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2010年4月28日 (水)

「第二百二話」

「クソッ!!」
助手席に座り、怒り任せに窓を殴るショートカットのどっからどう見てもカワイイ系の彼女の名はGG。
「ヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイ!絶対ヤバイって!」
そして、運転席で絶望任せに言葉を連呼するロングヘアーのどっからどう見てもキレイ系の彼女の名はJJ。
「ブロロロロロロロ~ン!」
彼女達が乗っているミニな車は今、ハイウェイを真っ直ぐ、目的地までまっしぐらに走っている。
「うるせぇぞ、JJ!嘆いたって現状は何一つ変わらないんだ!」
「GGだって、怒っても現状は何一つ変わらないのよ!」
「・・・・・・・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・・・・・・・。」
「・・・・・・やめよう。アタシらがもめるのがこの状況で一番やっちゃいけない事だ。」
「そうね。冷静に、冷静に行きましょう。目的地にこの車を届ければ仕事は終わるものね。冷静に、冷静に・・・・・・。」
「そうだ。落ち着けば何て事ない。いつもの仕事と同じだ。それこそ何一つ変わらない、だ。」
「ええ。そうね。」
「いいか、JJ?ガソリンは満タンだ。ノンストップで目的地まで行ける!何一つ心配事はないんだ。だからいいな?もうネガティブになるなよ?」
「ええ。ところで、GG?」
「あん?」
「さっきのガソリンスタンドで、どうしてトランクを開けたりしたの?」
「おいおいおい、またそれか?」
「また、それよ。」
「ネガティブバイバイだって言っただろ?」
「ちゃんとした回答を聞かないまま、運転なんて無理よ。気になって気になって、しょうがないもの。これはネガティブとは違うわ。気になりよ。」
「JJ、いいか?この依頼は、始めから何かおかしかった。朝食のフレンチトーストを食べ終えて、盗難届を出しといた愛車を二人で引き取りに行こうとした時、ドアの下に封筒があったのに気付いた。」
「ええ。依頼人からのね。そして、私達は、封筒の中の地図に従い、この車が置いてあった駐車場に辿り着いた。で、最初の封筒の指示に従い、ダッシュボードの中から第二の封筒を取り出した。」
「そうだ。そして第二の封筒の指示に従い、さっきのガソリンスタンドに辿り着き給油を終え、最初の封筒の中のお金で支払いをして、お釣りと共に店員から第三の封筒を受け取った。」
「そして今、私達は最終目的地に向かってる。」
「おかしいとこだらけで、何がおかしいんだか分からなくなるぐらいだ。」
「でも、今までだって依頼人との直接的な接触ゼロの仕事はあったわ。確かに少し依頼のやり方が変わってるけど、封筒での指示以外で特におかしい所はないわよ?」
「いや、何かがおかしい。何かが何かって具体的に何かって言えないけど、何だか事件の臭いがプンプンする。それは、最初の封筒を手にした時から何一つ変わらねぇ!」
「ねぇ、GG?」
「あん?」
「事件の臭いがプンプンするのは、ガソリンスタンドからで、特にGGがトランク開けた時からじゃないの?」
「だって、JJ!気になるだろ?気になって気になってしょうがないだろ?妙に何かが入ってそうで、開けられずにはいられないだろ!」
「あ~あ、結局それ。結局それなんだ。GGの悪い癖が出たってわけだ。」
「J~J!アタシだって、依頼の内容にトランクを開けるなって書いてあったら開けないさ。でも今回は書いてなかったんだから、ルール違反じゃないだろ?」
「ルール違反だって!暗黙のルールなんだって、いっつもいっつも言ってるじゃない!」
「さあ??」
「いつかこんな日が来るんじゃないかって心配だったのよ!」
「おいおいおい、JJ。トランクの中を見たって、トランクの中を見なくたって、アタシらは、死体を運んでる事に何一つ変わりないんだ。そこはそれほど重要じゃないだろ?」
「重要よ!死体を運んでるって知ってるのと、死体を運んでるって知らないのとじゃ!全然違うわよ!」
「てか、JJ!前っ!!」
「前?やばっ!?」
「あっぶねぇな!もう少しで、死体があと二体増えるとこだったじゃねぇか!」
「・・・・・・・・・・・・・・・。」
「どうした?」
「笑えない!今のGGのジョーク、全っ然っ笑えない!」
「あそう?ちょっとウケると思ったんだけどなぁ。イチ、ニイ、サン、ってな具合でさ!」
「・・・・・・・・・・・・・・・。」
「まあまあ、気楽に行こうぜ!なっ?」
「そんな気分になれるわけないでしょ!車を目的地に届けたら、きっと私達もトランクの女の人みたく殺されちゃうのよ!」
「考え過ぎでしょ。」
「GGは、考えなさ過ぎなのよ!」
「落ち着けって、なっ?案外、こう言った依頼は、呆気なく終わるもんだって、車を渡して、このブレスレットを外してもらって、大金もらって、ハイおしまいっ!」
「・・・・・・呆れた。」
「いつもの事じゃん。」
「なら、せめて第三の封筒の中に入ってたブレスレットを付けて第三の封筒の中の小さな封筒を読む前に、トランクを開けてよね!そしたらあの時、こんな運びの仕事やめれたのよ!」
「届けりゃ爆発しないで済むんだからいいじゃないか。いいか、JJ?もう、アタシらには、とやかく言って現状を打破する選択肢はないんだ。死体だろうが何だろうが依頼品を目的地に運んで、仕事を終わらせるしかないんだよ。怒りや絶望に身を任せてる場合じゃないんだよ。」
「怒りは、そっちでしょ!」
「・・・・・・・・・・・・・・・。」
「どうしたの?怒りの次は、絶望?」
「マズい!」
「えっ?」
「マズいぞ、JJ!」
「何が?」
「そっちの角度からじゃトラックが死角でまだ見えないかもしれないけどな!アタシらが降りなきゃならないハイウェイの出口で、検問してやがるんだよ!?」
「えっ!?それって絶対ヤバイわよ!ヤバ過ぎるわよ!」
「ああ、ピンチだ!降りなきゃ爆発して体が吹っ飛ぶし、降りたら死体を見られて逮捕!アタシらが、無実だとしてもだ。どうだ?警察署に連れてかれたりでもしたら?」
「木っ端微塵よ!でも、とにかく降りなきゃ!」
「おい、JJ?」
「何よ!」
「何で、あの厳重なセキュリティの愛車が盗難にあったんだ?」
「えっ?何よこんな時に!今は、そんな話してる場合じゃないのよ!」
「いや、こんな時だからこそだ!そんな話だから、今なんだよ!」
「はあ???」
「そうだよ!そうなんだよ!引っ掛かってたのはそこなんだよ!」
「どう言う事?」
「死体の女をこの車で目的地に運ぶんじゃなかったんだ!」
「何言ってるのよ!」
「アタシらが運んでたのは、アタシらなんだよ!」
「えっ?降りるわよ!」
「依頼人の目的は、そもそも警察署の爆発!」
「そんな!?テロって事?」
「さあな?依頼人の目的が何なのかまでは分からない。ただ、ルートは既に決められてたんだ。標的は警察!武器は、アタシらだってのはな!」
「どうすればいいのよ!!」
「JJっ!!」
「何っ!?」
「突っ切れ!!」
「えっ!?」
「いいから突っ切れっ!!捕まったら終わりだ!!」
「でも、検問を突破してどうするのよ!?」
「依頼人と直接対決する!」
「どうやって!!」
「そんなの知るかっ!!」
「G~G!!」
「んな事は、突っ切ってから考える!!」
「・・・・・・・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・分かったわ!舌噛まないように気を付けてよっ!!」
「おうっ!!」
「いっっっけぇぇぇ!!!」
「イヤッホーッ!!」
GGとJJが乗るミニな車は、フルスピードで検問が行われているハイウェイの出口へ。
「ブロロロロロロロブロロブロロロロロロロ~ン!!!!!」

第二百二話
「才色兼備!ZZ登場!」

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