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2011年1月12日 (水)

「第二百三十九話」

「本当ですかぁ?本当は、盗んだんじゃないですかぁ?」
「君ね?何で私が、自分で盗んだ財布を、わざわざ拾得物として交番へ届けに来なきゃならんのだ。」
「盗んだはいいけど、途中で恐くなって、交番へ自首しに来たんじゃない?」
「じゃない!何だ君は!何なんだ君のその態度は!人が親切に落とし物を届けに来たと言うのに!それが警察官がとる態度かね!だいたい私は、社長だよ?社長が君の言ってるような事をすると思っとるのか!」
「社長とか警察官とか、犯罪すんのに職業は関係ない!!」
「・・・・・・・・・う、うん、いやまあ、ごもっともなのは他ならないんだが、何でそんな、してやったりの顔するのだ?それとこれとは話が別だろ!」
「社長、社長、社長って!そんなに社長が偉いんですか!」
「いや、そんな全面に私も社長を押したつもりはないよ。」
「社長、社長、社長って!偉いのは社内なだけで!社外じゃ単なる人だ!」
「私、何かそんなに権力を振りかざして真実をねじ曲げるような事を言ったか?」
「社長、社長、社長って!ちっちゃい、や、とちっちゃい、よ、を取ったら!しちう、じゃないか!」
「しちう、だよ?しちう、だけど、それが何か?そこで何かの言葉に変わるなら話も分からないでもないが、しちう、ってねぇ。ねぇ君?もう私には、君の言ってる事の意味がさっぱりだよ。」
「ハッピーバースディ!!」
「どうしたの急に?誰の?そして、何故このタイミングで?」
「誰かの!!」
「とりあえず私は、もう無茶苦茶で滅茶苦茶なこの場に1秒たりとも居たくはないのだよ。だから、財布を置いて去る事にするのだよ。」
「大脱走ですか!」
「誰が穴掘って逃げようとしてる!脱走って何か?では、私は既に獄中か?」
「このアルカトラズ交番に来た時から既に、貴様は獄中もいいとこだ!!よーこそ!アルカトラズ交番へ!」
「インフルエンザか何かな?でなきゃ、君のその理解不能な言動を理解出来んよ。」
「本官!学生時代、健康診断は、常に学年トップでした!」
「遠い昔の話をされてもだよ。日々、変わり行く健康状態を皆勤賞的な具合に言われてもだよ。」
「皆勤賞って別に健康じゃなくても出来るからね!」
「何その屁理屈!?」
「砂糖不使用って書いてあるけど、しっかり甘味料使用してるからね!」
「何の方向に話が向かいつつあるんだい?」
「江戸時代って言ってるけど!それって人間が勝手に言ってるだけだからね!」
「何目線?」
「杉目線です!」
「あのね。私は、財布を拾ってさ。交番へ届けに来ただけなんだよ。いっぱい、いっぱい訳の分からない事を聞かされに来た訳じゃないんだよ。だから、もうふざけるの止めにしないかね。」
「じゃあ。」
「で、手錠はおかしいだろ!」
「何でですか!本官は!悪いヤツに!この正義の手錠をかける為に!こうして警察官になったんですよ!」
「志と現状とのギャップあり過ぎだろ!」
「な~んだ社長!」
「何だ?」
「またまた~!」
「だから、何がだ。」
「すっ惚けちゃって~!」
「何をだ。」
「社長も一丁前に杉目線の話をしてるじゃないですか!友よ!そして、薄らハゲよ!」
「両手でしっかり握手やめーいっ!過ぎだ!過ぎ!何々し過ぎの過ぎ!誰が杉の話なんてするか!で、何かちょくちょく私を侮辱するような言葉をサブリミナル効果的に織り混ぜていたろ!!」
「置いといて!」
「確かに!確かにオーバーアクションで分からず屋の君に説明したが!決してジェスチャーゲームなどではなーい!」
「杉!!」
「だから違うと言っているではないか。で、もはや杉って言いたいだけではないか。頼むよ。頼むから、財布を拾った経緯とかを、ちゃんと聞くなら聞いてくれよ。で、ちゃんとする気が更々ないなら、私をもう、この異世界から解放してくれよ。」
「頼まれた!」
「うむ。頼むよ。頼んでしまうよ。そりゃあもう、こうして頭を下げるしかないだろ。」
「頭を上げて下さい社長。本官、別に今まで寝ていた訳ではありませんが、目が覚めました!」
「そうか。それは良かった。本当に良かった。薄らハゲてる頭を下げた甲斐があったってものだ。」
「社長!諦めないで下さい!人は猿から進化したんです!ハゲも再び人に進化する可能性だってあるんです!」
「ハゲも人だ!そもそも私は、薄らだ!6割フサフサだ!」
「3割!」
「6割!」
「4割!」
「6割!」
「5割!もうこれ以上は無理ですよ!社長!これ以上は本官も無理です!」
「人の頭髪割合で遊ぶな!と言うか目が覚めたんじゃないのか?」
「失礼。お遊びが過ぎました。」
「過ぎって言って笑いを堪えてるのは、ギリギリセーフとして、さっさと始めてくれたまえ。」
「では、社長。お聞きします。」
「うむ。そもそも、財布を拾ったのはだね。」
「社長!」
「ん?」
「違いますよ!」
「違う?何が違うと言うのだ?財布を拾った経緯を聞きたいのだろ?」
「本官は、そんな事を聞きたいんじゃないんですよ!」
「おいおいおい、ちょっと待って下さいよ?何やら、何やらな空気になって来たんじゃないですか?では、いったい何が聞きたいと言うのだね。」
「本官が聞きたいのは、最後に社長が何を食べたいのかです!」
「死刑じゃん!交番へ財布を拾って届けに来ただけなのに、いつの間にやら死刑って君!!」
「死刑じゃありませんよ。ほら、調書の最初の質問にそう書かれてるんですよ。本官は、職務を真っ当しただけなのに、その言われようは心外だな!」
「心外だなって、ああ、本当だ。そう手書きで書かれてあるね。ついでに、死をもって罪を償う人用って、手書きで書かれてあるね。すまんすまん。私の勘違いだったね。」
「でしょ?」
「って、これは君がチラシの裏に手書きで作った書類だろうが!!」
「まあ、気にしないで続き行きますよ?」
「この状況で、誰が何を気にしないでいられる?だまし絵だらけの交番内からして気になるだろ!!」
「質問その2!希望の執行方法は?」
「斬新!?斬新過ぎな質問だな!」
「斬新杉で撲殺、と。」
「もう、斬と杉で撲殺で、ややこしいし、今んなって注目してみたら、服着てないじゃん!書いてんじゃん!」
「まあまあまあ。質問その3!森を歩いていたら、動物と出会いました。」
「ここへ来て何で心理テストなのかね?」
「その動物と色は?」
「答えて何か私に得があるのか?」
「動物と色は!!」
「そもそも前の2つの質問には答えてないのに、何でここだけそんな強い口調?」
「ほら!」
「・・・・・・・・・青いキリン。」
「貴方は、頭がおかしいです。」
「動物が何で!色が何なんじゃないのか!ただただ、ただただ人を侮辱する為だけの!その為だけに聞いたのか!」
「まだまだ続きますよ?質問その4!」
「いや、ちょっと待ってくれないか?私は、あとどれぐらいこの茶番に付き合わなければならないんだ?」
「貴方が橋の上で拾った物は?」
「とほほ。この歳で娘以外に無視されるとはな。何?橋の上で拾った物?財布だよ!財布!実際、私は橋の上でこの財布を拾ったのだよ!」
「普通、と。」
「何だ?何だ普通って?面白回答しないとダメなのか?したらしたでおそらく侮辱されて、普通に答えたら答えたで侮辱されて、そもそもが貴様の存在事態が人を侮辱しているんだーっ!!」
「ふっふっふっふっ!」
「何が可笑しい?」
「そうだ!私は怪人侮辱だーっ!」
「やるならちゃんとやるべきだろ。何で、お品書き見ながら棒読みだ!って、ちょっと待ちたまえ!」
「何でしょう!」
「何でお品書き?」
「お腹減りません?」
「・・・・・・・・・確かに。」
「社長、何にします?僕は、カレーうどん。どうぞ。」
「そうだなぁ?って、デッカイ字で、カレーうどんとしか書かれてないではないか!」
「嫌いですか?カレーうどん。」
「嫌いじゃないよ。カレーうどん。どちらかと言えば好きだよ。カレーうどん。」
「じゃあ、カレーうどん、&!」
「&?&って、カレーうどんだけなのだろ?それとも何か?カレーうどん以外に他にも」
「カレーうどんで!」
「言い回し!」
「足りるかなぁ?」
「その財布のポテンシャルに期待してはダメだろ!」
「いんですよ。」
「はあ?」
「だってこれ!」

第二百三十九話
「本官の財布」

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