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2013年4月 3日 (水)

「第三百五十五話」

「おい!エビ!」
「何だ!カニ!」
「ジャンケン、しようぜ!」
「ジャンケン?カ~ニ~?お前、オレに勝てると思ってんのか?」
「エビ?オレがお前に勝てない理由があるのか?」
「ある!」
「何だと!?」
「それは、お前がオレに負けるからだ!」
「オレが?お前に負ける?カニカニカニカニカニ!」
「エビエビエビエビエビ!って何がおかしい!」
「お前がジョークを言うからに決まってるだろ?お前がオレに勝つのは無理だ!」
「なぜだ!」
「分からないのか?それは、勝つのはオレだからだ!」
「エビエビエビエビエビ!」
「カニカニカニカニカニ!ってお前こそ何がそんなにおかしい!」
「これが笑わずにいられるか?カニ、お前は何も分かてない。」
「ああ?オレが何を分かっちゃいないって言うんだ!エビ!」
「ジャンケンってのは、単純な三竦みの勝負じゃないって事をだ。大事なのは己の精神力だ。」
「精神力?」
「そうだ!相手が何を出すのか?そんな妙な駆け引きや小細工なんて必要ない。精神力が相手を上回っていれば必然的に勝つ!それがジャンケンだっ!」
「だとしてもだ、エビ?それじゃあ何か?オレの精神力がお前の精神力より劣ってると、そう言いたいのか?」
「他に何を考えられるんだ?」
「カニカニカニカニカニ!」
「エビエビエビエビエビ!」
「カニカニカニカニカニ!」
「エビエビエビエビエビ!」
「カニカニカニカニカニ!」
「エビエビエビエビエビ!」
「カニカニカニカニカニ!」
「エビエビエビエビエビ!」
「カーニカニカニカニカニ!!」
「エービエビエビエビエビ!!」
「ふざけるなっ!俺の精神力がお前より劣ってるだと!それはこっちのセリフだ!エビ!!」
「それはやってみれば分かる事だ。しかしカニ?」
「何だ!エビ!」
「ただ、ジャンケンで勝敗だけを決めるのも面白くないとは思わないか?」
「ああ、そうだな、エビ。確かにそれだけじゃあ面白くない。そして何よりも勝利したオレの気がおさまらない。」
「ここはそうだなぁ?どうだ?負けた方が命を支払うってのは?」
「・・・・・・・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・どうした?命と聞いて、急に怖じ気付いたか?」
「いいや、違う。オレに負けて命乞いをするお前の姿が浮かんで、哀れで笑うに笑えなかっただけだ。」
「それは良かった。怖じ気付いて逃げ出されたら、楽しい時間が台無しになるとこだった。」
「エビ、オレは今までジャンケンで負けた事が無いんだぜ?」
「カニ、それは脅しか何かか?それともオレの動揺を誘う虚しいハッタリか?」
「ハッタリ?そんな小細工を使う必要がどこにある?これは事実だ!」
「事実だとしてもカニ、それはあくまでカニ同士の馴れ合いのジャンケンの話だろ?」
「テメェ!馴れ合いだと!」
「そうだ馴れ合いだ。命を支払わない馴れ合いのジャンケンの世界の話だ!」
「なら、エビ?お前の無敗神話もその馴れ合いジャンケンと言う訳だな。」
「何を!?」
「だってそうだろ?命を支払わないエビ同士の馴れ合いのジャンケン。お前の言うオレの馴れ合いの無敗と何が違う?」
「貴様ぁぁぁ!オレの無敗を侮辱するつもりかぁぁぁ!」
「まあ、そう熱くなるなよ、エビ。お前が勝ったら、そん時は土下座でも何でもしてやるよ。」
「その言葉!忘れるなよ!カニ!」
「ああ、忘れるもんか。ただし、お前が負けたらお前は、土下座したまま命を支払う事になる。」
「エビエビエビエビエビ!」
「カニカニカニカニカニ!」
「エビエビエビエビエビ!」
「カニカニカニカニカニ!」
「エッビッビッビッビッビ!!」
「カッニッニッニッニッニ!!」
「面白いっ!勝利だ!カニ!」
「後悔するなよ!エビ!」
「ジャンケンは、精神力で決まると言う意味も分からないお前に勝ち目はない!」
「分かってるさ!」
「いいや、お前はジャンケンの本質を理解してない!」
「本質だと!?」
「7秒の無意識をお前は知らない!」
「7秒の無意識だと!?」
「何かを決断した時!既に無意識レベルで脳はその決断を7秒前にしている!つまりは!ジャンケンの決着とは既に!ジャンケンの掛け声以前に決定している!それが即ち!精神力の領域だ!」
「だとしてもだ!エビ!オレの勝利に変わりはないっ!」
「・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・。」
「行くぞっ!カニ!」
「来いっ!エビ!」
「ジャァァァァァァァァァァァァァァァン!」
「ケェェェェェェェェェェェェェェェェン!」
「「ポイ!」」
「・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・。」
「・・・・・・やるな。」
「お前もやるな、エビ。」

第三百五十五話
「やるな。とかじゃねぇし!」

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