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2013年3月20日 (水)

「第三百五十三話」

「表なら、この世界は素晴らしい世界。裏なら、この世界はあるべきでない世界。」
「プレジデント?」
「長官、結局こう言う事ってのは、こう言う事なんだよ。」
「言ってる意味が分からない。ここは、何でもない時に、フラッと足を踏み入れてはならない場所だぞ。」
「このボタンを押せば、地球のコアを直接破壊出来る。」
「これは大問題だぞ!プレジデント!今ならまだ大事にならずに、視察と言う事でこの場を凌げる!早く出て行くんだ!」
「表なら、この世界は素晴らしい世界。裏なら、この世界はあるべきでない世界。」
「おい!まさかそんな重大な事を本気でコイントスなんかで決めようとしている訳じゃないだろうな!」
「本気だよ、長官。僕は、本気さ。本気でなければ、こんな事は出来ない。」
「ふざけるな!人間の命をなんだと思ってるんだ!」
「本当は、ここに1人で来たかったんだけど、長官のパスがどうしても必要でね。ロープで縛るなんて手荒な真似しちゃって、悪かったね。でも、こうでもしないと長官は、僕の事を全力で止めるでしょ?」
「当たり前だ!!」
「宇宙が大きな箱だとしたら今、地球は50%死んでいて、地球は50%生きている。」
「シュレーディンガーの猫か?お、おい!プレジデント!やめろ!やめるんだ!」
「表なら、この世界は素晴らしい世界。裏なら、この世界はあるべきでない世界。」
「やめ」

第三百五十三話
「コイントス」

「・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・プレジデント?」
「・・・・・・・・・。」
「ど、どっちなんだ!コインは!表か!裏か!お、おい!プレジデント!」
「・・・・・・・・・。」
「プレジ・・・・・・何がおかしい?」
「長官?どうして、僕の手の中のコインの裏表が気になるんだい?」
「当たり前だろ!この地球の!人類の命運がそこにはあるんだぞ!」
「長官?それはつまり、貴方の頭の中では今、地球は50%死んでいて、地球は50%生きているって事だよ?」
「何を言ってるんだ!」
「さっきまで、貴方の頭の中では地球は100%生きていたのに、コインを弾いた瞬間、貴方の中で地球は50%死んだ。」
「確かにそう言われてしまえばそうだが!コインを弾いたのはプレジデント!アンタだろ!」
「そう、確かに僕だ。だけどその結果、貴方の中で地球は50%死んでいて、地球は50%生きている。50%、地球の死を受け入れてしまったんだ。」
「バカな!それはあくまで頭の中での話だ!」
「違うよ。50%有り得る現実を受け入れてしまったって事さ。それはつまり、こうなっても仕方の無い現実を描いたって事さ。」
「お、おい!何してる!コインを見ないのか!そ、それに!私以外の人類の中では地球は100%生きているじゃないか!」
「コイン?ここのパスを持つ立場の貴方が受け入れてたと言う事は、即ちこの状況なら誰もがそれを受け入れるって事じゃないか。コインを見る必要性があるのかい?」
「やめろぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」

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