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2014年2月26日 (水)

「第四百二話」

「何で顔が真っ赤っ赤なの?」
「ドヘヘヘヘへ!ガキ、それは俺様が、悪だからだ!」
「悪は、顔が真っ赤っ赤なの?」
「そうだ!」
「あの人も悪?」
「そうだ!」
「あの人も?」
「そうだ!」
「あの人も?」
「そうだ!」
「あの人も?」
「そうだろ!悪の秘密基地なんだから、ここにいるのはみんな悪だろ!」
「でも、悪は、顔が真っ赤っ赤なんでしょ?」
「ゼバババババ!そうだ!」
「顔が真っ赤っ赤なのは、おじさんだけだよ?あの人は、黄色だし、あの人は、青いし、あの人は、カラフルだよ?」
「おじさんはな。悪の中でもメチャクチャ悪だから、顔が赤いんだ!」
「そうなんだ。」
「そもそもこの状況で、俺様以外が悪じゃないと思うか?小学校の先生の顔が黄色いか?喫茶店のマスターの顔が青いか?ヨガの講師の顔がカラフルか?そんな事よりも根本的に人間と容姿が違うだろうが!」
「違うって言ってもツノがあって、キバがあって、厳ついスーツにマントだけど、こうして普通に話してるよ?」
「恐くないのか?」
「恐いよ!!メチャクチャに恐いよ!!」
「こっちが恐いだろ!急に何だ!何で急に大声だ!」
「あ、ごめんなさい。つい、大声出しちゃった。本当にごめんなさい。だから、食べないで!」
「食うか!」
「えっ?食べないの!?悪なのに!?悪なのに子供食べないの!?」
「おいガキ、どんな偏見だ!悪がみんな人間を食うと思うな!」
「人間食べないの!?じゃあ、おじさん達は何を食べるの?」
「はあ?何をって、そんなの別に人間と同じ物を食ってるよ。」
「グラタンとか?」
「ああ、まあ、グラタンも食うな。」
「えっ?グラタン食べるの?悪でもグラタン食べるの?」
「食うだろ!別に悪がグラタン食ったらダメなルールないだろ!」
「悪とグラタンって、真逆じゃん!対極じゃん!」
「どんな価値観だ!」
「えっ?グラタンのマカロニ食べるの?」
「グラタンでマカロニ避けながら食べるんだったら何の為にグラタンをオーダーしたか分からないだろうが!」
「僕、チャーハンのお米食べないよ。」
「不思議ちゃんか!だったらなぜ、チャーハンをオーダーする!」
「チャーハン、って言いたいからだよ。」
「だったら自分の部屋なり連峰を前に言ってりゃいいだろ!」
「チャーハン、って言って、目の前に美味しそうなチャーハンが出て来るところがいいんだよ!いい?チャーハンって言うのは、いわゆる芸術品なんだよ。お腹を満たすなんてのは、二の次なの。その料理人がどれだけ客の目を満足させる事が出来るか。ああ、またあの料理人のチャーハンが見たいなぁ、月に1度は見たいなぁ、週に1度は見たいなぁ、いやいや毎日でも見たいなぁ、腐るまで見ていたいなぁ、って思わす事が出来るか。そこが勝負なんだ!」
「訳の分からないチャーハンについての持論を展開すんな!恐いんだろ?」
「恐いよ!!おしっこチビれるもんならチビってるよ!!」
「キレ具合が尋常じゃないな。ガキ、立場を理解してんのか?お前は、誘拐されたんだぞ?」
「知ってるよ!公園で遊んでたら急にだよ!ホント突然だよ!誘拐なんて誘拐される奴が悪いんだって思ってたけど、それは大間違いだったよ!」
「その価値観は、育った環境の成せる業なのか?」
「難しい事は分かんない!」
「都合よくガキを利用すんな!」
「だってガキだもの!」
「おいガキ、あんまり調子に乗ってると、この光線銃で撃ち殺すぞ!」
「スゲェ!光線銃だ!本物?それ本物?」
「当たり前だろ!悪が何で偽物突き付けるとかそんな恥ずかしい事しなきゃならん!」
「スゲェ!本物の光線銃!貸して貸して!」
「親戚のおじさんの家に遊びに来た感覚か!貸す訳がないだろ!」
「ケチ!」
「ベヒャヒャヒャヒャ!何とでも言え!」
「グズ!」
「ありがとよ。最高の誉め言葉だ。」
「バカ!」
「ヌハハハハハ!愉快愉快!」
「アホ!」
「ボバババババ!もっと言ってくれ!」
「正義!」
「貴様!悪に向かって正義とは何だ!ガキ、マジで死にたいのか!」
「チャーハン!」
「どのタイミングで叫んでんだ!」
「柄の部分が派手な色のメガネのビジネスマンは、何か嫌だ!信用出来ない!」
「何だそれは!今は別に言いたい事を好き勝手に言っていい時間ではないんだぞ!」
「はい!」
「はい、ガキ。」
「そもそも、何で僕を誘拐したの?」
「ゴガガガガガ!所詮はガキ!自分がなぜ誘拐されたかも分からんとは!」
「何で?」
「知りたいか?」
「うん!知りたい!」
「それはな?」
「うんうん!」
「悪ってのは、ガキを誘拐するもんだからだ!」
「うん?」
「ベガッベガッベガッベガッ!ベガガガガガガガ!」
「えっ?誘拐されて、それで僕はどうなるの?」
「ギャギャギャギャギャ!やはりガキはガキ!」
「どうするつもりなの?」
「そんなの日が暮れる前に、お家に帰すに決まってるだろ!」
「僕、日が暮れる前に家に帰れちゃうの?」
「当たり前だ!お母さんがお家で心配するだろ!」
「そうなんだ。」
「ビビっただろ!」
「ビビったビビった。じゃあ、日が暮れる前にお願いがあるんだけど?」
「何だ?チャーハンは、作らないぞ。」
「ロボ見せてよ!」
「ロボ?」
「そう!ロボ!光線銃があるんだから、巨大ロボとか合体ロボもあるんでしょ!お願い見せて!一生のお願いだから!」
「ロボはない!」
「ロボないのーっ!!」

第四百二話
「おかえり」

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