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2013年5月

2013年5月 1日 (水)

「第三百五十九話」

「助けてー!毒突きマーン!」
「死ね!」
「死ね、はおかしいでしょ!どんな登場よ!」
「どうしたんだ!ブス!」
「そうよ!それよ!」
「いや!ブサイク!いやブス!いやいやブサイク!いやいやいやブス!いやいやいやいやブ」
「どっちでもいい!ブスでもブサイクでも!そんなのはどっちだっていいの!」
「さて、それで?ブスはなぜ私を?この状況、まあだいたいの事は検討つくがな。」
「この時限爆弾を解除して欲しいの!解除が無理なら!この部屋からアタシを連れ出して!」
「ブスは何?何で時限爆弾がある部屋で暮らしてんの?」
「暮らしてる訳じゃないわよ!どこの誰が時限爆弾のある部屋で柱に縛り付けられながら暮らすのよ!だいたいの事の検討、まったくついてないじゃない!アタシは、ある研究施設の研究員なの。その研究を巡った争いに巻き込まれたのよ。だからこうして拉致されて殺されかけてるの。」
「殺されかけてるって、ブス。これはもう殺されてるに部類されてるだろ。」
「そうよ!だから、毒突きマンを呼んだのよ!早く爆弾を解除するかアタシをここから連れ出して!」
「時限爆弾かぁ。」
「そう!こんな構造の時限爆弾、見た事ないわ。」
「初めて見るけど、凄いな!ブス!」
「そうね。初めて見るのがこれだったら尚更ね。」
「凄いな!ブス!」
「凄いわね。」
「これは凄い!」
「分かったから早くアタシをここから連れ出してよ!」
「うるさい死ね!」
「ねぇ?毒突きマン?死ねは絶対おかしいからね?それ!毒突きじゃないから!」
「ブタ!」
「そうよ!死ねはダメよ!絶対にダメ!しかも状況が状況なんだから!」
「この黒いコードでもまずは切ってみますか!」
「ちょーっと待ったーっ!」
「何だよ、ブス。」
「初めてなんでしょ?時限爆弾!」
「そうだよ。凄いな!生の時限爆弾!」
「そうなのよ!凄いのよ!凄過ぎて、とてもじゃないけど時限爆弾初心者には手が出せないのよ!それなのに何で?何、爆弾を解除する選択肢の方を選択しちゃってんの?」
「実際にこうして見るのは初めてだが、映画やドラマでは何回も観てる!」
「で?」
「この黒いコードを切ればいんだろ?」
「躊躇!?ないの躊躇いとか!切ったら爆発するかもしれないのよ?」
「爆発しないかもだろ?」
「それはそうだけど、したら二人とも死ぬのよ?」
「爆発しても私だけ生き残るかもしれないだろ?」
「爆弾にアタシより近い位置にいるのにそんな結末訪れる訳がない!それ以前にそのコードを切ったら確実に爆発するのよ!」
「おいおいおい、何でそんな事がブスに分かるんだ?」
「それは、アタシが単なるブスじゃないからよ。」
「あれか?兵器でも研究してるのか?」
「そうよ。アタシは新兵器を研究してる施設の研究員よ。その新兵器のデータを巡った抗争に巻き込まれた顛末よ!そのアタシが解除出来ないって言ってるの!」
「おい、ブタ。こんな言葉を知ってるか?」
「何よ。」
「ビギナーズラック!」
「それで乗り切れる状況じゃないでしょうが!もしかしたら時限爆弾に触れるだけでも爆発するかもしれないのよ!」
「いやそれはない。」
「何でそんな事がド素人の毒突きマンに分かるのよ!」
「さっきからベタベタ触っているが、ご覧の通りだ!」
「物凄い笑顔!?何でそんな恐ろしい事をしといて、そんな笑顔が出来る訳?信じらんないわ。」
「ウンコは何かと」
「ちょっとごめん。ちょっと待って。」
「どうしたんだ?」
「ウンコって、毒突きなの?ウンコは違くない?毒突きのそれとはまた別物じゃない?」
「ウンコは毒突きだ!そもそもウンコを毒突きに初めて持ち出したのは、中世ヨーロッパの貴族だと言われ初めている。」
「凄くよく分からない毒突き用語の歴史をありがとう。」
「だが一方ではこんな説もある。宇宙が爆発を起こし、地球が誕生する以前から既に、ウンコは毒突きとして存在していた。」
「嫌な始まりね。」
「しかしまた一方では」
「もういいわよ!どんだけウンコの毒突きについて語るつもりよ!」
「ブスが聞いてくるからだろ!ちょっとごめん。ちょっと待って。ウンコって、毒突きなの?って!」
「アタシ、そんなダンディーな口調じゃありません。ってこんなどうでも言い会話してる場合じゃないのよ!もう時間も無いんだから早くアタシをここから連れ出してよ!」
「さっきはブスに話を途中で遮られたから改めて言うがな。」
「何よ。」
「ブスは何かと物事を難しく考え過ぎなんだよ。」
「どう言う意味よ。」
「この黒いコード切ったら、案外こんなもんは簡単に解除出来るかもしれないって事だ。」
「んな訳ないでしょ!見れば分かるもんは、見れば分かるのよ!唾付けとけば治る擦り傷とは訳が違うのよ!」
「擦り傷から雑菌が入って局部切断って事もあり得るだろ!」
「その言葉をそのままお返しするわよ!で、絶対にこの鼻の穴に指入れながら言うのはおかしいからね!!」
「毒突きだ!」
「技なの?ねぇ?こう言う技な訳?ってもう鼻の穴から指抜いてよ!こんな事してる場合じゃないでしょ!」
「ぬ、抜けない!?」
「はあ?」
「ブスの鼻の穴がブスだから、抜けない!」
「鼻の穴がブスって何よ!」
「仕方無い。今からロープをほどくからここから出るぞ!」
「はあ?」
「ブスのブス鼻の穴から指が抜けないんだから、それしか方法はないだろ。」
「い、いやちょっと、ちょっと待ってよ!こんなみっともない姿で脱出するの?」
「死ぬよりかは、ましだろ。」
「はあ?何を今さらシリアスな顔で言っちゃってくれちゃってんの?」
「早くここを出て病院に行ってブスの鼻を削ぎ落としてもらうぞ。うん。」
「どんな処置よ!だったら指を切り落としなさいよ!」
「よし!ほどけた!さあ!行くぞ!ブス!」
「痛い痛い痛い!そんなダッシュしたら痛いって!」
「黙れブス!死ね!」
「いやマジで死ねおかしいからな!って、痛ーーーいっ!!」

第三百五十九話
「毒突きマン~シーズン・サード~」

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2013年5月 8日 (水)

「第三百六十話」

「問題なのは!問題な事が問題にされていないって問題です!」
「問題問題問題問題ってキミねぇ!こっちは訳が分からないよ!」
「それも所謂な問題です!」
「何だキミは?問題博士か?」
「博士ではありません!」
「いやそれ分かってこっちも言ってるから。」
「問題管理局問題課の新人です!」
「はあ?」

第三百六十話
「問題管理局問題課の新人」

私は、美しい滝が見れる場所から数分の距離に佇む宿にいた。すると女子が、そうスーツ姿の女子が入って来た。302の私の部屋に入って来て、ズカズカと窓から夜の景観を愛でている私の目の前へとやって来て、目の前の椅子に座るなり、いきなり私を問題だらけにした。
「あのねぇ?キミねぇ?私はだねぇ?」
「夕食を食べ、2回目の温泉に入り、部屋で夜の風景を楽しんでいる。」
「そうだよ。」
「それは問題ではありません。」
「あそう。じゃあ何がそんなに問題なの?と言うか、問題管理局問題課って何なの?」
「そこを問題としているんですか?」
「いやまあ、聞いた事ないし、気になるし。」
「問題管理局とは、問題となる事象や出来事が問題となる前に迅速にその問題を未然に解決する機関です。因みにアタシが配属された問題課の他にも大問題課、難問題課、超難問題課、黒問題課などが存在します。」
「こくもんだいか?・・・・・・ならキミが追ってる問題は、問題管理局の中では比較的イージーな問題って事か。」
「簡単な問題なんて存在しない!!」
「えっ!?」
「問題は難しくなる事はあっても!問題である以上!すでに全ての問題がある一定の簡単値を越えてしまっているんです!」
「・・・・・・・・・すまない。何かよく分からないけど、とにかく申し訳ない。迂闊な事を口にしてしまった。」
「いえ、アタシも何も知らないクエスチョンに対して少し興奮してしまい、申し訳ありません
。」
「ん?クエスチョン?えクエスチョンって、私の事かな?」
「はい。」
「キミは、キミの世界で当たり前の事が、全ての世界で共通すると勘違いしてないか?なあ?」
「何か問題でも?」
「問題だよ。それは問題だよ。だってそうだろ?まるで話が通じないのだから。こうして今みたいに?」
「そうですか。では、これから対象クエスチョンのアンサー化を行います。」
「はあ?そうですかってキミねぇ?ん?何?それとも問題管理局の人は、みんなそんな感じなのか?」
「違います。」
「だったら、直した方がいんじゃないかなぁ?」
「明日、貴方は死にます。」
「はあ???死ぬって!死ぬってなんなんだよ!こんな元気な男が死なないでしょ!それに明日は!チェックアウトしたら、滝を見に行くんだ!」
「おそらくその願いは叶いません。」
「叶わない?」
「そうです。」
「何で、何で叶わないんだ?」
「ご自身でも分かっているのではありませんか?答えは実にイージーです。」
「わ、私は滝を見る前に死ぬのか?」
「ピンポーン!」
「人の死を・・・・・・人の死をそんな明るく表現して、果たして良いのだろうか!それこそ問題だろ?」
「アンサー化とはつまり、問題を答えへと導く作業です。それはつまり、問題を解決すると言う事です。」
「それは所謂、私が死ななくてすむって事か?それは所謂、私が滝を見れると言う事か?だったら早く薬を出してくれよ!」
「薬?薬ってなんですか?」
「だって私は、あれだろ?心臓麻痺とかで急死するんだろ?朝になって目覚めないとかって事なんだろ?」
「心臓麻痺でこれから死ぬ人のその問題を片っ端から解決していたら、問題管理局が機能しません。年間、何人の人が突然死しているかご存知ですか?」
「じゃあ、私は?まさか誰かに殺されるのか?」
「随分と飲み込みが遅いですね。問題ですよ。」
「飲み込みが遅いとか、問題管理局自体が初耳だし、突然貴方は明日死ぬって言われるし、飲み込みで言うなら早い方だと思いますよ?で、私は一体誰に殺されるんですか?」
「奥さんに、ですよ。飲み込めてないじゃありませんか。」
「妻に!?」
「はい。貴方は明日、奥さんに殺されます。」
「何で!?何で妻に殺されなきゃならないんだ!」
「そこ、問題にしますか?」
「この現状で、そこ問題にしない人間いないと思いますよ?」
「奥さんがなぜ、貴方を殺そうとしているのか?それは分かりません。」
「分からない!?」
「はい。」
「分からない?分からないのに、私が明日、チェックアウトしてから滝を目にするまでの間に、妻に殺されるのは分かるのか!?」
「問題管理局ですから。」
「いや意味が分からない。そう言えば全てが解決すると思うなよ!」
「初めから理解していただこうとは考えていません。それでは、アタシはこれで失礼します。」
「はあ!?」
「はい?」
「失礼しますと言うのは、とりあえず今日のところは話はこの辺にして、また翌朝的な?」
「違います。」
「なら、もう仕事が終わったから管理局に帰る的な?」
「正解です。」
「何が?」
「何が?って何ですか?」
「いやだから、何がどうなって、キミの中で一仕事終えたのかなぁ?」
「温泉に入ってから帰った方がいいですか?」
「そうじゃなくて!」
「滝、見てから帰った方がいいですか?」
「そうじゃないよ!」
「なら、このまま帰っても問題はありませんよね?」
「あるよ!ありまくりでしょ!だいたい、だいたいどの段階で仕事が終わったの!それとも既に妻を説得してくれたって事なのか?私を殺さないように!」
「では、お話します。」
「助かります。」
「さっきも言いましたが、夫婦間に何があったのかをアタシが知らないって事は、そこから導き出されるアンサーは、アタシが奥さんを説得した訳ではないと言う事になりますよね?」
「確かに。」
「さて、貴方の中で問題となりつつある問題でもない問題の方ですが、アタシの仕事は貴方に明日、滝を見る前に奥さんに殺されると伝えた段階で終了しています。因みに、アタシ達は貴方が滝を見るまで奥さんにトラブルを仕掛けて足止めをします。」
「なるほど。ってちょっと待て!それじゃあ、私は結局!?」
「はい。おそらく奥さんに殺されます。」
「ふざけてんのか!何が問題管理局だ!何がアンサー化だ!何なんだ!何なんだよキミは!」
「問題管理局問題課の新人です。」
「はあ!!」
「問題なのは、貴方が奥さんに殺されるか殺されないかではありません。貴方があの時間に滝を目にするかしないかです。」
「どう言う意味なんだ?」
「貴方が滝を見ないで死ぬ事は、この地球にとって問題だと言う事です。」
「地球にとって?」
「問題管理局とは、そう言う機関なんです。」
「はあ?いやいやいやいや!まったく意味が分からない!答えになってない!地球防衛的なか!私が滝を見ないで妻に殺される事が一体地球にどんな危機を及ぼすんだ!」
「まあ、その辺はあれです。」
「あれ?」
「トップシークレットって感じです。」
「はあ?」
「では、くれぐれも滝を見る前に奥さんに殺されないで下さい。失礼します。」
「失礼しますって、私のこの心の中のモヤモヤは解決されないのか!」
「そう言う個人的な問題は、問題管理局の管轄外ですので、それではおやすみなさい。」
「お、おい!!」
「あ、そうだ。」
「ん?何だ?」
「頑張れば殺されないかもしれませんので、頑張って下さい。」
「果たしてこれは、頑張ってどうにかなる問題なのか?」
「失礼しました。」

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2013年5月15日 (水)

「第三百六十一話」

「・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・。」
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「・・・・・・・・・。」
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「・・・・・・・・・。」
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「・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・いつ始まんの!」
「はい?」
「はいじゃなくて!手術!いつ始まんのって!ずーっと待ってますよ!手術室に入ってから2時間近く待ってますよ!何かよく分からないよ?手術なんて初めてだからよく仕組みとか分からないよ?分からないけどさぁ!何かこれ!この口に当てるヤツをしたら即効で寝て!そんで起きたら病室みたいな!そんな感じだと思ってたんですけど!何で1時間半近くも僕は先生と見つめ合ってないといけないんですか!今話題のソリッド・シチュエーション・スリラーの映画なら観終わってる感じな時間ですよ?観終わって今頃は、最後まで誰が犯人だったか分からなかった的な話をパンフレット見ながら喫茶店で話してますよ!」
「誰が犯人だったんですか?」
「知りませんよ!誰が犯人だったかなんて!ずっと病室にいたんで!今は手術中なんで!てか手術して下さいよ!」
「じゃあ、メス。」
「おかしいでしょ!何もかもがおかしいでしょ!患者が医者に手術道具を手渡してする手術なんて聞いた事ないよ!何で横の助手みたいな人を使わないんですか!」
「ああ、だってこれ、マネキンですから。」
「マネキン?ああ、本当だ。って本当だじゃないよ!よく見たら回りも全てマネキンじゃないか!何か変だと思ってたんだよな!何か気配が無いって言うか何か微動だにしないって言うか。先生が何度か手術室から出て行った時に話し掛けても無視されるって言うか。って、え?何で何度も出て行った?」
「ちょっと朝からお腹の調子が悪いもんで、申し訳ない。」
「病院なんだから何か即効性のそれこそ薬かなんかあるっしょ!てか、衛生面的に大丈夫なんですか!」
「そこは大丈夫です。病院ですから。」
「衛生面的な事を強調されてもでしょ!確かに?確かにそこは大事ですけど、今はもっとそれよりも大事な事があるでしょうが!」
「ん?」
「え?」
「ん?」
「はい?」
「犯人?」
「何で今話題のソリッド・シチュエーション・スリラーの映画の犯人が大事な事なんですか!」
「主人公の妹。」
「大事な事じゃないかもしれないけど!今は今話題のソリッド・シチュエーション・スリラーの映画の犯人なんか大事な事じゃないかもだけど!それはあくまで今!今、大事な事じゃないって事で!そのうち観るかもしれないのに何で今話題のソリッド・シチュエーション・スリラーの映画の犯人言うんですか!しかもこんな特異な感じで!」
「申し訳ない。」
「謝るんだったら早く手術を始めて下さい!」
「じゃあ、メス。」
「だからそれ!おかしいでしょ!タイムマシーンをせっかく完成させたのに死ぬまで乗らなかったみたいなもんでしょ!」
「そうなんですか?勿体無い。」
「何で僕が博士なんですか!何で僕を博士扱いなんですか!だいたい僕が博士だったら、こんな事になる前にタイムマシーンに乗って過去の自分に警告しに行きますよ。年に1度、いや年に数回は、人間ドックに行きますけど!」
「手術しても助かる確率は低いですもんね。」
「そうですよ。苦渋の決断ですよ。何もしないで残りの人生、やり残した事を1つでも多くやり遂げて死ぬのもいいかなぁ?って、でも僕は!僕は手術しないで残りの人生を歩む道じゃなくて!例え手術中に命を落とそうが!確率が1%でもあるなら!その確率に賭けてみよう!この先生に命を託してみよう!やり残したたくさんの事は!手術が成功したら!その時にやろう!って、悩んで悩んで悩んで出した結論です!悩んで悩んで僕の人生でこんなに悩む事は後にも先にもないってくらい悩んだのに!何なんだよ!手術してくれよ!」
「汗。」
「出てないだろ!むしろ汗ならこっちだ!」
「本当だ!大変だ!早くなんとかしないと風邪を引いてしまう!」
「風邪ぐらいなんだい!本当は風邪も怖い病気だけど!今なら言えるよ!風邪なんてなんだい!だって死ぬからね!死にますからね僕!確実にこのままだったら風邪引く前に死んじゃいますからね!だから渾身的に汗拭く前に手術して!」
「着替えた方がいいかなぁ?」
「聞いた事ないよ!手術中に患者が新しいのに着替えるの!」
「いやでもこのままでは!」
「いい!いいから早くして!早く手術して!それともこれはあれですか?麻酔で眠ってる僕が見ている悪夢ってやつですか?」
「違うと思いますよ。」
「いやきっとこれは悪夢なんでしょう!今頃、現実世界の僕は、手術が大成功して、病室のベッドの上で悪夢にうなされながら眠ってるんでしょう。」
「違いますよ。」
「違くない!違くないんですよ!だって、だってこれが夢じゃないんだとしたら、だとしたら」
「だって麻酔してませんもん。」
「え何で?普通に何で?じゃあ、口にしてたこれは、何?」
「まあ、形式的なもんって言うんですか?一応、ね。」
「一応って?一応って、何?一応でする事じゃないでしょ!てか、ちょっと待って!今頃気付いたんだけど、心電図とか、いろいろな機器の電源が入ってない!入ってない!!」
「まあ、形式的なもんって言うんですか?一応、ね。」
「何、形式!形式、何!ちょっと待って下さいよ?これってもしかして?」
「昨日、一晩中、頭の中でオペをしていました。」
「イメージトレーニングってやつですか?って、何で僕が話し始めようとしてるのに、そっちが話し始めちゃうんですか?」
「ほら、昨日の夜って、春なのに寒かったじゃありませんか。」
「確かに春なのに寒かったですよ。ですけど今、そう言った気温的な季節的な天候的な気象的な話、関係無いでしょ!」
「だからお腹の調子が、ね。」
「何ですか!その話!僕が悪いんですか?先生がお腹壊したのは!僕の手術を一晩中イメージトレーニングしてたからって言いたいんですか!そうじゃないでしょ!今のこの空気!そう言う事じゃないでしょ!あれですよね?手遅れだったんですよね?もう、手術じゃどうにもならない状態だって事ですよね?僕は!」
「これ、手術室に入る前に撮ったレントゲンです。」
「どのタイミングでレントゲンですか。てか、これ僕のレントゲンじゃないでしょ。何度も見てるから自分のレントゲン知ってますよ。これはあれです。いつも僕のレントゲンの隣にある健康な人のレントゲンです。」
「違います。これは、患者さんのレントゲンです。」
「いやだって!黒い影が!黒い大きな影が!」
「言いましたよね?昨日、一晩中、頭の中でオペをしていました、と。」
「だからそれは、今日のオペのイメージトレーニングでしょ。」
「手術は成功です!」
「はい?」
「そう言う事です。」
「え何が?」
「風邪引かないうちに病室に戻りましょうか。」
「えどう言う事?」

第三百六十一話
「超医者」

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2013年5月22日 (水)

「第三百六十二話」

閃け!俺の脳みそよ!
閃け!俺の脳みそよ!

何かを閃け!

朝起きて閃け!
夜寝る前に閃け!
夜中夢の中で閃け!

閃け!俺の脳みそよ!
閃け!俺の脳みそよ!

何かを閃け!

散歩してる時に閃け!
作品書いてる時に閃け!
眠ってる間に閃け!

時間が無いんだ
アイディア無いんだ
何にも無いんだ

星空を見て宇宙を感じたって別に何にも無いんだ

もんがまえにひと!
もんがまえにひと!

明日にはきっと

じゃなくって
今すぐ閃け!


閃け!俺の脳みそよ!
閃け!俺の脳みそよ!

とにかく閃け!

風呂に入って閃け!
トイレに入って閃け!
ゴロゴロしながら閃け!

閃け!俺の脳みそよ!
閃け!俺の脳みそよ!

いいから閃け!

面白いやつ閃け!
凄く面白いやつ閃け!
まあまあでもいい閃け!

焦ってるんだ
何か焦ってるんだ
何で焦ってるんだ?

街の雑踏に溶け込んで宇宙を感じたって別に落ち着かないんだ

もんがまえにひと!
もんがまえにひと!

明日にはきっと

じゃなくって
今すぐ閃け!


閃け!俺の脳みそよ!
閃け!俺の脳みそよ!

閃かなくても閃け!

右足出すたび閃け!
左足出すたび閃け!
閃き過ぎだって恐怖するぐらい閃け!

閃け!俺の脳みそよ!
閃け!俺の脳みそよ!

抉じ開けて閃け!

前代未聞に閃け!
前人未到に閃け!
起承転結に閃け!

旅行行きたいんだ
来月旅行行きたいんだ
だからさっさと閃け!

宿はやっぱり料理が美味くて露天風呂から見える景色は最高な

もんがまえにひと!
もんがまえにひと!

明日にはきっと

じゃなくって
今すぐ閃け!

もんがまえにひと!
もんがまえにひと!

これはいける!

じゃなくって
これでいいかでいい!

もんがまえにひと!
もんがまえがひと!
もんがまえとひと!

第三百六十二話
「ホタルを見に行こう」

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2013年5月29日 (水)

「第三百六十三話」

 そこそこ高いマンション。の、夜の屋上。

「来ないで!」

柵の外側には、若い女性が立っている。

「まあ、あれだ。どうだ?少し落ち着いてみたら。」

柵の内側には、ベテランな男性が立っている。

「落ち着く?分かってないわね。まったく分かってないわ。落ち着いてるわよ。落ち着いてアタシはここに立ってるの。落ち着いてるからこそ、いるのよ。」

「そうか?俺には、落ち着いてるようには見えんがな。」

「刑事さん?アタシを説得しようとしても無駄よ。無駄なの。アタシは死ぬの!ここから飛び降りて、死ぬの!」

ベテランな男性は、困り顔で頭をポリポリと掻いた。

「飛び降りて死ぬっつってもよ。この高さだ。たぶん、いてーぞ?死ぬほど、いてーぞ?」

「はあ?バカじゃないの?死ぬっつってんじゃん!死ぬほど痛い、大いに結構!死ぬほど痛い、むしろ大歓迎!」

「なあ?」

「何よ!アタシの事なんか!アタシみたいな人間の事なんか!ほっといてよ!」

「職業柄、そうも言ってられんのだよ。」

「こんなちっぽけな自殺の説得なんかより!もっと凶悪な事件とかあるでしょ!」

ベテランな男性はまた、困り顔で頭をポリポリと掻いた。

「・・・・・・・・・キミに死なれたら困るんだ。」

「じゃあ、刑事さんは!生かされたアタシの今後の人生の責任を取れる訳?」

「そいつは・・・・・・・・・。」

ベテランな男性はまた、困り顔で頭をポリポリと掻いた。

「ほら!ほらほら!責任なんか取れないじゃない!口先だけでアタシの決意を説得してるだけの無責任の自己満足なんじゃない!」

「あー下らねー。」

「今、何て?」

「下らねー。って言ったんだ。」

「何が?ねぇ?何が下らない訳?何でそんな事がアンタに分かる訳?一体アタシの何を知ってる訳!」

「キミの事は、何も知らんよ。何も知らんけど、キミが今しようとしてる行為は、下らん。」

「ちょっと待ちなさいよ!何を勝手な事を言ってくれちゃっ」

「キミがその選択を選ぶにあたる経緯、キミがその場所に立とうと考えた決意、キミが時間を弄ぶその行為、キミの身勝手な勇み足、今のキミ全てが、実に下らん。不確実に溺れ、不鮮明に迷い、不透明にもがく、憐れだ。分かってないのは、俺か?キミか?」

「アンタに決まってんでしょうが!訳の分からない御託並べちゃってさ!何なの一体!アタシの人生なの!アンタの人生じゃないの!アタシの命なの!アンタの命じゃないの!アタシの自由なの!アンタの自由じゃないの!理解、した?」

ベテランな男性はまた、困り顔で頭をポリポリと掻いた。

「理解はしてるさ。」

「なら、お願いだからもう、ほっといて下さい。自殺させて下さい。」

「それがそうもいかんのだ。キミにはキミの決意があってそこに立っているように、俺にも俺の使命があって、ここに立っているんだ。」

「使命?どうせ社会的な倫理的な道徳的な、そんな下らない正義感でしょ!」

「それは違う。」

「何が違う訳?」

ベテランな男性はまた、困り顔で頭をポリポリと掻いた。

「キミには、言っても分からんだろう。」

「言いなさいよ!言ってみなさいよ!聞いてあげるわよ!それまで飛び降りないでいてあげるから!ほら!早く!言いなさいよ!」

「一人の独り善がりな行動が、全ての人間に影響を及ぼす。」

「はあ?別にアタシが死んで泣く人間なんて居ないし!別にアタシが死んで困る人間なんて居ないし!むしろ今、アタシが死んで世の中的にいんじゃない?みんな笑顔なんじゃない?明るい未来なんじゃない?」

「そう思うのは勝手だ。問題は、そうは思わないって言う厄介なキミの思考の方だ。」

「はあ?意味が分からない!」

「世の中的になぜ、今キミが死ぬ事が良い事なんだ?なぜ明るい未来なんだ?」

「アタシが判断したの!そうアタシが判断したから!アタシの人生よ!これはアタシの人生!何が問題ある訳?」

「ああ、大問題だ。」

「もういい。もういいわ。刑事さんに何を言っても、どう説明しても、理解し合えない。別に元々、理解してもらおうなんて思ってないし、何か言うつもりもないし、説明したくもない。事務的に仕事してる人に、感情的に話してたアタシが間違ってたのよね。まった」

「ピピッ!ピピッ!ピピッ!ピピッ!ピピッ!」

とその時、ベテランな男性の腕時計のアラームが夜の屋上に鳴り響いた。腕時計のアラームを止めるとベテランな男性はまた、困り困り顔で頭をポリポリと掻いた。

「・・・・・・・・・時間だ。」

「時間?」

「じゃあ、俺は帰る。」

「なっ!?帰るって、何!説得しといて急に帰るって、何なの!いや、別に帰るのは構わないんだけど!むしろそれは願ったり叶ったりなんだけど!でも何か、ちょっと急にそう言うのって、あれじゃない?気持ち悪くない?」

「危機は去った。」

「危機?何の!」

「地球のだ。」

「いやいやいや、意味が分からないわよ!地球の危機って、何!」

「キミは分からんくていい。さあ、もうそこから飛び降りて死のうが、それはキミの自由だ。それがキミの人生だ。」

「ちょっと!それが刑事の言う事!?」

「どうもキミは最初から何か勘違いしてるようだが、俺は別に刑事じゃない。」

「はあ?だ、だったらアンタは、一体何者な訳!」

「俺か?俺は、問題局大問題課の者だ。じゃあな。」

「問題局・・・大問題課?じゃ、じゃあなって!」

「ああそれと、よく分からんが、とりあえず何か大きな期待とかせずに生きてれば、そこそこ良い事もあるんじゃないのか?まあ、そこら辺は問題に取り上げるほどの問題でもないがな。じゃ、お疲れさん。」

「お疲れって・・・・・・。」

そう呟くと若い女性は一人、マンションの夜の屋上の柵の外側から、マンションの夜の屋上の柵の内側と、その夜空に浮かぶ満月を見ていた。

第三百六十三話

「問題管理局大問題課のベテラン」

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