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2016年1月 6日 (水)

「第四百九十九話」

「・・・・・・ん?」
頭がボーッとする。ここは?どこだ?グラス?ボトル?どっかのバーで酔い潰れたのか?ダイス?何だ?記憶が、思い出せない。
「ここは?」
バーじゃない。バーって雰囲気じゃない。部屋?地下室?何だ?全く記憶を辿れない。
「ジャー!」
トイレ?誰か他にも居るのか?ここは、その誰かの家か?家にしてはまるで生活感がない。廃墟の一室って感じだ。駄目だ。頭も視界もまだ戻らない。椅子から立ち上がったら、そのまま床に倒れそうだ。えっ!?
「嘘だろ!?」
死体?人形?服装からしたら、女性だ。あれは、血か?頭から血を流して倒れてるのか?人形じゃなくて死体だとしたら、どう言う事だ?まさか俺が殺したのか?それとも、トイレの中に居る誰かか?何が起きた?一体この部屋で何が起きたんだ?俺は、別に拘束されてる訳でもない。グラスは?四つ。四つ!?俺とトイレの誰かと女性とまだ一人居るのか?
「な、何!?」
女性の反対側にも!?服装からすると男、しかも老人だ。やっぱり頭から血を流して倒れてる。
「お、おい!」
駄目だ。やっぱり女性も老人もきっと死んでる。ダイス?8つのダイス。何か賭け事をしてたのか?俺達四人は、ここで酒を飲みながら賭け事を?思い出せない。何でこんなにも記憶が?
「え!?」
あれは、銃か?賭け事って、命を賭けてたって事か?何で!何で俺がそんなゲームに参加しなきゃならないんだ?ん?部屋の隅に鞄がある。
「まさか!?」
大金が入ってるのか?この命を賭けたゲームに勝った人間が大金を手にする事が出来るってのか?そんな馬鹿げたゲームが現実に存在するってのか?
「・・・・・・・・・。」
いや、完全に否定する事は無理だ。今の俺の状況で、それを完全に否定出来ない。むしろ、可能性としたらそんな馬鹿げたゲームに参加してしまったって方が高い。
「ちょっと待てよ?」
だとしたら、ゲームはまだ続いてるって事じゃないか!トイレの奴が戻って来たら再開されるって事じゃないか!何て事だ。逃げよう!大金なんかいらない!きっとここまで生きてたのが奇跡なんだ!酔っ払った勢いでこんなゲームに参加するなんて、俺は大馬鹿野郎だ!あそこの扉まで!
「どこかへお出掛けかな?」
「えっ?」
「まだ、ゲームは終わってないんだ。座ったらどうだ?」
「金なら、アンタにくれてやる。だから、俺は帰る!」
「くれてやるって、そりゃあそうだろう。」
「えっ?」
「4、6、11、12。俺の勝ちだ。」
「何っ!?」
既に終わってたのか!?ゲームは既に終わってた?俺は、負けてるのか?殺される!俺も床の二人と同じ様にこの男に殺される。
「急に腹が痛くなってな。飲み過ぎたかな?さあ、ゲームを終わらせようか。」
「バン!」
「てめぇ!何してんだ!」
「テーブルの上に銃を置いてトイレに行くなんて、間抜けだな。」
「この野郎!」
「バン!」
「ぐはぁっ!」
「死ぬのは、アンタだ!」
「ふふ、ふははははははははは!」
「おかしくなったのか?いや、そもそもこんなゲームにまともに参加してる時点で狂ってる!」
「お前のこの先の人生を嘲笑ってんだよ!」
「何だと?」
「おい、間抜けはどっちだ?」
「何を言ってる!」
「お前、ここで本当に大金を賭けての命の奪い合いのゲームが行われたと思ってんのか?記憶、無いんだろ?」
「何?どう言う事だ!」
「ただ、ここで目覚めただけなんだよ。そう、別に二日酔いで記憶が吹っ飛んでる訳でもない。そもそも記憶があるはずがない。お前が勝手にシチュエーションから記憶を作り出しただけなんだからな。」
「何だと!?」
「間もなく警察がここへ来る。お前は、強盗して仲間割れで三人を殺した凶悪犯だ!」
「まさか!?あの鞄の中身は!?」
「宝石だ。」
「何の為に!何の為にこんな事を!」
「これは、そう言うゲームなんだよ。」
「ふざけるな!」
「ふざけちゃいない。真面目なゲームさ。ふふ、ふははははははははは!」
「バン!」
俺は、これから一体どうなるんだ?

第四百九十九話
「バッドモーニング」

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