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2010年9月

2010年9月 1日 (水)

「第二百二十話」

「博士?」
「君は!私の本名が博士だと思っているのか!」
「信じられない角度から怒られたっ!?そんな事、思ってる訳ないじゃないですか!ったーっ!これ絶対あとでタンコブになりますよ?」
「いや、君がいつも博士、博士と私を呼ぶから、つい。」
「何で数十年間の付き合いで、ついが今日の今日なんですか!」
「かれこれ14年か。」
「ええ、月日の流れって早いものですね。」
「君は、ずーっと果てしなく私の助手だな!」
「・・・・・・・・・僕を朝から嫌な気分にさせて、そんなに楽しいですか?で、笑うなら豪快に笑って下さいよ!申し訳なさそうに笑われると、かえって惨めです!って、笑うな!」
「怒るな!」
「ったー!何で同じ場所をゲンコ?てか、何でゲンコ?」
「これなんだがな。」
「急展開っ!?」
「急展開とかいいから、これだよ!これ!」
「いたいいたいいたい!何で、つねるんですか!分かりましたよ!分かりました!聞きますよ!聞きますから!」
「これなんだがな。」
「何ですか?食パン一斤がどうかしたんですか?」
「ちょっとちぎって食べてみなさい。」
「嫌ですよ。この前だって、透明になる薬だって言われて飲まされた液体で、どんだけ恥ずかしい思いをした事か。危うく逮捕されそうになったんですからね!その前だって、体を鋼にするアメだとか言って、1年の3分の2を病院で過ごす羽目になったんですから!この食パンだって、何が仕掛けられているんだか分かったもんじゃないですよ!いいや、逆に何かが仕掛けられてた方がまだマシってヤツですよ!僕は、絶対に食べませんから!!」
「給料下げるよ?」
「分かりましたよ。で?今回は何ですか?壁をすり抜けられるようになるんですか?水中で息が出来るようになるんですか?」
「美味いか?」
「えっ?ええまあ、美味しいですけど?」
「だろ!」
「博士?」
「またーっ!博士って言ったーっ!」
「あいたーっ!って、言いますよ!これからもずーっと僕は、博士の事を果てしなく博士って言い続けますよ!だって、博士は博士なんだもの!」
「ああ、そっかそっか。それもそうだな。」
「そうですよ。ったく、何でジャンピングゲンコするんですか!しかもまた、同じとこをーっ!」
「君も細かい男だね。謝ってるんだから、いいじゃないか。」
「謝ってないー!1度として謝られていないー!いつどこで何時何分何秒に謝りました?ええっ!」
「分かった分かった。」
「なら!ちゃんと!今!謝って下さい!」
「・・・・・・・・・。」
「早く!」
「・・・・・・・・・わりぃ!」
「わんぱくかっ!」
「いいえ、博士です。」
「知ってます!14年前から知ってます!」
「君、疲れるね。」
「どの口が言うかー!」
「でな。」
「展開っ!展開がっ!」
「いんだよ展開がどうとかこうとかってのはさ!そんな事より、これなんだがな。」
「食パン!」
「そう、食パンだ。みんなの憧れ、みんなのアイドル。ご存知、食パンだ。」
「個人差っ!」
「ちぎって食べてみなさい。」
「またっ!」
「まただよ。仕切り直しだよ。ほら、いいからちぎって食べてみなさい。」
「だから、この食パンが何だって言うんですか?」
「どうだ?美味いだろ?」
「ええまあ、美味いですよ。って、博士!いい加減に何を発明したのかを教えて下さいよ!」
「分からないか?」
「全く分かりませんよ。これと言って、特に体の変化もありませんし、って今までも体に変化はなかったんですけどね。」
「君はアレだな。発想が一辺倒だな。だから、ダメなんだよ。だから、君は思った通りヒゲが似合わないで評判の助手なんだよ。」
「なぜ、今、サラリと出来ればそれは、出会った時に言って欲しかった的な発言を織り混ぜた?」
「14年経過してこそ話せる真実ってのもあるんだよ。」
「いや、絶対つい口を滑らせただけだと思いますけど?」
「ギャフン!!」
「ギャフンって言う人、初めて見た!って、そんなヒゲの問題なんてどーだって良くはないですけど、この場合のみいいんですよ!今はそれよりも!この食パンが何なのか?から解決させて下さい!ヒゲの件は、その後でじっくりと、お話しましょう。」
「ちぎって食べてみなさい。」
「またですか!」
「預かった辞表を受理してもいいんだよ?」
「分かりましたよ。食べますよ。だいたい、辞表なんて預けてないですからね。」
「私が勝手に書いた。」
「何をしてくれてるんじゃー!!」
「いいから!ちぎって食べてみなさい!いい加減、ゲンコ行くよー?」
「っつーっ!来てるじゃん!いいから!の時に既に飛び上がってたじゃん!食べますよ。食べればいいんでしょ?」
「どうだ?美味いか?」
「だから、何度も言ってますけど、美味いですよ。ちょっと、だんだん満腹になって来たんで、いいですか?この辺で本当に何を発明したのか教えてもらっても?」
「いよーっ!」
「何でたまに、わんぱく出て来るんですか?で?この食パンは、いったい何なんです?」
「その食パンはな!」
「はい。」
「食べるとな!」
「はい。」
「美味しい食パンなんだよ!」
「はい?」
「以上!」
「はあ?以上って!じゃあ、何ですか?博士は、単に美味しい食パンを発明したって事ですか?」
「えっへん!」
「また、わんぱく出た!?って、何なんですか?」
「何なんですかって、何なんですか?」
「いや、ですから、美味しい食パンを発明したからって、何なんですか?って事ですよ。」
「いや、ですから、美味しい食パンを発明したからって、何なんですか?って事ですよ。って何なんですか?って事ですよ。」
「ああーっ!おうむ返しっ!もう面倒臭いったりゃありゃしない!」
「君も鈍いね。だから、ヒゲが似合わないって評判を私に流されるんだよ。」
「貴様か!貴様が元凶かっ!って、もしかして博士?」
「その通りだ!」
「美味しい食パンが、家庭でも楽しめるパン焼き器を発明したんですね!」
「違う!」
「違った!」
「そうじゃないよ。いいか?美味しい食パンを発明したって事はだ!」
「ええ。」
「パン屋さんになって、大成功って事じゃないか!」
「ええーっ!?」
「まあ、驚く美味さだって事は分かってるさ。」
「いや、確かに美味しい食パンでしたけど!あくまでその美味しさレベルは、一般的であって、お店レベルじゃないですよ?てか、博士!博士は博士を辞めてパン屋になるおつもりなんですか?」
「さんだ!さん!パン屋さんだ!!」
「うわぁー!予想外の事で怒られた!?って、その食パンを降り下ろすとかってもう、敬意を表してるのかなんなのか、メチャクチャだよ!ついでに食パンがすっぽり首までハマっちゃったし!」
「良かったな!ちぎって食べた部分が丁度、目と口の部分で!」
「奇跡ですよ。」

第二百二十話
「その後、食パンは博士と助手で美味しくいただきました」

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2010年9月 8日 (水)

「第二百二十一話」

「いやあ、どうやら噂は本当だったようだな。」
「噂?いったい何の噂だ?」
「凄く冷静な男の噂だよ。」
「凄く冷静な男?」
「知っているかね?知り合いの爬虫類学者に聞いたんだが、人間は本能的に蛇を恐怖するらしい。だがどうだ?君は、そんなに沢山の蛇を前にしてもなお、冷静に私と会話している。これが、噂が噂でない何よりもの証拠だとは思わないかね?」
「確かに、アンタの言う通り、それは何よりもの証拠かもしれないな。だけど、いったいどこに、アンタが言う沢山の蛇がいるんだ?」
「これは驚いた!実に素晴らしい!」
「喜んでる意味がさっぱりだ。」
「いやはや、この状況下で蛇が存在しない事に気が付くとは、もはや君は生まれ持っての冷静野郎だ!」
「どの、状況下だ?」
「しかし、どんな人間も銃を向けられれば、冷静でなどいられるはずがない。さあ?どうするかね?私に命乞いでも試してみるかね?それとも?」
「アンタの目的は何なんだ?何が狙いだ?」
「取り引きか。まあ、妥当な選択肢だな。」
「取り引きじゃない。ボーッと突っ立ってるだけのアンタへの単なる質問だ。」
「これは想像以上の冷静っぷりだ!銃を向けられていない事をこんなにも早く見破られるとはな。君の冷静さは天才的だ。」
「何の茶番だ?」
「茶番!!?君は、これが茶番だと!そう言いたいのかね?」
「他に思い付きもしない。」
「君は、何も分かっちゃいない!これが茶番と言うのならば!世の中全てが茶番そのものだ!いいか私は!・・・・・・・・・っと。」
「どうしたんだ?」
「ふふっ!危うく君の冷静な口車に乗せられてしまうとこだったよ。そうやって相手の冷静さを欠くような発言をして、私を陥れようとしても無駄だ。茶番か。なかなかのチョイスだったよ。」
「・・・・・・・・・。」
「お礼に一つだけ、凄く冷静な男の君に、教えて上げようではないか。私と君が先ほど口にしたディナーの中には、隠し味として毒が混ざっていた。そうだな?あと10分以内に、私の持つこの解毒剤を飲まなければ、君は苦しみの果て絶命する。もちろん、私は一足先に解毒剤を飲ませてもらったがな。」
「まったく話が見えないな。俺をどうしたいんだ?命乞いをさせないのか?」
「違う!私は、そんなチープな人間などではない!ただ、君の冷静さを間近で見たいだけだ。さあ?どうする?これは今までとは違うぞ?確実に訪れる死だ。冷静ではいられまい!」
「言ってる事とやってる事が、どうも矛盾してるようだが?俺の冷静さを見たいと言うわりには、アンタは俺が慌てる様を望んでる。」
「或いは、心の奥底では、生涯冷静な君のそれを望んでいるのかもしれないな。さあ!茶番はおしまいだ!どうする?凄く冷静な男よ!この解毒剤を飲まなければ死ぬぞ!」
「ただただ、ボーッと突っ立ってるアンタに一つ言わせてもらえるなら、俺はアンタとディナーを共にした覚えはない!」
「そ、それは、毒の存在も解毒剤の存在も同時に否定すると言う訳か?」
「結果的にそうなるかもな。」
「死を目前としてもなお、衰える事のない冷静さ!いや、むしろ逆に冷静さが冴え渡ってさえいる!噂を遥かに上回る男だ!感服だよ。」
「俺がいつ、死を目前とした?なあ?いい加減、目的を教えてくれないか?今日は水曜日だ。いろいろと忙しいんだよ。こんな下らない茶番に付き合ってる暇なんてないぐらいにな。」
「何て事だ!!?この状況下でなお、曜日を気にするだけの余裕があるとはな。何か逆に、その冷静過ぎる冷静さに気分が悪くなってしまうよ。」
「なら、病院に行きな。用件がないならないで、俺は帰らせてもらうからな。じゃあな。」
「待て!!」
「まだ何かあるのか?」
「ある!!取って置きがな!!」
「取って置きだと?」
「ああ、そうだ!君の体内に、時限装置式の爆弾を仕掛けさせてもらったのだよ!嘘だと思うのならば!上着を脱いで胸の手術痕を見たまえ!」
「・・・・・・・・・貴様っ!」
「ふははははっ!さあ、どうする?あと5分もすれば君は、木っ端微塵だ!爆弾を停止する方法は、ない!!終わりだ!終わりなのだよ!命乞いも冷静な判断も、もはや関係の無い事なのだよ!凄く冷静な男よ!!!」
「ふざけやがって!」
「その逆上っぷりを見れば分かるよ。もはや冷静でなどいられないと言う事がな。では、死ぬ前に手短に話をして上げようではないか。簡単な話だ。実に簡単で、呆気ないぐらいのな。要するに、君のその凄く冷静な力を我が国は恐れた。だから、君を確実に消す事にしたのだ。それだけの事だ。では、私もそろそろ退散するかな。爆発に巻き込まれでもしたら事だ。」
「いったいどこに手術痕があるんだ!!」
「何だと!!!?」
「我が国がどうだとか、これ以上、そんな訳の分からない事に付き合ってる暇なんてないんだよ!水曜日は凄く忙しいんだ!ええっ?分かったか?忙しいんだ!俺は帰る!!」
「そんな馬鹿な!?ここまでの冷静な男だなどと聞かされていな・・・・・・水曜日?水曜日と言ったか!今日は木曜日ではないのか!」
「そうだよ!今日は忙しい水曜日だ!!じゃあな!ボーッと突っ立ってるだけの男!」
「・・・・・・・・・どうりで何もかも。」

第二百二十一話
「凄く焦る男」

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2010年9月15日 (水)

「第二百二十二話」

 この小さな国の小さな村には、朝の挨拶が存在しない。私は、民俗学者で世界各地を飛び回っているが、朝の挨拶が存在しない場所に出会ったのは初めてだった。しかし、調査をして行くと実に興味深い事が分かった。村には、朝の挨拶が存在したのだ。そしてここで、更に疑問も深まる。なら、なぜ誰も朝の挨拶を口にしないのか?口にすると何か災いでも起きると言うのだろうか?

第二百二十ニ話
「12時間挨拶」

つまり、とても長い、あまりにも長過ぎる朝の挨拶だと言う単純で明解な答えであった。ではなぜ?朝の挨拶が存在しているのにも関わらず、村人達が朝の挨拶を口にしないのか?その理由は、その特有なルールにあった。






一、朝の挨拶には朝の挨拶で返す






一、途中で間違えたりつっかえたりしたら初めからやり直す






一、挨拶が終わるまではその場を動いてはならない






一、途中で止めた者には死を






一、特に朝の挨拶をする義務はない

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2010年9月22日 (水)

「第二百二十三話」

「何か?」
「何もですよ。」
「なら、見ないで下さいよ。」
「何でですか?」
「何ででもですよ。」
「減るんですか?」
「はい?」
「だから、見たら減るんですか?」
「減らないですよ。」
「なら、いいじゃないですか。」
「いや、意味も無く見られてたら、気が散って集中出来ないじゃないですか。」
「集中しているようには、見えませんけどね。」
「仮にの話です。例え集中してないにしろ。ジロジロ見られてたら、気分のいいもんじゃありませんよ。」
「ジロジロなんて見ていませんよ。」
「見てるじゃないですか。今もさっきも、ずーっとジロジロと見ているじゃないですか。」
「ロジロジ見ているんです。ジロジロではなくて、ロジロジです。」
「ロジロジだろうが、ジロジロだろうが、見ている事には変わりないじゃないですか。」
「ちょっと待って下さいね。」
「何ですか?」
「ちょ、ちょっと待って下さい。」
「だから、何を待つんですか?」
「いいから、ちょっとしばらく待って下さい。しばしお待ち下さい。」
「いや、考え事するなら、他でやって下さいよ。」
「なるほど。」
「はい?」
「まあ、見ている事には変わりないですね。」
「しばらく考えなきゃ分からないんですか?」
「実は、ちょっと今でもよく分かっていません。」
「この際、時間の無駄は置いとくとしてです。分かっても分からなくってもいいですから、とにかく見ないで下さい。」
「分かりました。」
「・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・。」
「いやいやいや、分かってないですよね?」
「分かっていますよ。見ないで下さいって、言ったんですよね?」
「そうです。」
「ちゃんと聞き取れていますよ。」
「耳的な話じゃなくて、目的な話ですよ。」
「右目的な話ですか?」
「両目的な話ですよ。」
「でも、こうは考えられないですか?」
「何ですか?」
「あっ、考えられないか。」
「自己完結早すぎでしょ。むしろそれなら、話を持ち掛けて来ないで下さいよ。と言うか早く見ないで下さいよ。」
「何かあれですよね。」
「何ですか?」
「規則が厳しいですよね。」
「いや、そう言ったカテゴライズな話じゃないですからね。無意味に見られたら嫌な気分だって話ですからね。」
「私も嫌な気分ですよ。」
「はあ?」
「はあ?」
「いや、はあ??」
「だから、無意味に見せられて私も嫌な気分ですよ。って話ですよ。」
「じゃあ、見なければいいでしょ。」
「じゃあ、見ますよ。」
「何で?何でそうなるんですか?」
「知りませんよ。」
「知りませんよ。って何ですか。見なければ、お互いに嫌な気分にならないで済むんですから、見なければいいでしょって、物凄く簡単な話じゃないですか。」
「見なければお互いに嫌な気分にならないって、保証はどっから来るんですか?見なかったら、もっと嫌な気分になるかもしれないじゃないですか。」
「もっと嫌な気分になるかどうか、やってみたらどうです?少なくとも僕の方は、なりませんよ。」
「もっと嫌な気分になる割合が10:0の段階で、私は必ずもっと嫌な気分になるじゃないですか。」
「何で2個1で割合を出しちゃっているんですか。出すなら各々でお願いしますよ。」
「じゃあ、お願いします。」
「何で僕が出さなきゃならないんですか。」
「知りませんよ。」
「ちょっと、知りませんよ。って回答やめません?てか、意味無く見るのやめません?」
「やめません。」
「どうしてですか。」
「じゃあ、逆に質問してもいいですか?」
「何です?」
「勇気って、何ですかね?」
「質問って、本当の意味の質問って事ですか?」
「前もってアポイントメントを取り付けたじゃないですか。」
「この場合は、無意味に見る事への質問が普通でしょ。」
「それは、そちらの勝手な解釈ですよね?」
「じゃあ、質問しないで下さい。質問は、ナシでお願いします。あと、見るのもナシでお願いします。」
「例えば、私が見ているからこそ、そちらが生きていられるとしてもですか?」
「例えば、それが例えじゃなければ見ていて下さい。」
「分かりました。」
「分かりましたじゃなくて、例えなんですよね?」
「例えですけど、軽い感じで口走った例えですけど、例えば例えが、例えじゃないとしたら、これはもはや例えようもない事態ですよ。」
「首、無理矢理捻っていいですか?」
「首、無理矢理捻られると痛いから嫌です。」
「じゃあ、見ないで下さい。」
「見てませんよ。」
「・・・・・・・・・何で?何で、ここへ来てそんな嘘を付くんですか?」
「嘘じゃありませんよ。見てませんよ。」
「目と目が合うぐらい見てますよね?」
「気のせいですよ。」
「これが気のせいだったら、世の中みんな気のせいですよ。」
「じゃあ、そうなんでしょうね。」
「そうじゃないでしょう。目、突っついていいですか?」
「目、突っつかれると痛いから嫌です。」
「じゃあ、見るのやめましょうよ。」
「じゃあ、見られるのやめましょうよ。」

第二百二十三話
「動物園にて・・・・・・・・・。」

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2010年9月29日 (水)

「第二百二十四話」

「黒縁メガネ田先生ーっ!黒縁メガネ田先生ーっ!」
黒縁メガネ田わっしょい(くろぶちめがねた わっしょい)。廃校寸前立オンボロ小学校(はいこうすんぜんりつおんぼろしょうがっこう)の4年6組の担任であり主任である。
「どうしたんですか?青ジャージ谷先生?そんなに大慌てで!校内は走ってはダメなのです。」
青ジャージ谷ぴーひゃらら(あおじゃーじだに ぴーひゃらら)。廃校寸前立オンボロ小学校の4年57組の担任である。
「黒縁メガネ田先生!これが走らずにいられますか!」
「ですから、青ジャージ谷先生。何がどうしてどうなって、校内を走らざるを得ない状況下に陥ってしまったのです?そこんとこ絶妙に詳しい具合にお願いしますです。」
「それが!僕のクラスに転校生が来るってさっき、校長室に呼ばれて校長先生に小声で囁かれたんてすよ!」
毛一本揺らぎ崎音頭(けいっぽん揺らぎざき おんど)。廃校寸前立オンボロ小学校の校長である。しかし、今回は出番がない。
「また、転校生ですか。しかしまあそれならそれで、別に校内を走らざるを得ないほどの状況下に陥る出来事でもないじゃありませんですか。」
「黒縁メガネ田先生!甘いですよ!」
「甘いです?どう言う具合で、私の考えが甘いと言うのです?答えによっては、この黒縁メガネ田わっしょい。絶妙にメガネを外さざるを得ませんです!」
「落ち着いて下さい。黒縁メガネ田先生!いいですか?その転校生自体には、何の問題もないんです。」
「と、言いますですと?」
「なぜ、我が校に転校して来るのか?その経緯に問題発生なんです!」
「そこに校内を猛スピードで走らざるを得ない状況下に陥った答えが、その謎が隠されている具合なのです?」
「ご名答!」
「この黒縁メガネ田わっしょいに掛かれば、単純にして明解な、実に絶妙に導き出される答えです。して、その経緯とは?」
「この親ヶ門スター川ドスンドスンて、転校生なんですけどね。」
「はいはい。しかし、写真を見る限りでは、賢そうな具合の絶妙におとなしそうな生徒ではないです?」
親ヶ門スター川ドスンドスン(おやがもんすたーがわ どすんどすん)。10月に廃校寸前立オンボロ小学校の4年57組に転校して来る生徒である。
「モンスターペアレントなんです!しかも、母親も父親もなんです!」
「・・・・・・・・・・・・青ジャージ谷先生?」
「はい?」
「それは確かな情報です?」
「ええ、2組のCIA藤先生に調べて貰ったんで、確かな情報です!」
CIA藤リンゴ飴(しーあいえーとう りんごあめ)。廃校寸前立オンボロ小学校の4年2組の担任である。しかし、今回は毛一本揺らぎ崎校長同様、出番はない。
「青ジャージ谷先生?」
「はい。」
「ガクブルです。」
「ガクブルですか!」
「ガクガクブルブルです。」
「ガクガクブルブルですか!」
「はい。絶妙にガクブルです。この黒縁メガネ田わっしょい。これ程のガクブルは、今年になって20と8回目です。遂に、遂に我が校にもやって来てしまうのですね。モンスターが!?です!」
「ええ、そうです。しかも、2体同時にです!」
「青ジャージ谷先生?」
「はい?」
「ガクブルが治まりません。」
「ガクブルが治まりませんか!」
「とても、とても嫌な具合に絶妙な予感がしてなりませんです。」
「黒縁メガネ田先生・・・・・・・・・。」
「廃校寸前立オンボロ小学校始まって以来の史上最悪具合が絶妙に待ち受けているような気がしてなりませんです。」
「そ、そんな!?黒縁メガネ田先生!いったいどうしたらいいんでしょうか!校長にお願いして、転校を見送ってもらいましょうか!」
「それはダメです!我が校は、如何なる生徒も受け入れる!それが校訓です!来る生徒を拒む事は許されませんです!」
「・・・・・・・・・・・・・・・ですね。」
「青ジャージ谷先生?CIA藤先生の情報では、具体的に転校生の親ヶ門スター川君の両親のモンスター具合は、どの程度なのです?場合によったら、絶妙にがっかり具合かもしれませんです。」
「では、CIA藤先生の報告書の一部を読み上げます。まず正門の色にモンスター。校庭の素材にモンスター。給食のニンジン割合にモンスター。算数の教科書のページ数にモンスター。飼育小屋のニワトリの鳴き声にモンスター。理科室の顕微鏡のパレットの強度にモンスター。保健室のエタノール臭にモンスター。給食のピーマン割合にモンスター。耐震強度にモンスター。体育館の床キュッキュッ率にモンスター。プールサイドのザラザラ感にモンスター。給食のタマネギ割合にモンスター。スプリンクラー飛距離及び水圧にモンスター。トライアングルとカスネット比率にモンスター。上履きの汚れ加減にモンスター。エアコンの温度調節にモンスター。校門から帰る生徒率にモンスター。開校記念日にモンスター。風水による小学校の方位にモンスター。画鋲のめり込み加減にモンスター。核シェルター完備にモンスター。あてもなくモンスター。さりげなくモンスター。なんとなくモンスター。はてしなくモンスター。とめどなくモンスター。給食のグリンピース割合にモンスター。などなど枚挙に暇がありません!」
「・・・・・・・・・ぜ、絶妙に超ド級のモンスターって事ですか!?」
「その表現に収まりきるか分かりませんが、前代未聞に間違いはありません!!」
「ガタブルです。」
「ガタブルですか!」
「ガタブルです。」
「ガクブルではなく!?」
「ええ、この黒縁メガネ田、これ程までのガタガタブルブル具合を味わった事は、ありませんです。」
「どうしますか?」
「どうするもこうするもありませんです!その2体のモンスターと我々は戦う道しかないのです!」
「ですね!」
「時間は、それほど残されていませんです!早速、明日の朝一!絶妙に先生達を収集して職員会議で絶妙なで入念なミーティングをするです!」
「分かりました!」
「厳しい具合な戦いになりそうです。」
「・・・・・・・・・はい。」
「それはそうと青ジャージ谷先生?例の具合は、どのような具合です?」
「ええ、それが全く反応ありません。」
「・・・・・・・・・ガタブルです。」
「ガタブルですか。」

第二百二十四話
「当校は、4年生以外の生徒を絶妙に急募している具合です。」

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