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2012年1月

2012年1月 4日 (水)

「第二百九十話」

 ボクは今から死のうとしている。ここから飛び降りて、自ら命を絶とうとしている。そう、その曖昧な人生に幕を下ろそうとしているのだった。

第二百九十話
「正しい道」

「ゴン!」

「・・・・・・・・・・・・・・・?」
「大丈夫か?ああ、血が出てるし、コブになってるじゃないか。」
「・・・・・・・・・・・・・・・!?」
「いや、そりゃそうなるだろ!そんなビックリした顔で見られても、ワタシの方がビックリだよ!何で?何で切り餅一つの上から飛び降りて自ら命を絶とうだなんて考えた?」
「!!?」
「いや、顔が近い!だって、それはもはや!むしろ飛び降りと言うより!普通に地面に倒れ込んだってだけの事だろ?いくら正しい道を選ぼうが、その方法が正しくなければ、こうして鼻血が出る羽目になるんじゃないのか?バカなの?」
「バカなの。」

「こんな所で何をしていのかね?」
「これから、ここから飛び降りて、自ら命を絶とうとしているだけです。」
「飛び降りる・・・・・・・・・。世の中、浮かれ気分だと言うのに、キミは新年早々に自殺かい?」
「世の中、みんながみんな、貴方が言うほど浮かれている訳ではありません。貴方は?この土地の所有者か関係者の方ですか?」
「ワタシか?ワタシは、たまたまここを通り掛かった単なる老いぼれだよ。」
「通り掛かった?まあ、いいです。通り掛かる事もあるでしょう。なら、そのままどうぞ、通り過ぎて行って下さい。」
「その意志は固いのかな?」
「意志?それは、自ら命を絶つと言う意志の事ですか?」
「ああ。」
「はい。」
「なら、青年。キミに問おう!」
「問う?」
「自分が正しいと思う道を進む事と本当に正しい道を進む事とでは、一体どっちが真の正しい道なんだ?」
「本当に正しい道とは?それは一体、誰が決めるんですか?貴方?第三者?世間?時代?」
「自分が正しいと思う道が、正しい道だと言う事でいいのかな?」
「その問いの答えが既に、第三者が意図的に、自由自在に操作出来てしまう時点で、答える必要性が見出だせないと言うだけです。」
「正しい道など、それ自体が存在しないと?」
「存在させたい人間が存在させているだけで、全ての人に平等に見える道ではないと言うだけです。ボクの自ら命を絶とうする意志は、ボクにとっての正しい道であり、誰かにとっての間違った道なだけです。」
「正解はないと?」
「間違った道でない全ての選択肢が正しい道であり、それを決めるのが意志を持った多くの人間だと言うだけです。数学ではないんです。答えは一つではありません。人間の思想、理念、理性、心の数だけ存在すると言うだけです。」
「だが、その答えへと導く道もまた、複数存在する。」
「だから?だから、何だと言うんです?」
「いや、だからと言って何でもないさ。ホント、何でもない。キミは、今日、そこから飛び降りて死ぬ。それが正しいか間違いかは、それぞれがそれぞれにそれぞれの判断を下せばいいだけの事だ。」
「その言い回しが既に、今のボクを否定していますよ?その言い回しが既に、今の貴方を肯定しようとしていますよ?何が言いたいんです?」
「そんな深い意味はないさ。」
「死のうとする人間を止めるのは、なぜ?花屋で花を買おうとしている人間を止めないのは、なぜ?自殺をする人間を止める事が既に、正しい道ではないとしたら?そう考えた事は無いんですか?」
「いやいや、何だか話が難しくなってきたな。ただ、その選択肢に行き着くまでのスタートラインにすら、立った事が無い。偶発で非日常的で奇跡に近い現場に居合わせると言う事だからな。この現状は。」
「では、自殺を止めて、その後の事は考えないんです?助けられた人間の立場は?その後の人生は?ただ目の前の自殺者を助けた満足感を得たいだけですか?エゴですか?」
「エゴかもしれん。人助けの心理の底に転がっているのは、ゴツゴツしたエゴの塊なのかもしれん。しかし、それが人間ってもんじゃないのかね?」
「その定義が既に曖昧なんです。助けを求めている人間を助ければいいだけで、何も自ら命を絶とうとしている人間まで助ける必要性は、無いんです。」
「キミは、後悔しないのか?」
「それは、今ここで自ら命を絶った事での未来へのですか?」
「ああ。」
「人間が死を目前とした時、果たしてその生涯を、その未来を、後悔しない人間などいるのでしょうか?どんな死に方であっても、その瞬間には必ず後悔するのではないでしょうか?そしてそれは、貴方が言う正しい道を選んだとしても例外ではないと言うだけです。」
「飛び降りるのか?」
「それがボクの正しい道ですから。貴方も貴方で、目の前の自殺者を止めると言う正しい道を選んだんですから、そろそろボクにも正しい道を歩ませて下さい。」
「・・・・・・・・・。」
「では・・・・・・・・・。」
「お、おい!」
「さようなら。」
「待ちなさい!」

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2012年1月11日 (水)

「第二百九十一話」

 ここは、どこかの動物園である。そこの立派な髭を蓄えた園長と背の高い細身の飼育員の青年は、園内を歩きながら、今日の開園の準備をしていた。
「園長?」
「なに?」
「・・・・・・・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・・・・・・・。」
「・・・・・・いや、なに?」
「・・・あの・・・園長?」
「だから、なに?」
「・・・・・・・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・・・・・・・。」
「やっぱいいです。」
「ええーっ!嘘だろ?おい!嘘だと言ってくれよ!なあ!」
「いや、何もそんな感じにならなくても!」
「何か言いた気感たっぷりだったのに?やっぱいいですは無いだろ?ゾウじゃあるまいし、そりゃ無いだろ?サイならまだしも!」
「いや、ゾウとかサイとか、キリンとかライオンとか、バイソンとかアライグマとか、そう言うのは関係無いと思います。」
「君にとっては関係無いかもしれないが、私にとっては、とても重要な事なんだよ!ペリカンとかガゼルとかな!コンドルとかインパラとかな!」
「何ですか、その大きい鳥とそんな感じの動物の組み合わせは?」
「ゴリラみたいな事を言ってるんじゃないよ!もっとヤギを見習いなさい!ヤギを!」
「いやもう、園長!全く言ってる意味が分かりません!動物園の園長だからって、動物の名前を乱発されても困りますよ!」
「ペンギン的だな!」
「はい?」
「その態度が、ペンギン的だと言ってるんだ!もっと、コビトカバやスローロリス的な発想が出来ないのか?君は!」
「言葉を真に受けて答えるならば、出来ませんよ。そんな発想!」
「バンビだな!」
「えっ?」
「バンビだ!君は!」
「ああ、はあ、もう何かそんな感じでいいです。」
「だがね。私が君にこうして厳しく言うのは、バンビな君に、ホワイトライオンやホワイトタイガーや白イルカの様になって欲しいからなんだよ。」
「厳しく言われてた事に、厳しく言ってると言われて初めて気付きましたし、どうなって欲しいのかも動物でなく言ってもらわないと、ちょっと。アルビノになれって事ですか?いやまあ、それでも全くとして、何一つ理解不能ですけどね。」
「アルマジロ!!」
「え、園長?」
「アルマジロ!アルマジロ!」
「くしゃみとか、くしゃみでいいですから、そんな無理に動物の名前を組み込んでたら、喉が変になっちゃいますよ?」
「で?」
「はい?」
「君は、一体何を私に言い掛けたんだ?」
「いや別に、何でも無いですよ。」
「ポメラニアン!」
「園長?」
「ポメラニアン!アルマジロ!」
「せめて、一つにしましょうよ。くしゃみの種類。だいたい、ポメラニアン動物園で見た事ないし、見た事あってもそれはお客さん側だし、何かもうルールが滅茶苦茶じゃないですか。ルールを説明されたとこで、ですけども。」
「ゴリラみたいな事を言ってるんじゃないよ!いいから早く言い掛けた事を話したらどうなんだ?」
「いや、いいですよ。今さら言っても仕方無いんで。」
「クジャクか君は!」
「はい?」
「クジャクか君は!と言ったんだ!」
「いや、聞き取れなかった事での、はい?じゃないんですよね。これが。」
「気になるだろ?単純にあんな風に話し掛けられて、何でも無かったじゃ、夜も眠れないだろ!」
「いや、本当に何でも無いんですよ。気にしないで下さい。さあ、もうすぐ開園ですから、準備を急ぎましょうよ。」
「無理だろ!」
「えっ?」
「この状況でさぁ?うん!分かった!今日も、いっぱいのお客さんの、いっぱいの笑顔を見るのが楽しみだ!頑張ってこーっ!おーっ!ってならないだろ。なあ?仮にもし、君が私に同じ感じに話し掛けられたとしたら?やっぱり君も今の私同様、カピバラな気持ちになるだろ!」
「もう、どうしても何か動物の名前を入れないと死んじゃうんですか?」
「死んじゃう!!」
「なら仕方無い!だったら、しょうがない!」
「・・・・・・・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・何ですか?」
「何ですかでなくて!言いなさいよ!ほら!プレーリードッグ的に!ほら!」
「いや、言ってもどうにもならないし、聞いてもどうにもならないですから、もういいんですよ。さっきのは、無かった事にして下さい。」
「ゴリラみたいな事を言ってるんじゃないよ!」
「そこのブレ無い感は、何なんですかね?ほら、園長?」
「ん?」
「開園まであと10分ですよ?」
「はっは~ん?」
「実際にそんな感じでジロジロ見て来る人に遭遇したの初めてですよ。」
「なるほどね。」
「何がですか?」
「そう言う事か。」
「どう言う事ですか?」
「開園時間をいい事に、君は話をはぐらかそうって、魂胆ね。ミーアキャットって事ね。」
「違います。別に、そう言う訳じゃないですよ。」
「そうは、オオカミ!ブタウシヒツジだ!」
「いやもう、本っっっっ当にっ!何を言ってるんですか?」
「今日は、君が言い掛けた話をするまでは、開園しない!モルモットに誓ってな!」
「どうぞ勝手に誓ってて下さい。」
「何だと!?」
「園長がそうなら、僕一人で開園の準備をしますから!」
「乗っ取りか!この動物園を乗っ取るつもりなんだな!なるほど、だいたい始めから君はどうもスカンクだとは思ってたが、フクロウなカンガルーだったとは、チンパンジーもフタコブラクダだーっ!今すぐカワウソからホッキョクグマしてリスリスリス!もう、ウサギ!ウサギ!ウサギだーっ!ア、ア、アルマジロ!アルマジロ!アールマジロ!ちくしょう!」
「ギュッと詰め込み過ぎでしょ!あと5分で開園です。僕は、行きますから、園長一人でそうして動物の名前をいっぱい言ってて下さい。」
「お、おい。冗談だよ。少し私も言い過ぎたよ。なっ?この通りだ!オラウータン!」
「どの通りなんですか?」
「ちょちょちょ、待ちなさい!バンドウイルカか君は!」
「意味が分かりません。」
「ちょっと早いって!歩くの早いから!するから!開園するからさぁ?なっ?話してくれいか?ヒョウジャガーチータ!ヒョウジャガーチータ!ハイエナハイエナ!」
「・・・・・・・・・もう開園1分前なんで、閉園の時に話しますよ。」
「本当だな?」
「本当です。」
「それは、モルモットに誓ってか?」
「モルモットには誓いません!」
「何でーっ!」
「何でもです!」
「まあ、それはそうと、今日は晴れてる事だし、お客さんいっぱいだと、いいな!」
「だといいですね。」
「ジンベイザメだな!」
「それは意味が分かりません!」
「アルマジロ!アルマジロ!」
「風邪ですか?」
「かもな。」
「病院行った方がいいですよ?」
「君は優しいな。フラミンゴだな。」
「意味が分かりません。」
「またまた、ゴリラみたいな事を言ってるんじゃないよ。」
「それも分かりません。」
ここは、間も無く開園するどこかの動物園である。動物は、まだいない。

第二百九十一話
「動物のいない動物園」

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2012年1月18日 (水)

「第二百九十二話」

 森の中に、一人の男が迷い込んだ。
「はっ?ここ、海だし!私、女だし!」
この森には、昔から化け物が出ると、伝えられていた。
「おいこら!こらおい!ストーリー!」
男は、この森に眠る伝説の秘宝を手に入れる為、迷い込んだ。
「何で秘宝を手に入れる目的があんのに、迷い込んでんだ!」
この森への侵入ルートは、ただ1つ。偶然に迷い込む以外になかった。
「ああ、なるほどね。って、おいこら!こらおい!ストーリー!だから、海だし!女だし!アドベンチャー感ゼロだし!」
それは、突然の出来事だった。
「はい?」
そう、それはまさに、あまりにも突然の出来事ではないような、突然の出来事だった。
「じゃあ、突然の出来事じゃないんじゃん!」
急に雨が止んだかと思ったらまた、雨が降り出したのだ。
「いや、ピーカンですけど?バカンス感100%ですけど?って、言う程の事?それ、突然の出来事って、期待感持たせる程の事なわけ?」
男は、たじろいだ。なぜなら男は、雨に当たると死ぬ体質だからだ。
「いやいやいや、降ってたわけでしょ?今更たじろぐなら、最初から日を改めてから来れば?てか、その無茶苦茶な設定は、なんなわけ?今までよくぞ生きてたな!」
不意に男の肩に雨粒が当たった。しかし男は、それを当たってないって事にして、九死に一生を得た。
「はあ??」
そしてまた、男の肩に雨粒が当たったが、それもまた男の機転により、九死に一生を得た。
「九死に一生得っぱなしじゃん!てか、死なないんでしょ?」
そして三度、男の肩に雨粒が当たった。
「なんで、そいつはそんな体質なのに、わざわざ雨が当たる場所にいるわけ?それはつまり死なないからでしょ?」
男は死んだ。
「死んじゃった!?って、なんなわけ?今考えるとその男は、素っ裸だったわけ?」
森の中に、小さな男の子が迷い込んだ。
「2人目が来たーっ!って、おいこら!こらおい!ストーリー!私のストーリーを語りなさいよ!私のを!」
小さな男の子は、もう少ししたら、小さな男の子ではなくなる。
「いや、そんな無駄な成長力の話なんて、どーでもいい!私の!」
今は、米粒ぐらいの大きさだか、いずれお粥の米粒ぐらいはなる。
「雨で?雨でふやけちゃうのかな?てか、どんだけ小さいのよ男の子!」
この森には、魔法がかけられていて、入った人間は皆、米粒だいの大きさになってしまうのであった。
「そう言うルールは、1人目の時に言っといてよね!」
小さな男の子は、死んだ。
「急になに!?なにが巻き起こったわけ!?」
寿命であった。
「悲しい悲しい!なんか物凄く悲しい事になってるじゃないの!なに、その斬新な主人公の死に方!って、私だから!私が、このストーリーの主人公だから!」
大佐が来た。
「もうなんか、説明がだいぶ省力化されてきちゃっわね!」
大佐は、大佐の命令で森に迷い込んだ。大佐が大佐を嫌っての行為であったが、大佐にしてみれば、大佐のその行為は、好都合であった。そもそも大佐は、二重大佐であり、あっちの大佐からの命令で、そっちの大佐の大佐っぷりを情報収集していたからだ。
「はあ??てか、はあ???」
大佐は、死んだ。
「なんでだ!」
自らの手で、自らの頭を銃で撃ち抜いて、死んだ。大佐が選んだ道は、死と言う名の自由であった。
「いやいやいや、果てしなく意味が判らないから!そこんとこ!」
と同時にそれは、自由と言う名の死であった。
「でしょうね!違う言い方で、同じ事を言ってるだけですからね!」
大佐のその顔は、鬼の形相であった。
「完全に何かを怨みまくってんじゃん!全く大佐にとって自由じゃないじゃん!もっとこう?その森で気長にのんびりと暮らすとかあったんじゃないの?」
この森に足を踏み込んだ人間は、24時間以内に脱け出さなければ死んでしまうのだった。
「その物語上、都合の良い新ルールの後出し、やめてくんない?って、早く私のストーリーを語りなさいって!私のーっ!」
ここは、海さ。
「ん?んん?なんか急にノリが軽やかになってない?ステップ踏んでない?まあ、ストーリーが進むならいいけど。」
ここは、海さ。
「判ってるわよ。」
ここは、海さ。
「なに?休憩中?テープの自動再生?ストーリーの自動操縦?そんなの許されないでしょ!」
女は、無数のオオカミに囲まれた。
「どーゆー展開だ!」
いや、むしろ女が無数のオオカミを囲んだ。
「忍者か!私は!」
忍者だ!
「違うわよ!ビキニでパラソルの下でトロピカルなジュースって!だったら、忍者業界へのアンチテーゼだ!私は!」
無数のオオカミは、カニであった。
「どうした!私の目!」
女は、ビキニでパラソルの下で、トロピカルなジュースを片手に、海を眺めながら思った。
「ああ、なんかやっとな感じね。やっと私のストーリーが動き出したって感じね!」
広っ!?
「アホか!私は!」
女は、アホだった。
「一流の大学出てますけど?」
女は、見栄っ張りであった。
「だとしてもだ!美味いスイーツ食べて、美味いって言うのとは、わけが違うぞ!」
女は、ビキニでパラソルの下で、トロピカルなジュースを片手に、海を眺めながら思った。
「いいわけ?仕切り直しとかありなわけ?」
液体っ!?
「クソか!私は!クソのカスか!」
女は、クソのカスであった。
「ちょっと1回来ようか?こっちに来てみようか?」
女は、ビキニでパラソルの下で、トロピカルなジュースを片手に、海を眺めながら思った。
「次、変な事を思ってる事にしたら、ブッ飛ばすからな!」
まさか!犯人があの人だったなんて!と。
「まず、私の職業がなんで、なにに巻き込まれてんのかを教えて?」
南国生まれの女は
「初耳っ!?」
南国な仕事をしていた。
「南国な仕事って?そういったショップの店員さん?そういったレストランの店員さん?それか、そういったダンサー?」
女性初の宇宙飛行士似であった。
「なんだかんだで、なんなんだ!私は!」
女がビキニでパラソルの下で、トロピカルなジュースを片手に、海を眺めながら真犯人を突き止めていた時、一方その頃、森では秘宝を手にしたコンビニ店長が、化け物から必死に逃げていた。
「突き止めてないし!逆によくぞ秘宝を手に出来たと、誉めて上げたいわよ!そのコンビニ店長を!」
コンビニ店長は、おぞましい化け物に向かって、口からミサイルを発射した。
「はあ?」
だが、化け物にはきかなかった。
「だって、ミサイルの威力も米粒ぐらいだもの!てか、なんなのよ!どんな構造のコンビニ店長よ!」
コンビニ店長は、死んだ。
「よく死ぬなぁ?そりゃあ、簡単に踏み潰されるでしょうよ!米粒ぐらいなのだから!」
秘宝の呪いによって・・・・・・・・・・・・・・・。
「もう、良い事が何一つない森じゃん!」
第7部ー完ー
「どんなストーリーだっ!!」

第二百九十二話
「こんなストーリーはお好きか?」

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2012年1月25日 (水)

「第二百九十三話」

「師!」
「何だ!弟子!」
「今日こそは、教えていただきます!」
「よかろう。私もそろそろ弟子に教えてやろうと思っていた頃合いだ。」
「ありがとうございます!」
「しかし、これはかなりの苦行になるが、覚悟は出来ているのだろうな?」
「師!勿論です!」
「うむ。ではまず、裏庭に出よ!」
「はい!」
こうして、師と弟子との壮絶な修行が始まった。
「師!これから何をすれば良いのですか!」
「弟子!良く聞くのだ!この裏庭には、無数の地雷が埋められている!」
「地雷?」
「弟子は、この無数の地雷が埋められている裏庭を進み、あの神木を触り、再びここへと戻って来る!それが第1の修行だ!」
「無数の地雷って、師よ!ご冗談を。」
「冗談ではない!」
すると師は、縁側に置いてあった巨大な熊の木彫りを持ち上げると、そのまま裏庭へと放り投げた。
「ドカーン!」
巨大な熊の木彫りは、地面に落ちると共に、木っ端微塵となった。
「・・・・・・・・・・・・・・・。」
「さあ!行け!弟子!五感を研ぎ澄ませ!全ての細胞を集中させよ!」
「・・・・・・・・・・・・・・・。」
「それとも秘伝を諦めたか?」
「・・・・・・・・・行きます!」
弟子は裏庭へ出ると、五感を研ぎ澄まし、全ての細胞を集中させ、地雷を避けて神木に辿り着くと、再び五感を研ぎ澄まし、全ての細胞を集中させ、縁側へと戻って来た。
「うむ。」
「師、次の修行は!」
「七重の塔へ行くぞ!」
「はい!」
師と弟子は、裏庭をあとにし、七重の塔へと向かった。
「弟子!塔の天辺が見えるか?」
「はい!」
「何が見える!」
「青い風船ですか?」
「今から弟子は、この七重の塔の外壁を己の力だけで登り!青い風船を取り!再び七重の塔の外壁を下りてここに戻って来る!それが第2の修行だ!」
「師、これは先程の修行よりも楽ですね。」
「足だけで登り降りをしなければならないと聞いても尚!そんな事を言っていられるかな?」
「足だけで七重の塔を!?」
「そして勿論、ここから七重の塔への道のりには、無数の地雷が埋められている!」
「ここにも無数の地雷って、師よ!ご冗談を。」
「冗談ではない!」
すると師は、近くに置いてあった巨大な熊の木彫りを持ち上げると、そのまま七重の塔付近へと放り投げた。
「ドカーン!」
巨大な熊の木彫りは、地面に落ちると共に、木っ端微塵となった。
「・・・・・・・・・・・・・・・。」
「さあ!行け!弟子!五感を研ぎ澄ませ!全ての細胞を集中させよ!」
「・・・・・・・・・・・・・・・。」
「それとも秘伝は諦めたか?」
「・・・・・・・・・行きます!」
弟子は、五感を研ぎ澄まし、全ての細胞を集中させ、地雷を避けて七重の塔に辿り着くと、足だけを使い外壁を天辺へと登り、青い風船を片方の足で掴むと、もう片方の足で再び七重の塔の外壁を降り、五感を研ぎ澄まし、全ての細胞を集中させ、師が仁王立ちする場所へ戻って来た。
「うむ。」
「師、次の修行は!」
「池へ行くぞ!」
「はい!」
師と弟子は、七重の塔をあとにし、大きな池へと向かった。
「弟子!泳ぎは得意だったな!」
「はい!」
「ならば、この池の底にある人面石を取ってきなさい!それが、第3の修行だ!」
「師!まさか、この池のそこにも地雷が?」
「地雷など仕掛けてはいない。」
「そうですか。それでは、第3の修行に!」
「地雷は無いが、この視界の悪い池の中には、無数の機雷が漂っている!」
「機雷!?って、師よ!ご冗談を。」
「冗談ではない!」
すると師は、池の近くに置いてあった巨大な熊の木彫りを持ち上げると、そのまま池の中へと放り投げた。
「ドカーン!」
巨大な熊の木彫りは、池の中に消えると共に、木っ端微塵となった。
「・・・・・・・・・・・・・・・。」
「さあ!行け!弟子!五感を研ぎ澄ませ!全ての細胞を集中させよ!」
「・・・・・・・・・・・・・・・。」
「それともそろそろ、秘伝は諦めたか?」
「・・・・・・・・行きます!」
弟子は、五感を研ぎ澄まし、全ての細胞を集中させ、機雷を避けて池の底にある人面石を抱き抱えると、再び五感を研ぎ澄まし、全ての細胞を集中させ、無数の機雷が漂う池の中を水面へと泳ぎ、天を仰ぐ師が待つ池のほとりへ戻って来た。
「うむ。」
「師、次の修行は!」
「桜並木の石段へ行くぞ!」
「はい!」
師と弟子は、大きな池をあとにし、桜の木が並ぶ500段ある石段へと向かった。
「第4の修行!逆立ちで500段の石段を往復!」
「師!逆立ちで地雷を避けろと言うのですか?」
「弟子?そんなものは無い!」
「まさか時間制限があるのですか?」
「その通り!」
「その制限時間とは!」
「一段片側30秒!」
「片側?30秒?師!一体それは、どう言う意味ですか!」
「弟子!降りは右側を通り、昇りは左側を通る!その一段一段の両側には、30秒間隔の時限爆弾が仕掛けてある!それを30秒間で解除しながら、ここまで戻って来るのだ!」
「師!それはあまりにもご冗談を!」
「冗談ではない!」
すると師は、近くに置いてあった巨大な熊の木彫りを持ち上げると、そのまま巨大な熊の木彫りで、最初の一段目の右側を指し示した。
「・・・・・・・・・・・・・・・。」
「さあ!行け!弟子!五感を研ぎ澄ませ!全ての細胞を集中させよ!」
「・・・・・・・・・・・・・・・。」
「それともここまで来て、秘伝は諦めたか?」
「・・・・・・・・・行きます!」
弟子は、五感を研ぎ澄まし、全ての細胞を集中させ、逆立ちで時限爆弾を解除しながら石段の右側を降ると、再び五感を研ぎ澄まし、全ての細胞を集中させ、逆立ちで時限爆弾を解除しながら石段の左側を昇り、師が待つ500段目へ戻って来た。
「うむ。」
「師!次の修行は!」
「本堂へ行くぞ!」
「はい!」
師と弟子は、桜の木が並ぶ500段ある石段をあとにし、本堂へと向かった。
「師!これは!」
「第5の修行!それは、本堂にある1000体の熊の木彫りを破壊する!」
「・・・・・・・・・・・・・・・。」
「弟子!どうかしたのか?」
「いえ、今度は一体どこに爆発物が仕掛けられているのかと?」
「安心しろ。本堂や熊の木彫りに、爆発物など仕掛けてはいない。」
「そうでしたか。勘繰ってしまってすみませんでした。」
「ただし!弟子が1000体の熊の木彫りを破壊したと同時に!私が爆発する!」
「えっ!?」
「何を今更、驚く事がある!弟子!一子相伝とは、そう言うものだ!」
「・・・・・・・・・・・・・・・。」
「さあ!行け!弟子!五感を研ぎ澄ませ!全ての細胞を集中させよ!」
「・・・・・・・・・・・・・・・。」
「それとも本気で、秘伝は諦めたか?」
「・・・・・・・・・・・・・・・。」
「どうした!」
「・・・・・・・・・・・・・・・。」
「何を躊躇う!」
「・・・・・・・・・僕が1000体の熊の木彫りを破壊すれば、師が爆発してしまう。」
「だから何だ!」
「師を殺す事など!僕には出来ません!」
「弟子!弟子とは師を喜ばせてこそ真の弟子!師を悲しませる様な弟子はいらん!修行を放棄するのなら!今すぐここを立ち去れい!」
「・・・・・・・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・やります!」
「ならば涙を今すぐ拭けいっ!!」
「師!今までありがとうございました!」
「弟子!礼を言うなら成功してからしろ!」
「はい!」
「さあ!行け!弟子!五感を研ぎ澄ませ!全ての細胞を集中させよ!」

第二百九十三話
「人差し指を曲げる修行」

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