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2015年2月11日 (水)

「第四百五十二話」

「は、博士!?こ、これは!?」
「人造人間出来ちゃった!」
「人造人間出来ちゃったって何ですか!声が少し似てるから試してみたら出来たモノマネみたいに言わないで下さい!と言うか何で人造人間?何で人造人間を?」
「何かな?ワシさ。前々から、人造人間を造れるんじゃないか、人造人間を造れるんじゃないかって思って生きてたんだよ。」
「だからって本当に造っちゃダメでしょ!そう言うのは心の中で留めとかなきゃダメでしょ!」
「ワシだって、まさか昨晩キミがブスだけど性格しか良くない奥さんの誕生日だから早く帰るって、研究所を出て行った時には、ブスだけど性格しか良くない奥さんの誕生日を終えてキミが研究所に来るまでに人造人間が出来ちゃうとは思ってなかったわい!」
「何で僕の奥さんを違う角度から同じ感じで悪口言うんですか!ブスでいいじゃないですか!性格しか良くないでいいじゃないですか!あのね?博士は、知らないと思いますが、いや知りませんよ。だって今初めて話すんですからね。実はね。今朝、妻とケンカしたんですよ。妻とケンカしただけじゃありませんよ。今朝は散々だったんですよ。ケンカに至るまで散々だったんですよ。寝癖がなかなか直らないし歯磨きしようとしたら間違って洗顔クリームを歯ブラシに付けちゃうし床に落ちてた爪を踏むし朝食のパンは焦げてるし寝癖は直らないしお気に入りの服が虫に喰われてるしお気に入りのズボンはジッパーが壊れてるし寝癖は直らないし自転車のチェーンが外れてるし手は汚れるし寝癖は直らないし爪踏むし出掛けに妻に今日も可愛いねって言ったらぶっ飛ばされるし寝癖は直らないし大夫婦喧嘩に発展するし研究所に来てみたら博士が人造人間完成させてるしで!散々な目のオンパレードなんですよ!」
「おい、それは言い掛かりってもんだろ?ワシがキミの散々な目の請け負う部分は人造人間出来ちゃったとこだけだろ?あとは、朝にありがちなパターンがたまたま重なっただけで、ブスに可愛いだなんて、おべんちゃらを使うキミがいけないんだろ?ブスで性格しか良くない奥さんには、キミが誠意を持って帰ったら謝罪すべきだ!」
「人の奥さんをディスるのやめてもらえません?考えてみたら、ブスとか性格しか良くないとか言わないでよくない?奥さんだけでよくない?」
「変な髪型!」
「急にターゲットを僕に変更ですか!だから寝癖が直らなかったんですよ!だいたい髪型の事で博士にとやかく言われたくないですよ!」
「ツルッパゲだもんね!」
「昔の話をしてるんです!」
「昔か、昔は良かったなぁ。飛行機はちゃんと空を飛んでたし船はちゃん海を渡ってたし人はちゃんと歩いてたしでな。」
「今も飛行機はちゃんと空を飛んでるし船はちゃんと海を渡ってるし人もちゃんと歩いてるでしょ!どう言う時代に生きてる設定なんですか!そんな事よりも!そんな事よりもですよ!博士!どうするつもりですか!」
「それはワシに委ねるよりもキミの問題だろ!キミ達夫婦の問題だろ!ワシがアドバイス出来る事と言ったら、今すぐ整形手術しなさいとしか言えないだろ!そんな失礼な事をキミはワシに言わすつもりか!」
「言ってるじゃないですか!誰が僕ら夫婦の話をしてるんですか!この人造人間をどうするつもりですかって話でしょうが!」
「考え中だ。」
「まさか博士!この人造人間を使って悪い事を企んでるんじゃないでしょうね!」
「悪い事?」
「強盗させたりするんじゃないでしょうね!」
「ワシがそんな事、企む訳がないだろ!悪い事が嫌いなワシが!」
「だったら、もしかして良い事を企んでるんですか?」
「良い事?」
「そうです。この人造人間に人命救助させたりです!」
「ワシがそんな事、企む訳がないだろ!悪い事と同じぐらい良い事が嫌いなワシが!」
「それは人間としてどうなんでしょうか?なら、この人造人間はどうするつもりですか!」
「考え中だと言ったが、既に答えは出ているんだ。」
「なら考え中とか言わないで下さい。で?どうするつもりなんですか?」
「壊すよ。」
「壊す!?壊すって何ですか!何で壊すんですか!」
「いいか?謂わば、この人造人間は不本意に造られたもんなんだよ。たまたま出来ちゃったもんなんだよ。声が似てるから試してみたら、たまたま出来ちゃったモノマネを葬儀の席で披露するか?しないだろ?したら怒られるだろ?」
「葬儀の席でモノマネを披露するからですよ!」
「怒られるの嫌なんだよ。ワシはな。怒られる事が悪い事と良い事と同じぐらい嫌いなんだよ。」
「だから葬儀の席でするから怒られるんですって!」
「モノマネの事を言ってるんじゃないよ!この人造人間の事を言ってるんだ!いいか?人造人間を造れるんじゃないかって思ってて、何となくテレビ観ながら何となく明日の昼食は何にしようかって何となくそう言えば最近流れ星見てないなって何となく外に出て何となく昔を思い出しながら何となく黄昏て何となく朝を迎えて何となく出来ちゃった事は凄い事だ。」
「凄い事ですよ。何となくの連鎖の上に完成されたとは思えない完成度ですよ!ほぼ人間ですよ!ちょっと怪物みたいな顔立ちのほぼ人間ですよ!」
「だが、凄い事も怒られる事と悪い事と良い事と同じぐらい嫌いなんだよワシは!」
「博士やめちゃえ!凄い事も怒られる事も悪い事も良い事も嫌いなら博士やめちゃえ!」
「大体、人造人間なんて倫理的に大問題だろ。」
「え?今更それ言います?カバ見たいって言うから動物園に連れてったらカバ恐いってドン引きするみたいな事ですよ?言われたこっちがドン引きみたいな事ですよ?」
「それはキミの奥さんがカバだからだろ!」
「奥さんがカバってどう言う事ですか!」
「じゃあ、とりあえずオノで首を切り落とすぞ!」
「とりあえずでやる事じゃないでしょ!」
「とりあえずやる事じゃない?こんな事はな。とりあえずでやらなきゃ出来た事じゃないんだよ。寒い朝にベッドから飛び起きる時のあの感覚だよ。湖畔でボーッとしてて車のエンジンをかける時のあの感覚だよ。せめて目を覚ます前に切り落としてやるのが優しさってヤツだろ。」
「優しさって!いいですか?博士は、何となくでもたまたまでも命ある人造人間を造ったんですよ?それを倫理的に大問題とか言ってとりあえずオノで首を切り落とすっては倫理的に大問題なんじゃないですか!」
「知らん!」
「あっ!」

第四百五十二話
「オノ研究所」

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