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2011年5月11日 (水)

「第二百五十六話」

「ポッポポッポーッ!」
汽笛を鳴らしながら、汽車は桜並木を通り、トンネルの中へと姿を消して行った。
「相変わらずだなぁ。」
「あの気の抜けた汽笛を聞くとまた、1週間が始まったんだと、実感しますね。」
「ええ、と同時にあのズッコケな汽笛を次に聞けるのがまた、1週間後なんすよねぇ。」
「そうですね。」

第二百五十六話
「汽車は7日に1本」

「駅長。」
「誰がエキオサだゴラッ!」
「どんなトリッキーなツッコミですか!確かに駅長をエキオサとも読めますけど、エキチョウと言いました!エキオサと言う訳がないんだまず!んで、キャラ変わりすぎでしょ!」
「何ですか?」
「何事も無かった感が勇ましい。いやあ、暫く駅も暇ですね。」
「そうですね。なら、こんな遊びはどうです?」
「ん?遊びすか?」
「汽車の未来形を考えるんです。」
「未来形?」
「ええ、この先、汽車はいったいどんな風に進化して行くのか?未来の汽車を想像するんです。」
「面白そうですね。やりましょうか!」
「ではまず、サブキャラから、何かありますか?」
「サブキャラって、こんなに主役と同じぐらい会話するサブキャラ居ますかねぇ?そうですねぇ?まず、あの煙は無くなるんじゃないですか?」
「ゴラッー!!!」
「な、何ですか!?」
「私もサブキャラだーっ!」
「どんなトリッキーな新事実ですか!って、どうしたんすか!」
「キミが、明日みたいな事を言っているからですよ!」
「明日!?」
「いいですか?私が言っている未来形と言うのは、もっともっともっーと、先の未来の話ですよ!」
「いやそのルール知らなかったし!だったら、駅長から言って下さいよ。」
「そうですねぇ?おそらく、おそらくですよ?」
「はい。」
「亜空間転移装置の技術向上により、汽車はワープするんじゃないんでしょうか?更にですよ?更に時空間転移装置の開発が進み、時空間をも自由に移動出来たりするんじゃないんでしょうか?」
「駅長?」
「はい。」
「それは、何千年先の未来の話ですか?何々転移装置って単語がチラホラさも現状で開発されてる体で話してますけど、無いでしょ!そんなん!」
「あるでしょ!年末頃には、小型時空間転移装置が発売されると私は!週刊掃除機で読みましたけど!」
「汽車の未来形の話すんのに、駅長まで同時に同未来へ、ブッ飛んでっちゃってどうすんですか!だいたい、何で駅長の未来では、掃除機に時空間転移装置を付けるんですか!しかも週刊って、掃除機がそんなに重宝されつつ!片やタイムマシーンが完成されつつある未来なんて僕は認めない!」
「キミが認めようが認めまいが、定められた運命は変えられないんですよ。まあ、2億年経てばキミも嫌でも分かります。」
「遠っ!?考えてた以上に遠っ!?生きてるかっ!」
「遠い?確かに、2億年先の未来は遠いです。しかしどうでしょう?2億年後のタイムマシーンが完成されている未来からしてみれば、2億年前にやって来るなんてのは、隣人に醤油を借りに行くよりも簡単な話です。」
「じゃあ何ですか?その2億年先の未来から汽車でやって来た人間が、未来の技術を提供してくれたり、2億年後の未来に僕や駅長を連れて行ってくれるって話ですか?」
「それはダメです!」
「何でですか!」
「未来の時間法では、過去へ現在や未来の情報を提供してはならない。過去や未来の人間を時空間移動させてはならないと!そう定められているからです!なぜなら、そうなぜならば!そうしなければ、歴史が変わってしまうからです!」
「あのう?」
「分かっています!キミの言いたい事は!確かにそれで全てが悪い方へと流れが変わってしまうとは、断言出来ません。より良く流れが変化するかもしれません。しかし!しかしですよ!歴史を人の手で殺めて良いものではないんです!」
「いや、これっぽっちも分かってないじゃないですか僕が言いたい事を!何ですか?歴史を人の手で殺めちゃいけないとか?時間法とか?駅長!僕らは汽車の未来形の話をしてるんですよね?SF小説の話を考えてるんじゃないですよね?何をそんなに熱く語っちゃってんですか!」
「駅長だけに?」
「はあ?」
「1人で突っ走っちゃったっ、てか!」
「てか、じゃないですよ!てか、じゃ!全然面白くないですから!」
「空、飛びますね。」
「何を言ってんです?」
「汽車、空飛びますね。」
「ああ、物凄く強引に話を戻したんですね。」
「どうです?」
「空、ですか?飛びます?空。」
「空、飛びますよ!じゃなきゃキミ!宇宙海賊や宇宙怪獣と我々人類は!いったいどうやって戦って行けばいいと言うんですか!」
「ええっ!?今度はそっち路線ですか!?いやでも駅長?宇宙海賊や宇宙怪獣が居たとして、地球に攻撃を仕掛けて来たとしてですよ?何もわざわざ汽車で戦わなくたっていいんじゃないすか?だったら、何かスーパーロボット的なモノを戦わせましょうよ。」
「私だって!出来れば地球侵略を目論む外敵と!スーパーロボットとを戦わせたいですよ!しかしね!しかしだよキミ!今は、汽車の話をしているんですよ!」
「どんな縛りですか!」
「だからさぁ。汽車がスーパーロボットに変形するってのはどうです?」
「優しい微笑み!」
「どうします?汽車がそのまま変形すんのと、複数の汽車が合体すんのと、迷いますねぇ!」
「少年かっ!その目の輝きは!てか、外敵が来て、汽車が出動するなら分かりますけど、その場で汽車が変形や合体したら、乗客の皆さんはどうすんですか!」
「先生来たっ!」
「修学旅行かっ!誤魔化し方までトリッキーすぎですよ!」
「じゃあ!どんな進化をすればいいんですか!」
「何で怒ってるんすか?だから、空を飛ぶとかワープとかまではいいんですよ。そっから余計な時空間転移装置やら宇宙海賊やらが出て来ちゃうからダメなんすよ。あくまで汽車だけの事を考えないと。」
「ああっ!」
「そんな典型的な納得の仕草する人、現実世界でお目に掛かれるとは思いませんでしたよ。」
「燃料が地球に優しくなりますね。」
「急に現実的!?まあでも、その辺からかもしれませんね。地球に優しいと言うならやっぱり、自然エネルギーですかね?クリーンエネルギーって言うヤツですか?」
「汽車型掃除機です!」
「まさかのここへ来ての汽車と掃除機が繋がるとは!?って、ゴミを燃料に走るのは分かりますけど、汽車型掃除機って、掃除機じゃないですか!」
「まあしかしアレですね。ゴミを燃料って考えは非常に宜しいですが、やはり排出される物質の事も、もっと考慮した方が、私は宜しいかと?」
「何か僕の意見みたいになってません?でも駅長?何かを燃料にする以上、何かを排出するのは、避けられませんよ?」
「ある!!」
「そんなメチャクチャ胸張って断言出来るエネルギーありましたっけ?」
「念動力!」
「はあ?」
「簡単な話ですよ。人の念動力で汽車を動かせばいいだけの話です。」
「物凄く難しすぎる話ですよ。」
「なぜですか?我々が放つエネルギーですよ?これはある意味!自然のエネルギーすらも必要としない無エネルギー!超クリーンエネルギーで!超自家無限エネルギーではないですか!!」
「その握りこぶしは、いったいどっから来るのでしょう?使えればね!念動力使えればそうでしょうよ!けど使えません!悲しいかな我々人類は念動力を使えないのです!だからこそ、何かのエネルギーに頼っているのですよ!」
「えっ?キミ、念動力使えないの?」
「使えませんよ!駅長だって使えないでしょ!」
「使えてたら今頃スターですよ!念動力御殿ですよ!」
「いや逆ギレ具合がトリッキーすぎでしょ!」
「もうつまりあれですね。汽車は、汽車って事ですね。」
「元も子もない事をサラッと言ってしまう感が勇ましい。って、駅長?」
「何ですか?」
「そんなこんなで、そろそろ木星から旅客型スペースシップが到着する時間です。」
「いつの間にやらそんなに経っていましたか。」
「みたいですね。」
「さてと、では重力安定装置の準備を!」
「了解です!」

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