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2011年9月21日 (水)

「第二百七十五話」

「教授、これは一体!?ま、まさか!?」
「ああ、そうだ!そのまさかだよ!遂に・・・遂に完成したんだよ!スーパーロボット!白鉄だ!」
「スーパー・・・ロボット・・・し・・・しろがね!?」
「これで、これで漸く地球を悪から守る事が出来る!皆が安心して眠れる夜が来る!そしてだ!この白鉄のパイロットをお前に任せたい!」
「えっ!」
「この地球の明日の為に、いや明後日、明明後日、弥明後日、いやいや!」
「落ち着いて下さい、教授!」
「ああ、すまんすまん。つい、完成の大興奮の渦に巻き込まれて己を見失っていた。お前にパイロットを、いや!任せられるパイロットは!お前しかいない!頼まれてくれるか?」
「教授・・・パイロットの件!オレに任せて下さい!」
「本当か!」
「もちろんです!」
「そう言ってくれると思ってたじゃないか!」
「いや教授、文法がまだ些か変です。」
「いーんだ!いーんだ!そんな細かい事は!よーし!そうと決まれば!白鉄の実戦訓練だ!」
「もう実戦ですか?」
「当たり前だ!明日、いや今日!いやいや今!この瞬間にも地球は、悪に滅ぼされかけ様としているのかもしれないんだぞ!この説明書を頭に叩き込んで、3時間後に訓練開始だ!」
「3時間はいいんですね。」
「何か?」
「いえ、何も。」
「では、ワシはまだ白鉄の微調整があるから、微失礼するよ。」
「あの?教授?1つだけ宜しいですか?」
「その1分1秒が地球の脅威だと自覚しつつの質問かな?」
「いや、3時間の内の質問です。」
「よし!許す!」
「白鉄には、沢山の武器があるんですよね?」
「あるよ~!たっくさんあるよ~!電撃系とか火炎系とかハリケーン系とかミサイル系とかビーム系なんかも!まだまだいろいろあるんだぜ~!」
「だぜ~って、オレが聞きたい重要な事は、1つだけです!」
「何だ?」
「何だかんだ言ったって、スーパーロボットの醍醐味って言うのは、パンチだと思うんです!」
「・・・・・・・・・。」
「無言の握手、ありがとうございます。では、やはり白鉄も!」
「もちろん!パンチには、こだわってこだわって、こだわりつくしたさ!その名も!無敵的白鉄パンチ!!だ!」
「無敵的白鉄パンチ!?な、何て凄まじそうなパンチなんだ!?」
「当たり前だ!凄まじくなくて悪を退治出来るかってんだ!退治出来るかってんだ!!」
「教授のその迫力からして、無敵的白鉄パンチは、凄まじい速度で飛んで、相手の悪のロボットに風穴を開けるんでしょうね!何だか今から大興奮ですよ!さっそく説明書を読ん」
「飛ばないけど?」
「えっ?」
「えっ?」
「はい?」
「はい?」
「無敵的白鉄パンチは、飛ばない?」
「飛ばない。はい、飛びません。」
「飛ばないぃぃぃぃぃっ!!!」
「だから、そうだよ。飛ばないよ。」
「何でですか!何でパンチが飛ばないんですか!」
「何でって、パンチだからこそ飛ばないんだろ?」
「飛ぶだろ普通!!」
「普通って何だ!普通って!」
「親父!!」
「ここでは、教授と呼びなさいと言ってるだろ!」
「そんな事どーだっていいんだよ!パンチが飛ばないスーパーロボットを作って!よくもスーパーロボットを作ったなんて大興奮で言えるな!」
「スーパーロボットを作って!スーパーロボットを作ったって大興奮で言って何が悪い!」
「パンチの飛ばないスーパーロボットなんてな!スーパーロボットじゃないんだよ!」
「何なんださっきからお前は!どんな定義持ち出して理論してんだ!剣だってあるし!空だって飛べるんだぞ!空の飛び方は、まさに画期的で!こうしてあ」
「それが何だ!だからどうした!それでもパンチが飛ばないなら!この白鉄は!白鉄は単なる鉄屑だ!」
「ばっきゃもん!!白鉄に向かって鉄屑とは何だ!鉄屑とは!謝れ!平謝れ白鉄に!」
「ふざけんな!こんな鉄屑に謝れるか!」
「何だと!?」
「オレに土下座させたいんだったらな!パンチが飛ぶ様にしてからにしろ!そしたら何回でも謝ってやるよ!」
「お前こそ!図に乗るな!そんな事を意見している暇があるなら!さっさと説明書を頭に叩き込んで白鉄に乗れ!味方同士で言い争ってる間にも悪が地球を滅ぼそうと企んでいるかもしれないんだぞ!」
「だいたい!だいたいだぞ!その悪が、とか!悪から、とか!悪に、って!何なんだよ!どこにいんだよ!どこに地球を滅ぼそうと企んでる悪がいんだよ!」
「本当にいたらどーすんだーっ!!」
「勘弁してくれよ、親父。いもしない悪から地球を守る為に、スーパーロボットならまだしも、パンチの飛ばないこんな鉄屑に乗れってのか?」
「ここは、ワシの研究所だ!パンチが飛ばないスーパーロボットが!スーパーロボットなんだ!仮にそれが嫌ならパイロットにならんでいい!いや、お前なんか助手でもなければ息子でもない!」
「それはこっちのセリフだ!パンチの飛ばない鉄屑をスーパーロボットだって言うような教授の下で働けるか!そんな奴を親父だなんて呼べるかよ!オレは、出て行く!」
「そこんとこ勝手にしろーっ!さっさと出て行けーっ!」
「ああ、出て行くよ。じゃあな、正義の味方気取り!」
「そのアホ面を2度と見せるな!バカ息子!」
「・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・あばよ。」
「・・・・・・・・・ふん。」

第二百七十五話
「そして、現在」

「ばっきゃもん!!」
「コズミック☆Cのコズミックパンチの味はどうだい?教授?これが!これこそが!スーパーロボットのパンチってやつなんだよ!!」
「分かってるのか?」
「何が?」
「貴様の悪行をだ!この数ヶ月、地球の各地で暴れまくりやがって!地球を滅ぼす気かっ!」
「そうだ。」
「何だと!?」
「と、言ったらどうする?ええ?良かったじゃねぇか!教授!これで待望の悪が現れたんだ!さあ!その鉄屑で大好きな大好きな地球を守ってみろよ!と言っても?本物の鉄屑同然の今の白鉄に、どこまで地球が守れるか見物だけどな!」
「ばっきゃもん!この地球は、ワシと白鉄が絶対に守ってみせる!!」
「何が出来る!えっ?教授!一体今のアンタに何が出来るんだ?パンチの飛ばない白鉄がパンチの飛ぶコズミック☆Cに本気で勝てると思ってんのか?」
「思ってる!!」
「どこまで、おめでたい人なんだ。あの日からそれは、変わってないって事か。」
「お前は、何も分かとらん様だな!」
「それは、オレのセリフだ!!鉄屑になっちまえーっ!飛べっ!コズミックパァァァァァァァァァァァァァンチ!!」
「ばっきゃもぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉんっ!!」
「何っ!?足が・・・足が翼に変形しただとっ!?」
「ブースターオォォォォォォォォォォォォン!!」
「なぁぁぁぁぁぁぁぁにぃぃぃぃぃぃぃぃ!?」
「貴様の顔面に食らわしてやるぞ!怒りの鉄拳を!」
「一気にこの距離まで詰め寄られたのには、正直驚いたが、そんな遅いパンチが避けれないと思ってんのか!!」
「別に避ける必要もない。大事なのは、速度ではなく距離だ!」
「何だと!」
「そして、もっとも重要なのは破壊力だ!パンチを飛ばす必要はない。己が飛べばいい!説明書を読んでおくべきだったな!」
「何をする気だ!」
「爆発させる!!」
「何だって!??」
「これが白鉄の怒りの鉄拳だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
「ま、まさか!?そんな事をしたら白鉄も無事ではすまないんだぞ!」
「ばっきゃもん!最初っから無傷でこの地球を守れるとは思ってないわい!」
「やめろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!」
「爆ぜろ!無敵的白鉄パァァァァァァァァァァァァァァァンチ!!」

「ぼがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!!!!!!!!!!!」

「・・・・・・・・・・・・・・・生きてるか?息子よ。」
「あ、当たり前だ・・・・・・。」
「おそらく今の無敵的白鉄パンチにより、電気系統に異常をきたし、ほぼ全ての武器が使えまい。自慢のパンチも飛ばす事が出来なくなったはずだ。」
「・・・・・・・・・・・・・・・。」
「負けを認めるか?」
「負け?あからさまに親父の方がボロボロなのにか?」
「まだやるのか?」
「それは、オレのセリフだ。」
「動くか?拳は?」
「そっちこそもう、右の拳は吹っ飛んでんだぞ?」
「なーに!お前なんて、最初っから左の拳だけで十分だったんだよ!」
「言ってくれるね。」
「行くぞバカ息子!」
「来やがれクソ親父!」
「その☆がナンセンスなんだよーっ!!ぬぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」
「人のネーミングセンスに口出してんじゃねぇよ!うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」

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