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2014年10月15日 (水)

「第四百三十五話」

 優しい話が書きたくて、俺はどこまでも真っ直ぐな道を孤独を満喫しながら車を走らせ、浮かんで来る無数のアイデアと一人戦っていた。
「庭でのんびり日なたぼっこしてたら向日葵に話し掛けられたみたいな感じで今から話す話を聞いてくれ。」
「想像も出来ない感覚だよ!どんな話が展開されんだよ一体!」
「この前な。庭で向日葵に話し掛けられたんだよ。」
「まんま展開されちゃったよ!?」
「向日葵が言うんだよ。チャーハン食べたいってさ。」
「どこかの国のジョークを展開してんのか?」
「ジョーク?これがジョークだったらどれほど幸せか。チャーハン食べたいって向日葵が言ったあと、僕は間髪入れずに向日葵に食べられたんだぞ!チャーハン食べたいって言った矢先にだ!チャーハン食べたいって、食い気味に食われたんだぞ!何か?僕はチャーハンか?」
「とにかく言いたい事はたくさんあるけど、厳選して厳選して一言言わせてくれ。」
「どーぞ。」
「生きてるじゃん!」
「生きてるよ!」
「いや、生きてるよじゃなくて!向日葵に食われたんだろ?」
「食われましたよ!食い気味に食われたよ!びっくりしたよ!まさか向日葵が人間を食うなんて思わなかったからさ!人食いザメや人食いワニやゾンビなら分かるよ!けど、向日葵だぜ?僕の身の丈程の向日葵だぜ?食うかね?僕を!丸呑み!」
「スゲェ喋るな!?所々ツッコミ所満載にスゲェ喋るな!?まず食われた事にびっくりする以前に向日葵が話し掛けて来た時点でびっくりしろ!」
「いや、向日葵が話し掛けて来るのは古文書で読んだ事があったからさ。」
「おい!1つのツッコミ所を処理しきれてないのに次のツッコミ所に誘うな!」
「古文書には、こう書かれていたんだ。コットン100%ってね。」
「それは洋服とかに付いてる洗濯する時に役立つ情報の出所だ!仮に古文書にそう書かれてたんなら!お前はなぜコットン100%で向日葵が話し掛けて来るって解釈を!」
「古文書に書かれたコットン100%は、向日葵が話し掛けて来るって意味なのは、古文書界ではあまりにも有名な話だぜ?」
「どんなあるあるだよ!古文書界って何なんだよ!そんなこんなでとにかく俺が言いたいのは!とどのつまり向日葵に丸呑みされたのに生きてんじゃん!お前、生きてんじゃんか!」
「ああ。」
「ああ、じゃなくて!何だよ、ああって!俺の勢いを全て受け流すような護身術の如く、紳士の如く、ああ、は何なんだよ!」
「向日葵に丸呑みされても死なないんだよ。」
「はあ??」
「別に向日葵に丸呑みされても、だただた向日葵に丸呑みされただけなんだよ。花火大会を見に行った。スイカ割りをした。向日葵に丸呑みされた。そんな他愛ない絵日記のような出来事なのさ。考えてもみろよ。お前、向日葵に丸呑みされて死んだってニュース聞いた事ないだろ?」
「向日葵に丸呑みされて死んだってニュース聞いた事ないけど、向日葵に丸呑みされて生きててもニュースになるだろ!そもそもだったら人食いザメや人食いワニやゾンビの例えおかしいだろ!何だこれは!やっぱりどこかの国のジョークを展開してんのか!」
「ジョーク?これがジョークな訳がないだろ!毒向日葵や人食い向日葵やゾンビ向日葵だったら僕は今頃死んでたんだぞ!丸呑み向日葵で良かったなって話だろ!」
「初めての話にいっぱいの初めてを盛り込んで来んな!」
「お前、古文書って燃やすとどうなるか知ってるか?」
「何で今更、古文書の話に戻るんだよ!知るかよ!あれじゃないのか?何か別の古文書が出現するとかじゃないのか?」
「燃えかすになる。」
「普通の展開!?大概の書物がそうなるだろ!」
「でもな?その燃えかすの上で転がるとどうなるかは予想を上回るだろ?」
「上回ったか下回ったかは、話の続きを聞かなきゃ分からないだろ?」
「真っ黒!」
「よくもそんな普通の展開をミステリアスに話そうと試みたな!」
「でもな?そのまま家に帰ったらどうなるかまでは分からないだろ?」
「そもそもこれって古文書関係あんのか?」
「古文書の燃えかすの上で転がって家に帰ったが為の大どんでん返しが待ち構えているんだよ!」
「じゃあ、家に帰ると魔法使いがいるとかか?」
「お前、どこの古文書の話をしてんだよ!」
「お前がだ!」
「そんな古典的で非現実的な事が巻き起こる訳がないだろ!」
「古典的で非現実的って、どう捉えたらいいんだよ!だったら、どうなるんだよ!古文書の燃えかすの上で転がって家に帰ったら、どんな展開が待ち構えてるんだよ!」
「お母さんに怒られる!」
「妥当だよ!泥だらけの時と同じ展開だよ!」
「実際には、泥だらけの時より3ぐらい違うけどな。」
「何の数字だそれは!3ぐらいなら同じでいいだろ!」
「お前!この3をただの3だと思うなよ!」
「いや、そもそもの3が何の3なのかが分からないから!」
「あの3とは全くの別物だからな!」
「どの3だよ!」
「だから!!」
「何でキレられてんだ?俺は?」
「この場合の3は、普通の数にしたら8だよ!」
「家に帰った時のお母さんが怒る指数とか知らないから!いや、んなもん無いから!で、8ならやっぱり大しての範囲内だろ!」
「お前!この8をただの8だと思うなよ!」
「どこまでこんなどうでもいい訳の分からない数字の話をするつもりだ!」
「ごめん。お前にはまだ早かったかな。」
「訳の分からない話を持ち出して俺を見下すな!」
「お前、将来の不安ある?」
「え!?急に真面目な展開!?」
「ある?」
「まあ、そりゃあ、あるよ。誰だってあるだろ?お前だってあるだろ?経済的な不安とか、健康面の不安とか、介護の不安とか、考え出したらキリがないよ。」
「いや、明日地球が粉砕したらの不安。」
「将来で明日持ち出して来んなよな!で、ねぇよ!地球が粉砕したらの不安なんて1度も抱いた事がねぇよ!」
「お前、おこがましいな。」
「どちらかと言ったらお前がだろ!何だよ明日地球が粉砕したらって!相変わらずどこかの国のジョークを展開してんのか?そんな不安を毎日抱いて生きてたら生きてられるか!」
「お前、道でマッチョと擦れ違う時があるだろ?」
「何でマッチョが登場人物として出て来るんだよ!」
「いいから聞け!」
「お前の話を聞いて良かった展開ないぞ?」
「聞け!!」
「話せ!!」
「道じゃなくても公共の場でマッチョを見掛ける事があるだろ?」
「あるよ!」
「そん時に不安が脳裏を横切らないのか?」
「どんな不安が横切るんだよ!」
「あのマッチョが激怒して地面を殴ったら明日地球が粉砕するんじゃないかって不安だろ!」
「横切るか!だいたいそのタイムラグは何なんだよ!地面殴ったらその瞬間に粉砕なんじゃないのかよ!」
「マッチョ指数×地球のコアまでの距離÷重力=明日、だろ!」
「何だその数式!どんな博士がどの面下げて導き出した方程式だ!」
「まあ、明日ってのは世界最強のマッチョを当てはめた場合で、そこら辺のマッチョだったら約120年ってとこかな?」
「なら俺の将来の不安の範囲の遥か先を行ってんじゃねぇか!」
「だけど世界最強のマッチョだったら明日だぞ!世界最強のマッチョ怒らせて地面殴られたら明日なんだぞ!」
「だったらその世界最強のマッチョを死ぬまで激怒させなきゃいいだろ!」
「な、何て優しい発想なんだ!?」
「まず最初に辿り着く発想だろ!」
「丸呑みマッチョ向日葵だったらどうする?」
「丸呑み向日葵ですら想像出来てないのに更にその上を行く向日葵を想像出来てたまるか!燃やせばいいだろ!」
「そんな事したらその燃えかすの上で転がって、家に入ろうとしたらマッチョお母さんが絶対激怒で地球粉砕だろうが!」
「どこの国のジョークを展開してんだ一体!」
優しい話が書きたくて、俺は相変わらずどこまでも真っ直ぐな道を孤独を満喫しながら車を走らせ、浮かんで来る無数のアイデアと一人戦っている。

第四百三十五話
「ボツ」

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