« 「第二百十四話」 | トップページ | 「第二百十六話」 »

2010年7月28日 (水)

「第二百十五話」

「サッカーやろうぜ!」
「いいぜ!って、ちょっと待て!」
「何だよ!サッカーで頭ん中イッパイのこのノリノリな感じを止めんなよ!」
「お前、それってタマゴだよな?サッカーボールじゃなくて、それタマゴだよな!」
「よっしゃっ!サッカーやろうぜ!」
「やるよ!やるやる!やるけど、待てって!」
「やるやるって言ったり、待てって言ったり、お前は余程のバンジージャンパーか!或いは、片付けられない大人女子か!」
「その変な例えは置いといてだよ。それ、タマゴだよなって!」
「そうだよ。よし!サッカーやろうぜ!」
「分かった!分かったやるから!の前に、解決しときたいんだよ。えっ?サッカーボールは?」
「あったら、わざわざタマゴなんて代物、持って来ないよ。」
「チョイスミス!」
「言われた事ないなぁ?似てるかなぁ?どの辺?どの辺が?髭!髭か?髭がちょいスミス氏か?でも俺、髭生えてないしなぁ?」
「誰がちょっとスミス氏に似てるだなんて言ったよ!チョイス、ミスだ!ちょいスミスじゃなくて!だいたい、スミス氏ってのは、誰なんだ!って、スミス氏どうだっていんだよ!」
「何を一人で興奮してんだよ。ストレスか?日頃のストレスなのか?だったら、やろうぜ!サッカーやって鬱憤晴らそうぜ!」
「やってやりたいよ俺だって!お前とサッカーを!でも、サッカーボールの代用品がタマゴじゃ無理だろって!」
「なぜだ!」
「逆に俺が聞きたいよ!なぜ、タマゴでサッカーが出来ると思った?」
「逆の逆に俺にも聞かせてくれ!なぜ、タマゴでサッカーが出来ないと思うんだ!」
「割れるからだ!始めの一蹴りで俺達のワールドカップが幕を閉じるからだよ!」
「そんなの!そんなのやってみなきゃ分からないだろ!」
「お前、それ本気で言ってんのか?なあ?お前、何かあったのか?」
「あったよ!」
「悩みがあるなら言ってくれよ。親友だろ?」
「その親友が!サッカーやってくんないんだよ!」
「悩みってそれかよ!だから、タマゴじゃなきゃサッカーやるって言ってるだろ!」
「はっは~ん?」
「な、何だよ!」
「お前さぁ。さてはさぁ。このタマゴが割れて、ピシャー!って中身が飛び散るのを気にしてんじゃないの?白身と黄身が、ピシャー!って飛び散って、白身と黄身まみれになって汚れるのを気にしてんじゃないの?だったら心配すんな!これは!このタマゴは!茹でタマゴだぁぁぁぁぁ!!」
「・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・茹でタマゴだぁぁぁぁぁ!!」
「生だろうが!茹でだろうが!タマゴでサッカーがやれるかぁぁぁぁぁ!!」
「・・・・・・・・・やれる!!」
「なあ?その自信は、どっから来んだよ?教えてくれよ。本当に。」
「シミュレーションでは、一度も割れなかった!」
「それ、お前の都合のいい都合だろ?俺のシミュレーションじゃ、ことごとく割れてるよ!」
「よし!なら、お前のシミュレーションが正しいか!俺のシミュレーションが正しいか!勝負だ!行くぞぉぉぉ!!」
「行かないよ?行かない行かない。行かないからさ。」
「そうか。さては、負けるのが怖いんだな?自分のシミュレーションが、ことごとく打ち負かされるのが、怖くて怖くて仕方ないんだな!この臆病者のスットコドッコイショ!!」
「分かった!そこまで意味不明な事を言われちゃったんじゃあ、やってやるよ!タマゴでサッカー、やってやるよ!」
「やりたいならやりたいって、最初から素直に言えよな。」
「絶対!割れるからな!」
「勝手に言ってろ。で?どっちら先に蹴る?」
「はあ?そりゃ、割れないってシミュレーションのお前からだろ?」
「嫌だ!」
「はあ?嫌だってなんだよ嫌だって!サッカーやろうぜって、持ち掛けて来たのは、お前だろ?」
「確かにそうだよ。確かに俺は持ち掛けた。でもなぁ?これから勝負だってのに、何かそのお前の譲るって姿勢が気に食わん!こりゃ勝負なんだ!例え遊びだとしてもだ!お前、サッカーの試合で、先にボール譲るチームいないだろ?」
「タマゴなら、誰だって譲るだろ。で、何だよ。どうしろってんだよ。」
「コイントスだよ!サッカーなら、このコインを使ってコイントスで決めるのが流儀だろ!」
「タマゴじゃん!」
「タマゴですけど?」
「コイントスって言ったじゃん!」
「家にコイントス用のコインが、無かったんだから仕方ないだろ。」
「コイントス用のコインを持ってる家を知らないよ俺は!仮にコイントス用のコインが無くても別のコインでよくない?何でタマゴ?」
「うるさいなぁ!そんな事言ったって、もうタマゴ持って来ちゃったんだから仕方ないだろ!」
「いや、俺出すよ。コイン、俺出すよ。」
「いいよ。」
「いや、いいよ。」
「いや、いいってば!」
「いや、出させてくれよ!」
「ダメだって、お前に迷惑掛かるから!」
「財布からコイン出すだけだよ?全然、迷惑じゃないよ。」
「ほら、お前はいつも人に気を使って我慢しちゃうタイプだから、内にストレスを溜め込むタイプだから、ダメだって!」
「いや、タマゴでコイントスの方がストレスだって!。」
「またまたー!いいっていいって、うんうん、分かる分かる!大丈夫だって、俺にまで気を使うなって!」
「どこをどう見て気を使ってると思ってんだ?じゃあ、落ちてる石でもいいよ。なっ?」
「ダメだよ。風情がない。」
「何だ風情って!コイントスに風情も情緒も無いだろって!」
「じゃあ、俺は裏!」
「タマゴに裏とか表とかって概念がまず無いだろ!」
「行くぞ!」
「いや、それはお前のさじ加減って事になっちゃうだろって!」
「せーの!」
「お、おい!!」
「おりゃ!よーし!裏、来いよ!」
「だから、どうなったら、裏なんだって!」
「来い来い!」
「何だ?あらかじめタマゴに書いたのか?」
「来い来い来い!!」
「だいたいタマゴが割れたら裏も表も無いだろって!って、割れたら!?な、なあ?」
「何だよ。恨みっこ無しだからな。」
「じゃなくて、このタマ」
「さあ!来いっ!!」

第二百十五話
「ピシャー!」

|

« 「第二百十四話」 | トップページ | 「第二百十六話」 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/121942/35668571

この記事へのトラックバック一覧です: 「第二百十五話」:

« 「第二百十四話」 | トップページ | 「第二百十六話」 »