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2012年1月18日 (水)

「第二百九十二話」

 森の中に、一人の男が迷い込んだ。
「はっ?ここ、海だし!私、女だし!」
この森には、昔から化け物が出ると、伝えられていた。
「おいこら!こらおい!ストーリー!」
男は、この森に眠る伝説の秘宝を手に入れる為、迷い込んだ。
「何で秘宝を手に入れる目的があんのに、迷い込んでんだ!」
この森への侵入ルートは、ただ1つ。偶然に迷い込む以外になかった。
「ああ、なるほどね。って、おいこら!こらおい!ストーリー!だから、海だし!女だし!アドベンチャー感ゼロだし!」
それは、突然の出来事だった。
「はい?」
そう、それはまさに、あまりにも突然の出来事ではないような、突然の出来事だった。
「じゃあ、突然の出来事じゃないんじゃん!」
急に雨が止んだかと思ったらまた、雨が降り出したのだ。
「いや、ピーカンですけど?バカンス感100%ですけど?って、言う程の事?それ、突然の出来事って、期待感持たせる程の事なわけ?」
男は、たじろいだ。なぜなら男は、雨に当たると死ぬ体質だからだ。
「いやいやいや、降ってたわけでしょ?今更たじろぐなら、最初から日を改めてから来れば?てか、その無茶苦茶な設定は、なんなわけ?今までよくぞ生きてたな!」
不意に男の肩に雨粒が当たった。しかし男は、それを当たってないって事にして、九死に一生を得た。
「はあ??」
そしてまた、男の肩に雨粒が当たったが、それもまた男の機転により、九死に一生を得た。
「九死に一生得っぱなしじゃん!てか、死なないんでしょ?」
そして三度、男の肩に雨粒が当たった。
「なんで、そいつはそんな体質なのに、わざわざ雨が当たる場所にいるわけ?それはつまり死なないからでしょ?」
男は死んだ。
「死んじゃった!?って、なんなわけ?今考えるとその男は、素っ裸だったわけ?」
森の中に、小さな男の子が迷い込んだ。
「2人目が来たーっ!って、おいこら!こらおい!ストーリー!私のストーリーを語りなさいよ!私のを!」
小さな男の子は、もう少ししたら、小さな男の子ではなくなる。
「いや、そんな無駄な成長力の話なんて、どーでもいい!私の!」
今は、米粒ぐらいの大きさだか、いずれお粥の米粒ぐらいはなる。
「雨で?雨でふやけちゃうのかな?てか、どんだけ小さいのよ男の子!」
この森には、魔法がかけられていて、入った人間は皆、米粒だいの大きさになってしまうのであった。
「そう言うルールは、1人目の時に言っといてよね!」
小さな男の子は、死んだ。
「急になに!?なにが巻き起こったわけ!?」
寿命であった。
「悲しい悲しい!なんか物凄く悲しい事になってるじゃないの!なに、その斬新な主人公の死に方!って、私だから!私が、このストーリーの主人公だから!」
大佐が来た。
「もうなんか、説明がだいぶ省力化されてきちゃっわね!」
大佐は、大佐の命令で森に迷い込んだ。大佐が大佐を嫌っての行為であったが、大佐にしてみれば、大佐のその行為は、好都合であった。そもそも大佐は、二重大佐であり、あっちの大佐からの命令で、そっちの大佐の大佐っぷりを情報収集していたからだ。
「はあ??てか、はあ???」
大佐は、死んだ。
「なんでだ!」
自らの手で、自らの頭を銃で撃ち抜いて、死んだ。大佐が選んだ道は、死と言う名の自由であった。
「いやいやいや、果てしなく意味が判らないから!そこんとこ!」
と同時にそれは、自由と言う名の死であった。
「でしょうね!違う言い方で、同じ事を言ってるだけですからね!」
大佐のその顔は、鬼の形相であった。
「完全に何かを怨みまくってんじゃん!全く大佐にとって自由じゃないじゃん!もっとこう?その森で気長にのんびりと暮らすとかあったんじゃないの?」
この森に足を踏み込んだ人間は、24時間以内に脱け出さなければ死んでしまうのだった。
「その物語上、都合の良い新ルールの後出し、やめてくんない?って、早く私のストーリーを語りなさいって!私のーっ!」
ここは、海さ。
「ん?んん?なんか急にノリが軽やかになってない?ステップ踏んでない?まあ、ストーリーが進むならいいけど。」
ここは、海さ。
「判ってるわよ。」
ここは、海さ。
「なに?休憩中?テープの自動再生?ストーリーの自動操縦?そんなの許されないでしょ!」
女は、無数のオオカミに囲まれた。
「どーゆー展開だ!」
いや、むしろ女が無数のオオカミを囲んだ。
「忍者か!私は!」
忍者だ!
「違うわよ!ビキニでパラソルの下でトロピカルなジュースって!だったら、忍者業界へのアンチテーゼだ!私は!」
無数のオオカミは、カニであった。
「どうした!私の目!」
女は、ビキニでパラソルの下で、トロピカルなジュースを片手に、海を眺めながら思った。
「ああ、なんかやっとな感じね。やっと私のストーリーが動き出したって感じね!」
広っ!?
「アホか!私は!」
女は、アホだった。
「一流の大学出てますけど?」
女は、見栄っ張りであった。
「だとしてもだ!美味いスイーツ食べて、美味いって言うのとは、わけが違うぞ!」
女は、ビキニでパラソルの下で、トロピカルなジュースを片手に、海を眺めながら思った。
「いいわけ?仕切り直しとかありなわけ?」
液体っ!?
「クソか!私は!クソのカスか!」
女は、クソのカスであった。
「ちょっと1回来ようか?こっちに来てみようか?」
女は、ビキニでパラソルの下で、トロピカルなジュースを片手に、海を眺めながら思った。
「次、変な事を思ってる事にしたら、ブッ飛ばすからな!」
まさか!犯人があの人だったなんて!と。
「まず、私の職業がなんで、なにに巻き込まれてんのかを教えて?」
南国生まれの女は
「初耳っ!?」
南国な仕事をしていた。
「南国な仕事って?そういったショップの店員さん?そういったレストランの店員さん?それか、そういったダンサー?」
女性初の宇宙飛行士似であった。
「なんだかんだで、なんなんだ!私は!」
女がビキニでパラソルの下で、トロピカルなジュースを片手に、海を眺めながら真犯人を突き止めていた時、一方その頃、森では秘宝を手にしたコンビニ店長が、化け物から必死に逃げていた。
「突き止めてないし!逆によくぞ秘宝を手に出来たと、誉めて上げたいわよ!そのコンビニ店長を!」
コンビニ店長は、おぞましい化け物に向かって、口からミサイルを発射した。
「はあ?」
だが、化け物にはきかなかった。
「だって、ミサイルの威力も米粒ぐらいだもの!てか、なんなのよ!どんな構造のコンビニ店長よ!」
コンビニ店長は、死んだ。
「よく死ぬなぁ?そりゃあ、簡単に踏み潰されるでしょうよ!米粒ぐらいなのだから!」
秘宝の呪いによって・・・・・・・・・・・・・・・。
「もう、良い事が何一つない森じゃん!」
第7部ー完ー
「どんなストーリーだっ!!」

第二百九十二話
「こんなストーリーはお好きか?」

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