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2011年4月 6日 (水)

「第二百五十一話」

「えっ!?」
何だ!?何でだ!?僕は確か・・・トイレで漫画っぽいのを読みながら、ウンコ的なモノをお尻の穴みたいなトコから出す作業をしてたはずなのに!?なのにここは!?ここは!?ここはまるで!?
「戦場じゃないかぁぁぁぁぁぁ!!」
思わず叫んじゃったけど、思わず叫んじゃうのは、僕の癖のようなモノだから仕方ない。でも、一体全体ホントにどうなってんだ!?僕は、どうなっちゃったってんだっ!?
「伏せろ!!」
「うわあっ!?」
何だ?急に兵隊さんが駆け寄って来て、僕を押し倒した!?
「バカヤロウ!!死にたいのか!!」
「死にたくないです!」
僕は素直に、それはそれは素直すぎるぐらいに、兵隊さんへ今の自分の嘘偽りない気持ちを伝えた。そうか、この兵隊さんは僕を助けてくれたんだ。なら、ここはマナーとして感謝の言葉を述べねば!
「ありがとうございました。」
「戦場のド真ん中でクソするヤツがあるか!気でも狂ったか!」
ああ、夢なんだコレは!きっと僕は、不覚にもウンコ的なモノをお尻の穴みたいなトコから出す作業中に居眠りぶっこいちまったんだ!じゃなきゃ、でなきゃ、この状況、辻褄が合わない!そうだ!なら、この兵隊さんの頭をひっぱたいてみればいいんだ!
「失礼します。」
「何だ??」
いや待てよ?兵隊さんの頭をひっぱたいてどうなる?これが夢でも現実でも、僕は高確率で、撃ち殺されるのがオチじゃないか!危ない危ない。何を考えてんだ僕は!まず、兵隊さんの頭をひっぱたくだなんて発想を閃いた自分が恐いよ。ああ、恐い恐い。
「痛っ!?」
「えっ!?」
「貴様!いきなり何をするんだ!」
しまった!考えを張り巡らしてる事に集中しすぎて、振り上げた手を振り下ろさないように止めるのをついつい忘れてた!?終わりだ。これが現実だとしたら、僕はなんて間抜けでうっかりな死に様なんだ。せめて、せめてパンツを履いて死にたかった。
「痛っ!?」
ええっ!?ひっぱたかれましたよ!?頭ひっぱたかれちゃいましたよ!?お返しされた?お返しをされたって事なのか?何でだ?何で撃ち殺さない?まさか僕は、殺す価値すらない人間って事なのか?パンツを履いてないからか?
「弾切れでなければ、撃ち殺しているとこだったぞ!」
ああ、なるほど。そう言う事か。だからって、ひっぱたく事はないよな。うん、それは間違いだよ。人の頭をひっぱたいちゃいけないよ。まあでもここは、最初に人の頭をひっぱたいたのは僕なんだし、謝るのがマナーってもんだ。
「痛てぇなコノヤロウ!!」
の前に、頭をひっぱたく力×振り下ろす速度-ヘルメットの吸収率の痛み分をお返ししといた。それもまた、マナーってもんだ。
「何をするんだ!」
「あ痛っ!」
この兵隊さん!?もしかして、回数派の兵隊さんか?ダメージ均等派でなく、回数派って事なのか?だったらこれは、かなり面倒臭いぞ?面倒臭い事態だぞ?ヘルメット分だけ、回数でいくと明らかに僕が痛み損する計算になる。しかも、しかもだ!ヘルメットをひっぱたくのは、手の平にも結構なダメージを負う。どうする?説明するか?ダメージ均等論を兵隊さんに詳しく説明するか?2、3時間かけて詳細に説明するか?だが、そんな事よりもだ!こんな事なんかよりもだ!痛覚が正常に機能してるって事の方が重要だ。つまり、一般論で言うなれば!これは、夢じゃなくて現実だって事だからだ!ここが、リアル戦場だって事だからだ!
「ごめんなさい。」
とりあえず謝っておこう。ここは、素直すぎるぐらいに謝罪する。それがマナーだ。
「精神が錯乱するのは分かるが、気を付けてく」
「えっ!?」
兵隊さんが、話し終わろうとした瞬間、何かが兵隊さんの右目から入り、その何かが後頭部から出ていった。
「ちょっ!?」
兵隊さんは、僕にもたれ掛かるようにして、そして、息絶えた。
「ちょっと、嘘だろ?何だよ!何なんだよ!何だよぉぉぉぉぉぉ!!」
叫んだ勢いで力みすぎたのか?それとも単なる便意なモノなのか?なぜ、ウンコ的なモノがお尻の穴みたいなトコからニョロッと出たのかは、分からない。
「はっ!?」
そして、ポチャンって、ウンコ的なモノが水の中に落ちる音で、僕は目を覚ました。
「ゆ、夢!?」
目覚めた時にかいてた汗の量で、その夢の悪夢具合が分かるって言うけど、この汗が夢による汗なのか?ウンコ的なモノをお尻の穴みたいなトコから出す作業時に流れ出た踏ん張り汗なのか?まあ、それも今となってみては、どうだっていい事だった。
「まったく・・・・・・・・・。」
まったく、まったくだ。ここで、まったくって言葉を使わなきゃ、いったいいつ、まったくって言葉を使えばいいんだってぐらい、まったくだった。だけどそんな事より、早くウンコ的なモノで汚染されたお尻の穴みたいなトコを拭いて、トイレから出よう。そして、シャワーでベタついた体を洗い流そう。
「ん?これは!?」
だが、事態は急変した。トイレットペーパーへ差し伸べた手には、ドックタグが握られていたからだ。それを目にした瞬間、僕の中の全細胞から何か言いようのない複雑に混じり合った感情が溢れ出て来て、喉の奥の方で言葉とそれが融合し、物凄い爆発を引き起こし、勢いよく口から放出された。

第二百五十一話
「うぉぉぉぉぉぉぉ!!」

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