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2014年2月12日 (水)

「第四百話」

「ピーンポーン!」
朝早く、友人からの電話で叩き起こされ。まだだいぶ夢世界と現実世界とを行ったり来たりだが、大事な話があるから今すぐ来て欲しいと言う友人からの電話に、今日が特に予定も何もない1日だったら、こうして駆け付けるのが友人ってもんだ。
「はーーーー。」
寒い。それにしても今日は特に寒い。てか、今気づいたけど、まだ日の出前じゃないか!?そして遅い!ワンルームタイプなのに何でドア開けるまでこんなに掛かるんだ!
「ガチャ。」
「おせーよ!」
「ごめん。二度寝してた。」
「何でだよ!」
「上がってくれ。」
「この状況で帰ってくれって言われたら、かじかんだこの手で、ぶん殴ってるとこだよ。」
「バタン。」

第四百話
「交換殺人」

「はあ?交換殺人?」
「そうなんだよ。」
「まだ日の出前に呼び出して、温かいインスタントコーヒー飲みながら聞かされる話が、交換殺人?」
「そうなんだよ。」
「どうなんだよ!何がそうなんだよ!言ってる事、分かってんのか?交換殺人って、殺人だぞ?人を殺すって事なんだぞ?てか、交換殺人って、なに!」
「分かってるよ。交換殺人ってのは、お互いの殺したい相手を交換するって殺人だよ。」
「いやお前、何も分かってない!それは単なる殺人じゃなくて!交換、つまりは、俺の殺したい相手をお前が、お前の殺したい相手を俺が、殺すって事なんだろ?」
「だからそう言ってるじゃないか。」
「いやいやいやいや、お前分かってない!」
「分かってるよ。」
「えっ?お前、殺したい相手がいるって事なのか?」
「でなきゃ、日の出前に呼び出したりなんかしないよ。」
「いや別に交換殺人の話すんのに連絡のタイミングとかねーから!それに、いくら友人の頼みだからって、無理な事は無理だ。」
「そこをなんとか頼む!こんな事頼めるのお前しかいないんだ!」
「いやちょっと待てよ。何か?お前には、俺は常に誰かを殺したがってる風に見えてるのか?」
「まあ、難しく言うとそうだ!」
「簡単に言ったらどうなんだよ!いいか?お前には殺したい相手がいるかもしれないが、残念ながら俺には殺したい相手がいないんだよ。だから、無理なんだ。」
「そんなの無理矢理にでも殺したい相手を見付ければ済む話だろ!」
「何で俺が叱られてんだ?意味分からないぞ、この状況。」
「ちょっとその辺、歩いて来いよ!」
「無理矢理に見付けるにも程があるだろ!むしろ、初対面の俺に殺意を抱かせるって、その通行人のその能力凄まじいな!」
「何なんだよお前!頭ごなしに否定ばっかだな!」
「いやいやいやいや、そもそもが急な殺人話を肯定出来る奴を見てみたいよ。いいか?お前がやろうとしてるのは、殺人なんだぞ?人を殺す事なんだぞ?犯罪なんだぞ?」
「それは、お前ら人間がこの地球の支配者面して勝手に決めたルールだろ!」
「お前も人間だろ!何で悪魔目線なんだよ!」
「目線?ブハハハハハハハハ!そう、俺は人間だ!」
「じゃあ何で一旦悪魔をほのめかす発言&大笑いすんだよ!」
「どっきり?」
「成立すると思ったのかよ。」
「いつにする?」
「何が?」
「交換殺人。」
「どうして、こんな間近にいんのに俺に内緒で着々と計画が進行してんだよ!俺には殺したい相手がいないって言ってるし、殺人なんて俺はしねーしって言ってるし!そもそも殺人しようとしてる友人を俺は全力で止めようとしてるんだよ!なあ?考えてもみろよ!交換殺人なんてしてどうなる?お互いの殺したい相手を交換して、それで何なんだ?そこにメリットが見出だせないだろ!結局何だかんだで、2人共逮捕だろ!」
「チチチチチ!」
「チの間隔!」
「違うな。これは、巧妙な完全犯罪なんだよ。」
「どこが?俺には結局単なる2つの殺人事件にしか思えないけど?」
「お互いが殺したい相手とは、お互いに面識はないんだよ。つまり、俺が殺したい相手をお前が殺しても、そこからお前に辿り着くのは、不可能!捜査線上に俺の名前が出ても、お前の名前は出ない!」
「何でそんな事断言出来んだよ!それだけでどこが巧妙な完全犯罪なんだよ!」
「それはお前が俺の殺したい相手を巧みな密室殺人するからだろ!」
「ん?」
「どんな名刑事でも!どんな名探偵でも!絶対に解くことが出来ないトリックを仕掛けるからだろ!」
「バカなの?」
「お前がな。」
「何でだよ!だと思うなら俺に交換殺人の話を持ち掛けるなよ!てか、何なんだよその俺の密室トリックのポテンシャル!」
「高いだろ?」
「どうやって測定すんだよ!」
「今日は?」
「何がですか!」
「交換殺人。」
「何で今日の今日で出来る事なんだよ!舞台の代役じゃねんだよ!」
「舞台の代役みたいなもんだよ!」
「どこがだよ!」
「お前は、俺が殺したい相手を殺すんだ。つまり、お前は俺を演じるって事だ。」
「納得すると思ったのか?とにかく、俺にはお前に殺して欲しい相手もいなけりゃ、お前が殺して欲しい相手を殺すつもりはない。だいたい、お前は誰を殺したいんだよ。」
「彼女。」
「はあ???メチャクチャ俺も顔見知りじゃねーか!」
「いや、アイツはお前の事、嫌いだってさ。」
「いや、の意味が分からない。そして何か凄く精神的にダメージを負った。」
「頑張ろう!」
「何を?てか、相手が俺の事を嫌ってんなら、凄い確率で捜査線上に俺の名前が出んじゃねーか!」
「例え出たとしても密室殺人のトリックは誰にも解けないから大丈夫だ!」
「俺の密室トリック頼みやめろ!てかなぜ密室殺人限定で話が進んでんだ?」
「会社の上司でいいか?」
「何で勝手にどんどんどんどん話が進んで行くんだよ!別に俺は上司を殺したいなんて思ってねーよ!」
「行き付けのバーのマスターか?」
「まず、俺には行き付けのバーがない!」
「んじゃあ!やっぱその辺を歩いてる誰かでいいじゃん!」
「旅行土産じゃねんだよ!とりあえず何でもいっかって話じゃないだろ!いやだから!殺人なんか考え直せよ!彼女殺したいなら!そんなのさっさと別れればいいだけの話だろうが!」
「なあ?」
「何だよ!」
「とりあえずお前は、俺の殺したい相手を殺して、んでお前の殺したい相手が見付かったらそん時に俺が殺すってのは、どう?」
「悪魔的とりあえずだな!いいか!俺は今から帰る!」
「えっ?」
「交換殺人なんかしない!こんな馬鹿げた話をこれ以上する気もない!」
「いやちょっと!」
「彼女の愚痴ならいつだって、何時間だって聞いてやる!もっと冷静になれ!俺がお前に言える事は、今はそれだけだ!じゃあな!」
「ちょっと待てよっ!!」
「何だよ!」
「ここでお前に帰られたら、俺はどうすりゃいんだよ・・・・・・・・・。」
「だから、今は何を話しても無理だろ?ここは一旦別れて、改めて今夜飲みにでも行こう。なっ?」
「ここでお前に帰られたら、風呂場のアレは、どうすりゃいんだよって話だよ!!」
「・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・アレって?」

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