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2012年5月30日 (水)

「第三百十一話」

「おい!人間!」
「何だ!魔物!」
これは、古の話。人間界にまだ、魔物と呼ばれる異形の存在が居た頃の話。魔物は、人間を襲い、奴隷にし、食していた。人間は、そんな魔物を絶滅させるべく、英雄を募った。
「お前に!俺様ガ倒せるのか!」
「それは知らん!」
「知らん?ブハハハハ!人間の英雄とは!また随分と阿呆なんダな!」
「俺は、ここで命を落とすかもしれない!いや!落とすだろう!だが!人間は、お前ら魔物になんか!絶対に負けない!」
「そりゃあ、おい。無駄死に、って奴ダゾ?なあ?人間よ。死ぬのガ分かりきってる戦いなんて無意味ダとは思わないか?死ぬくらいなら、素直に俺様達の奴隷になって長生きしたらドうダ?」
「確かに、確かにこれは無駄死にかもしれない。」
「そうダ!無駄死になんてしてドうする?さっさと剣を捨て、投降したらドうダ?このダダっ広い草原の上に無意味に散った数百の仲間の死体みたいにはなりたくないダろ?こんダけ人間ガ束になったとこデ、俺様すら倒せない。なあ?これデ一体、人間はドうやって魔物の支配から逃れられるってんダ?分かったんなら人間。ほら、さっさと剣を捨てろ。」
「魔物の奴隷になるってのはもう!人間じゃなくなるって事だ!俺は最後まで人間だ!」
「ああ下らねぇ!全く下らねぇ!魔物の奴隷になろうガ、人間は人間ダろ?それとも何か?奇跡ってのを信ジてんのか?本当に人間ガ魔物を討伐出来るなんて思ってんのか?」
「きっとそれは、俺の時代には叶わない願いかもしれない。だけど!いつの日にかその時代は必ずやって来る!」
「ブハハハハ!もう笑うしかねぇよ!奴隷になる気ガないんなら、死んデ俺様の餌になれ!」
「ハハハハハハ!」
「ん?何ガそんなに可笑しい!餌になるのガ嬉しいのか?それとも気デも狂ったか?」
「いや、お前がとても憐れだからだよ。」
「憐れ?ふっ、人間よ。吠えるなら、もっと後世に残る様な立派な言葉デも吠えてみたらドうダ?」
「まだ分からないのか?魔物の支配なんて、そう長くないって事が!」
「それこそ有り得ない!有り得ないゾ人間!俺様達は最強の生物ダ!この世界のピラミッドの頂点に君臨してる生物ダ!俺様達の支配は未来永劫ダ!」
「だから憐れだって言ってるんだ。いつの時代にどんな方法で魔物が絶滅するのかは知らん!今日かもしれないし数百年後かもしれない!だが、確実に魔物は滅びる!」
「人間?そろそろ、死んドくか?お前は、今まデデ一番つまんねぇ人間ダよ。それとも予言者にデもなったつもりか?」
「いいや、これは予言なんかじゃなく、確実に訪れる決められた未来だ。」
「ふ~ん。」
「鼻をほじってるお前が憐れで仕方無いから、最後に教えてやるよ。それから俺を殺して食らえばいい!」
「それはそれは、親切にありガとうゴザいます。」
「冒頭で既に書かれてるだろ?この時代が魔物の居た頃の話だってな!」
「それ、ズるくねぇ?」

第三百十一話
「魔物の居た頃の話」

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