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2010年6月 9日 (水)

「第二百八話」

「えいっ!えいっ!」
「少年?少年は、ここで、いったい何をしているのかな?」
「老人?見れば分かるだろ?僕は、壁を壊してるんだ!」
「ああ、それは見れば分かる。」
「見れば分かる事をわざわざ聞くなんて老人!時間の無駄って奴だよ?」
「いや、少年よ。これはあながち時間の無駄って代物でもないぞ?」
「時間の無駄じゃない?どこが、時間の無駄じゃないって言うんだ?」
「なぜなら少年。その壁は、ワシの家の壁だからだ!」
「エヘヘ!」
「少年よ。何故にこの状況下で鼻と口の間の名称も分からぬ部位を擦りながら笑う。」
「老人!これが鼻口間高速摩擦をせずにいられるかい?」
「絶対にそんな名称でもなければ、それが高速と言うのなら、ワシのは!鼻口間音速摩擦だ!」
「負けないぞー!」
「ワシだって!」
「おりゃあああああああああああああああ!!」
「ぬおぅあああああああああああああああ!!」
「おりゃりゃりゃりゃあああああああああ!!」
「ぬおぅおぅおぅおぅあああああああああ・・・・・・・・・少年、少年って、違う。ワシ、こんな事をする為に、鼻と口の間の名称も分からぬ部位を真っ赤にする為に、わざわざ朝食も途中で、表に出て来たのではない。それに少年、速度そのままで、気合いだけ十分な空回りっぷりでは、単にワシが大人気ない大人に成り下がってしまうではないか。」
「やれやれ、老人は、あれだね。」
「何だ?」
「えいっ!えいっ!」
「いや、少年?」
「えいっ!えいっ!」
「壁を壊されるのも困るのだがな。ワシが、あれの答えを聞けぬのも大問題なのだ。」
「えいっ!えいっ!」
「少年!」
「だーからー!老人は、老人だね。」
「老人だからな。そりゃあ、老人だ。だが少年?それほど当たり前の事実をだ。どうして、わざわざ、あれ、に変換する必要性がある?」
「ない!!」
「なっ!?」
「そんな必要性なんてない!ただ、どうして大人は、意味を求め、なぜ答えへの最短距離を歩みたがるのですか!意味がそんなに大事ですか!答えがそんなに重要ですか!それは違う!何が違うって、その大人が求めている意味や答えは、己が納得する為に自らが用意したモノだからだ!そんなの真実じゃない!真実は、もっとシンプルで、無意味なんモノなんだ!」
「・・・・・・・・・少年?少年は、本当に少年ですか?・・・・・・・・・まあいい、まあいいよ少年。時に大人は、不可思議を受け入れず、名声に左右される。小さな真実を大きな嘘で隠したりもする。不条理と矛盾の中で生きている。しかし、それが大人って代物なのだ。世の中な。それほど、白いモノが白い訳ではないのだよ。まあ、こんな大人の都合のいい大人の事情など、君ら子供にしてみたらウンチに等しいほどの笑い話に過ぎないであろう。」
「えいっ!えいっ!」
「って、老人の話は聞きなさい。されど、少年!」
「えいっ!えいっ!」
「ワシが今、もっとも知りたいシンプルな答えはだな。」
「えいっ!えいっ!」
「何故にワシの家の壁を壊す?」
「壊したいからだよ。」
「なるほど、実にシンプルで、実に無意味だ。」
「えいっ!えいっ!」
「だったら、自分の家の壁を壊せばいいではないか!」
「ダメだよ。」
「何故だ!少年の家には壁が無いのか?」
「あるよ。」
「では、改めて問おう。何故に、ワシの家の壁を壊す?」
「この壁が壊したいからだよ!あそこでも!あそこでも!あそこでも!あそこでも!あそこでもない!僕は、この壁が壊したいんだい!」
「少年?なあ、少年?怪獣じゃないのだからさ。人間界で人間が壁を壊すと言う行為が許されるとでも思っているのか?いや、それは例え怪獣だとしても許される行為ではないのだよ!!」
「なら、こう考えたらどう?」
「得意の問答無用のルール無視の子供理論か?」
「では、なぜ怪獣の壁壊しが、まがいなりにも許されているのか?」
「何だと?」
「答え、老人分かる?」
「百済ない。考えたくもないわい。」
「それは、怪獣の壁壊しが誰にも止められないからだよ。」
「少年、ワシに少年を止められぬとでも言いたいのか?」
「現に、老人。老人は、僕を止められてないじゃないか。壁を壊され続けてるじゃないか。いい?止められないモノは、許される。これは、怪獣理論だよ。僕は、その理論を実証してるまでだよ。」
「粋がるな少年?ワシは、合気の達人だぞ?」
「だから?だから何?暢気にご飯食べて、余裕綽々に僕と会話してて、その結果がこれだよ?壁は、こんなに壊されてる。達人が、少年の僕にね。」
「なるほど、なるほどだぞ少年!天晴れだ!恐るべし怪獣理論とでも言うべきかな?がしかし!それもここまでだ!」
「えいっ!えいっ!」
「はあああああああああああああああああ!!」
「えいっ!えいっ!」
「はあああああああああああああああああ!!」
「えいっ!えいっ!」
「はあああああああああああああああああ!!」
「えいっ!えいっ!」
「はあああああああああああああああああ・・・・・・・・・・・・・・・・・・はっ!!」

「ドガドガドガドガドガドガドガドガドガドガドガドガドガドガドガドガドガドガドガドガドガドガドガドガドガドガドガドガドガドガドガドガドガドガドガドガドガドガドガドガドガドガ!!!!!!」

「・・・・・・・・・・・・・・・ふぅ。」
「そ、そんな!?壁を自ら全部壊しちゃうだなんて!?」
「少年よ。これぞ、子供の発想の上を行く!真の子供理論だ!!」
「し、真の子供理論?」
「ハッハッハッハッハッ!!」
「でも、老人?一帯の住宅の壁、全部壊しちゃったよ!?」
「スケールのでっかい子供の発想を実現化する!それこそが、大人の勤め!これこそが、真の子供理論!ハッハッハッハッハッ!!」
「いや、豪快に笑ってる場合じゃないって老人!町内ナンバーワンのおっかなびっくり雷親父が、出て来たよ!!」
「何っ!?それは、ちとマズイ事になったな?」
「どうするんだよ老人!」
「・・・・・・少年!逃げるぞ!」
「えっ?ちょ、ちょっと老人!待ってよ!」

第二百八話
「こらーっ!!!」

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コメント

はじめまして!

今日ヨークネイルさんにお邪魔した時、お姉さんに教えていただきました。

過去の作品も楽しく読ませていただきました!

200話もあるとは凄いですね~

少しずつ読ませていただきます!

投稿: kumakura | 2010年6月15日 (火) 00時26分

コメントありがとうございます。

そうでしたか!それはそれは、いつも姉的存在が、お世話になっております。

暇な時にでも、暇のお供に読んでみて下さい。

投稿: PYN | 2010年6月15日 (火) 21時12分

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