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2013年2月20日 (水)

「第三百四十九話」

「よっしゃ!遊園地、きたぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
「なあ?」
「どれ乗る!どれ乗る!」
「なあ?ってさ。」
「やっぱ遊園地に来たんだからまずは、あそこのベンチに座って一休み?って何でだよっほい!」
「あのさ。一人でノリツッコミして楽しんでるとこ、大変申し訳ないんだけどさ。」
「何だよさっきっから、どした?」
「何で三十代半ばの男二人で遊園地に来ないといけないんだ?」
「遊園地に!三十代半ばの男二人で来てはならないと言う禁止事項はないっ!!」
「いやまあ、そりゃそうなんだけどさ。」
「そんな事を言うけどな。お前だってノリノリで誘いにノってここまで来たんだ。僕らは来たんだ。」
「だってさ、女の子がいると思うだろ普通!」
「それは、お前が勝手に描いた妄想!俺は女の子がいるだなんて、一言も言ってぬわい!」
「ならお前、マジで最初から俺と二人で遊園地に行く為に、こんな開園時間ぴったし着くような、あんな朝早くに待ち合わせしたのかよ!」
「どう考えてもそうだろ!よっしゃ!妙な蟠りも無くなった事ですし!旦那?まずは、何から乗っちゃいやすか?ジェットコースター?メリーゴーランド?コーヒーカップ?それとも?観覧車?」
「なあ?お前、どんなテンションでこの場にいんのさ。・・・・・・違うよな?」
「当たり前だろ!俺はな!女の子が大好きだ!出来れば一生!女の子を触っていたい!」
「いや、分かったよ。」
「すれ違う女の子、すれ違う女の子、俺は頭の中で全員裸にしてる!」
「いやもう、分かったからさ。お前が違うのは、十分に伝わったから、だからそんな事を堂々と大声で言わないでくれ。警備員の人とか来ちゃうからさ。」
「三十代半ばの男二人で喫茶店に行くのはよくて、なぜ遊園地はいけない!三十代半ばの男二人でファミレスに行くのはよくて、なぜ遊園地はいけない!三十代半ばの男二人で映画館に行くのはよくて、なぜ遊園地はいけない!」
「分かったから、ありだよあり!これもまあ、ありだよあり!」
「よし!ジェットコースター乗ろう!」
「分かった。乗ろう。」
三十代半ばの男二人は、ジェットコースター乗り場に行き、そしてジェットコースターに乗った。
「いや~!凄かったな!両目とれるかと思った!」
「よし、じゃあジェットコースターも乗った事だし、そろそろ帰ろうか。」
「待て待てーい!ジェットコースターしか乗ってないし、そろそろ帰ろうかってのは、陽が暮れてから言う言葉だし、え何?嫌なの?三十年以上の付き合いの親友と遊園地、嫌なの?」
「嫌ではないんだけどさ。何て言うか、回りの目が気になるんだよ。」
「お前は器がちっさいなぁ!回りは回り!俺達は俺達だろ!忍法は忍法!」
「忍法関係ある?」
「いいかい?どーせ二度と会う事もない肉の塊だぞ?もしも明日、地球が滅亡するって知ったら、慌てふためくような奴らだぞ?」
「いや、それは誰でもだろ。」
「うんこをケツの穴からするような奴らだぞ?」
「むしろ、そうじゃない的な事を言ってるお前が、こえーよ!」
「外国人に話し掛けられてオロオロする奴らだぞ?」
「お前もさっき駅前で、そうだったじゃんか!」
「いざとなったら、自分の安全だけを考えるような奴らだぞ?」
「お前!さっきジェットコースターの安全バーがグラグラするっつって!席交代させたろ!」
「つまりだ!回りの目なんか気にするな!って事だよ!」
「めちゃくちゃな遠回りでそこに辿り着くんだな。いやまあ、言いたい事は分かるんだけどさ。」
「それにな!遊園地は俺達の原点だろ!」
「その思い出共有してない。」
「よし!じゃあ、次は何乗る!何乗る!メリーゴーランド?コーヒーカップ?それとも?観覧車?」
「観覧車だけは絶対に嫌だ!」
「よし!ジェットコースター乗ろう!」
「また?」
三十代半ばの男二人は、ジェットコースター乗り場に行き、そしてジェットコースターに乗った。
「いや~!凄かったな!両目とれるかと思った!」
「ちょっとさすがに二回連続ジェットコースターは、三十代半ばにはしんどいな。」
「何言ってんだよ!来てまだ、二つしか乗り物を満喫してないんだぞ?」
「まあ、正確には一種類だけどな。ちょっと次は落ち着いた感じのにしない?」
「お化け屋敷とか?」
「嫌だよ!」
「あら?お前、まさかのかさま?」
「回文加減がいい加減過ぎるだろ。」
「で、恐いの?」
「恐い訳じゃないよ。」
「いや、俺には分かる!お前、昔からお化けとか苦手だったもんな!でも大丈夫!お化け屋敷って言っても!本物のお化けが出る訳じゃないから!」
「いや、そんな事は分かってるさ。そうじゃなくて、三十代半ばの男二人でお化け屋敷は、観覧車に乗るぐらい嫌なんだよ。」
「よし!なら、ジェットコースター乗ろう!」
「何で?」
三十代半ばの男二人は、ジェットコースター乗り場に行き、そしてジェットコースターに乗った。
「いや~!凄かったな!両目とれるかと思った!」
「ちょっと、マジで吐いちゃうよ。」
「よし!コーヒーカップ行っとくか?」
「何で、マジで吐いちゃうって言ってる親友をマジで吐かそうとしちゃうんだよ!ちょっと一旦、ベンチに座って一休みしよう。」
「って、何でだよっほい!」
「いや、ボケてないボケてない!冷たいもん飲みながら一休みしよう。」
「お前、遊園地の一休みがどれだけ危険な事なのか分かって言ってんのか?」
「いや、大丈夫だよ。休んだら最後、落ち着いちゃってもう二度と乗り物に乗りたくなくなるって言いたいんだろ?そんな事ないからさ。」
「違う!遊園地のベンチのどれかは、座ると下から杭が出て来る!」
「どんな仕掛けだよ!てか、死ぬだろそれ!」
「だから危険だっつってんの!!」
「お前、俺をベンチに座らせないが為に、幼稚園児ですら思い付かないとんでもない凄い嘘付くんだな。分かったよ。じゃあ、ジェットコースター以外な。」
「よし!だったら、ジェットコースター乗ろう!」
「吐くよ?出ちゃうよ?なあ?なあ?って!」
三十代半ばの男二人は、ジェットコースター乗り場に行き、そしてジェットコースターに乗った。
「いや~!凄かったな!両目とれるかと思った!」
「それ何なの?確かにそう言う宣伝文句のジェットコースターだけどさ。仮にマジでとれそうなら、なぜお前は何度も何度もジェットコースターに乗る!」
「この幸せな気分のまま、よし!ジェットコースター乗ろう!」
「もうとれちゃえよ!」
三十代半ばの男二人は、ジェットコースター乗り場に行き、そしてジェットコースターに乗った。
「いや~!凄かったな!両目とれた!」

第三百四十九話
「とれちゃった!?」

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