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2011年1月

2011年1月 5日 (水)

「第二百三十八話」

「オチ読みバトル?」
「そうです。」
「所謂な感じの黒服の人が訪ねて来て、意味不明な事を言うんだからまあ、その全てを受け入れるしかないんでしょうね。」
「さすが先生。」
「てか、居るもんなんだね実際、所謂な黒服の人ってさ。」
「まあ、立ち話も何なんで、中で話の続きでもしましょう。」
「んで、黒服の人って、思ってた以上に図々しいんだね。まあ、どうぞ。」
「では、遠慮なく。」
「する気もないじゃん。」
「今日は、寒いですね。」
「そうだね。」
「明日からまた、暖かくなるようですよ。」
「そうなんだ。」
「良かったですね。」
「何が?」
「おおっ!さすが先生!何かもう、先生って感じの部屋だ!」
「何が良かったの?まあ、良くない事じゃないけどさ。って、どんどん行っちゃうんだね。」
「さて、何か温かい飲み物でもあると助かるんですけどね。」
「図々々しいだね。」
「では、先生がそちらで美味しいティーを入れている間に、話を進めちゃいましょう。」
「限定されてるし!ティー?ティー、あったかなぁ?まあいいよ。オチ読みバトルについて詳しく聞かせてよ。どうせ、裏の世界の金持ちの道楽でしょ?」
「先生、以前にも参加されました?」
「してないよ。してないけど、何と無くの空気感だよ。」
「なるほど。」
「・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・いや、落ち着かないで続き続き!僕だって暇じゃないんだから!作品も書かないといけないし、ゲームもやらないといけないんだからさ。」
「ああ、失礼。オチ読みバトルとはですね。金持ちが小説家を戦わせる大会の事です。」
「そりゃまた、面倒臭い大会なこった。」
「金持ちの考える事なんて、面倒臭い事ばかりです。それでですね。今回、私の主は、先生をスカウトする事にしたんです。」
「ほら、ご希望通りのティー!」
「ありがとうございます。」
「で?金持ちが雇った小説家に小説を書かせて、互いに互いの小説を読み合ってオチを読み当てるバトルって事?」
「やっぱり先生、以前にも参加を?」
「してませんよ。してませんけど、だいたい分かるよ。てか、大会のタイトルで察しがつくよ。でもさぁ?でもだよ?何で僕?何で僕みたいな端くれ物書き?他にもっとちゃんとした人達がいるじゃん。」
「先生?これはあくまで、オチ読みバトルなんです。美しい描写や読者を引き込む悲しいノンフィクションや話題性の作家は意味を持たないんです!この戦いでは、それらは全てクソの紙くず以下です!」
「・・・・・・・・・い、言い過ぎだよ&僕の事を馬鹿にしてるでしょ?」
「馬鹿にしてませんよ!いいですか?先生、このオチ読みバトルに必要なのは、オチを読まれない作品なんです!先生のような意味不明で訳の分からない作品を書ける事が重要なんです!」
「その僕に辿り着くまでの経緯が馬鹿にしてるってんだよ。」
「まあ、馬鹿にしてるかもしれません!」
「正式に言われた!?」
「先生!是非とも参加を!」
「いや、よくこの流れで参加を促せたね。」
「仕事ですから!」
「あそう。まあ、まあまあ、どんな形にせよ。作品を評価してくれたのは嬉しいよ。例えそれが馬鹿にされたと言うマイナスの評価でもね!!」
「気にされてるんですか?」
「気にされない人がいるとでも?」
「建前で謝ればいいんですかね?」
「謝られるサイドの人間にそれ聞くかね?」
「続いて、ルール説明に移ります。」
「業務的!?いや、最悪一回謝ろうよ!」
「すいません。当日、島に集められた小説家は、バトルロイヤル的に戦います。出会った時点でバトルスタートです。バトルは、最後の一人が決まるまで何日でも行われます。」
「冒頭の、すいませんは、どの、すいません?って、バトルロイヤル!?ちょっと待ってよ!なら、いったい作品を何本用意すればいいんだよ!」
「最少で一本!最大で九十九本!」
「きゅ、九十九本!?百人でやんの!?」
「本当の本当は先生、以前にも参加されたんでしょ?」
「されてないってば!単純な算数だよ!」
「作品の長さは、自由です。」
「ねぇ?淡々過ぎない?業務的過ぎない?つまり、短い作品の方が不利って事?」
「いえ、そうとは限りません。それはなぜか?」
「まだ、何も言ってませんけど?」
「なぜなら、作品を最後まで読んでしまったら負けですし、大会前日にこうしてスカウトに来てるので、長編を書く小説家は、過去にも存在しません。」
「なるほど。って、大会明日なの!?」
「ええ。」
「その涼しげにティーを飲む顔が嫌だ!」
「バトル相手と出会った時、手持ちの作品が無い場合も負けです。」
「過酷!?」
「バトルロイヤルですから!生きるか死ぬかのサバイバルマッチですから!」
「えっ!?死ぬの!?」
「あ、いや、死にません。ちょっと興奮して言っちゃいました。」
「興奮する意味が分からないよ。」
「決着は、オチを読むまでの文字数です。そして、オチ読みのチャンスは三回までです。」
「互いにオチが読めなかった場合は?」
「ドローです。」
「ドロー?」
「再びバトルロイヤルに参加してもらいます。で、私、先程、最少で一本、最大で九十九本って言いましたけど、最大は無限大です!」
「ここに来て何で天文学的な事言うの!?」
「ルール説明してる間に思い出したんです。」
「いやもう、そこだけはちゃんとしてよ!」
「先生!!」
「な、何っ!?」
「勝敗の着かなかった作品は、生きるんです!更に、勝った作品も生きるんです!」
「つまり、オチさえ読まれなければ、一本で九十九人を倒せる。」
「そーなんです!!」
「思い出してくれて良かったよ。」
「私も思い出せて良かったです!」
「握手おかしいでしょ。なるほどね。」
「もちろん!優勝すれば、先生の大好きな賞金も出ます!」
「いちいちだよね!いちいちな言い回しだよね!」
「では、明日、お迎えに参ります。」
「随分、一方的だね。」
「えっ?参加されないんですか?」
「出ますよ。」
「では、明日。先生なら絶対に優勝出来ますよ!」
「ああ、そう?何かそう言われると嬉しいなぁ。何か、頑張っちゃおうって気持ちになっちゃうなぁ。」
「是非とも頑張って下さい!」
「お、おう。」
「美味しいティー、ごちそうさまでした。」
「おそまつさまでした。」

第二百三十八話
「大会当日、寿命尽きる」

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2011年1月12日 (水)

「第二百三十九話」

「本当ですかぁ?本当は、盗んだんじゃないですかぁ?」
「君ね?何で私が、自分で盗んだ財布を、わざわざ拾得物として交番へ届けに来なきゃならんのだ。」
「盗んだはいいけど、途中で恐くなって、交番へ自首しに来たんじゃない?」
「じゃない!何だ君は!何なんだ君のその態度は!人が親切に落とし物を届けに来たと言うのに!それが警察官がとる態度かね!だいたい私は、社長だよ?社長が君の言ってるような事をすると思っとるのか!」
「社長とか警察官とか、犯罪すんのに職業は関係ない!!」
「・・・・・・・・・う、うん、いやまあ、ごもっともなのは他ならないんだが、何でそんな、してやったりの顔するのだ?それとこれとは話が別だろ!」
「社長、社長、社長って!そんなに社長が偉いんですか!」
「いや、そんな全面に私も社長を押したつもりはないよ。」
「社長、社長、社長って!偉いのは社内なだけで!社外じゃ単なる人だ!」
「私、何かそんなに権力を振りかざして真実をねじ曲げるような事を言ったか?」
「社長、社長、社長って!ちっちゃい、や、とちっちゃい、よ、を取ったら!しちう、じゃないか!」
「しちう、だよ?しちう、だけど、それが何か?そこで何かの言葉に変わるなら話も分からないでもないが、しちう、ってねぇ。ねぇ君?もう私には、君の言ってる事の意味がさっぱりだよ。」
「ハッピーバースディ!!」
「どうしたの急に?誰の?そして、何故このタイミングで?」
「誰かの!!」
「とりあえず私は、もう無茶苦茶で滅茶苦茶なこの場に1秒たりとも居たくはないのだよ。だから、財布を置いて去る事にするのだよ。」
「大脱走ですか!」
「誰が穴掘って逃げようとしてる!脱走って何か?では、私は既に獄中か?」
「このアルカトラズ交番に来た時から既に、貴様は獄中もいいとこだ!!よーこそ!アルカトラズ交番へ!」
「インフルエンザか何かな?でなきゃ、君のその理解不能な言動を理解出来んよ。」
「本官!学生時代、健康診断は、常に学年トップでした!」
「遠い昔の話をされてもだよ。日々、変わり行く健康状態を皆勤賞的な具合に言われてもだよ。」
「皆勤賞って別に健康じゃなくても出来るからね!」
「何その屁理屈!?」
「砂糖不使用って書いてあるけど、しっかり甘味料使用してるからね!」
「何の方向に話が向かいつつあるんだい?」
「江戸時代って言ってるけど!それって人間が勝手に言ってるだけだからね!」
「何目線?」
「杉目線です!」
「あのね。私は、財布を拾ってさ。交番へ届けに来ただけなんだよ。いっぱい、いっぱい訳の分からない事を聞かされに来た訳じゃないんだよ。だから、もうふざけるの止めにしないかね。」
「じゃあ。」
「で、手錠はおかしいだろ!」
「何でですか!本官は!悪いヤツに!この正義の手錠をかける為に!こうして警察官になったんですよ!」
「志と現状とのギャップあり過ぎだろ!」
「な~んだ社長!」
「何だ?」
「またまた~!」
「だから、何がだ。」
「すっ惚けちゃって~!」
「何をだ。」
「社長も一丁前に杉目線の話をしてるじゃないですか!友よ!そして、薄らハゲよ!」
「両手でしっかり握手やめーいっ!過ぎだ!過ぎ!何々し過ぎの過ぎ!誰が杉の話なんてするか!で、何かちょくちょく私を侮辱するような言葉をサブリミナル効果的に織り混ぜていたろ!!」
「置いといて!」
「確かに!確かにオーバーアクションで分からず屋の君に説明したが!決してジェスチャーゲームなどではなーい!」
「杉!!」
「だから違うと言っているではないか。で、もはや杉って言いたいだけではないか。頼むよ。頼むから、財布を拾った経緯とかを、ちゃんと聞くなら聞いてくれよ。で、ちゃんとする気が更々ないなら、私をもう、この異世界から解放してくれよ。」
「頼まれた!」
「うむ。頼むよ。頼んでしまうよ。そりゃあもう、こうして頭を下げるしかないだろ。」
「頭を上げて下さい社長。本官、別に今まで寝ていた訳ではありませんが、目が覚めました!」
「そうか。それは良かった。本当に良かった。薄らハゲてる頭を下げた甲斐があったってものだ。」
「社長!諦めないで下さい!人は猿から進化したんです!ハゲも再び人に進化する可能性だってあるんです!」
「ハゲも人だ!そもそも私は、薄らだ!6割フサフサだ!」
「3割!」
「6割!」
「4割!」
「6割!」
「5割!もうこれ以上は無理ですよ!社長!これ以上は本官も無理です!」
「人の頭髪割合で遊ぶな!と言うか目が覚めたんじゃないのか?」
「失礼。お遊びが過ぎました。」
「過ぎって言って笑いを堪えてるのは、ギリギリセーフとして、さっさと始めてくれたまえ。」
「では、社長。お聞きします。」
「うむ。そもそも、財布を拾ったのはだね。」
「社長!」
「ん?」
「違いますよ!」
「違う?何が違うと言うのだ?財布を拾った経緯を聞きたいのだろ?」
「本官は、そんな事を聞きたいんじゃないんですよ!」
「おいおいおい、ちょっと待って下さいよ?何やら、何やらな空気になって来たんじゃないですか?では、いったい何が聞きたいと言うのだね。」
「本官が聞きたいのは、最後に社長が何を食べたいのかです!」
「死刑じゃん!交番へ財布を拾って届けに来ただけなのに、いつの間にやら死刑って君!!」
「死刑じゃありませんよ。ほら、調書の最初の質問にそう書かれてるんですよ。本官は、職務を真っ当しただけなのに、その言われようは心外だな!」
「心外だなって、ああ、本当だ。そう手書きで書かれてあるね。ついでに、死をもって罪を償う人用って、手書きで書かれてあるね。すまんすまん。私の勘違いだったね。」
「でしょ?」
「って、これは君がチラシの裏に手書きで作った書類だろうが!!」
「まあ、気にしないで続き行きますよ?」
「この状況で、誰が何を気にしないでいられる?だまし絵だらけの交番内からして気になるだろ!!」
「質問その2!希望の執行方法は?」
「斬新!?斬新過ぎな質問だな!」
「斬新杉で撲殺、と。」
「もう、斬と杉で撲殺で、ややこしいし、今んなって注目してみたら、服着てないじゃん!書いてんじゃん!」
「まあまあまあ。質問その3!森を歩いていたら、動物と出会いました。」
「ここへ来て何で心理テストなのかね?」
「その動物と色は?」
「答えて何か私に得があるのか?」
「動物と色は!!」
「そもそも前の2つの質問には答えてないのに、何でここだけそんな強い口調?」
「ほら!」
「・・・・・・・・・青いキリン。」
「貴方は、頭がおかしいです。」
「動物が何で!色が何なんじゃないのか!ただただ、ただただ人を侮辱する為だけの!その為だけに聞いたのか!」
「まだまだ続きますよ?質問その4!」
「いや、ちょっと待ってくれないか?私は、あとどれぐらいこの茶番に付き合わなければならないんだ?」
「貴方が橋の上で拾った物は?」
「とほほ。この歳で娘以外に無視されるとはな。何?橋の上で拾った物?財布だよ!財布!実際、私は橋の上でこの財布を拾ったのだよ!」
「普通、と。」
「何だ?何だ普通って?面白回答しないとダメなのか?したらしたでおそらく侮辱されて、普通に答えたら答えたで侮辱されて、そもそもが貴様の存在事態が人を侮辱しているんだーっ!!」
「ふっふっふっふっ!」
「何が可笑しい?」
「そうだ!私は怪人侮辱だーっ!」
「やるならちゃんとやるべきだろ。何で、お品書き見ながら棒読みだ!って、ちょっと待ちたまえ!」
「何でしょう!」
「何でお品書き?」
「お腹減りません?」
「・・・・・・・・・確かに。」
「社長、何にします?僕は、カレーうどん。どうぞ。」
「そうだなぁ?って、デッカイ字で、カレーうどんとしか書かれてないではないか!」
「嫌いですか?カレーうどん。」
「嫌いじゃないよ。カレーうどん。どちらかと言えば好きだよ。カレーうどん。」
「じゃあ、カレーうどん、&!」
「&?&って、カレーうどんだけなのだろ?それとも何か?カレーうどん以外に他にも」
「カレーうどんで!」
「言い回し!」
「足りるかなぁ?」
「その財布のポテンシャルに期待してはダメだろ!」
「いんですよ。」
「はあ?」
「だってこれ!」

第二百三十九話
「本官の財布」

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2011年1月19日 (水)

「第二百四十話」

 俺は今、自らが置かれいてる現状に気付いてしまった。自分が、この物語の、第二百四十話の、主人公って事に・・・・・・・・・。

第二百四十話
「主人公240」

 初めは、自分に超能力があるんじゃないかと疑った。なぜって?そりゃあ、数日前から次々と次々に巻き起こる未来が分かったら、誰だって一番に超能力を疑うのが普通じゃないか?なら、なぜ自分が超能力者じゃなく、第二百四十話の主人公だって分かったのか?答えは、かなりシンプルなもんだった。ある未来から先が、俺には見えないからだ。しかし、これじゃあ、ただ単に俺がその時に死んだだけだと疑うのが普通かもしれないが、俺の回りでは反比例な現象が巻き起こっている。そう、俺は死ねない。その死ねない現象こそが俺を真実へと導いた。つまり、事態は最悪だって事だ。俺の見えない未来、正確には11分04秒後だが、俺は確実な死に向かっているって事だ。フィクションの主人公が何を言ってんだって考えるかもしれないが、これほどまでに確実で正確な死の恐怖に、フィクションもノンフィクションも関係ない。自我と意志が生まれた以上、そこに最悪の変わりはない。だが、俺の心は寸前のとこで、ギリギリのとこで、折れないでいた。なぜかって?なぜなら、見えないからだ。これまで100%未来で巻き起こる事が見えているのに、肝心の死の未来が見えないからだ。その先の未来が見えないからと言って、確実に死ぬとは限らない。もしかしたら、そこで俺は、未来が見える力を失うのかもしれない。或いは、あの女が俺の所に訪ねて来た時に、この物語が終わるのかもしれない。
「こんばんは。」
ドアを開けると知らない美しい女性が俺に、知らない美しい声で言葉を放つ。
「こんばんは。」
不思議そうに俺は知らない女を見詰めながら、不思議そうに俺は知らない女へ返事をする。そして、ここで忽然と未来が見えなくなる。正直、俺は全くと言っていいほど、本を読まない主人公だ。だが、そんな俺にだって分かる。物語としてのこの終わり方は、異常だ。唯一、読む事が出来る過去の239作品を振り返ってみても、こんな異常な終わり方はない。何のどんでん返しもなく、何のメッセージ性すらない。仮に夜には、こんばんはの挨拶をしなけりゃならないってメッセージなら、下らない以下のお粗末な終わり方だ。つまり、何かある。そこで、何かがあるって事だ。既に俺が挨拶を交わした時には、俺は女に殺されているってのか?だが、それなら、どんでん返しは?どんでん返しは、どこにある?このまま俺が殺される事に、何のどんでん返しも無いじゃないか。それに、いくら何でも一瞬で殺され過ぎだ。フィクションとは言え、人がそんなにも一瞬に殺されるか?そして、そもそも俺は、この物語の主人公だ。仮に俺が一瞬で女に殺されたとしても、女が口にするだろう物語をどんでん返す事になる一言を聞かずに死ぬはずがない。
「こんばんは、10時になりました。ニュースをお伝え致します。」
しかも俺は、女が来るまで、何か部屋で、世界征服とかを企んでいる訳でもない。普通に、座ってテレビを観ているだけだ。なのになぜ?文章にしたら3行程度ののちに、俺は死ぬ?数日間の記憶の中を探したって、女への伏線は見当たらない。と言うか、その数日間の記憶だって、文章にしたら数十行だ。つまり、つまりだ。この物語は、始まったばっかりだって事だ!物語が始まったばっかで主人公が死ぬのは、良いとしてだ。物語上、仕方ないとしてだ。そのあとの未来が見えないのは、物語の結末が見えないのは、絶対におかしい!!何だ!?何が巻き起こる!?まさか!?俺は、自分が第二百四十話の主人公だと思い込んでいるだけの単なる登場人物って事なのか!?単なる脇役って事なのか!?いや、違う。仮にそうだとしたら、俺が今、こんなどんでん返し的な事を、この段階で考える事は不可能だ!いくら自我と意志が芽生えたとは言っても所詮は、物語の登場人物、その中の俺が、どんでん返しを語れる訳がない。しかし、この考え自体が作者の意図的な創作だとしたら?ダメだ!訳が分からなくなって来た。頭がおかしくなりそうだ。とにかく、間も無く訪ねて来る女に会えば、答が分かるはずだ。きっと何かが完結するはずだ。でなけりゃ俺は、でなけりゃ俺は、いっ
「ピーンポーン。」
来た!女だ!俺は、足早に玄関へ向かう。
「ガチャ!」
「こんばんは。」
ドアを開けると知らない美しい女性が俺に、知らない美しい声で言葉を放つ。
「こんばんは。」
不思議そうに俺は知らない女を見詰めながら、不思議そうに俺は知らない女へ返事をする。
「・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・。」
なるほどな。未来が見えないんじゃなく、ここで未来が止まったんだ。つまり、どんでん返しも何でもない。単に、ここで作者が物語に煮詰まって、書くのを止めたって事だ。

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2011年1月26日 (水)

「第二百四十一話」

 俺は、友人と二人で喫茶店に来ていた。そして、他愛なく下らない話を延々と淡々としていた。すると友人は、何かを思い出したかのように、鞄からノートと筆記用具を取り出し、テーブルの上に置いた。
「どうした?急に?」
「いや、昨日、お前から連絡あった後、寝ようとした時にさ。急に考え事が浮かんじゃってさ。で、どうしても一人じゃ解決出来なかったから、なら二人で考えようかと思ってさ。」
「ふ~ん。で?考え事って?」
「そんな真剣な事じゃなくて、暇潰し程度なお遊び感覚的な事なんだけどさ。」
「うんうん。」
「お前、七つの大罪って知ってる?」
「知ってるよ。」
「あれ、もう古くない?」
「いや、ああ言うのは、古いとか新しいとかじゃないだろ。」
「いやいやいや、古いし何か違うと思うんだよな。そこで!そこでだ!真・七つの大罪を考えようって事さ。」
「また何やら面倒臭い考え事が浮かんじゃったもんだな。」
「まあまあまあ、遊びなんだしさ!いいじゃんいいじゃん!」

第二百四十一話
「真・七つの大罪」

「分かった分かった。やろう。それで?何個かは、浮かんだんだろ?」
「まあな!一つは、欲だ!」
「欲か。大食と強欲と肉欲を一つにまとめたって事?」
「その三つをまとめただけじゃなくて、物欲や金銭欲などなど、全ての欲を凝縮したんだよ。」
「なるほど。そう言う感じか。」
「そう言う感じだ!ところでお前、大食と強欲と肉欲って言ったけど、七つの大罪を全部分かってんのか?」
「えーと、確か、大食、強欲、怠惰、憤怒、高慢、肉欲、嫉妬、だろ?」
「おお!!さすが!俺なんて、強欲と肉欲しか知らなかったもんな。」
「知らなかった?思い出せなかったじゃなくて、知らなかった?」
「イエス!」
「お前それでよく真・七つの大罪を考えようだなんて大それた考えを考えたな!って、まさか?まさかだよな?」
「あと六つ考えよう!」
「まさかだった!」
「今、初めて聞いた感じだと、他にも相当かぶってるな!でだ!それを踏まえて、二つ目の大罪が決定しました!」
「まあ、かぶってるっちゃあ、かぶってるけど、だからってまとめていいって事じゃないだろ。で?因みに二つ目は何?」
「愛!」
「愛!?」
「愛!いいか?人は誰かや何かを愛する事により、そこに怒りや嫉妬や復讐心などなど、あらゆる負の感情が沸き起こるんだよ!」
「確かにそうかもしれないけど、逆に人は愛によって、喜びや幸せを感じるだろ?大罪じゃないだろ。」
「何かを始めるには、そこにあらゆる犠牲がつき物なんだよ!愛を大罪にする事によって、悲しむ人間より救われる人間の方が多いんだよ!」
「何調べ?どこデータ参照だよ。てか、まあ別に愛でもいいんだけどさ。」
「よし!じゃあ、満場一致で、真・七つの大罪の二つ目は、愛で!」
「満場一致って・・・・・・。と言うかだよ?欲、愛、この二つの大罪で既に、人はがんじがらめで何も出来やしないよ。」
「そこで何かするのが、人、だろ?」
「いや、そのルール知らない。これあと五ついけるか?」
「いけるよ!いけちゃうよ!」
「まあ、自信満々のお前がそう言うならいいけどさ。で?三つ目は?」
「そうだな。横入りだな。」
「えっ!?」
「お前、誰かに横入りされたら嫌だろ?」
「嫌だよ。」
「だから、横入りだよ。」
「早くない?」
「早いって?」
「いやほら、もう六つ目七つの目になって、考えが尽きた時に横入り的なチープなのが出て来るなら、まあ分かるよ。でもお前、三つ目で横入り出て来たら先が思いやられるどころの話じゃないぞ?」
「俺は!人間の行為の中で横入りが一番許せないんだ!」
「じゃあ、一番に言わなきゃ!ま、まあ、いいよいいよ。お前が、真・七つの大罪を決めたいって言い出したんだから、お前の好きに、そして自由に決めていいよ。」
「じゃあ、三つ目は、横入りって事で!て事は、四つ目は、縦入りだな!」
「ちょっと待った!」
「何?」
「それはいくらなんでも、ちょっと待っただ!横入りは、いいよ。されたら嫌だしさ。でも、縦入りって何?俺それ、された事もないし、やってる人を見た事もない。」
「何で!お前が横に並んでたとこに入って来たのが縦入りじゃん!」
「行列目線!それ単に行列の見方の違いだろ!横入りは縦入りだし!縦入りは横入りだろ!同じ事だろ!」
「なるほどね。分かった!お前の意見を採用しましょう!」
「いやまあ、それ程の事じゃないんだけどさ。何か、何か熱くなってすまん。」
「いやいや、いいよいい!熱くならなきゃ!何てったって俺達は今!真・七つの大罪を決めてんだから!て事で、三つ目は、横入り(縦入り)で!」
「そうなるんだ。」
「なる!さあ!折り返し地点だよ!」
「やっとだよ。何か既に疲労困憊だよ。」
「やっぱ思うに、無知ってダメだと思うんだよね。ほら、よくさ。自分で調べもしないで人を頼って聞いて来る奴いるじゃん。」
「七つの大罪の下りん時のお前じゃん。」
「それはもう、大罪だよ!」
「じゃあ、お前大変じゃん。」
「て、事で!四つ目は、努力しない奴!」
「ネーミングセンス!?無知でいいじゃん!」
「いや、無知はしょうがないよ。知らないんだもん。生まれながらにして人は、全てを理解してる訳じゃないんだしさ。つまりその後の行為が大事なんだよ。自力で無知を克服しようとする行為さ!辞書を引いたり、説明書を読んだり、その他諸々の努力する事が大事なんだよ!それを怠るなんてけしからんよ!」
「お前がそれ言うかねぇ。言ってしまうのかねぇ。にしても、努力しない奴って、真・七つの大罪に、奴って入っちゃうの?」
「入りやす!」
「・・・・・・ま、まあいいや。いいよ。」
「あっ!お前の今の態度で五つ目閃いた!」
「俺の態度で?」
「ズバリ五つ目は!妥協!」
「いやちょっと待てよ。したよ?確かに今、妥協したよ。でもさ。妥協は必要だろ?妥協によって争いが争いにならないで済む場合だってあるだろ?」
「妥協するぐらいなら争うべきだ!!」
「良かったぁ。お前がこの国の最重要ポストじゃなくって。」
「意見をぶつけ合って!理想や夢を追い求めて!人は生きるべきなんだ!妥協するぐらいなら!戦争したっていいし!恋愛しなくたっていいし!会社辞めたっていいんだよ!そうした中で人は過ちに気付き、後悔に学び、先に進めるのさ!なのに!後悔をする前に!妥協と言う大罪を犯す大馬野郎どもには!神の裁きをーっ!」
「なぁ?なあなあ、お前、恐いってば。恐いよ。恐い恐い。分かったよ。分かった分かった。五つ目は、妥協だよ。妥協。それがいいよ。いや、それしかないよ。」
「よし!じゃあ、残り二つだな。」
「欲、愛、横入り(縦入り)、努力しない奴、妥協。何かすげぇな。何がって、聞かれたらよく分からないけど、とにかく何かがすげぇよ。」
「この喫茶店で、この真・七つの大罪の話をして分かった事がある。」
「何?」
「こんだけ俺達が必死になって、真・七つの大罪を決めてるってのに、他の客はどうだ?全く知らんぷりだよ!!」
「そりゃあ、俺達だけで決めてるからな。他の客が知らんぷりなのは、妥当だよ。むしろそれが普通だよ。そこが喫茶店のいいとこだよ。」
「こう言うの何て言ったっけ?」
「こう言うの?」
「ほら、ただただ見てるだけ的な行為。」
「傍観?」
「そうそう、傍観だ!」
「お前、ちょくちょく努力しない奴の大罪犯してるからな?」
「では、六つ目の大罪は、知らんぷり、で!」
「傍観の下り何だったんだよ!」
「いや、よくよく考えたら傍観だと視覚的な事に縛られるかな?と思ってさ。ほら、こいつら聴覚的な感じだしさ。」
「こいつらとか言うな。この人達は、全く関係ないからな。お前が勝手に始めた事に巻き込むなよな。」
「最後かぁ。」
「マイペースを入れた方がよくないか?なあ?」
「却下!」
「早っ!?」
「急にカタカナは、ちょっと?」
「何そのルール?横入り(縦入り)よか、だいぶましだろ?」
「てか、つか、そのマイペースって、あれだろ?今までの俺を見ての意見だろ?そうやってさ。色眼鏡と自分の物差しでの意見は却下だよ!もっと客観的にだよ!」
「いや別にそんなつもりじゃないよ。」
「そうか!七つ目が決まったよ!いいヒントをありがとう!」
「何?決め付け、とか?」
「色物差し!」
「何それーっ!!この流れがあるからそれ理解出来るけど、初めて耳にした人は文具的な情報以外、何の事だかさっぱり過ぎるだろ!いちいち説明しなきゃならなくないか?」
「まあまあまあ、ほら遊びなんだからさ。」
「ま、まあな。そう言われたら黙るしかないよ。」
「よし!これで真・七つの大罪は完成ーっ!」
「欲、愛、横入り(縦入り)、努力しない奴、妥協、知らんぷり、色物差し、か。」
「はあ、すっきりした!じゃあ、次の解決出来なかった浮かんだ考え事ね!」
「まだ、あんのーっ!!?」

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