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2014年1月 8日 (水)

「第三百九十五話」

「えっ!?」
「ん?」
「はい?」
「うん!」
「いや、うんじゃなくて!納得出来ない納得出来ない!何か、漫画みたいな展開になってるけど、えっ?夢?」
「うん!」
「いや、夢じゃないだろ、これ!だってさっきから、鎖骨グリグリしてるけど!スゲェ激痛だもん!」
「じゃ!」
「じゃ!じゃないよ!パタパタしてどこへ行くつもりだよ!」
「天国!」
「えっ?死神?もはや死神?ある意味、死神なの?」
「こんなエンジェルちっくな死神がいると思うかい?仮にもし、こんなエンジェルちっくな死神がいたとしたら、それはもうエンジェルと死神の境界線が無くなっちゃって、いろんな事がいろんな風に、いろいろパニックだよ。朝が夜で、朝が朝、みたいな!」
「それは単なる白夜だろ?いやもう、死神だの天使だのって、どうでもいんだよ!」
「じゃ!」
「いやだから!パタパタしてどこへ行くつもりだよ!」
「足首掴まないで!」
「いやいやいや、掴むだろ!この状況下でパタパタしてどっか行くタイミングなんか見当たらないだろ!絶対に放すもんかだろ!」
「その台詞は、彼女に言って上げたらどうだい?」
「どうだい?じゃない!ニヤニヤしながら、どうだい?じゃない!死んでるよな?」
「う~ん?」
「これ、どう見ても、どう考えても、死んじゃってるよな?」
「う~ん?」
「動かないもんな!」
「大丈夫!」
「いや、どんな自信!?胸に矢が突き刺さった瞬間、有り得ないぐらい力無く地面に倒れたよな!」
「そう?」
「血が有り得ないぐらい出ちゃってるよな!」
「そう?」
「そもそも彼女、呼吸してないよな!」
「そう?」
「そうだよ!全部そうなんだよ!鎖骨グリグリしながら確認したから夢じゃないんだよ!全部!」
「そう?」
「疑問病か!首傾げブーム到来か!何なんだよ!」
「じゃ!」
「いやだから何で、何一つ解決してないのに、パタパタして帰ろうとすんだよ!いろよ!ここにいろ!」
「翼を掴まないで!」
「掴むよ!掴むに決まってるだろ!これじゃあ、俺は単に彼女の暗殺をお前に依頼した男みたいくなっちゃってんじゃんねぇか!」
「そう?」
「そうだろ!お前が目の前に突然現れて、僕は恋のキューピッド!愛しのあの子と結婚させちゃうぞ!とか言うから、愛しのあの子が毎朝通る、この愛しのロードの愛しの電信柱で隠れて待ってたら、愛しのあの子が前から来て、で、お前が矢で愛しのあの子の愛しの胸を貫いたんじゃないか!したら、これだよ!こんな事になっちゃってるよ!もう半べそだよ!」
「違う!」
「何がだ!」
「僕は恋のキューピッド!愛しのあの子と結婚させちゃうぞ!きゃぴ!って、言った。」
「そこかよ!確かに言ったよ!確かにそう言ったよ!でも、この状況下で説明する時に、きゃぴ!とか、声の高さとかビブラートとか完コピで言えるか?何かよく分からないけど!不謹慎だろ!」
「じゃ!」
「ここでお前が帰ったら、暗殺を依頼した男じゃなくて!単に彼女を殺した男になっちゃうだろが!」
「輪を掴まないで!」
「掴むよ!掴めた事にビックリだけど!掴むんだよ!」
「痛い痛い痛い!」
「痛いのかよ!輪って、そんな感じかよ!そう言う連動なのかよ!」
「分かったよ!キミが言いたい事は分かった!」
「頼むよ。」
「ご飯だよね?どこ行く?」
「何で、こんな状況下で俺は天使とメシ食いに行きたがってると思ってんだよ!」
「中華?」
「中華じゃない!何で話がメシ食いに行く方向にねじ曲がってんだよ!そうじゃねぇの!そうじゃないんだよ!彼女を生き返らせてくれって話だよ!」
「そう来ますか。」
「この場合、どう考えたって、そうしか来ないだろ!」
「そう?」
「そうだよ!」
「キスしてみたら?」
「はあ?」
「口付けだよ。チューしてみなよ!」
「えっ?そう言う感じ?そう言うシステムなの?キスして、彼女が目を覚ましたら、俺の事が好きになってる的な?」
「うんうん!」
「そして二人は、めでたく結ばれました的な?」
「そうそう!」
「幸せに暮らしましたとさ的な?」
「イエスイエス!」
「キス?」
「イエス!」
「ここで?」
「キス!」
「いいのか?」
「オーケーオーケー!」
「何かよく分からないけど、これっていいのか?」
「どーぞどーぞ!」
「キス?」
「ああああ!じれったい!男らしくないなぁ!」
「イライラするなって。」
「キミがしないなら、僕がしちゃうぞ!」
「何でだよ!ただただ、何でだよ!」
「だったらほら、キース!キース!キース!」
「同僚かよ!結婚式で浮かれた同僚気分かよ!わ、分かったよ。するよ。」
「ドスケベ!」
「何でシステムに従おうとしてるだけなのに、罵声を浴びせられなきゃならないんだよ!」
「さあさあ!」
「分かってるよ!・・・・・・ごめんね。こんな感じでいきなりキスして・・・・・・。」
「ジーッ!」
「いや何で有り得ないぐらい至近距離でキスを見てんだよ!お前の方がドスケベだろ!」
「仕方無いでしょうが!」
「ああ、そう言うシステムなのか。あれな。儀式的な?」
「個人的な興味!」
「興味かよ!やっぱドスケベじゃねぇか!」
「しないの?僕、しちゃうよ?」
「いや、それ絶対に意味不明だからやめてくれ!今までの葛藤とか台無しになるから!」
「だったら早く!」
「わ、分かってるよ!」
「ワクワク!」
「本当にこんなカタチで、ごめん。」
「ワクワク!」
「・・・・・・・・・。」
「ワクワク!」
「・・・・・・・・・。」
「ワクワク!」
「うっせ!ワクワク過ぎてワクワクが口に出ちゃってんだよ!」
「ごめん。」
「・・・・・・じゃあ、改めまして。」
「・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・。」
「あっ!」
「な、何だよ!?」
「キスした後、しばらく有り得ないくらいのゲボ出ちゃうから。」
「彼女からゲロ吐いちゃうって、このシステムの考案者おかしいだろ!」
「違うよ。」
「俺から?」
「僕から!」
「お前からかよ!だったらだって、マジでこの距離感おかしいだろ!二人ともゲロまみれじゃねぇか!」
「代償?」
「何の!何の代償だよ!彼女、意味分からないだろ!目覚めてゲロまみれって!とんだ連帯責任だよ!」
「やめる?」
「するよ!」

第三百九十五話
「恋は、甘酸っぱい」

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