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2014年10月 1日 (水)

「第四百三十三話」

「よう。」
「よう。」
俺は、自分の影と話せる。 かと言って他の影と話せる訳ではなく、一人になった時に会話出来る程度だ。
「おう。」
「おう。」
影も他の人間と話せる訳ではなく、他の影と話せる訳でもない。物心ついた時には既に俺は、自分の影と話せた。影は、光が無いと存在しないと思うだろうが、実は影はその存在が目に見えないだけで、何も見えない真っ暗闇の中でも人間が存在しているように、常にそこに存在している。影は俺で、俺は影で、そこに日常があり、その中にほんの少しの非日常がある。おそらく、この先もそれ以上でもそれ以下でもない日々を俺は、過ごして生きて行くのだろう。誰かに驚かれる訳でもなければ、誰かに自慢出来る訳でもない退屈な能力で俺は、日常に期待しながらきっと明日も生きて行くのだろう。
「おやすみ。」
「おやすみ。」

第四百三十三話
「羨ましくない能力百選」

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