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2011年4月20日 (水)

「第二百五十三話」

「どう言う事なんだ博士!」
「先程、お電話でお話した通りです、長官。」
「信じられん!信じられんよ!」
「私だって気持ちは、同じです。」
「とんだ不良品を作りおって!これは、大問題だぞ!」
「不良品?お言葉ですが長官!地球防衛ロボは、完璧な代物です!」
「ふざけるな!なら、どうして暴走したんだ?完璧な地球防衛ロボが!なぜ、地球破壊ロボに変貌してしまったんだ?前代未聞だぞ!」

第二百五十三話
「地球破壊ロボ」

「地球防衛ロボのプログラミングは、完璧でした。なぜ、暴走をしてしまったのかと聞かれたら、こう答えるしかありません。」
「・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・・・・・・・。」
「もったい付けずに言ったらどうなんだ?」
「自我が目覚めたんです!」
「自我だと!?そんな馬鹿な!」
「いいえ、長官。プログラミングは、完璧だと言いましたが、そのプログラミングが完璧すぎたんです。間違いありません!地球防衛ロボは今!暴走しているのではなく!自らの意志で地球破壊ロボへとなり!地球を破壊しようとしているんです!」
「百歩譲って博士、キミの話が事実だとしよう。だが、それでも状況は何一つ変わらんのだよ。」
「それは、どう言う意味でしょう?」
「キミは、不良品を作ってしまったと言う何一つ変わらん事実だよ!」
「不良品?これは奇跡ですよ!完璧な人工知能!自我で動くロボ!我々は今!数年、数十年、いや!数百年の進歩を!数千年の進歩を目の当たりにしているんですよ!」
「ふざけた事を抜かすな!」
「!?」
「地球を破壊しようとしていると言うのにか!それが奇跡か!それが進歩か!何が奇跡だ!何が進歩だ!ふざけるな!」
「・・・・・・・・・分かっていますよ。分かっているんですよ、長官。」
「地球防衛ロボの発表会を明日に控えていたと言うのに、これでは始めからやり直しだ。いや、こんなあってはならん事故が起きてしまったんだ。地球防衛ロボ導入案は、当面先送りか、最悪の場合、破棄されるだろう。だが、その前に我々は!暴走した地球破壊ロボをなにがなんでも絶対に止めなければならんのだよ!」
「それは、地球防衛ロボを破壊しろと?」
「それ以外に選択肢があるのか?」
「ま、待って下さい、長官!地球防衛ロボが地球破壊ロボになったからと言って!被害は、まだ出ていません!」
「キミは、ロボット工学の権威である以前に、一人の人間ではないのか?被害が出てからでは遅いのだよ!地球防衛ロボが!どれだけの兵器を仕込んでいるのか一番理解しているだろ!人が死んでからでは!町を破壊してからでは!取り返しがつかんのだよ!」
「・・・・・・・・・・・・・・・。」
「早急に!地球防衛ロボ2号機を地球破壊ロボと化した1号機の元へ向かわせ、破壊するんだ!それでも破壊出来ないと言うのなら、構わん!3号機、4号機、場合によっては、救助用の5号機、無人探索用の6号機も向かわせろ!とにかく!全力を尽くしてなんとしてでも地球破壊ロボを破壊するんだ!」
「5号機及び6号機は、現在調整中で出動不可能です。」
「だったら、残りの3機を動かせばいいだろ!パイロットは待機させているんだろ?」
「勿論です。」
「だったらここで悠長に卓上の対策論を練る前に動かさんか!」
「・・・・・・・・・・・・・・・。」
「どうした?まさか!?出動出来ないのか?」
「2号機~4号機は、1号機により破壊されました。修復には、かなりの日数が掛かります。」
「なんて事だ・・・・・・・・・。」
「想定外でした。」
「想定外?想定外だと?これ以上ふざけた事を抜かすと、その男前の顔が変形する事になるぞ?」
「・・・・・・・・・。」
「いいか?ここまで!いや、これ以上の想定を乗り越えてこその地球防衛ロボ計画なのだよ!」
「お言葉ですが、長官!それには予算が!」
「ならやめてしまえ。」
「えっ!?」
「想定以上の想定を乗り越えられないようなら、人々の平和を1%でも脅かす確率を弾き出すなら、目に見えない何かを言い訳にするなら、やめてしまえ。そんなもんは、この世に必要無い。運に任せた計画など、未来の誰かがどこかで犠牲になるやもしれん計画など、誰も望んではいない。そんなギャンブルに、命を賭けてまで付き合いたい国民などおらんのだよ。作る側に正義の心が無くて、何が地球防衛ロボだ!土壇場で自分の命がかわいいなら、名前も顔も知らない人々の平和な暮らしを守る仕事などやめてしまえ!」
「・・・・・・・・・・・・・・・。」
「と、本来ならキミの顔を殴り飛ばしたいとこだが、その手にキミの正義が握られている以上、それは出来ないな。立場や誇りが邪魔して、キミが押せないのなら、さあ?私が押そうではないか。」
「・・・・・・・・・・・・・・・。」
「その緊急停止スイッチを渡しなさい。今ならまだ間に合う。」
「し、しかし・・・・・・・・・。」
「渡せと言っているのが聞こえんのかっ!!」
「・・・・・・・・・・・・・・・ですがこのスイッチを押せば、地球防衛ロボは、大気圏を抜けて宇宙の塵になってしまうんです!」
「貴様っ!!」
「うっ!?」
「・・・・・・・・・何を言っているんだね?えっ?博士。」
「・・・・・・・・・な、なぜ笑っているんです?てっきり、殴られるのだと。」
「言っただろ?キミの手に正義が握られている以上、キミにまだ正義の心がある以上、殴らないとな。博士?壊れたらまた、作り直せばいい。ただそれだけの話ではないか。」
「長官・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・どうぞ。」
「うむ!・・・・・・・・・さらばだ。地球破壊ロボ。いや、地球防衛ロボ1号機よ・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・レーダーから地球防衛ロボ1号機の反応が消えました。緊急停止確認。成功です。」
「そうか。」
「長官?」
「何だね?」
「これから、長官はどうなるんです?」
「さあ?おそらく今回の責任を取らされるだろうな。まあ、丁度いい機会だ。この老体もあちこちガタがきてたんでな。そうだなぁ?これからは、美味しい野菜でも作って、のんびり暮らすとするかな。」
「責任なら私にも!」
「キミには、何の責任もない!」
「えっ!?」
「もしも、責任を感じているのなら!その感情を、100%完璧な地球防衛ロボ作りへと向けなさい!そうしたら、私も安心して美味しい野菜が作れると言うもんだ。」
「長官・・・・・・・・・。」
「それと博士?」
「はい。」
「実は私は、ここへ来る途中にキミからの電話を受けたんだよ。」
「ここへ?どうりで早い到着だと思っていたんですよ。でもなぜです?確か地球防衛ロボは、明日の朝までにそちらへ運ぶ予定だったはずですが?」
「暴走した事に対して向けて放った大問題と言う言葉は、本来なら別の事に向けるべき言葉だったって事だ。」
「と、言いますと?」
「チンチンミサイルって?」
「チンチンミサイルは、チンチンミサイルですよ?チンチンがミサイルなんです。チンチン部から放たれるチンチン状のミサイルって事で、チンチンミサイルなんですけど?何か大問題でも?」
「大問題だろ!!」

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