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2011年11月30日 (水)

「第二百八十五話」

「てか、何やってんすか!」
「何やってんすか!って、お前なぁ?女の子だろ?チビだけど女子なんだから、すかはないだろ。すかはよぉ。何って見りゃ分かるだろ?」
「見て分かってるから言ってるんすよ!」
「うーるせーなぁ。こんな近くで大声出すなよ。チビが大声ってお前、どう言った裏切りだよ。」
「いやいやいや、オーナーこそどんな偏見すか!」
「俺はなぁ。偏見のド塊なんだよ!ミスター偏見で、ドクター偏見なんだよ!」
「いや、全く意味分かんないし!てか、やめちまえ!そんな感覚でレストランのオーナー兼シェフやってんなら、やめちまえ!」

第二百八十五話
「い、いらっしゃい・・・・・・ませ?」

「んだと?聞き捨てならんねぇ?俺は、オーナー兼シェフ兼キュレーターなんだよ!」
「はいはいはい。」
「はいは、2回まででいいんだよ!」
「てか、オーナー!んな事より!だから何やってんすか!って!」
「お前、何回も何回も何回も同じ事を聞くんじゃねーよ。チビのくせして。」
「チビ関係ないし!チビ何回も同じ事を聞いちゃいけないってルールないし!」
「だっから、何って見りゃ分かるだろ!新メニューの開発してんだよ!!!」
「いや、よっぽどでしょ!よっぽど、オーナーの声の方が大きいから!」
「それがレストランのオーナーってもんだろ?」
「どんな公式ルールなんすか!つか、よくこんな時に暢気に新メニューの開発なんて出来たもんすね。」
「こんな時だからこそ!の新メニュー開発だろ?」
「いや、ちょっと待って下さいよ。オーナー?分かってるんすか?今、この地球がどんな状況なのか?」
「地球消滅が、消滅した。だろ?」
「めっちゃ、かいつまんだらそうなんすけど!」
「ならいいじゃねぇか、うるせーなぁ?真っ暗になったと思ったらまた、太陽が明るく照らす日常に戻ったんだ。レストランのオーナーが新メニュー開発を暢気にしてたって何も文句ないだろ?お前もチビだけど、ウェイトレスなんだから、こんなとこで油売ってないで、さっさと通常業務に戻れよ。」
「どーこが日常に戻ったんすか!街は今でも、十分パニック状態なんすよ!こんな時に店開けて!一体、誰が来るんすか!」
「まあ、あれだ。誰か来んだろ。」
「オーナー!!」
「何だよ!お前さぁ?うるせーって!店の片付けとか掃除とかやる事、満載だろ?それになぁ?人間ってのは、どんな状況下に陥ろうが、腹は減るんだよ。」
「何を明後日の方向見て、すっとぼけた事抜かしちゃってるんすか!」
「はっ!明後日に方向なんてあんのかね!」
「屁理屈ぶっこいてる暇があるなら!このメチャクチャな店内片付けんの手伝ったらどうなんすか!」
「おい、チビ。チビ、おい。だから俺は今、新メニューの開発で忙しいんだよ!片付けは、チビの仕事だろ!天井に開いた穴塞ぐのも、チビの仕事だろ!」
「いや、そこチビにやらすのは絶対に間違ってるから!って、オーナー!」
「お前、あれか?妖怪鼓膜破りか?うっせぇっ!っつってんだろうが!新メニューの開発が全然はかどらないじゃねーか!」
「ゴルフボール煮込むのの!何がどう!どこがどう!新メニューの開発なんすか!!」
「はっ!やれやれやれ、これだから素人はチビなんだよ。」
「やれも2回までなんじゃないんすか?てか、私はプロになってもチビですから!」
「あのなぁ?こうして、ゴルフボールをじっくりポコポコ煮込む事で、ゴルフボールにコクが出んだよ!分かったらさっさと穴の開いた床をどーにかしろ!」
「そんな専門的レベルな注文承れないし、ゴルフボールは、ポコポコ煮たって、果てしなくゴルフボールだーっ!!」
「それはお前、神に誓って言ってんのか?」
「イエス!」
「チビに誓って言ってんだろうな?」
「イ!エ!ス!」
「ジ・エンド・オブ・アンサー?」
「はいはいはい。ジ・エンド・オブ・アンサーすよ!」
「人間ってのは、どんな状況下だろうが、腹は減るんだよ。」
「いやいやいや、何でこのタイミングで、さっき言った事をまた、言ってるんすか!意味不明過ぎるっしょ!」
「我ながら、いい事を言ったと思って、もう1度言ってみたとさ。」
「チャンチャン!って、何がチャンチャンなんすか!何もチャンチャンじゃないじゃないすか!」
「チャンチャンについては、俺発信じゃないから知らねーよ。でもなぁ?人間ってのは、どんな状況下だろうが、腹は減」
「オーーーナーーー!!!!!」
「ぬわっ!?コノヤロー!本格的に俺の鼓膜を破りにきやがったな!」
「いっそガチで破れちまえ!」
「何だと?お前は、チビだから知らねーかもしれねーけどなぁ。俺の鼓膜が破れたら、大変な事になるんだぞ?」
「どうなるんすか?」
「俺の鼓膜が破れたらなぁ?俺の鼓膜が破れたって、そりゃあもう大変な事になんだよ。」
「それ、ガチで言ってます?」
「俺は、料理を作っている時も料理を作っていない時も!サムタイムズガチだっ!!」
「いやもう、どの角度からどうツッコミ入れていいやら、とにかくそんな志しだったら、店を畳んじまえ!」
「・・・・・・・・・。」
「どうしたんすか?」
「そうだなぁ。俺も歳だしなぁ。」
「何なんすか急に?」
「いや店を畳む事も視野に入れとかないとだな、と思ってよ。」
「オーナー?あのう?今のはですねぇ?」
「分かってる分かってる分かってる。でもなぁ?てめぇの体の事は、てめぇが一番、よーく分かってるってもんなんだよ。」
「・・・・・・オーナー。」
「今日の事で、店もこんな有り様になっちまったからなぁ。」
「あ、あのう!私、天井の穴でも床の穴でも何でも塞ぎます!だからオーナー!らしくない事、言わないで下さいよ!」
「ありがとな。まあ、この店を続けるとしても、精々あと・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・・・・あと?」
「700年ってとこかなぁ?」
「テイ!」
「あいたーっ!何でチョップしやがんだよ!」
「チョップじゃありません。テイ!です。」
「ああ、テイ!か。すまんすまんって、やってる事は全くチョップじゃねーか!」
「オーナーが訳の分からない事を言ってるから、テイ!したんじゃないすか!ここを基盤に王国でも築き始める気すか!何なんすか!何か少しでもガチで泣きそうになった私がバカみたいじゃないすか!」
「お前は、バカなんかじゃない。」
「えっ!?」
「チビだーっ!」
「テイ!」
「お前、マジでテイ!やめろ。ゴルフボールを掻き回す手が狂うだろ?」
「だから、ゴルフボールって何なんすか!ゴルフボールって!」
「知らないの?」
「知ってらい!知ってるからこんな感じなんじゃないすか!何なんすか?ふざけてるんすか?」
「ふざけてゴルフボールじっくりポコポコ煮込むかよ!この異常事態で頭でもおかしいくなったんじゃねぇのか?」
「お前がじゃ!」
「新メニューの開発だって!何度も何度も何度も言ってんだろ!」
「ゴルフボール使った新メニューって、一体どんな新メニューなんすか!」
「ま、まあ?あれだ!シェフの気まぐれ目分量300グラム牛フィレステーキ添え煮込みゴルフボール!風な新メニューだよ!」
「よくぞ!よくぞそんなドヤ顔が出来たもんすね!テーブルひっくり返すわいっ!!」
「そんなに喜んでもらえたら、シェフ冥利に尽きるってもんさ。」
「いや、ポジティブ過ぎっしょ!とにかくそんな料理出したらクレームの嵐だし、目分量で300グラムんとこに詐欺も含まれてるし、だいたい何でメインがゴルフボールなんすかーっ!!」
「お前、これ以上、その大声で店を破壊するのだけは、勘弁だからな。それにお前は、チビだから分からないかもしれねーけんども!あんなぁ?誰もが目をつけない食材に目をつけなきゃ、この時代を乗り切る事なんて出来ねーんだよ。食ってけねーんだよ!シェフなのに!」
「あのう?親指立ててる暇があったら、ゴルフボール掻き回した方がいいんじゃないすか?」
「おっと!いけねぇいけねぇいけねぇ!」
「いけねぇいけねぇいけねぇ!じゃねぇよ!新メニューの開発とかそんな事より!当分お客さんなんて来ないんすから!片付け優先でお願いしますよ!」
「分かった。」
「じゃあ、オーナーは天井の穴の方をお願いします。私、チビなんで!」
「新メニューの開発は、後回しにしてだ。それよりディナーの仕込みしねーとだな!」
「テイ!」
「何で?何で、テイ?」
「だから、世界中がこんな状態だってのに、どこのどいつがレストランに来るって言うんすか!」
「来るだろ!腹を減らしたデブが!」
「何なんすかその偏見は!」
「いっつも腹減ってんだよ!デブってのは!腹が一杯になんねーんだよ!デブってのは!でな?デブの中でも特にメガネタイプのデブはな!普通のデブと比べてメガネ掛けてる分!もっと腹減ってんだよ!」
「いやもう、ガチで何言っちゃってるんすか!こんな時に、チビもデブもハゲも関係無いっしょ!」
「ハゲって言うなーっ!!ハゲはなぁ!ハゲはなぁ!なりたくってもなれるもんじゃねーんだよ!選ばれし者に与えられた名誉ある称号なんだよ!栄誉ある勲章なんだよ!」
「何を特別感、醸し出しちゃってくれてるんすか!だったら、チビだって同じじゃないすか!」
「チビは、あれだ。ほら、骨を砕いたり削ったりすれば、誰だって簡単になれんだろ?」
「いや、簡単加減が半端無いから!てか、ハゲの方が引っこ抜けば誰だって簡単になれるじゃないすか!」
「何だとーっ!」
「何すかーっ!」
「あのう?すいません。」
「えっ!?お客さん?」
「ぬぅわぁにぃぃぃ!」
「い、いつの間にテーブルに!?って、メガネの!?」
「デ、ブ!?」
「ガチだ!」
「って、おい!ガチってる場合じゃねーだろ!とっとこ接客行ってこい!」
「あ、ああ、そうだそうだそうだ。」
「そうだも2回まででいいんだよ、チビ!」
「あ、あのう?い、いらっしゃい……ませ?」
「注文いいですか?」
「まじすかっ!?」
「ダメですか?」
「い、いやいやいや、もっちろん!お伺い出来る範囲でお伺いします。」
「やたっ!」
「おいおいおい。こりゃ、もしかしたらもしかしたらで、もしかするか?」

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