えながら、ゆっくりと男に近付くとテーブルの上にある黒い小包を手に取り、暖炉の中へと投げ込んだ。
「言っただろ?君が5時半に来なかった時点であの小包には、もう意味がないと。」
「俺を騙したのか?それとも・・・・・・俺を試す何かなのか?そもそも小包は、何でもなかったってのか!」
「いや、あの小包の中には、この世界を震撼させる事が出来る程の重要なモノが入っていた。」
「お、おい!?訳が分からねぇよ!だったら何で燃やしちまうんだよ!」
「君は、とても頭が悪いようだな。」
「何だって!?」
「終わったら、少し君の上司に文句の一つでも言ってやらないといけないな。」
「ま、待て!終わったらって、それって俺を殺すって事か?」
「この状況がジョークでない以上、必然的にそうなるだろうな。」
「ふざけるな!!俺は、ちゃんと小包を届けたんだ!!殺される覚えはない!!」
「全く君には、呆れるよ。覚えがない?私がこれだけ言っているのにか?」
「小包よりも5時半がそんなに重要なのかよっ!」
「もちろん。」
「ア、アンタおかしいよ。頭がどうかしちまってんだよ!」
「人生最期の時だと言うのに、やはり頭の悪い君からは、下らない最期の言葉しか聞けなかったようだな。」
「何だと!?」
「さあ?もういいかな?私もいろいろと暇ではないのでね。」
「だいたい俺を殺してみろ!!アンタ、ただじゃ済まないぜ?」
「本当に頭の悪い奴だな。言っただろ?少し君の上司に文句の一つでも言ってやらないといけないな、とな。」
「まさか!?いや、出来っこない!アンタみたいな老人が組織と戦うなんてな!」
「それは君の上司の出方次第の結果で、何も君が心配する事ではない。」
「・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・ハハッ!ホント笑えるジョークだったよ!いやホント、寒さも吹き飛んじまったよ!」
「何度言ったら分かるんだ。ジョークでこんなモノを人に向ける程、私はジョークを知らない訳じゃない。」
「殺れるはずがねぇ!アンタにそんな度胸なんてありゃしない!」
「度胸の問題ではない。5時半に君が来なかった事で、始めから決まっていた結末だ。」
「殺れるもんなら殺ってみやがれ!!俺は、もう帰らしてもう!!こんな頭のイカれた老人なんかにこれ以上、付き合ってられねぇよ!!」
「君は、私を誰だと思っているのだね?」
「知るかっ!!」

第二百一話
「スーパー頑固じじぃ」

「ズダーン!!!」
銃声と共に、男の頭は、胴体を残し、跡形もなく吹き飛んだ。老人は、手にしていたショットガンを男の股の上に投げ付けると、暖炉の上に置いておいたウォッカの入ったグラスを手に取り、ロッキングチェアに揺られながら、5時52分を指す置き時計を見つめ、ゆっくりグラスを口へと運んだ。

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2010年4月28日 (水)

「第二百二話」

「クソッ!!」
助手席に座り、怒り任せに窓を殴るショートカットのどっからどう見てもカワイイ系の彼女の名はGG。
「ヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイ!絶対ヤバイって!」
そして、運転席で絶望任せに言葉を連呼するロングヘアーのどっからどう見てもキレイ系の彼女の名はJJ。
「ブロロロロロロロ~ン!」
彼女達が乗っているミニな車は今、ハイウェイを真っ直ぐ、目的地までまっしぐらに走っている。
「うるせぇぞ、JJ!嘆いたって現状は何一つ変わらないんだ!」
「GGだって、怒っても現状は何一つ変わらないのよ!」
「・・・・・・・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・・・・・・・。」
「・・・・・・やめよう。アタシらがもめるのがこの状況で一番やっちゃいけない事だ。」
「そうね。冷静に、冷静に行きましょう。目的地にこの車を届ければ仕事は終わるものね。冷静に、冷静に・・・・・・。」
「そうだ。落ち着けば何て事ない。いつもの仕事と同じだ。それこそ何一つ変わらない、だ。」
「ええ。そうね。」
「いいか、JJ?ガソリンは満タンだ。ノンストップで目的地まで行ける!何一つ心配事はないんだ。だからいいな?もうネガティブになるなよ?」
「ええ。ところで、GG?」
「あん?」
「さっきのガソリンスタンドで、どうしてトランクを開けたりしたの?」
「おいおいおい、またそれか?」
「また、それよ。」
「ネガティブバイバイだって言っただろ?」
「ちゃんとした回答を聞かないまま、運転なんて無理よ。気になって気になって、しょうがないもの。これはネガティブとは違うわ。気になりよ。」
「JJ、いいか?この依頼は、始めから何かおかしかった。朝食のフレンチトーストを食べ終えて、盗難届を出しといた愛車を二人で引き取りに行こうとした時、ドアの下に封筒があったのに気付いた。」
「ええ。依頼人からのね。そして、私達は、封筒の中の地図に従い、この車が置いてあった駐車場に辿り着いた。で、最初の封筒の指示に従い、ダッシュボードの中から第二の封筒を取り出した。」
「そうだ。そして第二の封筒の指示に従い、さっきのガソリンスタンドに辿り着き給油を終え、最初の封筒の中のお金で支払いをして、お釣りと共に店員から第三の封筒を受け取った。」
「そして今、私達は最終目的地に向かってる。」
「おかしいとこだらけで、何がおかしいんだか分からなくなるぐらいだ。」
「でも、今までだって依頼人との直接的な接触ゼロの仕事はあったわ。確かに少し依頼のやり方が変わってるけど、封筒での指示以外で特におかしい所はないわよ?」
「いや、何かがおかしい。何かが何かって具体的に何かって言えないけど、何だか事件の臭いがプンプンする。それは、最初の封筒を手にした時から何一つ変わらねぇ!」
「ねぇ、GG?」
「あん?」
「事件の臭いがプンプンするのは、ガソリンスタンドからで、特にGGがトランク開けた時からじゃないの?」
「だって、JJ!気になるだろ?気になって気になってしょうがないだろ?妙に何かが入ってそうで、開けられずにはいられないだろ!」
「あ~あ、結局それ。結局それなんだ。GGの悪い癖が出たってわけだ。」
「J~J!アタシだって、依頼の内容にトランクを開けるなって書いてあったら開けないさ。でも今回は書いてなかったんだから、ルール違反じゃないだろ?」
「ルール違反だって!暗黙のルールなんだって、いっつもいっつも言ってるじゃない!」
「さあ??」
「いつかこんな日が来るんじゃないかって心配だったのよ!」
「おいおいおい、JJ。トランクの中を見たって、トランクの中を見なくたって、アタシらは、死体を運んでる事に何一つ変わりないんだ。そこはそれほど重要じゃないだろ?」
「重要よ!死体を運んでるって知ってるのと、死体を運んでるって知らないのとじゃ!全然違うわよ!」
「てか、JJ!前っ!!」
「前?やばっ!?」
「あっぶねぇな!もう少しで、死体があと二体増えるとこだったじゃねぇか!」
「・・・・・・・・・・・・・・・。」
「どうした?」
「笑えない!今のGGのジョーク、全っ然っ笑えない!」
「あそう?ちょっとウケると思ったんだけどなぁ。イチ、ニイ、サン、ってな具合でさ!」
「・・・・・・・・・・・・・・・。」
「まあまあ、気楽に行こうぜ!なっ?」
「そんな気分になれるわけないでしょ!車を目的地に届けたら、きっと私達もトランクの女の人みたく殺されちゃうのよ!」
「考え過ぎでしょ。」
「GGは、考えなさ過ぎなのよ!」
「落ち着けって、なっ?案外、こう言った依頼は、呆気なく終わるもんだって、車を渡して、このブレスレットを外してもらって、大金もらって、ハイおしまいっ!」
「・・・・・・呆れた。」
「いつもの事じゃん。」
「なら、せめて第三の封筒の中に入ってたブレスレットを付けて第三の封筒の中の小さな封筒を読む前に、トランクを開けてよね!そしたらあの時、こんな運びの仕事やめれたのよ!」
「届けりゃ爆発しないで済むんだからいいじゃないか。いいか、JJ?もう、アタシらには、とやかく言って現状を打破する選択肢はないんだ。死体だろうが何だろうが依頼品を目的地に運んで、仕事を終わらせるしかないんだよ。怒りや絶望に身を任せてる場合じゃないんだよ。」
「怒りは、そっちでしょ!」
「・・・・・・・・・・・・・・・。」
「どうしたの?怒りの次は、絶望?」
「マズい!」
「えっ?」
「マズいぞ、JJ!」
「何が?」
「そっちの角度からじゃトラックが死角でまだ見えないかもしれないけどな!アタシらが降りなきゃならないハイウェイの出口で、検問してやがるんだよ!?」
「えっ!?それって絶対ヤバイわよ!ヤバ過ぎるわよ!」
「ああ、ピンチだ!降りなきゃ爆発して体が吹っ飛ぶし、降りたら死体を見られて逮捕!アタシらが、無実だとしてもだ。どうだ?警察署に連れてかれたりでもしたら?」
「木っ端微塵よ!でも、とにかく降りなきゃ!」
「おい、JJ?」
「何よ!」
「何で、あの厳重なセキュリティの愛車が盗難にあったんだ?」
「えっ?何よこんな時に!今は、そんな話してる場合じゃないのよ!」
「いや、こんな時だからこそだ!そんな話だから、今なんだよ!」
「はあ???」
「そうだよ!そうなんだよ!引っ掛かってたのはそこなんだよ!」
「どう言う事?」
「死体の女をこの車で目的地に運ぶんじゃなかったんだ!」
「何言ってるのよ!」
「アタシらが運んでたのは、アタシらなんだよ!」
「えっ?降りるわよ!」
「依頼人の目的は、そもそも警察署の爆発!」
「そんな!?テロって事?」
「さあな?依頼人の目的が何なのかまでは分からない。ただ、ルートは既に決められてたんだ。標的は警察!武器は、アタシらだってのはな!」
「どうすればいいのよ!!」
「JJっ!!」
「何っ!?」
「突っ切れ!!」
「えっ!?」
「いいから突っ切れっ!!捕まったら終わりだ!!」
「でも、検問を突破してどうするのよ!?」
「依頼人と直接対決する!」
「どうやって!!」
「そんなの知るかっ!!」
「G~G!!」
「んな事は、突っ切ってから考える!!」
「・・・・・・・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・分かったわ!舌噛まないように気を付けてよっ!!」
「おうっ!!」
「いっっっけぇぇぇ!!!」
「イヤッホーッ!!」
GGとJJが乗るミニな車は、フルスピードで検問が行われているハイウェイの出口へ。
「ブロロロロロロロブロロブロロロロロロロ~ン!!!!!」

第二百二話
「才色兼備!ZZ登場!」

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