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2011年9月28日 (水)

「第二百七十六話」

「ボツ・・・・・・・・・。」
「いやいやいや、そんなしんみりとしめやかに言わなくたっていいだろ?分かってるよ。」
「別に・・・・・・そんな言い方してない。これが普通なんで・・・・・・・・・。」
「メイドだったら、もちょっと、ニカ~っと笑うとか出来ないのかなぁ?」
「変態じゃないので・・・・・・無理。」
「いや、変態じゃないし!ニカ~って笑うのが変態だってルールないし!しかも遠回しにと言うか!考え方によったら直接僕の事を変態扱いだし!」
「そう言うのがいいなら・・・そう言うにすればいいと思う。」
「いやいやいや、キミでいんだよ。いや!キミがいんだよ。」
「・・・・・・・・・気持ち悪い。」
「ん?んん?何が?何が気持ち悪い?あのさぁ?キミさぁ?ちょくちょく何かがおかしいよ?」
「で?」
「ああ、だから、僕みたいな物書きさんは、メイドメイドしてるメイドより、メイドメイドしてないメイドの方が、落ち着いて物書きに専念出来るってもんなのさ。」
「小説家・・・だったんですか?」
「干渉しなさ過ぎじゃない?何だと思ってた訳さ!小説家ですよ!」
「小説家って・・・・・・ボツ作品しか書かなくても・・・・・・なれるんだ。」
「えぐるねぇ!今日もえぐって来るねぇ!って、しかじゃない!しかじゃ!今回だけ!前回のスーパーロボットの話は、ボツじゃないの!」
「ああ・・・あの・・・その前の作品と・・・終わり方が同じヤツ・・・・・・か。」
「そー言う事は、思ってても口に出しちゃダメ!だいたいキミに読ました時、ちょくちょく笑ってたじゃないか!ボツな訳がないだろ!」
「あれは・・・・・・窓の外で時折・・・・・・葉っぱが揺れてたから・・・・・・。」
「ねぇ!何以下?僕の短編小説は何以下なの?葉っぱ?そよ風?窓?それとも?」
「強いて言うなら・・・・・・・・・。」
「いい!いいよ!いいから!頼むから言わないでくれ!聞いたら絶対、数日間は眠れなくなると思うから!」
「お薬・・・ご用意・・・致しますか?」
「いや、まだ大丈夫だから、辛うじてね!それよりこんな無駄なやり取りよりもだよ。キミは、何も感じないのか?」
「死ねばいいと思う。」
「えっ?誰が?僕が?」
「・・・・・・・・・・・・・・・。」
「そのたまに無言で憐れむような目で人を見る癖、やめた方がいいよ。」
「・・・・・・癖じゃないから、これ。」
「だったら、なおのことやめーいっ!僕が死んだってキミに何のメリットも無いだろ?メリットの無い死んでくれ願望ぐらい無意味なもんはないんだよ!」
「・・・・・・・・・これ。」
「人のボツ作品を勝手に無意味化するなーっ!いいか?よーく聞けよ!ボツ作品にも意味があるんです!そこにはボツじゃない作品には無い!とてもとても大事な意味があるんです!それは教訓とアイデアです!」
「チーズとトマト?」
「そのちょくちょくイタリアンの事を考えながら人の話、聞く癖、良くないと思うなぁ~。美味しいイタリアンな料理の話なんかしてないーっ!」
「で?」
「ああ、だから、ボツ作品からはさ。学ぶ事が多いって言いたいんだよ。まさに宝の山!」
「・・・・・・学んでばっか。」
「今のは聞き流すとしてだ!いいかい?なぜ、今回の作品をボツにしたのか?当たり前のようだが!その当たり前が肝心要なんだよ!」
「・・・・・・力量不足。」
「ふっふっふっふっふっ。」
「変態?」
「誰が変態だ!と言うか、今ので僕が落ち込むと思ったら、大間違いだーっ!なぜならそれは?僕も考えていた事だからだーっ!」
「指・・・差さないで。」
「あ、ごめん。」
「で?」
「ああ、だから、まさに今回の作品のボツ化は、力量不足だったんだよ。」
「それで?」
「どんでん返しのどんでん返し、更なるどんでん返しのどんでん返しを狙ったからボツったのだよ。そんな高等技術に挑戦したのが、そもそもの大間違いだって訳さ。」
「・・・・・・・・・高等技術?」
「これは、子供がいる未来を疑似体験する男の話。そして、子供がいる未来を疑似体験する男が使う、その疑似体験装置を作った博士になったと言う男の疑似体験の話で、更にこれは、子供がいる未来を疑似体験する男が使う、その擬似体験装置を作った博士になった男の疑似体験をしている小説家になった疑似体験をしてる疑似体験を書いている私の話を読んでいるアナタの疑似体験って話。」
「意味が・・・よく分からない。」
「だろ?分からないだろ?自慢じゃないが僕も分からん!今の説明であってるのかすらもだ!でも、何かそれなりに良さそうな作品になるんじゃないかって空気を醸し出しつつだろ?いや、結局はさぁ。読んでる読者自身が疑似体験で、この作品を作り出してんだぜ?って、感じに書きたかったんだけどね?いやいや、ところがだよ。びっくりした事に、無理なんだよ。無理だったんだよねぇ。僕には、そんな高等技術のどんでん返しに次ぐどんでん返しの連発な短編小説を書くのがさ。」
「あっ、聞いてなかった。」
「それ、ダメだからな!ちょくちょくやるけど!メイドとしてじゃなくて、人として一番やっちゃダメな事だからな!」
「・・・・・・壁あっち。」
「僕は何ですか!とても淋しい人なんですか!それともボツ作品を書き過ぎて、遂にイッちゃった人なんですか!って、誰がボツ作品の書き過ぎだーっ!って、何でクルッとしちゃう?壁の方に体を何でクルッとしちゃう?」
「まあ・・・・・・何と無く。」
「何と無くで壁の方に体をクルッとさせちゃうなら!むしろキミがイッちゃってるぞ!」
「で?」
「ああ、だから、だからさぁ。って、何で両肩をガッチリ掴んで振り向かせない?物凄い力じゃないか!だったら何で!何であの時!ジャムの蓋を開けてくれなかったんだーっ!」
「そう言う気分じゃ・・・・・・なかったから。」
「いや、いきなり放したらやっちゃうから!どっかの筋やっちゃうから!普段は出さないような力加減で、こっちも対抗しております!」
「で?」
「ああ、だから、話はまず、孤独な男が疑似体験をする為に疑似体験装置を開発した博士の研究施設を訪ねるとこから始まるんだよ。」
「それ・・・・・・長くなる?」
「えっ?」
「話・・・長くなる?」
「いやまあ、そりゃあ、わりと長くなるよ。まだ導入部分だからね。これから、どんでん返しの連続だし、そのどんでん返しがなぜ上手い事いかないのか?そこから何が力量不足だったのかを分析して、そして次に書く時の対策を学ばなきゃだからね。もしかしたら、考えもしなかった様なグッドアイデアが埋もれてるかもしれないぜっ!」
「変態?」
「じゃない!親指立てるのとか、いろんな人がいろんな場所でやってるだろ!」
「じゃあ・・・・・・長くなるなら・・・消さないと。」
「消さないとって、節電中だから、日中は電気点けてないけど?」
「・・・・・・・・・電源。」
「電源?何の?」
「疑似体験装置・・・・・・の。」
「えっ!?」
「もうすぐ・・・・・・充電切れだから・・・・・・続きは充電してからでない・・・・・・と。」
「そ、そんなまさか!あり得ない!あれは僕の作品で!こ、これは、この現実はキミの疑似体験だったって言うのか!?」
「・・・・・・・・・またね。」
「嘘だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
「・・・・・・・・・・・・・・・。」
「って、これボツ作品のラストシーンじゃないか!ついついやってしまったけど何で?何で急に?で、やるならやるでもっと感情込めてやろうよ。温度差物凄い事になってたからさ。」
「・・・・・・・・・長くなるって言うから。」
「から?」
「無理矢理にでも終わらせよと・・・・・・思って。」
「何だ!飽きたのか!」
「飽きるとか・・・飽きないとか・・・じゃなくてそもそも・・・。」
「そもそも?」
「・・・・・・ボツだから。」
「・・・・・・・・・あのさぁ?」
「・・・・・・・・・はい。」
「コーヒー、お願い出来るかな。」
「・・・・・・・・・かしこまりました。」
「そっかそっかぁ。」

第二百七十六話
「ブレイク」

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