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2015年10月14日 (水)

「第四百八十七話」

 俺は、死ぬほど金に困ってた。死ぬほど金に困ってる人間がとるバカな行動は、そのまま死ぬか、人の金を奪うかだ。俺は、死に場所を探してた。気付くと夜中で、気付くと知らない町を歩いてた。立ち止まって月が綺麗だななんて思った次に気付くと俺は、知らない人の家にいた。魔が差した。気付くと体は勝手に金目の物を探してた。何でもいい!何か金目の物を!俺は必死で探した。だが、ない!金目の物がない!
「えっ?」
気付くと部屋の明かりが点いて、目の前にはゴルフクラブを手にした爺さんが立っていた。
「よ、よせ。」
俺の声にもならない声は、爺さんの耳には届かなかった。爺さんは、ゴルフクラブを振り上げて俺に襲い掛かって来た。
「よせぇぇぇぇぇ!」
気付くと部屋は静寂だった。花瓶を手にした俺は、頭から血を流して床に倒れる爺さんを見下ろしていた。
「だ、大丈夫か!?今、救急車を呼ぶ!」
「ま、待て。」
これは、罰なのか?死ぬか人の金を奪うかの選択肢しか頭になかった俺への罰なのか?俺の手を両手で握り締めて爺さんは、最後の力を振り絞って言った。
「今日からキミが神様だ。」
そう言うと爺さんは、死んだ。そして、俺は神様になった。

第四百八十七話
「貧乏神」

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