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2015年12月16日 (水)

「第四百九十六話」

「まずは、スープから。」
「まずは、サラダから。」
「何を!?隣の客!」
「こっちこそ何を!」
「まずは、スープからが基本だろ!」
「まずは、サラダからが基本に決まってるだろ!」
「何ページにそんな基本が書いてあったんだ!」
「259ページだ!」
「そんな後ろの方に基本が書いてあるか!」
「書いてあるもんは書いてあるんだからしょうがないだろ!」
「捨てちまえ!そんな本!」
「何で隣の客に言われて捨てなきゃならないんだ!だいたい、そっちは何ページに書いてあったんだ!」
「258ページだ!」
「たかが1ページ違いだろ!」
「されど1ページ違いだろ!」
「1ページだぞ!1ページ!」
「1ページに笑い!1ページに泣く!」
「何でスポーツみたいな解釈になってんだよ!1ページ!」
「1ページはスポーツだ!」
「本だ!」
「ほぼスポーツだ!」
「話にならないな!」
「こっちの台詞だ!」
「そんな大声出すヤツとは話にならない!」
「どちらかと言えば、そっちの方が声大きいからな!」
「この世にまだ、小声を知らないヤツがいるとはな!」
「知ってるわい!」
「肉が冷めるわ!」
「こっちの台詞だ!」
「午後の会議に遅れるわ!」
「こっちの台詞だ!」
「嫁に怒られるわ!」
「こっちの台詞だ!」
「病気になるわ!」
「こっちの台詞だ!」
「こっちの台詞だしか言えないのか!」
「こっちの台詞をそっちが先に言うから他に言いようがないだろ!」
「じゃあ、どーぞ!」
「いえ、どーぞ!」
「いやいや、どーぞ!」
「いえいえ、どーぞ!」
「いやいやいや、どーぞ!」
「いえいえいえ、どーぞ!」
「どーぞ!どーぞ!」
「どーぞ!どーぞ!どーぞ!」
「そうですか?」
「どーぞ!」
「嫁に怒られるわ!」
「こっちの台詞だ!」
「私にも!こっちの台詞だを言わせろ!クソ!何がなんでも私に、こっちの台詞だを言わせないつもりだな!言ってやるぞ!こっちの台詞だを!絶対に言ってやるからな!こっちの台詞だを必ず!」
「めちゃくちゃ言ってるだろ!」
「こう言う感じで言ったってな!全然こっちの台詞だ感なしだろ!」
「どんな執着だよ!」
「こっちの台詞だを正式に使えてる人間には分かるまい!」
「論点がズレズレだろ!」
「いいか?隣の客!この世は自由だ。」
「何の話だ?」
「この世は、自由過ぎるぐらい自由だ。」
「だから、何の話だ?」
「むしろ自由過ぎて、逆に不自由なくらいだ。」
「何が言いたいんだ?」
「何をしたっていいって事を言いたいんだ。」
「いや、何が言いたいのか全く分からない。」
「だから!結局は、世の中いろいろと自由だけど、まずは、スープからってのは自由にねじ曲げちゃいけないって事を最終的に言うから聞けよ!途中でゴチャゴチャ言うなよ!隣の客!」
「いやもう、何だかんだで言いたい事を聞いちゃったから、それに至るまでの話はいいよ。まずは、サラダからだしさ。」
「えーと、何をしたっていいって事を言いたいんだ。」
「いや、話さなくてもいいよ。」
「人を殺すのも自由。」
「いや違うだろ。」
「人の物を盗むのも自由。」
「いや違うだろ。」
「会議中に寝るのも自由。」
「急にランクが下がったけど、それも違うだろ。」
「裸で街を歩くのも自由。」
「自由じゃないだろ。」
「何が言いたいのかって言うとだ!ダメだと言われてる事も結局は自由に出来てしまうって事だ!やっちゃいけないって事も結局は自由に出来てしまうって事だ!でもな?そんなやろうと思えば自由に何でもかんでも出来てしまう世の中でもな?まずは、スープからのルールだけは破っちゃならんっ!!」
「さっき何となく話の最後を聞いちゃったから、その迫力は無駄の何ものでもないけど?それに、まずは、サラダだ!」
「この隣の客だけは、こんだけ言っても分かんないのか!」
「こんだけ言ったって言っても、とてつもなく訳の分からない事を言ってただけだろ!」
「まずは、サラダから食べてみろ?死ぬぞ!」
「生きてるだろ!ずーっと、まずは、サラダからでこうして生きてるだろ!」
「いや、死ぬ!」
「何十年も生きてるよ!」
「絶対に死ぬ!」
「絶対に生きてるのが分からないのか?」
「人間はいつか必ず死ぬ!人間とはそう言う生き物だ!」
「何の話にすり替えてんだ!」
「人間とはいつか必ず死ぬ生き物って話にすり替えたんだ!」
「堂々とすり替えを認める!」
「私はな。まずは、スープからの人間である前に、堂々とすり替えを認める人間なのです!」
「会話しにくいったらありゃしないもんだ!」
「ありがとうございます!」
「いつ誉めた!」
「さてと、いろいろと分かってもらえたとこで、食べますか!」
「何も分からせてないからな!」
「まずは、スープから。」
「まずは、サラダから!」
「何を!?隣の客!」
「こっちこそ何を!」
「まずは、スープからが基本だろ!」
「まずは、サラダからが基本に決まってるだろ!」
「何ページにそんな基本が書いてあったんだ!」
「またそこから始める気か!」
「どこからだって始めるさ!私は、どこからだって始める人間だからな!」
「どんな人間なんだか分からん!」
「スープだ!」
「サラダだ!」
「まずは、肉からね。」
「「えっ!?」」

第四百九十六話
「ステーキハウスリバティ」

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