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2011年10月12日 (水)

「第二百七十八話」

 男同士の友情を乗せ、ブリティッシュグリーンなクラブマンは夜の国道をひた走っていた。

「なあ?」
「ん?どうした?」
「いや、どうしたじゃなくて、お前がちょっと話があるって、だから少しドライブでもしながら、ドライブがてらに、ってさ。」
「なるほどね。」
「いや、何だよその返し?このままだと山だぞ?どこまでドライブすんだよ。てか、いつになったら話するんだよ。んまあ別に、そこはお前のタイミングでいんだけどさ。」
「山か・・・・・・ってそれってまさかお前!俺を殺して山に埋める気なんじゃないだろうな!」
「何でだよ!どちらかと言えばお前が俺をだろ!何で殺される方にわざわざ埋める殺害遺棄現場まで運転させてくんだよ!」
「お前、斬新だな!斬新殺人だな!」
「殺害方法及び遺棄状況は、ベタだけどな。」
「あっ!でもさっき飲み物買うために立ち寄ったコンビニの防犯カメラに俺達の足取りは録画済みだぞ!それでもお前はまだ!俺を殺す気ですか?」
「これどんな状況?何で殺される側が殺す側を脅迫してんの?いや、殺さないから!」
「じゃあ何だ!そうか!人気の無い山!さては体目当てか!」
「さてはじゃねぇよ!目当てな訳がないだろ!」
「お前に抱かれるぐらいだったらな!ウンコおかずにウンコ食った方がまだましだ!」
「だから、目当てじゃねぇよ!ウンコおかずにウンコって、ウンコばっかじゃねぇか!だいたい、お前がこのルート走らせてんだろ!」
「やっぱりな!」
「はあ?何がやっぱりなんだよ。」
「やっぱり?」
「いや、知らない。お前の中のやっぱり、俺に聞かれたって知らないよ。」
「ほら、やっぱりだ!」
「だから何が?」
「やっぱり、俺がボケたら、お前がツッコム!」
「いやまあ、まあそうかもしれないけどな。」
「そこで今日の大事な話があるんだ!」
「どんなタイミングだよ!」
「いいからいいから、聞けば分かるから!」
「分かったよ。」
「今日の大事な話って言うのはな?」
「うん。」
「ああ、もう昨日の大事な話か!」
「えっ?ああ、いいよ午前0時回ってるとかそう言うのは。」
「何を言ってんだよ、お前は!」
「なぜ怒られる?」
「じゃあさあ!スゲー地球規模な話があってさあ!もう何十年もそんな地球規模な話をしてた偉い奴等がだよ?いよいよ今日、スゲー地球規模な話で決まったそのスゲー地球規模な実験をするって言うんで集合したら、一人が遅刻して来て時計を見たら午前0時を過ぎてた!したら今日のそのスゲー地球規模な実験は、昨日って事になって!何か本当は行われるはずだったのに、概念が邪魔して行われないって言うんですか!昨日今日明日の概念を臨機応変に受け止めないで何が地球規模な話ですか!」
「いやもう、途中から何の話なんだかさっぱり分からないから!分からないけど、別に行えばいいじゃんないの?スゲー地球規模な実験をさ。」
「そうだよ!だから俺だって本当は今日しようとした話が昨日になっちゃったけど話そうとしたさ!でもそこでお前が、ウンコの裏みたいな顔してゴチャゴチャ言ったんだろ!」
「ウンコだ!何だかんだでウンコの裏もウンコだ!てか、何か物凄く怒らないでもいい事で、物凄く怒られてないか?俺!」
「やっぱりな!」
「また、やっぱり?」
「単刀直入に言うけど、一回ちょっとボケとツッコミを入れ替えてみない?」
「何を言い出す?」
「昨日、まあ正確には一昨日なんだけどさ。ウンコしてて、ふと思ったんだよ。ほら、よく言うだろ?人はふと思った瞬間!ウンコをしている!ってさ。」
「何かお漏らし的な話になってないか?」
「なってない!俺はちゃんとトイレで!ふと思ったんだ!」
「あそう。でも、ボケとツッコミを入れ替えるって言っても、何十年もこんな感じの付き合いだしなぁ。別に俺達、その道で食ってってる訳でもないしなぁ。」
「じゃあ何か?お前は別にその道で食ってってる訳でも無いのに、米を食ってんのに、別にその道で食ってってる訳でも無いのに、歩いてんのに、別にその道で食ってってる訳でも無いのに、ウンコしてんのに、別にその道で食ってってる訳でも無いからって、ボケとツッコミを逆にしないってのか?」
「もう、例え話がとにかく無茶苦茶だろ!分かったよ。逆にしてみればいいんだろ?」
「じゃあ、今からな!ヨーイ、スタァー!!」

第二百七十八話
「ボケがツッコミでツッコミがボケで」

男同士の友情を乗せ、ブリティッシュグリーンなクラブマンは真夜中の山道をひた走っていた。

「いやいや、黙ってないで何かボケないと!」
「そんな急にボケれないだろ。」
「簡単なボケでいいんだよ。この車、空飛ぶんですか?とか。」
「バカじゃん!それボケとかじゃなくて、単なるバカじゃん!何で急に俺はそんな事を聞くの?」
「真面目か!バカとかじゃなくて、取っ掛かりだよ。」
「取っ掛かり?」
「そうだよ?別にいきなり俺だって、お前にシュールなボケを要求してる訳じゃないよ。だいたいシュールなボケに対してのシュールなツッコミが上手く出来る自信もまだ俺には無い訳だし、何か簡単なとこから、お互いの立場を慣れさせてこうぜ!って事だよ。アイドリングだよ。ドライブなだけに!」
「いやもう、結構な距離を走ってるだろ。」
「バカなの?」
「はあ?」
「そこはさぁ?何かアイドリングに対してお前がボケを被せて来なきゃ!俺がボケた事になっちゃってんじゃん!」
「いやボケじゃん!」
「普通ならな?今までの関係性ならそれでもいいよ。いやむしろそれがいいよ。けど今は、ボケとツッコミが入れ替わってんだから!ボケなきゃ!この車、空飛ぶんですか?とか言わなきゃ!」
「何でアイドリングに被せてそのボケなんだよ!」
「何かその方がシュールだろ?」
「さっきっから、シュールシュールって言ってるけど、いまいちシュールの意味が分かんないんだよ。」
「だから、シュールって言うのは・・・・・・ちょっと、昨日はお昼に何を食べました?って聞いてみ?」
「昨日はお昼に何を食べました?」
「ダイエット中なんで、右肘の毛玉を2玉。」
「それがシュールなボケなのか?」
「今のがシュールなボケなのかどうかは、後は神頼みだよ!」
「シュールって神頼みなのか?」
「シュールってほぼ神頼みだよ。」
「どんな世界だよ!」
「強いて言うなら、2玉の部分を少々って言うかどうか迷った。」
「ええーっ!ちょっとかなり難しいんですけどーっ!」
「午後2時の1歳児かよっ!」
「はあ?」
「いや、何か駄々こねてるから、昼寝前の幼児かなって事だよ!」
「急に分かりにくい!えっ?それがシュールなツッコミなの?」
「だから、シュールかどうかは神頼みだよ!」
「えっツッコミも?」
「強いて言うなら、1歳児の部分を1歳3ヶ月児にするかどうかで迷った。」
「普通で良くないか?」
「良くない!!」
「何かもう、会話する自信ないぞ?」
「ある!!」
「いやいや、俺内の事だから。」
「俺達、親友だよな?」
「急に恥ずかしい事を面と向かって言うんだな?まあ、親友だよ。」
「だったら!その親友がこんなに頭下げて泣いて頼んでんだから、いいじゃないか!少しの間ぐらいシュールにしてくれても!」
「分かったよ。泣いてもいないし、1度も頭下げてないけど、分かったよ。出来るだけ頑張ってシュールにボケてみるよ。」
「よっしゃああああああああああああ!!!!!」

男同士の友情を乗せ、ブリティッシュグリーンなクラブマンは朝靄の国道をひた走っていた。

「そう言えばこの車って、ロボットに変身したりするの?」
「いや、天井に謎のボタンがあるからって、ロボットに変身するかよ!」
「じゃあ、この謎のボタンは一体何なんだよ。押したらカプチーノでも出て来るのか?」
「おいおい、そんな発音してたら、現地でとんだ変態扱いだぞ?」
「ああ、膵臓痒い。」
「またまたー!近未来的な事言ってその場を誤魔化しちゃってー!」
「あっ!」
「どうした?」
「今、擦れ違ったトラック見たか?」
「見てない。」
「売国奴が乗ってた!」
「何を愛国者みたいな顔して売国奴みたいな事を言ってんだよ!」
「ああ、膵臓痒い。」
「誤魔化し方が近未来一辺倒だっつーの!」
「おい見てみろよこの海!」
「綺麗だなー!」
「塩分控えめ!」
「濃口醤油顔が何を言うか!」
「ああ、小腹減ったなぁ。」
「言われてみればそんな感じだな。どっかで軽く食べてくか。」
「ワクチン食べたーい!」
「近未来もういいっつーの!」
「こうして右手の人差し指を曲げると、まるでこうして右手の人差し指を曲げている様だ!!」
「急に哲学!?」
「ああ、新しい元素発見したーい!」
「そして近未来!?」

男同士の友情を乗せ、ブリティッシュグリーンなクラブマンは朝焼けに照らされた海沿いの国道をひた走っていた。

「こんな感じか?」
「まあ、後は神頼みだな。」
「おい!」

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