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2013年5月15日 (水)

「第三百六十一話」

「・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・いつ始まんの!」
「はい?」
「はいじゃなくて!手術!いつ始まんのって!ずーっと待ってますよ!手術室に入ってから2時間近く待ってますよ!何かよく分からないよ?手術なんて初めてだからよく仕組みとか分からないよ?分からないけどさぁ!何かこれ!この口に当てるヤツをしたら即効で寝て!そんで起きたら病室みたいな!そんな感じだと思ってたんですけど!何で1時間半近くも僕は先生と見つめ合ってないといけないんですか!今話題のソリッド・シチュエーション・スリラーの映画なら観終わってる感じな時間ですよ?観終わって今頃は、最後まで誰が犯人だったか分からなかった的な話をパンフレット見ながら喫茶店で話してますよ!」
「誰が犯人だったんですか?」
「知りませんよ!誰が犯人だったかなんて!ずっと病室にいたんで!今は手術中なんで!てか手術して下さいよ!」
「じゃあ、メス。」
「おかしいでしょ!何もかもがおかしいでしょ!患者が医者に手術道具を手渡してする手術なんて聞いた事ないよ!何で横の助手みたいな人を使わないんですか!」
「ああ、だってこれ、マネキンですから。」
「マネキン?ああ、本当だ。って本当だじゃないよ!よく見たら回りも全てマネキンじゃないか!何か変だと思ってたんだよな!何か気配が無いって言うか何か微動だにしないって言うか。先生が何度か手術室から出て行った時に話し掛けても無視されるって言うか。って、え?何で何度も出て行った?」
「ちょっと朝からお腹の調子が悪いもんで、申し訳ない。」
「病院なんだから何か即効性のそれこそ薬かなんかあるっしょ!てか、衛生面的に大丈夫なんですか!」
「そこは大丈夫です。病院ですから。」
「衛生面的な事を強調されてもでしょ!確かに?確かにそこは大事ですけど、今はもっとそれよりも大事な事があるでしょうが!」
「ん?」
「え?」
「ん?」
「はい?」
「犯人?」
「何で今話題のソリッド・シチュエーション・スリラーの映画の犯人が大事な事なんですか!」
「主人公の妹。」
「大事な事じゃないかもしれないけど!今は今話題のソリッド・シチュエーション・スリラーの映画の犯人なんか大事な事じゃないかもだけど!それはあくまで今!今、大事な事じゃないって事で!そのうち観るかもしれないのに何で今話題のソリッド・シチュエーション・スリラーの映画の犯人言うんですか!しかもこんな特異な感じで!」
「申し訳ない。」
「謝るんだったら早く手術を始めて下さい!」
「じゃあ、メス。」
「だからそれ!おかしいでしょ!タイムマシーンをせっかく完成させたのに死ぬまで乗らなかったみたいなもんでしょ!」
「そうなんですか?勿体無い。」
「何で僕が博士なんですか!何で僕を博士扱いなんですか!だいたい僕が博士だったら、こんな事になる前にタイムマシーンに乗って過去の自分に警告しに行きますよ。年に1度、いや年に数回は、人間ドックに行きますけど!」
「手術しても助かる確率は低いですもんね。」
「そうですよ。苦渋の決断ですよ。何もしないで残りの人生、やり残した事を1つでも多くやり遂げて死ぬのもいいかなぁ?って、でも僕は!僕は手術しないで残りの人生を歩む道じゃなくて!例え手術中に命を落とそうが!確率が1%でもあるなら!その確率に賭けてみよう!この先生に命を託してみよう!やり残したたくさんの事は!手術が成功したら!その時にやろう!って、悩んで悩んで悩んで出した結論です!悩んで悩んで僕の人生でこんなに悩む事は後にも先にもないってくらい悩んだのに!何なんだよ!手術してくれよ!」
「汗。」
「出てないだろ!むしろ汗ならこっちだ!」
「本当だ!大変だ!早くなんとかしないと風邪を引いてしまう!」
「風邪ぐらいなんだい!本当は風邪も怖い病気だけど!今なら言えるよ!風邪なんてなんだい!だって死ぬからね!死にますからね僕!確実にこのままだったら風邪引く前に死んじゃいますからね!だから渾身的に汗拭く前に手術して!」
「着替えた方がいいかなぁ?」
「聞いた事ないよ!手術中に患者が新しいのに着替えるの!」
「いやでもこのままでは!」
「いい!いいから早くして!早く手術して!それともこれはあれですか?麻酔で眠ってる僕が見ている悪夢ってやつですか?」
「違うと思いますよ。」
「いやきっとこれは悪夢なんでしょう!今頃、現実世界の僕は、手術が大成功して、病室のベッドの上で悪夢にうなされながら眠ってるんでしょう。」
「違いますよ。」
「違くない!違くないんですよ!だって、だってこれが夢じゃないんだとしたら、だとしたら」
「だって麻酔してませんもん。」
「え何で?普通に何で?じゃあ、口にしてたこれは、何?」
「まあ、形式的なもんって言うんですか?一応、ね。」
「一応って?一応って、何?一応でする事じゃないでしょ!てか、ちょっと待って!今頃気付いたんだけど、心電図とか、いろいろな機器の電源が入ってない!入ってない!!」
「まあ、形式的なもんって言うんですか?一応、ね。」
「何、形式!形式、何!ちょっと待って下さいよ?これってもしかして?」
「昨日、一晩中、頭の中でオペをしていました。」
「イメージトレーニングってやつですか?って、何で僕が話し始めようとしてるのに、そっちが話し始めちゃうんですか?」
「ほら、昨日の夜って、春なのに寒かったじゃありませんか。」
「確かに春なのに寒かったですよ。ですけど今、そう言った気温的な季節的な天候的な気象的な話、関係無いでしょ!」
「だからお腹の調子が、ね。」
「何ですか!その話!僕が悪いんですか?先生がお腹壊したのは!僕の手術を一晩中イメージトレーニングしてたからって言いたいんですか!そうじゃないでしょ!今のこの空気!そう言う事じゃないでしょ!あれですよね?手遅れだったんですよね?もう、手術じゃどうにもならない状態だって事ですよね?僕は!」
「これ、手術室に入る前に撮ったレントゲンです。」
「どのタイミングでレントゲンですか。てか、これ僕のレントゲンじゃないでしょ。何度も見てるから自分のレントゲン知ってますよ。これはあれです。いつも僕のレントゲンの隣にある健康な人のレントゲンです。」
「違います。これは、患者さんのレントゲンです。」
「いやだって!黒い影が!黒い大きな影が!」
「言いましたよね?昨日、一晩中、頭の中でオペをしていました、と。」
「だからそれは、今日のオペのイメージトレーニングでしょ。」
「手術は成功です!」
「はい?」
「そう言う事です。」
「え何が?」
「風邪引かないうちに病室に戻りましょうか。」
「えどう言う事?」

第三百六十一話
「超医者」

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