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2012年3月28日 (水)

「第三百二話」

「少年兵!」
「少年だよ少年!単なる少年!兵じゃないから!」
「ああ、びっくりした!手榴弾なんか持ってるから、おっちゃんいよいよ殺されちゃうのかと思ったよ。あっはっはっはっ!ごほっごほっ!かーっぺっ!って、何で手榴弾?」
「汚っ!?ってまあ、おっちゃんの店だから別にいいんだけどさ。ああ、手榴弾?これは財布だよ。面白グッズってやつ?」
「紛らわしい!いやマジ紛らわしい!にほんとにっぽんぐらい紛らわしい!」
「どっちも対象が同一だから紛らわしくないでしょ!」
「そーなの!」
「まあ、おっちゃんが、何を何と勘違いしてたのかとか、なんでいよいよ!殺されそうかなのかとか、全く興味無いから、とことんどーでもいいんだけどさ。」
「そうか。じゃあな。」
「うん。じゃあね。でなくて!」
「何だよ!やんのかよ!」
「やんないよ!何でファイティングポーズ?小学生相手に何をするつもり?」
「居合い斬り!」
「の要素ゼロじゃん!もう!今日は鳥を買いに来たんだよ。」
「鳥を?失恋でもしたのか?」
「失恋でもしないと鳥って飼ったらいけないの?」
「どーぞどーぞ!」
「なら、余計な事を言わないでよね!」
「んで?お気に入りのコンドルは見付かったかな?」
「いやまだ、入り口付近だし!コンドルいないし!コンドルいらないし!まだ、決まってないよ!」
「良かった。コンドル下さいなんて言われたら、どーしようかと思ってビクビクしちった!」
「頭の後ろに手を置いて舌を出すまでは分かるけど、何で階段を昇るパントマイムで迫って来るの?」
「迫りたいからさ!」
「まさかのゲンコツ!?」
「をかわされた!?」
「いや、メチャクチャにスローモーションだったし!ってまだやってんじゃん!」
「もういい?」
「もういい。」
「まあ、1羽しか今はいないが、何か気に入った鳥や、この顔にピンときたら、声掛けてくれよ。おっちゃんは、それまでこーしてるからさ。」
「人が鳥を選んでる時に、スローモーションゲンコツとか邪魔だからやめて!てか、店に入った瞬間に、やっちまったって思ったけど、マジで1羽なの!?」
「今日、水曜日だろ?」
「水曜日だよ?」
「水曜日になるのって、あっという間だなぁ。」
「いや、曜日で、んな事を言ってたら、年末とかどーすんの?って、水曜日だから鳥が1羽とかって話じゃないの?って、1羽なら店開けなきゃいーじゃん!」
「何を言ってやがんだ!小童!こーして店開けてなきゃ!今日、鳥が買いたいって人に迷惑だろ!現に少年!良かっただろ?嬉しかっただろ?毎度ありがとうございました。」
「直角過ぎない?物凄く直角過ぎない?その、ありがとうのお辞儀?って、誰があんな鳥かごの中でうなだれてる鳥を買うんだ!そして飼うんだ!」
「暑い国の珍しい鳥だからね。」
「いやいやいや、それで全てが納得いく説明じゃないでしょ!いやむしろ逆に無理でしょ!だってあの鳥!鳥かごの柵にもたれ掛かって、冬なのにもう片方の羽を団扇代わりに扇いでるって、おかしいじゃん!」
「鯨を食べるんだよ。」
「嘘丸出しじゃん!鯨を食べるからじゃあ、何なの?その何かでっかい生き物を言っとけば子供は喜ぶって発想間違ってるからね!」
「何かこの店!鳥くさーい!嫌だー!」
「誤魔化し方にも程があるっしょ!おっちゃんがそれ言っちゃったら、おしまいでしょ!」
「少年!あの鳥はな!夜になると発光する珍しい鳥なんだよ!原住民達は、あの鳥を灯りとして夜を過ごしていたんだ。どうだ?非常時にも役に立つぞ!ってまあ、嘘だけどな!あっはっはっはっ!ごほっごほっ!かーっぺっ!」
「嘘の醍醐味とか、どーでもいいんだ!」
「それにな。あの鳥は、飼い主に幸運をもたらしてくれんだよ。」
「どーせそれも嘘なんでしょ?」
「嘘なものか!昔から、あの鳥の飼い主は、謎の集団に襲われないと言われているんだぞ!」
「まず、謎の集団に襲われるなんて事が!一生に一度あるか無いかでしょ!てか、謎の集団って、何!」
「さあな?謎の集団だからな。謎だな。」
「もういいよ。もっと沢山、鳥がいる時に、また来るよ。」
「ちょっと待った!」
「何?」
「今なら特別だ!この値段で売ってやろう!」
「いや、妥当な金額!特別感ゼロだよ!で、何でわざわざ電卓の画面にマジックで書いちゃうの?」
「自慢じゃないが、おっちゃんは今までの人生で、マジックを使いきった事がない!」
「・・・・・・それ、本当に自慢じゃないから、他で絶対に話さない方がいいよ?」
「銃口を向けられたとしても、そうしろと?」
「話したきゃ話せば?もう、帰るね。何か物凄く疲れたよ。」
「少年!これだけは確かなんだ。あの鳥は本当に珍しい鳥なんだ。」
「珍しいのは、何と無く分かるよ。」
「特殊な能力を持ってる鳥なんだ!」
「特殊な能力?」
「どうだ?欲しくなったか?でも、売らないぜ!」
「売らないんじゃん!」
「いや違うんだ!今のもあの鳥の影響なんだ!」
「はあ?意味が分からないよ!どんな影響?」
「あの鳥と同一空間にいると、ボケたくなってしまうんだ!」
「えっ?なら、今までのおっちゃんの変な行動や発言は、全部あの鳥の影響だって言うの?」
「まあ、おっちゃんの場合は好きでやってるだけなんだけどな!」
「どっちだよ!」
「いや、今のもなんだ!あの鳥に言わせられてるんだよ!呪われた鳥なんだよ!」
「うん、なら絶対に買わないよね!」
「おっちゃんも絶対に売らない!」
「じゃあ、もう本当に帰るよ?」
「待て待て待て!!」
「メチャクチャ出口の方に押してんじゃん!何なの!おっちゃんの言ってる事が本当なら!あの鳥は一体なんなの?」
「ツッコミ鳥!」
「はあ?」

第三百二話
「ツッコミ鳥のボケちゃん」

「それ、どっちが呪われてんの?」

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